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鈴木 篤之
Risk Analysis, 34(7), p.1240 - 1256, 2014/07
被引用回数:14 パーセンタイル:71.17(Public, Environmental & Occupational Health)福島事故は基本的な問題を提起した。科学技術は、特に頻度が低く高い影響を及ぼす必然的な重大事故を防ぐことは可能か?この問題はスリーマイル島やチェルノブイリ事故前に、Alvin Weinberg氏によって提唱され、長年にわたり難題となってきたトランス・サイエンスを思い起こさせる。本稿ではWeinberg氏が掲げた問題を再考しながら、事故原因の背後に横たわる社会技術や人間の行動の側面に特に焦点を当て事故の本質を見抜くことを目的としている。具体的には、リスク管理の意思決定プロセスに関する行動科学のアプローチに沿って課題達成のための革新的な方法の検討を行った。これらには情報の非対称性を伴う人間の行動のリスク管理、コミュニケーション行動との合理的なコンセンサスの探求、外部環境との相互作用を介した手続き的合理性の追求などが含まれる。本稿では、国内外の関係者との双方向のコミュニケーションの基盤となるよう、新たに生じるニーズをわが国の安全管理の枠組みに変えることについて論じている。
梅木 博之; 若杉 圭一郎; 石原 義尚; 長谷川 秀一*; 鈴木 篤之*
WSES/IEEE会議, 0 Pages, 2001/00
高レベル放射性廃棄物・地層処分システムの人工バリア中核種移行解析は、これまで差分法による計算を行っており、第2次取りまとめレファレンスケースの解析は、SUNで約2週間、DEC-で20分程度の時間を必要としていた。本研究では、ウェーブレット・ガラーキン法を採用した方法により解析コードを作成し、サイクル機構殿が国に提出した第2次取りまとめレポートのデータセットに基づく解析を行い、通常のパーソナルコンピュータを用いた場合、約2分30秒で解が得られ、計算の効率化を実現できたことや、正確な解が得られることを確認した。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
JNC TJ1400 99-028, 62 Pages, 1999/02
前半部では、非結晶性鉄酸化物コロイド粒子へのNpO/SUB2/SUP+の吸着拳動に関して吸着平衡と吸着速度という2つの観点から検討を加えた。その結果、吸着挙動はバルク溶液とコロイド粒子外表面間の遠い吸着と、コロイド粒子内のマイクロポアに拡散し吸着する遅い吸着の2つのステップから構成されることを明らかにした。また、外表面へのNpO/SUB2/SUP+の吸着が内圏型吸着であること、マイクロポア内の表面拡散係数が2.010/SUP-13cm/SUP2/Sであることを示した。後半部では、ab initio計算法を用い、数種類のウラニル錯体の振動数を評価しラマン分光などの実測結果と比較するとともにウラニルイオンの水和の影響について考察を行った。また、銀コロイド粒子へのウラニルイオンの吸着挙動の解析を行い、ラマン分光法の実験結果とも合わせて、内圏型での吸着の可能性が高くそのときの銀-ウラン原子間距離が3A○であると評価した。
前川 洋; 向山 武彦; 山根 剛; 宮崎 芳徳*; 平川 直弘*; 鈴木 篤之*; 竹田 練三*; 早川 均*; 川島 正俊*; 那須 速雄*; et al.
日本原子力学会誌, 40(12), p.963 - 965, 1998/12
国際科学技術センター(ISTC)の科学諮問委員会(SAC)が企画した第1回のセミナーが、ロシア連邦最大の秘密都市サロフで1998年6月22~25日、開催された。本セミナーの目的はトピックスに対する現状の総括、ISTCプロジェクトの成果、今後の課題等を議論し、有益で効果的なプロジェクトを提案実施するための指針をCISの科学者に与えることにある。ロシア外から39人の計102人の参加があり、日本から14人が参加した。セミナーは、セッションごとにトピックスに関する基調講演、4~7件の口頭発表に引き続き、1~2人によるコメントの発表と討論を行う形で進められた。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 98-002, 71 Pages, 1998/03
前半部では、ウランとコロイド粒子との固液界面における結合状態を解明するための方法論確立のため、レーザラマン分光を用い、銀コロイド表面に吸着したU(VI)イオンのSERSスペクトルの測定を行った。吸着に際して配位子を部分的に開放するか全く開放しない形で吸着することを明らかにするとともに、各ラマンシフトの同定を試みた。また、同位体効果や偏光ラマンの適用可能性を検討した。後半部では、Np(IV)のベントナイトへの吸着挙動をバッチ法により測定し、表面錯体モデルの有効性を明らかにした。さらに圧密ベントナイト中におけるNp(IV)の拡散を調べ、拡散と表面錯体を同時に考慮してフィッティングを行った。最後に、ベントナイトコロイドと結合したNp(IV)のカラム内移行実験を行い、コロイドを形成することで移行が促進される可能性を示した。また、移行モデルとの比較を行った。
福田 卓*; 長崎 晋也*; 颯田 秀雄*; 田中 知*; 鈴木 篤之*; 田中 忠夫; 村岡 進
Radiochimica Acta, 82, p.239 - 242, 1998/00
酸化還元に敏感なTRU核種の地層構造物質への吸着脱離挙動を調べるため、鉱物の主要な構成成分であるMnO,FeOOH及びAlOを対象として、酸化還元に敏感なTRU核種模擬元素:Ce(III)及び安定な元素:Nd(III),Eu(III)のバッチ法による吸着実験及び脱離実験をpH条件を変化させて実施した。吸着実験において、MnOに対するCeの吸着率は、Ce-FeOOH系、Ce-AlO系、Nd-MnO系及びEu-MnO系に比較して大きく、Ce(III)からMn(IV)への電子移動を伴うCeの酸化物反応が関与している可能性を示した。脱離実験の結果、一部のCeはMnO粒子と結合した形態で脱離する過程を含むことを見いだした。これらの結果をもとに、MnO界面におけるCeの吸着メカニズムと酸化還元のメカニズムについて検討した。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 97-001, 57 Pages, 1997/03
日本産出の分散モンモリロナイト微粒子へのAm3+ならびにランタニドイオン(Ln3+:Nd3+、Eu3+、Gd3+)の吸着特性を測定した。吸着比のNa+濃度依存性より、Na+とAm3+あるいはLn3+との吸着反応の化学両論関係は、イオン交換反応の理論と同様に1:3であることがわかった。また、吸着は水和自由エネルギーにより整理できることがわかった。Na+とCa2+による吸着反応への競争の影響を検討し、選択係数ならびにLangmuir型吸着等温線により議論した。Am(III)およびNp(V)の移行挙動をカラム実験により測定し、カオリナイトコロイド粒子との疑似コロイド形成による影響を検討した。カオリナイトコロイド粒子が移行可能な化学条件では、AmもNpもともにある割合の成分がトリチウム水の移行速度と同程度の速度で移行することがわかった。また、コロイドの吸着・脱着挙動は、ファンデルワールスポテンシャルと電気2重層ポテンシャルを考慮することで予測できる可能性が示された。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 96-001, 67 Pages, 1996/03
天然バリアを構成する岩盤の中で人工バリアに交差した亀裂では、亀裂中のある領域まではベントナイトで充填されているものと考えられている。人工バリア中での放射性核種の拡散は亀裂充填ベントナイト中を移行し、亀裂ネットワーク中の地下水流に放出されるが、こうした核種移行プロセスは人工バリアと天然バリアとの間の掘削影響領域に影響されることが予想される。しかし、このプロセスは非常に複雑であるため、掘削影響領域を模擬しアクチニド元素の吸着やコロイド形成機構等を考慮した実験並びにモデルに基づいた数値解析が必要である。そこで本研究では、ベントナイトで充填された仮想的な岩盤亀裂中での種々の酸化還元電位(Eh)に対して、アメリシウム、ネプツニウムの吸着分配係数を実験により測定した。このとき、Ehの関数として実験的に求められたKdを用いることにより、ベントナイトで満たされた亀裂中での放射性核種の移行を数値的に評価することができる。ベントナイトで満たされた亀裂中から天然バリア内亀裂ネットワークへの物質輸送についてシミュレーション解析を行った結果、ウランの同位体と娘核種の移行には影響がないことがわかった。さらに、遺伝的アルゴリズムとファジー理論との融合による解析手法を用いて人工バリアにおける放射性核種の移行に関する不確実性解析を行った。
鈴木 篤之*; 大沢 正秀
PNC TJ1553 93-001, 44 Pages, 1993/09
I団員名簿II調査日程III交流会・視察及び討論1.北京核工程研究設計院における交流会2.視察及び討論(1)地下研究施設立地候補サイト視察(2)核工業北京地質研究院における討論(3)核工業北京地質研究院視察(4)中国原子能科学研究院視察IV中国核工業総公司との総轄懇談
鈴木 篤之*; 長崎*
PNC TJ1602 93-002, 75 Pages, 1993/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分の性能評価を実施する場合、人工バリア中ならびに天然バリア中における核種、特にアクチニド核種の移行挙動の把握が重要となる。しかし崩壊系列を構成するアクチニド核種に対して、亀裂媒体中での崩壊系列を考慮した研究は十分にはなされてきていない。また、核種移行挙動に及ぼすコロイド粒子形成の重要性が指摘されてきているが、人工バリア中ならびに地下水中におけるアクチニド核種のコロイド粒子形成に関する知見も十分とはいえない。本研究では、亀裂媒体中において任意の長さの崩壊系列を考慮できる移行解析コードを開発し、そのコードを使用して天然バリアの有するバリアとしての性能を評価した。また、人工バリア中における移行が重要視されるAmについて、ベントナイト平衡水中におけるコロイド粒子形成挙動を明らかにするとともに、ベントナイトへの吸着に及ぼすコロイド粒子形成の影響についても解釈を加えた。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 92-001, 75 Pages, 1992/03
高レベル放射性廃棄物処分システムの性能評価を実施する場合、人工バリア中あるいは天然バリア中におけるアクチニド元素の移行挙動の把握が重要となる。近年、特にコロイドを形成したアクチニド元素の挙動の重要性が指摘されてきているが、その挙動に関する知見は十分には得られていない。本研究では、酸化性雰囲気のもと鉄真性コロイドおよびネプツニウム擬似コロイドの石英充填カラム内の移行挙動を検討した。その結果、コロイドの移行成分は、溶離液と同じ速度で移行する成分、遅延する成分、溶離液より速く移行する成分に分けられることがわかった。またそれぞれの移行メカニズムに関する定性的な解釈を加えることができた。
野村 靖; 鈴木 篤之*; 金川 昭*
JAERI-M 90-127, 575 Pages, 1990/08
再処理施設の事故時安全性評価を行うために必要となる、事故時における放射性物質の放出率、透過率等の、移行挙動に関する各種基礎データを調査し、収集・整備した。調査対象は、米国の標準データである。ANSI推薦値の基となったE.Walkerの報告書、及び参考文献とし、データ導出根拠を元の文献に立ち返って調査することとした。また、これに関連して最近公開されたデータを記載した報告書も、できるだけ調査対象とした。さらに国内外の再処理関連施設の安全評価に使用されたデータを調査し、上記の米国標準データと比較・検討した。本報は、日本原子力研究所が(財)原子力安全研究協会に委託した「再処理施設安全評価用基礎データ調査」の2年間にわたる調査の成果をまとめたものである。
鈴木 篤之*
PNC TJ8602 90-001, 77 Pages, 1990/03
分子中のCO/SUB2レーザーパルス伝播特性を実験的に調べ、その結果を数値モデルと比較した。試料としては、レーザーによる炭素同位体分離法において有望な作業物質であるCF/SUB2/HClを用いた。試料を封入したセルを透過したレーザーパルスの時間変化を測定したところ、半値幅が減少するという可飽和吸収に類似した非線形な吸収が観測された。この非線形吸収は赤外多光子解離が生じる条件でのみ観測された。また、パルス半値幅の減少はレーザー波長を共鳴に近付けるほど、あるいは試料圧力を増加するほど顕著になる。反応装置の大型化の観点から、有効光路長を決定する際にこの非線形吸収効果を考慮する必要があると考えられる。
岡本 毅*; 鈴木 篤之*; 西村 秀夫
JAERI-M 89-059, 18 Pages, 1989/05
遠心分離法ウラン濃縮プラントの保障措置についてはHEXAPARTITEプロジェクトにおいて議論が行われ、「頻度限定・無通告」方式による査察を行うことで合意が得られている。大型商用施設に対しても同様の手法が採用されると考えられるが、このような施設では濃縮能力の拡大、機微な情報を保護することの重要性から、適用すべき保障措置の態様については十分な検討が必要とされる。本報告は、遠心分離法による大型商用ウラン濃縮プラントの保障措置システム設計のために行った、モデル施設の工程シミュレーション研究の結果得られた成果の一部を取りまとめたものである。まず、起動時の過渡特性について解析し、次にカスケードの特性パラメータの操作によるプロダクト濃度の変動を調べた。この結果、90%までのカスケード効率低下を許容することで、核燃料として必要な核種濃縮度の低濃縮ウランの生産が可能であることが分かった。
松鶴 秀夫; 鈴木 篤之*
Nucl. Chem. Waste Manage., 9, p.45 - 56, 1989/00
天然バリアへの放射性核種の移行量(ソースターム)を評価するため、工学的処分施設(人工バリア)からの放射性核種の漏洩を評価するためのモデルを開発した。ここで想定した系は、廃棄体が処分施設としてのコンクリートピット内の充填材中に埋設されるというものである。本モデルは次のようなモジュールから構成されている。地表面及びピット内部での水収支、ピット内への水の浸入及びピットからの水の漏出を評価するためのピットの破損、充填材中の核種移行、処分施設からの核種漏洩。
松鶴 秀夫; 若林 徳映; 島 茂樹; 加藤 和男; 和達 嘉樹; 鈴木 篤之*
Proc. of the 1989 Joint Int. Waste Management Conf., Vol. 1, p.515 - 520, 1989/00
低レベル放射性廃棄物の人工バリア付き浅地層処分に係る安全評価手法を開発した。ここで考慮した被曝評価シナリオは、操業中被曝シナリオ、地下水シナリオ及びサイト再利用シナリオの3種類である。計算コードシステムは、シナリオ解析部分、計算実行部分及びデータベースから構成されている。本システムを用いた予備的試算の結果、安全評価上重要な被曝経路、核種及びパラメータが摘出され、さらに、低レベル放射性廃棄物の人工バリア付き浅地処分が十分安全に実施できることが明らかとなった。
若林 徳映; 松鶴 秀夫; 鈴木 篤之*
JAERI-M 88-089, 36 Pages, 1988/05
本研究は、放射性廃棄物の固化体、外被層及び廃棄体収納容器から構成される複合バリア付き廃棄体の有する放射性核種漏洩の遅延または防止機能を評価することを目的とする。このため、廃棄体からの放射性核種の漏洩拡散過程を、ある厚さの外被構造を持ち、内部に放射性廃棄物固化体領域が接合する「不連続境界を持った1次元拡散問題」として定式化する方法を開発した。さらに、外被構造物表面からの核種漏洩量評価式と外被構造物及び内部固化体領域の放射性核種濃度分布式を導出した。
岡本 毅*; 鈴木 篤之*; 西村 秀夫
JAERI-M 88-005, 16 Pages, 1988/02
遠心分離法による大型商用ウラン濃縮プラントの保障措置システム設計研究の一環として、モデル施設の工程シミュレーション研究を行った。
松鶴 秀夫; 黒澤 直弘; 鈴木 篤之*
JAERI-M 87-124, 43 Pages, 1987/08
天然バリアにおける放射性核種の移行に関するソースタームを評価するため、人工バリアからの放射性核種の漏洩をシミュレートするモデル(ENBAR)を開発した。ここで測定した系は、廃棄体(固化体と容器)が処分施設としてのコンクリートピット内の充填材中に埋設されるというものである。本モデルは次のモジュールから構成されている。(1)地表面及びピット内部での水収支、(2)廃棄体からの核種の浸出、(3)ピットの破損、(4)充填材中核種移行、及び(5)施設からの核種漏洩。本モデルは計算手順が簡易であり、且つ人工バリアの総合的要素を取扱うことが可能であるとの利点がある。また、施設の性能及びソースタームを比較的少数の主要パラメータを用いて容易に評価できることを明らかにしている。
鈴木 篤之*; 榎田 洋一*; 梅木 博之*
PNC TJ5602 86-002, 93 Pages, 1986/03
放射性廃棄物を花崗岩のような亀裂状媒体に地層処分する場合の安全評価は,従来,各種の移行を亀裂と岩体とに分けて取り扱い,岩体の部分では,核種が均一に拡散するとして解析が行われている。しかし昨年度の研究の一部として実施されたCsの花崗岩への吸着実験から,岩体中の拡散空隙が核種の移行に対して必ずしも均一に寄与していないという結果が得られた。本研究では,花崗岩中の拡散空隙の構造を調べるため,非吸着性核種としてトリチウム,ヨウ素を用いて拡散実験を行った。さらに花崗岩を電解質溶液で飽和させ,その抵抗を測定することにより空隙の構造を調べる実験を併せて行った。 花崗岩は直径20mmの円盤で,厚さ0.7mmから7mmまで変化させそれぞれの厚さに対して,室温で拡散実験と抵抗測定を行った。その結果,得られた実効拡散係数は,花崗岩の厚さが厚くなるに従い10-11M2/sから10-12M2/sに減少することが確かめられた。また,抵抗測定より得られたフォーメーション・ファクターの値も同様に10-2から10-3に減少した。
鈴木 篤之*; 梅木 博之*; 榎田 洋一*; 岡本 毅*
PNC TJ160 85-05, 132 Pages, 1985/03
1 ガラス固化体の長期浸出挙動 MCC-1テスト法に準拠した方法を用い、静水系における長期浸出実験(300日)を行った。実験ではガラス表面積対液量比(SA/V)を0.1cm/SUP-1、0.2cm/SUP-1、1.0cm/SUP-1と変えてその影響を調べ、またバルク試料と粉末試料とを比較した。温度は90度Cである。ガラス成分のうち、Si、Na、Cs、Sr、Uの期浸出挙動について調べたが、その結果一般に浸出量はバルク試料の方が粉末試料より大きい傾向を示した。この原因としては、濃度がまだ充分飽和していないこと、あるいは飽和濃度がSA/Vに依存する可能性があることが上げられる。またSi、Csについては簡単な物質収支モデルによる解析を試み、そのモデルによって実験値をうまく表すことができたが、求められた飽和濃度は他の報告に見られる値に比べて小さくなった。これは、実験方法・ガラス組成が若干異なることによるものと思われる。2 花崗岩の核種収着作用 花崗岩の薄片試量を用いたCsの収着実験を行ない、岩体内の有効拡散空隙を評価した。花崗岩薄片の厚さは0.77.0mmとし、濃度依存性を調べるために3.84x10/SUP-45x10/SUP3 g/mlの濃度範囲のCsCl溶液を用いた。約1500時間の実験で収着は平衡に達したと見なすことができ、花崗岩単位重量当りの平衡収着量は薄片厚の増加に従って減少した。このことは、花崗岩の有効拡散空隙が岩体内で均一ではないことを示している。そこで有効拡散空隙が表面からの距離に従って減少するモデルを考え、それによって実験値をうまく表すことができた。また平衡収着量の濃度依存性については、実験の範囲でフロインドリッヒの式q=Cを用いてよく近似でき、パラメタ、の値はそれぞれ2.29、0.75となった。