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渡部 雅; 中村 博樹; 鈴木 紀一; 町田 昌彦; 加藤 正人
Journal of the American Ceramic Society, 105(3), p.2248 - 2257, 2022/03
被引用回数:1 パーセンタイル:6.98(Materials Science, Ceramics)CeOのバンドギャップ,フレンケル欠陥生成エネルギー及び欠陥移動エネルギーを決定するため、DFTシュミュレーションによる評価を行った。バンドギャップ及びフレンケル欠陥生成エネルギーは欠陥平衡を解析するために使用した。欠陥平衡の酸素分圧依存性は酸素ポテンシャルの実験データとDFT計算に基づいて評価し、Brouwer図を導出した。フレンケル欠陥、電子-正孔対等の欠陥形成エネルギーを決定し、酸素拡散係数,電気伝導率,比熱容量及び熱伝導率の評価に用いた。これらの物性値のメカニズムについての理解を深めるため欠陥化学に基づく議論を行い、物性値の関係を系統的に記述した。
鈴木 紀一; 加藤 正人; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; Carvajal-Nunez, U.*; Nelson, A. T.*; McClellan, K. J.*
Journal of the American Ceramic Society, 102(4), p.1994 - 2008, 2019/04
被引用回数:36 パーセンタイル:90.42(Materials Science, Ceramics)CeOの熱物性及び機械物性を測定した。熱重量分析法により酸素ポテンシャルを測定し、欠陥化学モデルを用いてデータを解析した。音速測定, 共鳴超音波分光法及びナノインデンテーション法によりCeOの弾性率を得た。得られた弾性率を用いてデバイ温度及びグリュナイゼン定数を評価するとともに、その評価結果を基に比熱及び熱伝導率を計算した。熱伝導率の計算結果は実験値をよく再現し、また、不純物依存性が大きいことが示された。
鈴木 紀一; 沖田 高敏; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/06
プルトニウム燃料第三開発室(PFPF)では、1988年より、工学規模での高速炉用MOX燃料の製造技術開発及び常陽・もんじゅの用MOX燃料の製造を行ってきた。特に、低密度仕様である「もんじゅ」の燃料製造では、様々な課題に直面したものの、製造技術の高度化により、それらの課題を克服してきた。本発表では、これまでにPFPFで培われた工学規模でのMOX燃料製造技術及び近年の燃料製造技術開発成果について報告する。
高藤 清人; 村上 龍敏; 鈴木 紀一; 柴沼 公和; 畑中 延浩; 山口 文吾; 飛田 良正; 篠崎 雄; 飯村 直人; 沖田 高敏; et al.
JAEA-Technology 2013-026, 42 Pages, 2013/10
高速炉実用化燃料は、高燃焼度化に対応する目的で、燃料ペレットのO/M比の仕様が1.95と、「もんじゅ」燃料仕様の1.98よりも低く設計されている。このような低O/M比の燃料ペレットの製造試験として、還元メカニズムの異なる二種類のO/M比調整試験を行った。1つ目の試験では、焼結ペレットを熱処理することでO/M比を低く調整する技術について評価した。もう一方の試験では、炭素を多量に含むペレットを焼結すると、残留炭素の還元反応によりO/M比が低下するという知見から、多量の有機添加剤を含むペレットを焼結し、残留炭素の還元反応によりO/M比を低く調整する技術について評価した。1つ目の試験の結果、O/M比の低下が見られたが、低下量は小さく、O/M比1.95に調整するには長時間の熱処理が必要と推測された。これは、熱処理中にペレットから放出される酸素を含むガスが焼結皿間に滞留し、このガスの酸素ポテンシャルと平衡となるようにO/M比が変化するためと考える。もう一方の試験の結果、残留炭素の還元反応によるO/M比の低下が確認された。また、O/M比を効果的に下げるには、焼結炉内の雰囲気ガスの酸素ポテンシャルを低く管理することが重要であることがわかった。
廣岡 瞬; 加藤 正人; 田村 哲也*; Nelson, A. T.*; McClellan, K. J.*; 鈴木 紀一
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2013/03
MOX燃料ペレット製造工程の研究開発として、熱天秤とX線回折によってMOX粉末の酸化還元挙動を調べた。酸化限界は温度やPu含有量とともに低くなることが観察された。酸化は2段階のステップで起こることが確認され、酸素不定比性としての安定性が観察された。等温酸化から、酸化速度が評価された。還元について、MO+MO相の還元が起こる温度は、MO相の還元が起こる温度より高いことが確認され、MOの還元はMOの存在により妨げられることが確認された。また、昇温による還元の結果から、活性化エネルギーが評価された。これらのデータは、MOX粉末の貯蔵やペレット製造におけるO/M比調整技術に貢献される。
村上 龍敏; 加藤 正人; 鈴木 紀一; 宇野 弘樹*
Proceedings of 2010 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '10) (CD-ROM), p.1859 - 1865, 2010/06
約3000ppmの炭素を含む脱脂後ペレットについて、焼結中、熱天秤と熱膨張計による測定を行い、焼結挙動を評価した。試験パラメータは、焼結雰囲気の水素/水分比とした。焼結雰囲気中の水素/水分比を減少させることに伴い、ペレットの到達O/Mと収縮率が増加した。この結果から、焼結雰囲気中の水素/水分比が高い場合には、炭素の熱還元反応によりO/M比が大幅に減少し、反面、焼結雰囲気中の水素/水分比がより低い場合には、雰囲気中の酸素ポテンシャルが高く保たれ、O/M比の低下が抑制されたものと考えられる。
村上 龍敏; 鈴木 紀一; 畑中 延浩; 塙 幸雄; 篠崎 雄; 村上 真一; 飛田 良正; 川崎 猛; 小林 良仁; 飯村 直人; et al.
JAEA-Technology 2008-017, 97 Pages, 2008/03
「もんじゅ」用低密度MOX燃料ペレットについては、平成7年度に実施した「もんじゅ」一次取替燃料の製造以降、約9年間製造されていない。この間、プルトニウム燃料第三開発室の主要工程設備の約6割が新設又は更新されるとともに、原料である混合転換粉のAm-241の蓄積が進み、発熱量が増加している。さらに、原料の一つである乾式回収粉末についても、設備の更新によりその粉末特性が大きく変化している。以上を踏まえ、次期「もんじゅ」用低密度MOX燃料ペレット製造を円滑に実施するため、平成16年10月から平成18年8月の間、従来に比べAm-241が蓄積した原料及び粉末特性の大きく変化した乾式回収粉を用いて、低密度MOXペレットの製造条件確認試験を実施した。本報告は、この試験結果をまとめたものである。試験の結果、従来に比べAm-241が蓄積した原料を用いても、製造条件を適切に管理することにより、一次取替燃料製造時と同程度の収率で低密度MOX燃料ペレットが製造可能であることを確認した。
鈴木 紀一; 加藤 正人; 田村 哲也*; 青野 茂典; 鹿志村 元明
Journal of Alloys and Compounds, 444-445, p.590 - 593, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:37.98(Chemistry, Physical)ハイポストイキオメトリのMOX焼結体は大気,不活性ガス雰囲気において常温付近でも酸化することが報告されている。20%Pu以上を含むハイポストイキオメトリのMOXに対して、室温ではO/Mの異なる2相のfcc領域の存在が報告されている。本研究では、熱重量分析法によって2相領域での(UPu)Oの酸化挙動を調べた。理論密度85-93%T.D.の30%Pu-MOX焼結体を厚さ約1mmのディスク状に切り出し、試験サンプルとした。酸化速度は水平差動式天秤(TG-DTA)を用いた熱重量分析法によって実施した。温度60, 125, 150Cの条件で、それぞれ酸素分圧を10-0.2atm、水分を1-700ppmとして等温酸化試験を行った。実験結果は2相拡散モデルを用いることによってよく再現でき、酸化速度は時間と温度の関数として表すことができた。また、X線回折測定の結果、酸化はO/Mが約2.00の相が増加することによって進むことが確認された。これらの結果は、2相領域での(UPu)Oの酸化は、表面に形成されたO/M2.00の相内の酸素の拡散によって支配されたことを示唆している。
村上 龍敏; 鈴木 紀一; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.891 - 896, 2007/09
低密度ペレット燃料の製造では、燃料製造の過程でポアフォーマと呼ばれる有機物を原料粉末に添加し、ペレット内に気孔(ポア)を設けることで低密度化を実現しているが、ポアフォーマは、原料粉末に比べ密度が非常に低いため燃料製造の過程で偏在し、焼結ペレット密度のばらつきを生じる原因となるので、ポアフォーマ添加率は可能な限り低くして低密度化することが望ましい。一方、ペレット製造では、工程内で発生した不合格ペレットなどを粉砕し、粉末として再利用する(「乾式回収粉末」という。)が、粒の粗い乾式回収粉末を原料に用いると乾式回収粉末がポアフォーマの役割を担い、結果、ペレットの焼結密度が低下することがこれまでの実績からわかっている。このため、本試験では、乾式回収粉末の製造条件(ペレットの粉砕条件)を変動させて数種類の乾式回収粉末を製造し、このうち低密度ペレットの製造に最も適すると考えられる乾式回収粉末を用いてペレット製造試験を行い、低密度ペレット製造への適用性を評価した。
石井 敏満; 深谷 清; 西山 裕孝; 鈴木 雅秀; 衛藤 基邦; 近江 正男; 三村 英明; 大岡 紀一
JAERI-Research 96-028, 33 Pages, 1996/06
HTTR圧力容器用21/4Cr-1Mo鋼の照射後疲労試験を実施し、疲労寿命及び繰り返し軟化挙動に与える中性子照射の影響を調べた。試験は大洗ホットラボ施設に設置された照射後疲労試験装置を用いて、真空中450C、歪み速度0.1%/s、制御歪み範囲0.75~1.5%で行った。主要な結果は次の通りである。1)210n/cm(1MeV)以上の中性子照射量を受けた材料では、繰返し疲労試験初期の最大応力が増大した。2)照射材と未照射材の繰返し軟化挙動に顕著な差はなかった。3)照射により延性が低下した材料では、未照射材に比べて疲労寿命が僅かに減少した。4)HTTR圧力容器における設計上の中性子照射量では、疲労寿命と繰返し軟化挙動に与える照射の影響はないものと考えられる。
小森 芳廣; 大島 邦男; 鈴木 康夫; 河村 弘; 桜井 文雄; 大岡 紀一; 斎藤 実
JAERI-M 88-156, 57 Pages, 1988/08
発電炉等で照射された燃料棒にFPガス圧力計を再計装し、再照射試験中の燃料棒内圧を測定するための方法を考案した。本方法を実現するためには、遠隔操作による照射済燃料棒の端栓加工を始めとし、FPガス圧力計等の再計装機器の燃料棒への取り付け及び再計装後の燃料棒の照射試験用キャプセルへの装荷に至るまでの一連の技術を確率する必要があり、現在、各関連技術開発が順調に進められている。本報告では、考察された再計装方法の概要を述べるとともに、再計装機器のうちのFPガス圧力の試作、炉外性能試験及びJMTRにて実施した炉内性能試験の結果をまとめたものである。
片野 進; 角田 頼彦*; 鈴木 啓幸*; 白鳥 紀一*; 近 桂一郎*; 喜多 英治*
no journal, ,
ZnCrOはNormal Spinel構造を持つ典型的な幾何学的スピンフラストレーション系で、約12.5Kでわずかな格子歪を伴って反強磁性秩序を示す。磁気秩序相でスピン・パイエルス型の磁気励起や強磁場帯磁率でのプラトー等、興味ある物性を示す。最近、磁場中冷却した単結晶の磁化率測定で、低磁場では試料の回転に対して顕著な異方性が観測されるが、数T(テスラ)の磁場中ではほとんど等方的になってしまうことが報告された。この実験に触発されて、中性子散乱実験を磁場中で行った。測定はJRR-3MのTAS-2を用い、単結晶の(111)散乱面に垂直に磁場をかけた。測定磁場H=0 TでもFCとZFCですべての磁気散乱強度が変化するが、H=5Tではhh0(h=n/2, n=odd)ピークは消滅する。特定の磁場で急激に強度が変化をはじめ、この変化は可逆的である。先の帯磁率の異方性の測定で、磁区の分布は5Tでも変化しないことが確認されているので、この磁気散乱強度の磁場依存性はスピン構造の変化からきていると考えざるを得ない。すなわちZnCrOの磁気構造は局所格子歪とcoupleして複雑な構造に落ちているが、比較的低い磁場で(1.2T)、より対称性の高い構造に変化することを示している。
村上 龍敏; 鈴木 紀一; 青野 茂典
no journal, ,
乾式回収粉末の製造条件を変動させて数種類の乾式回収粉末を製造し、このうち低密度MOXペレットの製造に最も適すると考えられる乾式回収粉末を用いてペレット製造試験を行い、低密度ペレット製造への適用性を評価した。
鈴木 紀一; 村上 龍敏; 青野 茂典
no journal, ,
低密度ペレットに存在する気孔は、高密度ペレットのものに比べ、より大きく安定して存在すると思われる。このため、本試験では、密度降下剤の有無及び乾式回収粉末の粗さをパラメータとしてペレット断面の気孔分布を測定し、低密度ペレットの焼きしまり特性(気孔の収縮特性)を調べた。
鈴木 紀一; 加藤 正人; 田村 哲也*; 宇野 弘樹*; 鹿志村 元明; 青野 茂典
no journal, ,
低O/Mの焼結MOXは室温の不活性ガスや大気雰囲気で酸化が進むことが知られているがその詳細な報告は少ない。本研究では190C以下の温度にて、密度・結晶粒径をパラメータとして、30%Pu-MOXの酸化速度を熱重量法により測定し酸化挙動を評価した。酸化速度は、密度が低いほどまた、結晶粒径が小さいほど速くなることを確認した。
村上 龍敏; 加藤 正人; 鈴木 紀一; 宇野 弘樹*
no journal, ,
約3000ppmの炭素を含むMOXペレットについて、焼結雰囲気中の水素分圧と水分圧の比(PH/PHO)をパラメーターに焼結し、焼結中の重量変化及び収縮挙動を測定した。その結果、PH/PHO比の増加に伴い、収縮速度の低下及び重量減少の増加が見られた。
鈴木 紀一; 武内 健太郎; 村上 龍敏; 加藤 正人; 宇野 弘樹*; 砂押 剛雄*
no journal, ,
機械混合法によりPu富化度25%に調製したMOX粉末を用いて、焼結雰囲気の水素水分比がペレット中のPu, U均質性に及ぼす影響を調べた。この結果、水素/水分比が低いほど、均質なペレットが得られることを確認した。
村上 龍敏; 鈴木 紀一; 柴沼 公和; 青野 茂典
no journal, ,
原子力機構(JAEA)で採用している高速炉用MOX燃料製造法(JAEA法)においては、製造中に発生する規格外ペレット等は乾式回収後、原料粉末の一部として再利用している。今回、次世代のMOX燃料製造において、造粒後のMOX粉末に乾式回収粉末を添加,混合し再利用することを想定し、焼結ペレットの品質への影響を評価した。
鈴木 紀一; 村上 龍敏; 青野 茂典; 畑中 延浩; 高野 龍雄
no journal, ,
O/M比が1.98から2.00の焼結MOXペレットを18段重ねのMo製の焼結皿に装荷し、工学規模のバッチ式焼結炉で熱処理しO/M比の低下量を測定した。熱処理時の雰囲気ガスは、水分含有率約10ppmの95%Ar-5%Hとした。ペレットの装荷量を約10kgMOXとして熱処理した結果、熱処理温度が高く、熱処理時間が長いほどO/M比が下がる傾向が見られたが、O/M比の低下速度は小規模試験に比べて緩やかで、O/M比を1.97以下とするためには相当な時間を要すると予想される。当初、この原因はペレットの装荷量の違いによるものと思われたが、ペレットの装荷量を小規模試験と同等の約40gMOXまで減らしても、O/M比の低下速度に改善は見られなかった。工学規模設備のバッチ式焼結炉内の雰囲気ガスの流れを解析したところ、雰囲気ガスの大部分は焼結皿の周囲を流れており、ペレットが積載されている焼結皿の隙間にはほとんど入り込んでいないことがわかった。以上から、工学規模試験でO/M比の低下速度が緩やかであった原因は、ペレット装荷量ではなく、ペレットへの雰囲気ガスあたりの影響と考えられる。
仁科 匡弘; 鈴木 紀一; 武内 健太郎; 加藤 正人; 宇野 弘樹*
no journal, ,
機械混合法により調製したMOXペレットの焼結特性を焼結中のO/M比及び寸法収縮の測定結果を用いて評価した。O/M比は焼結雰囲気中のP/P比によって決まる酸素ポテンシャルと平衡になるように変化するため、P/Pをパラメータとして試験を行った。P/P比の減少に伴ってMOXペレットのO/M比は増加し、収縮はより低温側で開始する傾向が見られた。MOXペレットのO/M=2.00近傍となる条件で焼結することによりウラン及びプルトニウムの分布が最も均質なペレットが得られた。