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広沢 昌二郎*; 小嶋 拓治; 橋本 昭司; 鈴木 良治*; 青木 慎治*
Radioisotopes, 51(8), p.285 - 295, 2002/08
リグナイト炭燃焼排煙(SO(5500ppm),NO(390ppm),HO(22%))を用いた電子ビームによる排煙処理の実験を実施し、1-2kGyで90%以上の脱硫率を得た。これはリグナイト燃焼排煙の処理に対する電子ビームの適用が可能であることを示している。電子ビーム照射によるラジカル反応によって除去される脱硫量は高々数百ppmであること、また照射無しで脱硫を生じさせるサーマル反応による脱硫量は全脱硫量の半分程度であることから、これら以外の脱硫反応が示唆された。サーマル反応に類似の液滴表面上でのSOとアンモニアの同時取り込み反応を提唱した。液滴エアロゾルを生成するうえで、25で60%の潮解相対湿度(DRH)を持つ硝酸アンモニウムが重要な役割を担っていることを指摘した。硝酸アンモニウムのDRH は温度とともに及び硫酸アンモニウムとの複塩化とともに減少し、液滴エアロゾルの形成を促進していると考えられる。
南波 秀樹; 橋本 昭司; 徳永 興公; 鈴木 良治*
Radiation Physics and Chemistry, 53(6), p.673 - 681, 1998/00
被引用回数:11 パーセンタイル:66.53(Chemistry, Physical)SO(4,800ppm)、NO(320ppm)、HO(22%)を含む模擬リグナイト燃焼排煙からのSO、NO除去を調べるための実験を行った。10.3kGy照射、リークアンモニア無しの条件でのSOとNOの除去効率は、それぞれ、70Cで97%と88%、80Cで74%と85%に達した。SOとNOの除去効率は、同一処理条件では、800ppmのSOと225ppmのNOならびに7.5%の水を含む石炭燃焼排煙よりも高かった。この高い除去効率は、主として、HOとOHラジカルによってNOをNOに、SOをSOに酸化する効果的なラジカル反応に起因するものと思われる。NラジカルとNHラジカルによるNOのNならびにNOへの還元反応もまたリグナイト燃焼排煙中の除去反応を促進する。副生物は若干のHSOを含む(NH)SOとNHNOの混合物であった。
菊澤 信宏; 永井 良治; 沢村 勝; 西森 信行; 峰原 英介; 鈴木 康夫*
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 3, p.769 - 773, 1997/00
原研自由電子レーザー用超伝導リニアックの冷却系に小型冷凍機システムを開発した。クライオスタットに組み込んだG-Mモイクル冷凍機により熱シールドを冷却し、4K冷凍機により蒸発したヘリウムガスを液体ヘリウム槽内部で再凝縮している。超伝導空洞の冷却は、液体窒素の予冷などを行わずにこれらの小型冷凍機を用いて行った。この結果、冷却に約1週間を要することがわかった。また、定常運転中は最大で約6Wの余剰冷却能力が得られており、加速器の運転に対して十分な能力を持っていることがわかった。現在ではほぼ1年間の連続運転を行っており、その間の液体ヘリウムの蒸発量をほぼゼロに抑えることができている。
永井 良治; 峰原 英介; 佐々木 茂美; 沢村 勝; 杉本 昌義; 高雄 勝*; 加藤 龍好; 大久保 牧夫; 鈴木 康夫; 池畑 隆*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(8), p.715 - 718, 1995/08
被引用回数:1 パーセンタイル:17.54(Nuclear Science & Technology)原研自由電子レーザー計画に用いられる平板型ハイブリットアンジュレーターの性能を評価するために、磁場測定システムによりアンジュレータ磁場の分布を測定した。その磁場分布をコンピュータ・コードと比較した。長手方向には正弦波状であり、断面方向ではほぼ一定であった。アンジュレータ磁場分布の不均一性は十分に小さく原研自由電子レーザーの発振に十分な性能を持つことが解った。
池畑 隆*; 鈴木 康夫; 永井 良治; 定本 嘉郎*; 佐藤 直幸*; 真瀬 寛*
JAERI-Research 95-028, 20 Pages, 1995/03
プラズマ・マイクロアンジュレーターの作り方の提案をしている。レーザー干渉法と同位体分離研究で研究されている共鳴イオン化法を用いて、プラズマスクラブを作りアンジュレーターとするもので、極めて独創的な発想に基づくものである。現在の技術レベルで、周期長10~100m、周期数100~1000のアンジュレーターが十分達成でき、その場合には、2ケタから3ケタの大幅な短波長化が期待できる。いいかえると放射光あるいは自由電子レーザーのビームエネルギーを1ケタから2ケタ下げることができる。
峰原 英介; 永井 良治; 沢村 勝; 高雄 勝*; 杉本 昌義; 佐々木 茂美; 大久保 牧夫; 菊澤 信宏; 佐々部 順*; 鈴木 康夫; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 358, p.ABS30 - ABS31, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)昨年原研自由電子レーザーは最初の定格エネルギーの加速を行った。今年5月に自発放射光を観測し、現在発振準備を進めている。現在の施設の現状を報告する。
加藤 龍好; 杉本 昌義; 永井 良治; 沢村 勝; 高雄 勝*; 菊澤 信宏; 大久保 牧夫; 峰原 英介; 鈴木 康夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 358, p.ABS77 - ABS78, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:23.89(Instruments & Instrumentation)原研自由電子レーザー用の光共振器制御系を開発した。この制御系は、現在超電導加速器の制御に用いられているFELOWSシステムの一部として動作し、グラフィカルなユーザー・インターフェイスをそなえている。この光共振器制御系の性能について報告する。
大久保 牧夫; 峰原 英介; 杉本 昌義; 沢村 勝; 永井 良治; 高雄 勝*; 鈴木 康夫
JAERI-Conf 94-003, 0, p.298 - 300, 1994/07
原研自由電子レーザー施設の超電導加速器の放射線遮蔽の設計指針と実際、及びインターロック系について述べた。
峰原 英介; 永井 良治; 沢村 勝; 高雄 勝*; 杉本 昌義; 佐々木 茂美; 大久保 牧夫; 菊澤 信宏; 佐々部 順*; 鈴木 康夫; et al.
新材料開発を目指すイオン・レーザービーム技術に関するシンポジウム報文集, 0, p.163 - 166, 1994/00
原研自由電子レーザーは現在15MeVの電子エネルギーでビーム輸送実験が行われている。冷凍機、高周波系等に種々の問題が発生しているが、実験と並行して改善が進められている。自発放射光の観測と現在準備中の発振実験についても報告する。
佐々木 健*; 永井 良治; 菊沢 信宏*; 沢村 勝; 高雄 勝*; 杉本 昌義; 峰原 英介; 大久保 牧夫; 鈴木 康夫; 河原崎 雄紀*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 331, p.450 - 458, 1993/00
被引用回数:2 パーセンタイル:36.79(Instruments & Instrumentation)短パルス、多重パス自由電子レーザー一次元シミュレーションコードを作成した。このコードはFACOM 780/20上で動作し、さらにベクトル化したものはFACOM VP2600/10上で動作する。このコードを用いて、光パルスが多重回アンジュレータ中を通過する時の初期的ないくつかのシミュレーションを行った。
菊澤 信宏*; 峰原 英介; 沢村 勝; 永井 良治; 高雄 勝*; 杉本 昌義; 大久保 牧夫; 佐々部 順*; 鈴木 康夫; 河原崎 雄紀*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 331, p.276 - 281, 1993/00
被引用回数:15 パーセンタイル:79.53(Instruments & Instrumentation)原研自由電子レーザーシステムは超電導RFリニアックを利用しているため、液体ヘリウム冷却系が必要となる。原研では閉回路ヘリウムガス冷凍機による内部冷却方式を採用し、設計・開発を行った。特に、冷凍機の冷却能力に限界があるため、クライオスタットの設計には注意を要する。また、冷凍機の加速器に与える影響について調べるためにテストクライオスタットを製作し、実証試験を行った。現在までの設計の手法や結果、実証試験の結果等について報告する。
峰原 英介; 永井 良治; 沢村 勝; 高雄 勝*; 菊澤 信宏*; 杉本 昌義*; 佐々木 茂美; 大久保 牧夫; 佐々部 順*; 鈴木 康夫; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 331, p.182 - 185, 1993/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.97(Instruments & Instrumentation)原研自由電子レーザーシステムは超電導RFリニアック駆動であるため、準連続波運転が可能であり、大平均出力を得ることができる。超電導リニアックを用いるFELはその他の方式の大出力FELに比べて、加速器系の困難が大きい反面、レーザー系の困難が少ないと考えられる。現在までの実験の状況と冷凍機、高周波電源、真空系、輸送系、超電導加速器系の製作、設置、試験状況について報告する。
峰原 英介; 永井 良治; 沢村 勝; 高雄 勝*; 菊澤 信宏*; 杉本 昌義; 佐々木 茂美; 大久保 牧夫; 佐々部 順*; 鈴木 康夫; et al.
Proc. of the 5th Japan-China Joint Symp. on Accelerators for Nuclear Science and Their Applications, p.104 - 108, 1993/00
原研では、15MeVの超電導電子線型加速器を用いた高平均出力、準連続波加速可能な自由電子レーザーのプロトタイプを開発、建設している。超電導加速器をドライバーとするFELはレーザー本体の困難を大きく軽減する。現状及び将来計画について報告、議論を行う。
南波 秀樹; 徳永 興公; 田中 雅*; 小倉 義己*; 青木 慎治*; 鈴木 良治*
Radiation Physics and Chemistry, 42(4-6), p.669 - 672, 1993/00
被引用回数:15 パーセンタイル:79.53(Chemistry, Physical)石炭燃焼火力発電所からの硫黄酸化物、窒素酸化物等の放出は、これらが大気中で酸性雨となることから、環境汚染の主要な元凶の一つであると考えられている。電子線照射法は、乾式同時脱硫脱硝法であること、副生物が肥料であること等の特長をもつ排煙処理法である。模擬石炭燃焼排煙を用いて、電子線照射による硫黄酸化物、窒素酸化物処理の基礎的データを得るための研究を、原研の小型流通試験装置を用いて行った。短期間におけるパラメトリック的な試験を行うと共に、長期間の定常的な脱硫・脱硝試験を行い、十分満足すべき結果を得た。原研、中部電力、荏原製作所が共同で、現在建設中のパイロットプラント(12,000Nm/hr)についてもあわせて報告する。
徳永 興公; 青木 康; 佐藤 章一; 須田 昇一*; 宮本 和千代*; 鈴木 良治*; 青木 慎治*
Applications of Isotopes and Radiation in Conservation of the Environment, p.105 - 114, 1992/00
電子ビーム照射による都市ごみ燃焼排煙のNO,SO,HClを同時に除去する研究を行った。実際の排煙の組成Nと同じ組成の模擬排煙を粉末状の水酸化カルシウムを添加しながら電子ビーム照射した。その結果、150Cで10kGyの電子ビーム照射によって脱硝率75%、脱硫率及び脱塩化水素ガスはほぼ100%が得られた。脱硝率は、照射温度依存性が大きく、照射温度が低い方が大きかった。このプロセスにおけるNO,SO,HClは、水酸化カルシウムと反応して、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム及び塩化カルシウムとしてドクフィルター2は、電気集じん器で回収できた。
南波 秀樹; 徳永 興公; 田中 雅*; 小倉 義己*; 青木 慎治*; 鈴木 良治*
Proceedings of the International Conference on Evolution in Beam Applications, 0, p.476 - 481, 1991/11
石炭燃焼火力発電所からの硫黄酸化物、窒素酸化物等の放出は、これらが大気中で酸性雨となることなどから、環境汚染の主要な元凶の一つであると考えられている。電子線照射法は、乾式同時脱硫脱硝法であること、副生物が肥料であること等の特長をもつ排煙処理法である。原研、中部電力、荻原製作所は、現在共同でパイロットプラントを建設中であるが、この石炭燃焼排煙の処理に関し、現研で行った模擬排煙を用いた流通等での基礎研究の成果を報告する。
南波 秀樹; 徳永 興公; 佐藤 章一; 加藤 雄平*; 田中 雅*; 小倉 義己*; 青木 慎治*; 鈴木 良治*
3rd Int. Symp. on Advanced Nuclear Energy Research; Global Environment and Nuclear Energy, 5 Pages, 1991/00
工場からの硫黄酸化物(SO)、窒素酸化物(NO)等の有害物質の放出は、世界各国で重要な問題となっている。火力発電所からの石炭燃焼排煙は、とりわけ規制の十分でない国々においては、環境汚染の主要な元凶であると考えられている。電子線照射法は、乾式同時脱硫脱硝法であること、副生物が肥料であること等の特長を持つ排煙処理法である。本研究は、諸外国における他の試験よりもより低濃度のSO、NOを含む石炭燃焼排煙からの電子線による脱硫脱硝を目的として行った。実験は模擬石炭燃焼排煙を用い、流通系で行った。模擬排煙にアンモニアガスを添加した後、電子線を照射した。ガス温度は、照射の有無にかかわらず一定に保った。SOの除去率は低温ほど向上した。多段照射によるNOの除去効率の増加が見られた。目標脱硫脱硝率(94%,80%)は、7.6kGyで達成された。
南波 秀樹; 徳永 興公; 鈴木 良治*; 青木 慎治*
Applied Radiation and Isotopes, 41(6), p.569 - 573, 1990/00
電子線照射アンモニア法の条件下で、N-15でラベルしたNO(250ppm)を含む模擬排煙を用いて、窒素の物質収支を測定した。生成する全物質の窒素成分とそのN-15の割合を、化学分析、機器分析、質量分析を組み合わせて測定した。
南波 秀樹; 青木 康; 徳永 興公; 鈴木 良治*; 青木 慎治*
Chemistry Letters, 1988(9), p.1465 - 1468, 1988/09
電子線照射-アンモニア法による排煙処理の研究において、模擬石炭排煙(NO-SO-HO-O-N-NH)中のNOからの窒素生成が、N-15の同位体でラベルしたNOを用いた流通系の実験で、初めて観測された。