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鎌田 正輝*; 吉田 拓真*; 杉田 宰*; 奥村 啓介
日本原子力学会誌ATOMO, 66(2), p.83 - 86, 2024/02
福島第一原子力発電所から取り出された物体の核燃料物質量を計測し、核燃料物質量に基づいて燃料デブリと放射性廃棄物に仕分けることができれば、取り出しから保管までの作業および保管施設の合理化につながる。これまで、廃炉・汚染水対策事業において、2019年度に燃料デブリと放射性廃棄物の仕分けに適用できる可能性がある非破壊計測技術を調査し、20202021年度に候補技術における計測誤差因子の影響を評価した。2022年度以降も引き続き、燃料デブリの取り出し規模の更なる拡大に向けて、燃料デブリと放射性廃棄物の仕分けのための非破壊計測技術の開発を進めているところである。
近藤 壮雄*; 宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; Daoutidis, I.*; 岩本 ちひろ*; 秋宗 秀俊*; 岡本 明之*; 山県 民穂*; 鎌田 正輝*; 伊藤 修*; et al.
Physical Review C, 86(1), p.014316_1 - 014316_7, 2012/07
被引用回数:39 パーセンタイル:86.89(Physics, Nuclear)レーザ逆コンプトン線と高検出効率4型中性子検出器を用いて、Pbの中性子閾値近傍における全光核反応断面積を測定した。また、直線偏光させた線と中性子放出角の非等方性を測定することにより、Pbに対する1及び1励起による部分光核反応断面積を導出した。この結果、中性子閾値近傍においては1励起が支配的であることなど線強度関数に関する実験的知見を得た。
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; 鎌田 正輝*; 秋宗 秀俊*; 近藤 壮雄*; 伊藤 修*; 岩本 ちひろ*; 山県 民穂*; 豊川 弘之*; Lui, Y.-W.*; et al.
Physical Review C, 84(5), p.055805_1 - 055805_6, 2011/11
被引用回数:44 パーセンタイル:89.8(Physics, Nuclear)Sn, Sn, Sn, Sn、及びSnに対し、中性子閾値近傍の光核反応断面積を準単色レーザ逆コンプトン光を用いて測定した。得られた測定データと既存の中性子捕獲データを、ピグミー共鳴を電磁双極子励起モードに組み込んだ計算コードにより系統的に解析した。本手法、いわゆる、線強度関数法を適用することにより、放射性核種Sn及びSnの中性子捕獲断面積を導出した。
伊藤 修*; 宇都宮 弘章*; 秋宗 秀俊*; 山形 民穂*; 近藤 壮雄*; 鎌田 正輝*; 豊川 弘之*; 原田 秀郎; 北谷 文人; 後神 進史*; et al.
AIP Conference Proceedings 1377, p.362 - 364, 2011/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.05(Astronomy & Astrophysics)Photoneutron cross sections were measured for Au in the entire energy range of the (,n) channel based on a direct neutron-counting technique with quasimonochromatic rays produced in inverse Compton-scattering of laser photons with relativistic electrons. We present results of the measurement in comparison with the past data.
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; Arteaga, D. P.*; Daoutidis, I.*; 秋宗 秀俊*; 山県 民穂*; 近藤 壮雄*; 岩本 ちひろ*; 鎌田 正輝*; 伊藤 修*; et al.
AIP Conference Proceedings 1377, p.450 - 452, 2011/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.05(Astronomy & Astrophysics)Photoneutron cross sections were measured for Pd, Pd, and Pd with laser-Compton scattering -ray beams in an application of the SF method to a radioactive nucleus Pd. We present radiative neutron cross sections for Pd [6.510 y] obtained with the SF method.
伊藤 修*; 宇都宮 弘章*; 秋宗 秀俊*; 近藤 壮雄*; 鎌田 正輝*; 山県 民穂*; 豊川 弘之*; 原田 秀郎; 北谷 文人; 後神 進史*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(5), p.834 - 840, 2011/05
被引用回数:31 パーセンタイル:89.69(Nuclear Science & Technology)Auの光中性子生成断面積を、中性子発生閾値以上のエネルギー領域で測定した。測定では、レーザー逆コンプトン散乱で発生させた準単色線を照射し、発生する中性子を計測した。測定データを最小自乗法により解析することにより、断面積値を導出した。本解析手法は、差分法を用いた断面積決定手法に比較し、測定誤差を低減できる。得られた結果を、制動線あるいは陽電子消滅線を用いた従来の測定結果と比較した。本研究により、中性子閾値近傍では、よい一致が見られるものの、10MeV以上のエネルギー領域では一致しないことを示した。
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; 秋宗 秀俊*; 原田 秀郎; 北谷 文人; 後神 進史*; 豊川 弘之*; 山田 家和勝*; 近藤 壮雄*; 伊藤 修*; et al.
Physical Review C, 82(6), p.064610_1 - 064610_5, 2010/12
被引用回数:40 パーセンタイル:88.69(Physics, Nuclear)放射性核種の中性子捕獲断面積を間接的に決定するために線強度関数法を考案した。本手法をPdの場合に適用した。中性子発生閾値近傍のPdに対する光中性子生成断面積を準単色レーザー逆コンプトン光を用いて測定した。これらの測定値及びPdに対する中性子捕獲断面積を用い、Pd(n,) Pd反応断面積値を絞り込んだ。
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; 秋宗 秀俊*; 山形 民穂*; 近藤 壮雄*; 岩本 ちひろ*; 伊藤 修*; 鎌田 正輝*; 井尾 雅則*; 楠瀬 幸一*; et al.
AIP Conference Proceedings 1377, p.447 - 449, 2010/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.05(Astronomy & Astrophysics)Photoneutron cross sections for Zr near neutron threshold were examined with a photon difference technique using laser Compton scattering -ray beams. The cross section decreasing in the vicinity of neutron threshold exhibited a steep rise within 150 keV above the threshold. We draw attention to a possible relation of this striking behavior to the 3P valence neutron resonance known in neutron capture in the mass region A 90.
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; 秋宗 秀俊*; 原田 秀郎; 北谷 文人; 後神 進史; 豊川 弘之*; 山田 家和勝*; 近藤 壮雄*; 伊藤 修*; et al.
Physical Review C, 81(3), p.035801_1 - 035801_5, 2010/03
被引用回数:37 パーセンタイル:87.64(Physics, Nuclear)Zr同位体の光中性子断面積を、レーザー逆コンプトン光を用いて測定した。Zr同位体でこれまでに報告されている光中性子断面積及び中性子捕獲断面積と今回の測定データより、Zr同位体の線強度関数を系統的に調べた。この結果、HFB+ QRPAモデル計算で導かれるE1線強度関数と巨大M1共鳴に起因するM1強度関数により、線強度関数が統一的に記述できることを示した。また、この線強度関数を用いて、Zr同位体の光中性子断面積及び中性子捕獲断面積を統一的に説明可能であることを示した。
田中 豊; 花田 磨砂也; 小林 薫; 鎌田 正輝; 木崎 雅志
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.8, p.1547 - 1550, 2009/09
JT-60SAでは、10MWの中性粒子ビームを100秒入射する負イオンNBI(N-NBI)が求められており、N-NBIにおける最近のR&D結果について報告する。高パワー・長パルス入射には、3段加速の負イオン源における耐電圧性能の改善と電極熱負荷の低減が課題である。耐電圧性能の改善には、放電破壊位置の特定が必要である。そのため、負イオン源大気側に取り付けている外部球ギャップの発光を利用し、絶縁破壊位置を特定するシステムを開発した。電極熱負荷は、内側ビームレットの空間電化によって、外側ビームレットが外向きに偏向し、電極に衝突することが原因である。電界補正板を引き出し電極に取り付け、加速電界を補正することにより、電極熱負荷を許容値の5%まで抑制することに成功した。
田中 豊; 池田 佳隆; 花田 磨砂也; 小林 薫; 鎌田 正輝; 木崎 雅志; 秋野 昇; 山納 康*; 小林 信一*; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Plasma Science, 37(8), p.1495 - 1498, 2009/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.27(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60負イオン源の耐電圧は、FRP絶縁体の真空沿面放電により制限されていることが示唆されており、耐電圧改善には真空沿面放電の理解が必要である。真空沿面放電では、電子エネルギーが重要なパラメータであるものの、計測が困難なために、電子のエネルギーはほとんど実測されていなかった。そこで、本研究では、FRP沿面から放射された制動放射X線のエネルギー分布を測定し、それから電子のエネルギーを評価し、電子の挙動を明らかにした。FRP沿面からのX線のエネルギースペクトルを、3か所の視線において計測し、電極間放電のスペクトルと比較した。アノード付近のX線スペクトルは、電極間の場合と似ており、単一エネルギー電子によるものであることが判明した。カソード付近のX線スペクトルは、アノード付近と比べ、ピーク位置が低エネルギー側にシフトしていた。これは、カソード近傍における低エネルギー電子の生成を示すものである。
鎌田 正輝; 花田 磨砂也; 池田 佳隆; Grisham, L. R.*
AIP Conference Proceedings 1097, p.412 - 420, 2009/03
JT-60U負イオン源の長パルス化研究の一環として、負イオンの衝突に起因する大面積多孔電極の熱負荷を低減するために、マルチビームレットの集束性を改善する電界補正板を新規に制作し、実機において試験した。補正板の設計には3次元ビーム軌道計算を用い、最外ビームレットの偏向角度を計算した。従来よりも板厚を薄くするとともに補正板を電極孔から遠ざけることによって、最外ビームレットの過集束を改善し、電極との衝突を低減できることがわかった。加えて、電子抑制のために引出電極に挿入されている永久磁石によるビーム偏向を考慮して、電極孔と板の距離を調整した。同補正板を実機に装着した結果、加速電圧350kVにおける最外ビームレットの偏向角度は従来の-10mradから-5mradまで変化し、過集束を改善できた。この改善により、従来から熱負荷が最も高い接地電極の熱負荷を加速電源パワーに対して従来の9%から7%まで低減した。この結果から、500keV, 22AのD-ビームを100秒間発生することを要求されているJT-60SA負イオン源においても、同様の補正板を用いて電極熱負荷を許容範囲内に抑制できる見通しを得た。
柏木 美恵子; 井上 多加志; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘
AIP Conference Proceedings 1097, p.421 - 430, 2009/03
大面積負イオン源においては、多孔から引出されるビームレット自身の空間電荷により互いに偏向しあい、電極に過大な熱負荷を与えて長パルス運転時の障害となっている。そこで、JT-60U負イオン源をモデルとした3次元ビーム解析を行い、このビームレット偏向を調べて、孔ずれによるビーム偏向の補正を検討した。その結果、必要な孔ずれは1mm以下であり、この孔ずれにより各ビームレット偏向を正確に補正できることを明らかにした。また、電子引出し抑制用の引出部磁場をも考慮した結果、0.5mmの孔ずれを追加することで500keV Dビームの偏向を補正できることが明らかとなり、磁場変更補正用孔ずれの設計値、及び実験結果に一致することを示した。
木崎 雅志; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 田中 豊; 小林 薫; 笹尾 真実子*
AIP Conference Proceedings 1097, p.344 - 352, 2009/03
大面積・多孔型電極を用いた加速管中で発生する剥離電子の軌道を水平方向の磁場の非一様性を考慮して3次元計算コードを用いて計算した。水平方向の磁場の非一様性により電極の外側で発生した剥離電子が接地電極で失うエネルギーは電極中央で発生した剥離電子が接地電極で失うエネルギーの2倍以上になることがわかった。ただし、接地電極全体の熱負荷は、磁場の非一様性が顕著に現れる領域が負イオンビームの引き出し面積に比べ小さいことから一様な磁場を仮定した場合の熱負荷の1.25倍であった。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:41.25(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
花田 磨砂也; 池田 佳隆; 鎌田 正輝; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1530 - 1535, 2008/08
被引用回数:2 パーセンタイル:8.98(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60負イオンNBI装置において、世界で初めて、負イオン源からビームラインに流出する電子の熱負荷やその分布を測定した。JT-60U負イオン源の動作圧力及びパービアンス(動作圧力0.3Paの下、300keV, 3.4Aの重水素負イオンビームを生成)での電子の熱流束及び全体熱量はそれぞれ、約8W/cm及び27kWであった。この全体熱量はイオン加速のために加速電源で消費したパワーの2.6%という非常に低い値であり、100秒,10MW入射が要求されるJT-60SAにおいても十分に除熱できることを明らかにした。また、3次元電子軌道計算を用いてイオン源内の電子軌道を調べた結果、全体熱量の約70%が加速器内における負イオンの中性化損失によって発生する剥離電子に起因することや、その剥離電子がおもに第2番目の加速ギャップで生じていることを明らかにした。
小林 薫; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 秋野 昇; 佐々木 駿一; 池田 佳隆
JAEA-Technology 2008-042, 25 Pages, 2008/06
JT-60U負イオン源の耐電圧改善化研究の一環として、負イオン源加速器の絶縁破壊位置について実験的に調べた。本加速器の特長は、大面積多孔電極(0.45m1.1m)を有する3段の静電式加速器であり、絶縁材として内径1.8mの大型FRP絶縁体を用いている点である。試験では、加速段ごとに高電圧を印加し、絶縁破壊位置をCCDカメラやアクリル板の電子励起発光から詳細に調べた。各段の耐電圧は、ほぼ同等の120130kVであり、設計加速電圧167kVより低かった。絶縁破壊位置を絞り込むために、加速器から加速電極とその支持枠を取り除きFRP絶縁体のみにして高電圧を印加した。FRP絶縁体の耐電圧は、少ないコンディショニング時間で167kVに到達した。これらの結果から、絶縁破壊位置はおもに加速電極か支持枠で発生していることがわかった。さらに絶縁破壊位置が加速電極間か支持枠間かの同定に関しては、CCDカメラやアクリル板で観測された光の位置から、第1及び第2加速ギャップでは、放電破壊位置は加速電極支持枠で発生している可能性が高いことがわかった。一方、第3加速ギャップに関しては、絶縁破壊の多くは加速電極間で発生することが明らかとなった。
鎌田 正輝; 花田 磨砂也; 池田 佳隆; Grisham, L. R.*; Jiang, W.*
Review of Scientific Instruments, 79(2), p.02C114_1 - 02C114_3, 2008/02
被引用回数:16 パーセンタイル:57.42(Instruments & Instrumentation)JT-60U負イオン源は1080孔(2495セグメント)の多孔電極を用いて22Aの大電流D-ビームを発生する設計である。このようなマルチビームレットの加速においては、ビームレット相互作用によって周辺ビームレットが外側へ偏向される問題があり、ビームを電極と衝突させずに加速して狭い入射ポートへ向けて集束するためには、ビーム軌道の補正が課題である。JT-60U負イオン源のビーム軌道を明らかにするために、マルチビームレットの3次元軌道計算と実測値を比較した。計算モデルは、ビームレット相互作用,ビーム集束のための電極孔軸変位,電子抑制用のダイポール磁場を考慮した。計算では、周辺ビームレットの偏向角度はビームレットの数とともに増加したが、10本以上になると6mradで飽和した。このことは、JT-60Uのような大面積多孔負イオン源においても、ビームレット相互作用によるビーム偏向を10本のビームレットによって計算できることを示している。引き出し電極に薄板を加えて周辺ビームレットの偏向を補正する実験において、その偏向角度の実測値は同計算モデルで定量的に説明できた。これらの結果から、大面積多孔負イオン源におけるビーム軌道の偏向特性が明らかになり、同計算モデルを用いてビーム軌道の補正手法を確立できる見通しを得た。
花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Review of Scientific Instruments, 79(2), p.02A519_1 - 02A519_4, 2008/02
被引用回数:6 パーセンタイル:32.32(Instruments & Instrumentation)高出力負イオンビームの長パルス化研究をJT-60負イオン源を用いて実施した。長パルス化上で問題となる耐電圧特性及び電極熱負荷について調べ、運転条件を最適化した。耐電圧特性に関しては、真空状態である負イオン源内部において、加速電圧印加時に発生する発光と耐電圧特性の相関関係を調べた。分光測定の結果、発光は繊維強化プラスチック(FRP)製絶縁管に電子が衝突することにより、絶縁管自体がカソードルミネッセンスにより発光していると推察された。さらに、発光強度と耐電圧特性の相関関係から、発光がほぼ零となるときに、イオン源は放電破壊は十分に抑制され、安定に動作することがわかった。発光がほぼ零となる加速電圧(340kV)で、負イオン源の長パルス化を図った。電極熱負荷に関しては、負イオン生成のためのアーク放電電力や引き出し電圧を最適化することによって、加速電極熱負荷を許容値(1MW)に抑制した。JT-60に設置されている負イオン源2台それぞれに対して、これらの運転条件を最適化した結果、各イオン源から320keV,約10A重水素負イオンビームを、従来より2倍長い21秒間安定に生成した。中性化後の重水素ビームパワーは3.2MWに達しており、世界で初めて、数MW級の中性粒子を20秒以上入射することに成功した。
池田 佳隆; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 本田 敦; 鎌田 正輝; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.791 - 797, 2007/10
被引用回数:22 パーセンタイル:80.64(Nuclear Science & Technology)ITERや原型炉に向けた研究を強化するため、JT-60Uを超伝導化するJT-60SA計画が進められている。この計画におけるNBI加熱装置は、入射パワーは1基あたりの入射パワー2MW(85keV)の正イオンNBI加熱装置が12基、入射パワー10MW(500keV)の負イオンNBI加熱装置が1基から構成され、総計34MW,100秒のビーム入射を行う予定である。一方、これまでにJT-60Uにおいては、正イオンNBIで2MW(85keV),30秒、負イオンNBIで3.2MW(320keV),20秒入射を既に達成している。これらの運転において両イオン源の加速電極の冷却水温度上昇は約20秒以内で飽和していることから、改修計画に向けては、電源の容量強化や負イオンNBIの加速エネルギー向上が鍵となると考えられる。本論文では、JT-60SA計画における、NBI加熱装置の増力に関する工学設計を報告する。