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長 秋雄*; 松林 政仁; 長谷川 正一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 605(1-2), p.197 - 199, 2009/06
被引用回数:1 パーセンタイル:12.38(Instruments & Instrumentation)花崗岩は、強度・耐久性・美観に優れた素材特性から、石垣,建物外壁,橋,舗装等の社会資本に使用されている。花崗岩材は劣化により、変色,鉱物の脱落,白色化等が生じる。原因としては花崗岩とそれに浸透した水及びその溶解物との緩慢な化学反応が考えられる。このため、花崗岩石材の劣化現象を解明し劣化防止技術を検討するには、花崗岩石材中の水の浸透特性を把握することが重要である。本研究ではJRR-3に設置された熱中性子ラジオグラフィ装置を用いて、花崗岩石材に浸透する水の状態を可視化した。実験には国産2種(真壁御影石,稲田御影石)及び中国産2種(G614, G623)の花崗岩を4cm角にカットして用いた。
和田 勇生; 三友 宏志*; 粕谷 健一*; 長澤 尚胤; 瀬古 典明; 片貝 秋雄; 玉田 正男
Journal of Applied Polymer Science, 101(6), p.3856 - 3861, 2006/09
被引用回数:21 パーセンタイル:53.63(Polymer Science)放射線グラフト重合法により、生分解性ポリマーであるポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)フィルムにアクリル酸をグラフトした。グラフト率が5%を超えると、酵素分解性が失われた。酵素分解性を失ったグラフトフィルムを再加熱成形することにより、酵素分解性は再現した。その場合グラフト率が10%に増加すると加熱成形したフィルムは、PHBフィルムに比べ酵素分解性が向上した。酵素分解性が失われるのは、フィルム表面にアクリル酸がグラフトし、PHB部分に酵素が接触できなくなったためである。また、再加熱により酵素分解性が再現するのは、グラフト鎖がフィルム内に混合され、フィルム表面部分にPHBが現れ、その部分から酵素分解されるためだと考えられる。
瀬古 典明; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 片貝 秋雄; 須郷 高信*
JAERI-Tech 2004-076, 78 Pages, 2005/01
放射線グラフト重合法を応用した繊維状アミドキシム樹脂の実海域での有用希少金属捕集性能を評価するため、200kgの捕集材を浸漬する試験を1999年9月から開始した。分別溶離試験装置は本試験で実海域に浸漬した捕集材から有用金属を効率よく分別溶離回収する装置であり、むつ事業所内関根浜岸壁に設置した。本装置は海から引き上げた捕集材カセット(290290160mm)の前処理を行う前処理設備と有用金属を溶離回収する分別溶離設備から構成される。本報告ではこの分別溶離試験装置の設計,製作,設置について記載した。前処理では実海域から引き上げた捕集材カセットを洗浄し、付着した海洋生物や汚泥等の除去を行った。次いで、72個単位で捕集材カセットを溶離ユニット(12101210H1460mm)に充填し、溶離液のリークがないよう不織布をパッキンとして隙間に充填した。分別溶離では溶離ユニットを分別溶離装置内に装填した後、低濃度塩酸溶液(0.01M)でのアルカリ,アルカリ土類金属の除去回収、次いで高濃度塩酸溶液(0.5M)で有用金属(特にウラン)の溶離回収を行った。
瀬古 典明; 武田 隼人*; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 片貝 秋雄; 須郷 高信*
JAERI-Tech 2004-075, 51 Pages, 2005/01
放射線グラフト重合技術を利用して合成した繊維状捕集材は、極低濃度の重金属や有害気体成分に対する選択吸着特性に優れている。液相グラフト重合反応によって不織布や織布などの基材に各種金属に対して選択性の高い官能基を導入するためのグラフト重合装置として捕集材合成反応装置を設置した。また、グラフト重合反応と洗浄工程を連続的に処理可能な装置としてガス吸着材合成反応装置を設置した。これら両装置は、グラフト重合の反応可能な酸素濃度までの制御を可能にし、定量的にグラフト物を得ることができた。槽内温度も反応に必要な温度範囲を満たした。連続処理の重要課題である基材の走行は110m/minの範囲での運転を可能にしたことで、この面からもグラフト率の制御を可能なものにした。GMAのグラフト重合反応を行った結果、グラフト率は4070パーセントの範囲で制御できることを確認できた。
瀬古 典明; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 玉田 正男; 笠井 昇; 武田 隼人*; 須郷 高信; 斎藤 恭一*
Nuclear Technology, 144(2), p.274 - 278, 2003/11
被引用回数:127 パーセンタイル:98.72(Nuclear Science & Technology)海水中に溶存するウランの濃度は3mg/mであるが、世界全体の海水ウランの総量は45億トンにのぼる。海水中のウランの回収に高い性能を有する高分子捕集材(ウラン捕集材)を用いる吸着法は、従来法に比べ経済的にすぐれる。吸着法ではウラン捕集材は吸着床に充填して使用する。原研は日本沖合7kmの太平洋で、深さ20mの海域で、上面サイズが16m、高さが16cmの吸着床を浸漬した。吸着床には総重量350kg,52000枚のウラン捕集材で構成される捕集材カセットを充填した。総浸漬期間240日の実海域試験でイエロケーキとして1kgのウランを回収することに成功した。
片貝 秋雄; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 大沼 謙二*; 武田 隼人*; 須郷 高信
JAERI-Tech 2002-040, 79 Pages, 2002/03
放射線グラフト重合法により作製した有用金属捕集材の性能を実海域で評価するため設置した有用金属捕集材実海域試験装置における捕集工程,溶離工程,捕集及び装置の特性試験結果について記載した。捕集工程では、捕集材カセットを吸着床に充填し、実海域試験装置から20mの深さに係留し、一定期間の係留後、引き上げる。捕集材カセットは、ウラン吸着分布分析を行うため吸着床中のアドレスを明確にした。係留期間中の海水温度,流速,波高を測定した。溶離工程では、係留中に付着した海洋生物を除去した捕集材カセットを溶離ユニットに充填し、分別溶離装置を使用してアルカリ金属と有用金属とを2段階で溶離した。溶離後の捕集材カセットは同装置で再生処理した。溶離した有用金属は分離精製施設へ輸送するため、市販のキレート樹脂に再吸着させた。捕集特性試験では吸着床内のアドレスの違いによる捕集材カセット毎の吸着量の差はほとんど認められなかった。また、捕集材カセット内のウランの層及び面分布は、ほぼ均一であることから、海水のカセット内への流入についてはほぼ一様な特性であることがわかった。また、捕集工程から溶離工程までの一連の特性試験を行った結果、有用金属捕集材実海域試験装置はすべての工程で正常に動作することを確認した。
玉田 正男; 笠井 昇; 瀬古 典明; 長谷川 伸; 川端 幸哉*; 大沼 謙二*; 武田 隼人*; 片貝 秋雄; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-065, 39 Pages, 2001/11
有用金属捕集材の性能評価のために設置した実海域試験装置の海上設備の安全に配慮するため、その位置を監視する装置を設計・製作した。位置監視装置は海上設備の浮体である鋼管フレームに取付け、その測位情報をGPSにより取得したのち、衛星通信回線を経て、むつ事業所及び高崎へ送信することにより、位置をモニターできるようにした。位置監視装置は損傷を避けるため、捕集材の引上・浸漬作業の終了後、鋼管フレームのコーナー上方に設置した。実海域での20日間の特性試験で、2時間毎に262データを取得し、9回の誤信号が発生した。実測精度は、223.7mであった。測位精度を向上させるため、位置監視装置用ファームウェアの改良を行った。測位分解能を0.001から0.00001とするとともに、定時刻に連続5回の測位を行い緯度・経度毎に5回の測位結果から最大値、最小値を除いた計3回の測位結果を平均化することとした。この変更にともない、標体のサイズを大きくして電池容量を大きくし、ファームウエアの作動を可能にした。改良により、誤信号は計測されなくなり、測位の平均値は6.74mまで向上し、鋼管フレームの測位をおこなうことにより、事前に漂流などを阻止可能なレベルに達した。
武田 隼人*; 大沼 謙二*; 玉田 正男; 笠井 昇; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-062, 66 Pages, 2001/10
放射線グラフト重合法によって合成した金属捕集材の実海域での適応性を調査検証するため、海水中に極低濃度で溶存するウラン、バナジウム等の有用金属の捕集試験をむつ事業所沖合いの実海域で実施している。捕集材から溶離した有用金属はキレート樹脂に再吸着して分離・精製施設に輸送して精製した。キレート樹脂はPVC製の樹脂筒に収納しさらにステンレススチール製の輸送容器に収納してトラックで専用積載として輸送した。本試験で取り扱うウランの量は、1回の試験当り150g(1.92MBq)以下としたので、ウランの濃度は最大で60Bq/gであり、取り扱い量も濃度も法規制の対象外である。したがって、輸送も一般の物質として行うことができるが、自主的にL型輸送物に準拠して輸送することにした。L型輸送物は法令上輸送容器に関する構造強度上の要求はないが、輸送に当って安全を期すため上位輸送区分であるIP-2型相当の強度を有することをあらかじめ解析評価して、通常の取扱い条件において輸送容器の健全性を確保できることを確認した。また、輸送に当っては、あらかじめ輸送計画書を作成し、これに従って実施した。
長谷川 伸; 瀬古 典明; 田畑 幸吉*; 玉田 正男; 片貝 秋雄; 笠井 昇; 渡邊 勉; 川端 幸哉*; 縄田 孝高; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-020, 126 Pages, 2001/03
放射線グラフト重合法を利用し、不織布へアミドキシム基を導入した繊維状の溶融金属捕集材を開発した。この捕集材を用い、有用金属の捕集性能を実海域にて評価するため、実海域試験装置の設計・製作を進め、平成11年9月末に設置を完了した。今回、これら試験装置の海上設備の設計,製作,設置について報告する。
玉田 正男; 笠井 昇; 瀬古 典明; 長谷川 伸; 武田 隼人*; 片貝 秋雄; 須郷 高信
JAERI-Tech 2000-072, 40 Pages, 2000/12
有用金属捕集材実海域試験装置のクッションブイ取付ロープの切断原因について検討し、その対策を記載した。クッションブイは捕集試験装置を固縛する枠ロープを海中2.5mの深さに保持する。全8個のクッションブイそれぞれに2本ずつ計16本あり、4か所でロープの切断が起きた。切断箇所のクッションブイについては、短い周期で水平方向の揺れや回転をすることが観察された。そのため、ロープの引っ張り疲労に加えて曲げ疲労を考慮し強度計算を行った結果、ほぼ切断に至ることがわかった。今まで用いていたポリエチレンロープに換えて、より曲げ疲労に対し優れた強度特性をもつナイロンロープを使用することとした。強度計算により、ナイロンロープの引っ張り及び曲げ疲労強度は2年間の試験期間中は切断の生じない十分な強度を有する。
佐藤 稔紀; 喜多 治之*; 中田 雅夫*; 長秋 雄*; 柳谷 俊*; 石島 洋二*
三井建設技術報告, (22), ,
稲田花崗岩で静水圧圧縮試験および三軸圧縮試験を行い、その過程における透水係数の変化を調べた。稲田花崗岩は異方性を有する岩石であるため、供試体の作成にあたり、これらの方向を考慮した。三軸圧縮試験は周変位をフィードバック信号として用いた剛性試験で実施した。この結果、これまでにデータ取得が困難であったクラス2岩石(破壊後に応力とひずみの関係が正の傾きを示す岩石)である稲田花崗岩の破壊後領域を確実に制御でき、完全応力-ひずみ曲線を得ることができた。さらに、三軸圧縮試験過程において透水試験(トランジェントパルス法)を実施し、インタクトな状態から破壊後領域まで20点以上の測定を実施した。その結果、載荷前の透水係数から破壊後には23オーダーの増加が認められた。
松江 秀明; 小島 均*; 吉田 博和*; 浅野 信子*; 長谷川 正一*; 長 秋雄*; 初川 雄一; 瀬川 麻里子; 大澤 崇人; 沼尾 達弥*; et al.
no journal, ,
墓石等に用いられる石材は、国産に比べ安価な外国産石材が多く使用されている。しかし、外国産石材は、変色や表面劣化に関する事例が散見されるにもかかわらず、その実態が把握されていないのが現状である。石材の産地同定は、石材業者の経験から判断される場合がほとんどであり、より客観的な判別手法が必要とされている。国内の石材の主要生産地である茨城県では産学官の委員会によって、色彩評価,帯磁率及び鉱物粒度分布特性による種別判定等の検討を行ってきたが、十分な判別能を有してはいない。そこで、即発線分析(PGA)による元素組成分析と地質学的知見を応用し石材の産地判定方法の検討を行うこととした。その結果、PGAにおいて特に高感度であるホウ素の組成比において茨城県産と中国産石材間で明確な差異を見いだした。