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高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 20(Suppl.3), p.684 - 685, 2014/08
電子プローブアナライザ(EMPA)としてX線エネルギー範囲が公称50210eVの新しい波長分散型軟X線発光分光計(SXES)を開発した。このEPMA-SXESは2枚の不等間隔溝回折格子を用いた平面結像型分光器で、従来の波長分散型分光器では困難であったパラレル計測が可能であり、そのエネルギー分解はAl-L端で約0.2eVと、光電子分光器や電子エネルギー損失分光器と比して同程度である。これらの特長から様々なバルク試料の化学結合状態について有意義な情報を得ることができる。本研究では、このEPMA-SXESを用いた実試料の測定を行い、リチウムイオン電池の負極及び金属リチウムからのLi-K発光スペクトルの比較、結合と結合に起因するキッシュ黒鉛からのC-K発光スペクトルの結晶方位依存性、3種類の希土類フッ化物(LaF, CeF, NdF)からのLa, Ce, NdのN発光スペクトルの比較について報告する。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
JAEA-Conf 2013-001, p.77 - 80, 2013/09
検出可能なエネルギー範囲を従来の60-1200eVから50-4000eVに拡張したTEM, EPMA/SEM向けの電子顕微鏡用軟X線発光分光(SXES)装置を開発してきた。電子顕微鏡への価電子分光法の導入は、物質科学だけでなく広く基礎科学に貢献する、EELSとEDSでは得ることのできない結合電子の有益な情報を提供する。50eVと4000eVまで検出エネルギーを広げるために、新しいラミナー型不等間隔溝(VLS)回折格子JS50XL(格子定数:1200lines/mm)とJS4000(同:2400lines/mm)をそれぞれ設計製作した。JS50XLとJS4000はAuと2000-3800eVの広いエネルギー領域をカバーするW/BCの新しい多層膜構造を持つ軟X線多層膜をそれぞれ蒸着した。JS50XLのエネルギー分解能は49.5eVのフェルミ端で0.2eVであった。また、金属リチウムのLi-Kの発光スペクトルにおいて鋭いフェルミ端を見ることができる。JS4000では3.8keVのTe-La発光で高いエネルギー分解能が確認され、全値半幅は27eVであった。このように、二つの新しいVLS回折格子の開発により検出エネルギー範囲の拡張に成功した。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 寺内 正己*; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
JAEA-Conf 2013-001, p.13 - 15, 2013/09
軟X線発光分光器における分析エネルギー範囲を拡張するため、50から200eVの低エネルギー用としてラミナー型不等間隔溝(VLS)回折格子JS50XL、2000から4000eVの高エネルギー用として多層膜VLS回折格子JS4000を新たに開発した。また、電池材料, 鋼及び合金, 電子デバイスなどのさまざまな分野に対応できる発光スペクトル計測のための商用アプリケーションソフトウェアも併せて開発した。講演では、JS50XL及びJS4000を同時に搭載可能な分光器を装着した商用機EPMAの概要と、リチウムイオン電池の充電状態によるLi-Kスペクトルの空間的, 時間的化学状態変化や、CdSe, ZnTe, InPからのKeV領域スペクトルの計測結果などについて述べる。この開発は、科学技術振興機構の産学共同シーズイノベーション化事業(育成ステージ)の共同開発のプロジェクトの一つ(ナノスケール軟X線発光分析システムの開発)として行われた。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Proceedings of SPIE, Vol.8848, p.884812_1 - 884812_14, 2013/09
被引用回数:7 パーセンタイル:94.03(Optics)産学における共同研究として、汎用電子顕微鏡に搭載することが可能な軟X線平面結像型分光器を開発した。本分光器の主な特徴は2つである。一つは、50200eV, 155350eV, 3002200eV, 20004000eVのそれぞれの領域に最適化した専用の不等間隔溝ホログラフィック回折格子を共通の分光器に搭載できるようにし、分光器ではなく回折格子の切り替えのみにより、504000eVの幅広いエネルギー領域をカバーできるようにしたことである。もう一つは、新たに考案した広帯域型W/BC多層膜を用いて一定入射角でも20004000eV領域の全域に渡って実用的な回折効率(約1%)を得られるようにしたことである。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 19(Suppl.2), p.1258 - 1259, 2013/08
軟X線発光分光学に資するために電子顕微鏡用に新開発の回折格子を搭載した分散型分光器(WD-SXES)を製作した。汎用電子プローブX線マイクロアナライザー(JEOL JXA-8100)用に2種類の回折格子とCCDを搭載したWD-SXESでは50-210eVのエネルギー範囲を測定できる。この分光器のエネルギー分解幅は約0.3eVで、これまでの分子累積膜(LB膜)を分散素子として用いる場合より、約1桁高いエネルギー分解が得られる。例えば、AlB合金のフェルミ端はバルクのAlに対して1.5eV高いエネルギーにあることが観測される。また、バルクのAlとAlB合金がミクロンオーダーの空間領域に混在する試料に対してエネルギー範囲72-73.5eVと73.5-75eVとの2つをマッピングした場合、エネルギー差がわずか1.5eVであるのにもかかわらずコントラストが反転し、それぞれの物質の分布をサブミクロンの空間分解で測定できた。このように、この装置は化学状態のマッピングに高い可能性を持つといえる。
大伴 真名歩; 土田 裕也*; 村谷 直紀*; 柳瀬 隆*; 境 誠司; 米澤 徹*; 長浜 太郎*; 長谷川 哲也*; 島田 敏宏*
Journal of Physical Chemistry C, 117(22), p.11555 - 11561, 2013/06
被引用回数:2 パーセンタイル:8.72(Chemistry, Physical)本研究では、近年開発された高移動度有機半導体2,7-Diphenyl[1]benzothieno[3,2-][1]benzothiophene (DPh-BTBT)について、濡れ性と面内配向を制御して、高配向のエピタキシャル単分子膜を作成する手法を開発した。近年多くの高移動度有機半導体分子が開発されているが、分子間相互作用を重視した分子設計の反作用で凝集しやすく、また対称性の低い結晶構造のため配向も混ざりやすいため、光電子分光法などの分光研究を行った例が限られていた。そこで本研究では特に凝集しやすいDPh-BTBTを試行分子として、濡れの良い導電性・結晶性表面を探索した結果、1/3 ML Bi-Si(111)-(33)再構成面が適していることを見いだした。また基板表面の対称性を、微傾斜面を用いることで崩し、面内配向を制御できることを見いだした。これは、ステップが集まってできたファセット部に、異方的テンプレートになるようなナノ構造が出現していることによると考えられる。本研究で見いだした微傾斜面は、今後新規分子の物性測定のテンプレートとして用いられることが想定される。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy, 62(3), p.391 - 395, 2013/06
被引用回数:11 パーセンタイル:59.48(Microscopy)電子顕微鏡における回折格子分光器の使用エネルギーの上限を拡張を狙って、新しい多層膜蒸着不等間隔溝回折格子、JS4000を製作し、試験した。回折格子は斜入射角1.35度で2-3.8keVの領域を測定できるように設計した。新しい多層膜構造を用いることにより同一の光学系の配置を用いて1.5keVから4keVの軟X線発光スペクトルの同時取得が可能となったことを示す。Te-L(3.8keV)発光線の半値全幅は27eVであった。エネルギー分散型X線分光器では分解できないSn-L(3444eV)とIn-L(3487eV)のピークが分離できた。
今園 孝志; 小池 雅人; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; 寺内 正己*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 425(15), p.152008_1 - 152008_4, 2013/03
被引用回数:3 パーセンタイル:79.51(Instruments & Instrumentation)24keVをカバーする多層膜回折格子と多層膜凹面鏡を搭載した平面結像型軟X線分光器の開発を行っている。機械的駆動による波長走査が不要な分光器を開発することを目指し、当該エネルギー領域全域に渡る反射率を一定入射角でも均一的に高めることができるWとBCからなる新しい膜構造の多層膜を発明し、それを多層膜回折格子及び多層膜凹面鏡として応用した。ラミナ型不等間隔溝ホログラフィック回折格子(有効格子定数: 1/2400mm)及び凹面基板(曲率半径5000mm)上にイオンビームスパッタリング法により広帯域多層膜を作製し、放射光を用いて入射角88.65における絶対回折効率及び88.00における反射率を評価(平均値)した結果、2.13.8keV領域の全域でそれぞれ3%超及び4%超であった。これら2つの多層膜光学素子を組合せた分光器のスループットは、従来の金単層膜回折格子及び反射鏡のそれに比して25000倍以上高感度となることがわかった。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.33 - 37, 2012/07
被引用回数:5 パーセンタイル:84.86(Physics, Applied)We have developed a compact wavelength-dispersive soft X-ray emission (SXE) spectrometer for TEM's. SXE spectroscopy combined with transmission electron microscopy (TEM-SXES) should be a hopeful method to reveal physical properties and electronic structures of identified small specimen areas of various compounds. It is necessary to develop a new SXES instrument that works in an energy range of 2-4 keV, in which it is of importance to simultaneously detect and analyze SXE spectra for materials science and industry. For this purpose, we have invented a novel layer structure that enables to uniformly enhance the reflectivity in a few keV energy range at a fixed angle of incidence. The multilayer structure that consisted of W and BC was fabricated on the surface of a newly designed holographic laminar-type varied-line-spacing master grating (MLG). Its performance test was carried out at BL-11B, Photon Factory, KEK. As a result, it was revealed that the new MLG was effective to uniformly enhance the diffraction efficiency and worked practically in this energy region.
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Applied Optics, 51(13), p.2351 - 2360, 2012/05
被引用回数:12 パーセンタイル:52.47(Optics)電子顕微鏡に搭載するための汎用軟X線平面結像型分光器用ラミナ型及びブレーズ型ホログラフィック不等間隔溝球面回折格子を設計・作製・評価した。放射光を用いて実施した入射角86.00におけるラミナ型マスター及びレプリカ回折格子の絶対回折効率は50200eV領域で5%超を示す一方、ブレーズド型の場合は8%超であった。それぞれの最大回折効率は、22%, 2627%であった。レーザープラズマ光源を用いた分解能実験により、すべての回折格子の分解能がLiの発光スペクトルのエネルギー(約55eV)で700以上であることがわかった。また、透過型電顕に搭載した分光器を用いて金属Liのスペクトルを高い分解能で計測することに成功した。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Memoirs of the SR Center Ritsumeikan University, (14), p.131 - 144, 2012/05
汎用電子顕微鏡に搭載することが可能な504000eV領域をカバーする波長分散型軟X線平面結像分光器の研究開発を行っている。当該領域を四分割(50200eV、155-350eV、300-2200eV、2000-4000eV)し、一つの共通する分光器に搭載できるようそれぞれ最適化したホログラフィック不等間隔溝球面回折格子の設計,製作,評価を行った。リチウム発光スペクトル計測を目的とする50200eV領域の低エネルギー側をカバーする回折格子(溝形状:ラミナ型とブレーズド型)は、全エネルギー領域においてラミナ型で5%超、ブレーズド型で8%超の絶対回折効率であることが放射光による評価の結果明らかになるとともに、Li-スペクトル近傍のレーザープラズマ光源を用いた分解能評価の結果、ラミナ型及びブレーズド型ともに700超であることがわかった。この回折格子を透過型電顕に搭載した分光器を用いて金属Liのスペクトルを高分解能計測することに成功した。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Proceedings of Microscopy and Microanalysis 2011 (Internet), 2 Pages, 2011/08
高エネルギー分解の軟X線分光は化合物の化学結合状態の有用な情報を与える。寺内らは最近透過型電子顕微鏡(TEM)に搭載する軟X線発光分光器(SXES)を開発し、Al-L発光スペクトルにおいて0.2eVのエネルギー分解を得た。この分光器のエネルギー範囲は60-1200eVである。この結果をさらに広いエネルギー領域に拡張し、特にLi-K発光スペクトルを検出するため、新たに50-200eVで高エネルギー分解を与える収差補正型回折格子を開発している。具体的にはLi-K(55eV), Al-L(70eV), Si-L(100eV), B-K(180eV)などと、C-K(279eV), N-K(392eV), O-K(525eV)などの高次光に対応する。この分光器はTEMだけでなくEPMAにも装着可能である。さらに、EPMAに装着したSXESではX線強度がプローブ電流に比例することを見いだした。このことはトレース物質の解析に非常に有用である。Li-K, Be-K, B-Kの場合、検出限界は数十ppmと評価された。応用例としてはボロントレース解析法が新規に開発された物質の定量的な評価法として有望である。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 17(Suppl.2), p.604 - 605, 2011/07
透過型電子顕微鏡(TEM)用の軟X線発光分光(SXES)装置を開発している。顕微鏡と組合せたSXESは各種の物質から成り立つ同一の微小領域の物理的性質や化学結合状態を示すものとして期待されている。これまでのTEM用のSXES装置は当初60-1200eVを検出できる(拡張版は2000eVまで)。物質科学への応用にはさらなる広領域化が必要である。そこで50-3800eVをカバーする電子顕微鏡用の新しいSXES装置開発を開始した。高エネルギーへの拡張では、金蒸着では2.2keVのM吸収端以上では著しく反射率が低下するため、新たに軟X線多層膜を蒸着した回折格子を開発した。主な仕様は格子定数:2400本/mm、蒸着物質:WとBC、膜周期:約5.6nm、膜周期数:20、斜入射角:1.35度である。このSXESをJEM2010型TEMに搭載した。検出器は背面照射型CCDを使用した。測定の結果、高強度のTe-L(3769eV) and L(4030eV)だけでなく、4つの微小な構造(Ll,L,L,L)が確認できた。このほか、Pt-M(2050eV)、Pd-M(2839eV)、In-L(3287eV)が観測され、新しい多層膜回折格子が2-4keVの領域で機能することを確認した。
秦野 歳久; 平塚 一; 長谷川 浩一; 海福 雄一郎*; 阿部 哲也
Journal of the Vacuum Society of Japan, 54(5), p.313 - 316, 2011/05
環境分野での大気汚染ガス量やアルミリサイクル材に混入している不純物ガス量の定量測定は、これらを世界標準化する観点からガス量を直接、重量値として表すことが求められている。そのため重量値で示せる標準ガス発生源の実用化が期待されている。本研究では、気液平衡型ガス発生源(以下、P-チューブと略する)を一候補例として、真空中での性能評価試験を行った。具体的には、真空中でガスの重量変化を自作の真空天秤で直接測定するとともに質量分析計を用いてガス成分濃度も合わせて測定し、両者の対応関係等について調べた。試験結果は、気液平衡型P-チューブが真空用重量標準ガス発生源として使用できる可能性を示した。
笠松 良崇*; 豊嶋 厚史; 浅井 雅人; 塚田 和明; Li, Z.; 石井 康雄; 當銘 勇人*; 佐藤 哲也; 菊池 貴宏; 西中 一朗; et al.
Chemistry Letters, 38(11), p.1084 - 1085, 2009/10
被引用回数:15 パーセンタイル:48.93(Chemistry, Multidisciplinary)105番元素ドブニウム(Db)のフッ化水素酸と硝酸混合水溶液中における陰イオン交換挙動を、新規に開発した迅速イオン交換分離装置を用いて調べた。Dbのフッ化物陰イオン錯体の挙動は、近接の第6周期同族元素タンタル(Ta)の挙動とは大きく異なり、第5周期のニオブ(Nb)の挙動と似ているという特徴的な性質を示すことがわかった。
林 君夫; 中川 哲也; 小野瀬 庄二; 石田 卓也; 中道 勝; 勝山 幸三; 岩松 重美; 長谷川 貞司; 小高 英男; 高津 英幸; et al.
JAEA-Technology 2009-007, 168 Pages, 2009/03
原子力機構では、国際熱核融合実験炉(ITER)に装荷するテストブランケット・モジュール(TBM)を用いて、増殖ブランケットの炉内機能試験を実施することを計画している。そして、その準備のため、日本において設計中の原型炉ブランケットにおける固体増殖材料の第1候補材料であるチタン酸リチウム(LiTiO)について、原子炉照射試験を実施してきた。本報告書は、(1)材料試験炉(JMTR)による照射試験に用いた照射キャプセル解体装置の詳細設計及び試作試験、並びに、(2)照射後試験のためのグローブボックス施設の予備的検討の結果、について述べるものである。解体装置の詳細設計では、本件に先立って実施した概念検討及び基本設計の結果に基づき、詳細仕様及び設置場所の検討,安全評価等を行った。試作試験では、解体装置の中心となる切断部を試作するとともにJMTRキャプセル模擬試験体を製作して切断試験を行い、その結果を評価して切断速度の最適化を図ることにより、十分な切断性能を達成した。さらに、キャプセル解体後の照射後試験用施設を確保するため、グローブボックス施設の予備的検討を行い、技術的成立性の見通しを得た。
前川 藤夫; 及川 健一; 原田 正英; 甲斐 哲也; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 大井 元貴; 酒井 健二; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 600(1), p.335 - 337, 2009/02
被引用回数:42 パーセンタイル:92.89(Instruments & Instrumentation)J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子源JSNSの第10番目の中性子ビームラインであるNOBORUが建設された。NOBORUの第一目的はJSNSの中性子性能を研究することである。NOBORUにより、JSNSで発生する記念すべき最初の中性子パルスの測定を行い、そして施設診断を目的として中性子のパルス形状,スペクトル,強度分布等を測定する計画である。NOBORUはテストポートとしての性格も併せ持ち、革新的実験装置開発のための試験も積極的に受け入れる。現在、NOBORUを利用した幾つかの革新的実験装置の実証実験を計画中である。
及川 健一; 前川 藤夫; 原田 正英; 甲斐 哲也; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 大井 元貴; 酒井 健二; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 589(2), p.310 - 317, 2008/05
被引用回数:54 パーセンタイル:95.02(Instruments & Instrumentation)中性子源特性試験装置NOBORUをJ-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に建設した。NOBORUは、1MWの核破砕中性子源(JSNS)を「観測する」、すなわちJSNSの中性子特性を研究するために設計した。また、「研究」活動、すなわちR&Dや新しいアイデアを持っているトライアルユーザのためのテストポートとしても利用される予定である。本論文はNOBORUの設計と利用について記述し、期待される性能をモンテカルロシミュレーションにより検証した。
豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 後藤 真一*; 石井 康雄; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 永目 諭一郎; et al.
Radiochimica Acta, 96(3), p.125 - 134, 2008/03
被引用回数:28 パーセンタイル:85.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Cm(O,5n)Rf反応により104番元素ラザホージウム(Rf)を生成し、陰イオンフッ化物錯体の形成を陰イオン交換法を用いて調べた。フッ化物イオン濃度0.0005-0.013MでRfヘキサフルオロ錯体[RfF]が形成することを初めて明らかにした。[RfF]の形成は同族元素Zr, Hfのヘキサフルオロ錯体と著しく異なり、[RfF]の錯形成定数は同族元素Zr, Hfの錯形成定数より少なくとも一桁小さいことを明らかにした。
新井 貴; 平塚 一; 長谷川 浩一; 秦野 歳久; 根本 正博; 阿部 哲也
平成18年度名古屋大学総合技術研究会装置技術研究会報告集, p.76 - 79, 2007/03
昨今、飲酒運転による事故がニュースで頻繁に取り上げられ、飲酒量や飲酒時刻等の検証が高い関心を持たれている。血中のアルコール量と呼気に含まれるアルコール濃度には相関があると言われており、これに基づいて呼気中のアルコール濃度を測定する機器が報告されている。われわれは、高精度測定が可能な四重極型質量分析計(QMS)ガス分析装置「グラビマス」の応用として呼気分析を実施している。今回、呼気中のアルコール濃度を測定し、アルコール検出に対する本装置の性能を調べ、呼気中アルコール濃度の時間変化を高精度で測定した。さらに、アルコール以外の物質変化をも同時に観察することによりアルコール摂取時の呼気組成の変化も合わせて測定することができた。これらの結果は、QMSを用いた呼気分析の有用性を示すものである。