Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 275, p.408 - 421, 2014/08
被引用回数:4 パーセンタイル:30.92(Nuclear Science & Technology)JSFRの蒸気発生器のために設計された球形管板の破損形態を明らかにするために、管板試験体を用いた繰返し熱過渡強度試験を実施した。管板構造試験体はJSFRの冷却系機器配管で採用予定の改良9Cr-1Mo鋼である。試験は原子力機構の有する大型ナトリウムループを利用して実施した。600C及び250Cのナトリウムを試験体に交互に流しこんで熱過渡を発生させた。また600Cのナトリウム流入後には2時間、250Cのナトリウム流入後には1時間の定温ナトリウム流入時間を設けた。1873サイクルの試験後に液体探傷試験、破面観察、硬さ試験を実施した。また計測された温度分布履歴の妥当性を検証するために熱流動解析を実施した。これらの結果により球形管板の破損形態についてまとめた。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 275, p.422 - 432, 2014/08
被引用回数:12 パーセンタイル:67.4(Nuclear Science & Technology)JSFRの蒸気発生器のために設計された球形管板の破損様式を明らかにするために実施された管板構造試験体のナトリウム中繰返し熱過渡強度試験の結果ついて、試験中に得られたナトリウム温度分布およびその履歴と、試験体表面温度分布およびその履歴をもとに熱伝導解析を実施し、試験体の温度分布履歴を算定した。この結果を用いて応力解析を実施し、応力発生状況とき裂発生状況の比較、破損機構の検証、強度評価結果とき裂の関係調査などを実施した。非弾性解析結果に基づく評価では2.59mmのき裂に対してファクター3で寿命を予測できた。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス講演論文集(CD-ROM), p.OS1510_1 - OS1510_3, 2013/10
日本原子力研究開発機構で実施した改良9Cr-1Mo鋼の構造物熱過渡強度試験結果を、高速炉規格2012年版で新たに登録された改良9Cr-1Mo鋼の材料特性値を用いてクリープ疲労評価を実施した。高速炉規格に準じた設計裕度を含むクリープ疲労損傷評価の結果、表面き裂1mmを破損のクライテリアとして仮定した場合には繰返し数で約300倍の裕度を有することが確認された。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 255, p.296 - 309, 2013/02
被引用回数:19 パーセンタイル:81.37(Nuclear Science & Technology)改良9Cr-1Mo鋼大型構造物の熱過渡における破損様式を確認するため、厚肉円筒試験体に対してナトリウムループを用いて1873サイクルの熱過渡強度試験を実施した。試験は600Cと250Cの流動ナトリウムにより実施し、それぞれ2時間及び1時間の過渡後保持時間を設けた。試験後に浸透探傷試験、走査電子顕微鏡による観察等を実施した。また有限要素法解析を実施し、クリープ疲労損傷値と観察されたき裂状況の比較検証を行った。
川崎 信史; 高正 英樹*; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2008 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2008) (CD-ROM), 9 Pages, 2008/07
温度ゆらぎの疲労強度に対する周波数効果(周波数に依存する温度伝達及び応力変換割合減衰効果)を明らかにするために、正弦波温度ゆらぎを重畳させた熱疲労試験が実施された。温度振幅200度0.05Hzと温度振幅60度0.5Hzの正弦波を組合せた2重畳波の温度ゆらぎと温度振幅150度0.2Hz,温度振幅75度0.05Hz,温度振幅50度0.5Hzの正弦波を組合せた3重畳波の温度ゆらぎが試験温度条件である。20秒の基本周期に対し2重畳波の試験では73,810サイクルの3重畳波の試験では116,640サイクルの試験が実施された。熱疲労き裂発生位置は、両試験において、試験体入口部から400から600mmの位置であった。き裂発生位置における疲労寿命をパワースペクトラム密度関数と周波数伝達関数を用いて評価したところ、ファクター3の精度をもって試験寿命を評価できた。周波数効果を考慮せずに、疲労寿命を評価する場合は、疲労寿命を本手法に対しワンオーダー保守的に評価することから、これらの関数を用い周波数効果を考慮することが、高精度の寿命評価には必要となることがわかった。
加藤 章一; 長谷部 慎一; 吉田 英一
JAEA-Research 2007-091, 33 Pages, 2008/02
高速炉の確率論的安全評価の対象の一つとして、炉停止後の崩壊熱除去機能喪失事象が挙げられている。本研究では、このようなシビアアクシデントの評価における構造材料の強度評価に資することを目的として、高温でのSUS304のクリープ強度データを取得し、現行の材料強度基準に採用されているクリープ破断式の825C以上の適用性評価を実施した。
川崎 信史; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人
Proceedings of 2007 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference/8th International Conference on Creep and Fatigue at Elevated Temperatures (PVP 2007/CREEP-8) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/07
熱疲労試験設備SPECTRAを用いて、正弦波状の流体温度変動を与える熱疲労試験が実施された。流体温度変動の周波数は、0.05, 0.2, 0.5Hzが用いられている。所定の熱疲労サイクル数の疲労試験ののち、円筒試験体の内表面にき裂発生を確認した。0.05Hzの温度変動にて発生したき裂は、0.5Hzの温度変動のき裂と比較し、同一温度振幅,同一試験サイクル条件で、発生き裂個数が多く、き裂深さもより深いものであった。また、0.05Hz条件でのき裂発生領域は、0.5Hz条件のものよりも大きかった。周波数応答関数法を用い、疲労寿命の評価を実施し、試験結果と比較した。試験結果には、疲労寿命に対する周波数依存性が観察され、周波数応答関数法は、この依存性を評価できていた。試験結果は、周波数応答関数法に基づく疲労評価が妥当であることを示している。
川崎 信史; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/07
これまで、サーマルストライピング現象による破損を防止するために、サーマルストライピング評価法が検討されてきた。周波数応答関数を用いることで、流体温度履歴から構造物の温度と応力の応答を計算することができるため、周波数応答関数を用いた手法は、優れた評価手法であると考えられている。流体から構造物への温度応答を計測し、応答の周波数特性を確認するために、温度計測試験が実施された。温度計測試験においては、0.05, 0.2, 0.5Hzという3種類の異なる周期の正弦波状の流体温度履歴が周波数制御流体温度変動熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて与えられ、構造物内表面及び外表面の温度応答が試験体軸方向に沿って計測された。その結果、流体から構造物への温度伝達(減衰)プロセスにおける周波数効果が試験により計測・確認されるとともに、周波数応答関数評価法において採用されている有効熱伝達関数(周波数応答関数)の妥当性が示された。
中山 富佐雄*; 榎戸 裕二*; 吉田 英一; 松本 寿之; 長谷部 慎一
JNC TN9420 2005-001, 115 Pages, 2005/03
ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。
長谷部 慎一; 鬼澤 高志
JNC TN9400 2005-033, 66 Pages, 2005/03
高速炉プラントの長寿命化を図るためには、経年劣化を支配する損傷メカニズムに基づいて構造材料の材質変化を計測し、その余寿命を把握する評価技術が必要である。本報では、熱過渡試験によってクリープ疲労損傷を受けた溶接容器モデル供試体を用いて、母材の余寿命確認試験および溶接金属のミクロ損傷確認試験を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)母材の余寿命確認試験 (2)溶接金属のミクロ損傷確認試験
長谷部 慎一; 小林 澄男; 田中 宏*; 茨城 幸一*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-034, 73 Pages, 2004/03
原子カプラントにおいて温度が異なる流体が合流する領域では、流体の混合に伴って温度変動が発生するため、繰返し熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。本研究では、温度変動の周波数効果を取り入れた高サイクル熱疲労評価法の検証データを取得することを目的として、高サイクル熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて周期20秒の正弦波温度変動試験を実施した。試験体には円筒状のSUS304鋼を使用し、管内のNa流量を30リットル/minに保持しながら、Na温度を平均425度-C、振幅200度-Cで正弦波状に制御した。得られた結果は以下の通りである。(1)SPECTRAにより周期20秒の温度変動を試験体に与えて、評価法の検証に有効な 強度データを得ることができた。き裂は約157,150サイクルで試験体を貫通した。(2)試験体上流部の内面には、軸方向に沿ったき裂が多く観察された。大気中疲労試験 により試験体の軸方向と周方向に強度差があることを確認し、高サイクル側では異方 性の影響が現れ易いために、き裂が軸方向に分布したことを明らかにした。(3)き裂発生境界は、き裂(個数、深さ)と軸方向距離の相関から求めた近似曲線により、試験体上流部テーパー端から約430mm下流の位置にあると推測した。(4)内面から発生したき裂は、12mm深さまで粒内を進展するが、その後は粒界に沿って進展する。粒内破面の一部にはストライエーションが形成されたが、粒界破面では観察されなかった。今後は、周期2秒、5秒、10秒、40秒の正弦波温度変動試験を実施し、周波数応答性が構造材のき裂発生と進展挙動に与える影響を確認する予定である。
小林 澄男; 長谷部 慎一; 田中 宏*; 茨城 幸一*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-033, 65 Pages, 2004/02
原子カプラントにおいて高温と低温の流体が合流する領域では,流体の不完全な混合に伴って温度変動が発生するため,接液する構造物の高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)による破損を防止する必要がある。そこで,サーマルストライピング現象による温度変動が構造物のき裂発生と進展挙動に及ぼす影響を解明するため,構造物熱過渡強度試験施設(TTS)を改造して,高サイクル熱疲労試験装置(SPECTRA)を開発した。 SPECTRAは,電磁ポンプにより600deg-Cと250deg-Cのナトリウムの混合割合を制御して内径66.9mm,肉厚11.1mm,全長1600mmの配管形状試験体内のナトリウム温度を正弦波状に変動することができる。この装置を用いてステンレス鋼における温度計測試験を実施し,以下の事項を確認した。(1)平均温度425deg-C,温度変動振幅200deg-Cにおいて,周期2秒40秒の範囲でナトリウム温度を正弦波状に変化させて,長期間,安定して試験を継続することができる。(2)温度変動振幅は,試験体軸方向に対して線形的に減衰する。(3)試験体板厚内の温度変動振幅の伝達特性は,既存の関係式と良く一致している。(4)短周期と長周期を重畳させた温度変動についても制御が可能である。今後は,本温度計測試験結果に基づいて,ステンレス鋼の試験体に対して正弦波温度変動試験を進める計画である。
笠原 直人; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 川崎 信史; 森田 博*
2004 ASME/JSME PVP Conference, P. 2986, 2004/00
Na温度変動に対する高サイクル熱疲労の現象解明とそれに基づく機構論的評価法の検証を目的として、温度変動の周波数特性を精密に制御できる熱疲労Na試験装置(SPECTRA)の開発を行った。装置開発にあたっては次の性能達成を目標とした。目標性能(1): 周波数をパラメータに正弦波状の温度変動を一定流量の条件下で制御できる。目標性能(2): 荷重条件の不確定性を排除した制度の良い強度データを得るため、軸対称な温度変動を試験体に与えることができる。目標性能(3): 1体の試験体でき裂の発生から進展までのデータを効率良く取得できる。また、実プラントで生じるようなランダム変動での特性を評価する一歩として、単一波だけではなく重畳波の温度変動を与えることを可能とする。
長谷部 慎一; 加藤 章一
JNC TN9400 2003-101, 46 Pages, 2003/12
12Cr鋼溶接部の高温強度評価に必要となる比較データを得るために、従来鋼の代表としMod.9Cr-1Mo鍛鋼品溶接部のクリープ、疲労およびクリープ疲労特性を評価した。
長谷部 慎一; 鬼澤 高志; 加藤 章一
JNC TN9400 2003-019, 62 Pages, 2003/03
高速炉構造用316鋼に適した溶接材料の選定に資するため、溶接部の長時間高温特性を評価することを目的として、最適成分と考えられる溶接材料を用いて溶接金属および溶接継手試験片を製作し、550度Cにおいて1万時間を越える長時間クリープ試験を行った。また、材質劣化が著しく破壊し易い溶接金属のミクロ組織変化を観察して長時間高温強度評価を行った。得られた成果は以下の通りである。 (1)316系および16-8-2系溶接材料の最適仕様材として製作した溶接金属と溶接継手は、クリープ特性が従来材に比べて優れていた。特に、16-8-2系では改善効果が大きく、長時間域での組織安定性に優れていた。 (2)長時間加熱によって溶接金属に内在するフェライト相が分解するとLaves相、相、オーステナイト相などが析出し、残留したフェライト相は低合金化しながらフェライト相(Crニアリイコール12%、Niニアリイコール2%)に変態して平衡状態になることを明らかにした。 (3)316系溶接金属は、フェライト相のCr濃度が高いために、相の析出量が増大して長時間クリープ強度が低下する傾向にある。一方、16-8-2系溶接金属はCr濃度が低く、相などの金属間化合物の析出量が少ないので、長時間側においても母材と同等のクリープ強度が確保できることを確認した。 (4)残留フェライト相の組成を分析することによって、簡易的にミクロ組織変化を把握することが可能であり、長時間高温強度評価を行う際に有効な手段であることがわかった。
長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 笠原 直人
JNC TN9400 2003-004, 110 Pages, 2003/01
原子力プラントにおいて高温と低温の流体が合流する領域では、流体の不完全な混合に伴って温度変動が発生するため、接液する構造物の高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)による破損を防止する必要がある。本研究では、サーマルストライピング現象による温度変動が構造物のき裂発生と進展挙動に及ぼす影響を解明するため、構造物熱過渡強度試験施設(TTS)を改造して、高サイクル熱疲労試験装置を開発した。試験装置の特徴は以下の通りである。 (1)循環ポンプを用いた流量制御方式により、高温ナトリウムと低温ナトリウムの流量比を連続的に変化させて、種々の周期において正弦波状の温度変動を試験体に与えることができる。 (2)ミキシング構造を噴流混合方式にして、高温ナトリウムと低温ナトリウムの混合を促進させることで、軸対称性のある温度変動を発生させることができる。 (3)短周期と長周期を重畳させた温度変動についても制御が可能である。 (4)円筒状の試験体を用いるため、熱応力解析が容易で、き裂発生から進展までのデータを取得できる。 今後は、ステンレス鋼の試験体に対して正弦波温度変動試験、ランダム温度変動試験および溶接部強度試験を実施する計画である。
鬼澤 高志; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 吉田 英一
JNC TN9400 2002-028, 65 Pages, 2002/03
物質表面にレーザ光線を照射することにより、表面を急速に加熱して、溶融、蒸散させることが出来る。このプロセスを利用して汚染された機器表面の除染を行うレーザ除染技術を開発している。これまでに、 ノーマルパルスYAGレーザによる除染試験を実施した結果、150m異常表面層を研磨しても、放射性核種が残留していることがわかった。このために、レーザ除染時の溶融によって放射性核種が残留していることがわかった。このために、レーザ除染時の溶融によって放射性核種が金属中に残留している深さを確認するため、ノーマルパルスYAGレーザを照射した試験片を用いて試験を行った。 試験結果は以下のとおりである。1)マイクロスコープによる試験片の断面観察では、凹凸の幅は200m500mであった。また、溶融の際に、生じたドロスの再付着による物と思われる付着物が存在していた。2)蛍光X線分析装置を用いた金属組成分析では、アシストガスにAirを用いた試験片にCrの偏析が観察された。 アシストガスにArを用いた試験片には偏析は観察されていない。3)イメージングプレート、オートラジオグラフィによる試験片の観察では、明確な分析は確認できなかった。しかし、放射性核種は表面から約500m以下のごく表面のごく一部の範囲に存在していることは観察できた。4)試験片の段階研磨とGe測定器による放射線量測定試験からは、アシストガスにArを用いた試験片では120m、アシストガスにAiを用いた試験片では300m深さまで汚染が取り込まれているいることが確認できた。
鬼澤 高志; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 川 朋広*; 鈴木 高一*
JNC TN9450 2001-005, 245 Pages, 2001/08
新技術開発試験グループでは、 FBR構造材料である各種鋼種の材料試験を長期にわたり実施してきた。本報告書はリラクゼーション試験データの拡充が図れたために取りまとめたものである。多くの貴重な試験データを有するものであり、今後のFBR材料研究に役立つものである。報告内容は以下の通りである。 (1)材料:SUS304母材(6ヒート),溶融金属(5ヒート)、SUS316母材(1ヒート)、SUS321母材(3ヒート),溶融金属(1ヒート)、316FR4母材(1ヒート)、2.25Cr-1Mo鋼母材(3ヒート),溶融金属(1ヒート)、Mod.9Cr-1Mo鋼母材(4ヒート),溶融金属(1ヒート)、9Cr-2Mo鋼母材(2ヒート),溶融金属(1ヒート)、INCONEL718母材(1ヒート) (2)試験雰囲気:大気中(3)試験温度:400650(4)試験方法:JIS及び「FBR金属材料試験実施要領書」に準拠した。(5)データ件数:合計343点 なお、本データ集は「FBR構造材料データ処理システム(SMAT)」の帳票出力である。
軍司 稔; 平川 康; 長谷部 慎一; 小林 澄男
JNC TN9410 2001-023, 84 Pages, 2001/08
2001年1月から2月にかけて、 NaK(ナトリウムとカリウムの合金)を流体とする試験装置「NaK総合流動伝熱試験装置」の解体・撤去工事を実施したので、その経緯及び結果を報告する。NaKの融点が-12.6と低く常温で液体であること、カリウムが78wt%含まれているためにナトリウムに比べて科学的に活性であること、並びにNaKを流体とする試験装置の解体工事が大洗工学センターでは初めてであること等から、解体工事を行うに当たっては、作業前には多くの関係者の知見を活用して、作業に対する万全な安全方策をとった。その結果、NaK系の配管切断、機器解体及び洗浄作業を安全に終了させることができた。 以下に本解体・洗浄作業で得られた結果の要点を示す。(1)NaKの取扱い実験及び科学的検討によって以下の事項を確認した。1)大気にさらしたNaKは、空気中の酸素との発熱反応により超酸化物を生成するが、NaK及び受け皿等へ放熱できれば発火に到ることは希少である。2)NaKを低酸素ポテンシャルと高酸素ポテンシャルの環境下に繰り返しさらすと発火・燃焼に至る可能性が高い。3)NaK発火後の窒素ガスによる消化は、KNO3等の生成に伴う発熱反応を起こす可能性があり、即効性をもたない。(2)配管切断時に採用したビニールバッグ方式(取扱い部分をビニールバッグで覆いアルゴンガスで置換する)は、NaK系配管を切断する方法として有効であることを確認することができた。 (3)ナトリウムのように狭隘部が固着していないことから、ナトリウム機器では解体に手間がかかる加熱器や弁も比較的容易に買いたいすることができた。
門馬 義雄*; 山崎 政義*; 永江 勇二; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-044, 22 Pages, 2000/03
高速炉プラントの新構造材料および寿命診断技術の開発では、従来強度評価の補強資料として定性的理解のみに用いられてきた材料組織の微視的観察結果とその分析データを定量的に把握し、組織変化が材料特性におよぼす効果あるいは相関性を評価する手法の確立が必要である。特に炉心構造健全性を保証するために、溶接継手部における高温長時間強度特性と組織変化の関係を明らかにする技術開発のニーズが高い。このため、高速炉容器の溶接金属について、クリープによる組織の経時変化を定量化する技術に取り組んだ。本研究では、まず高速炉容器用に開発された316FR鋼を母材として、16Cr-8Ni-2Moおよび共金系(18Cr-12Ni-Mo)の溶接金属のクリープ試験を823および873Kで行い、37,000hまでのクリープ破断データを取得することにより、そのクリープ特性を明らかにした。さらにクリープ破断した試験片平行部の組織観察を行い、析出物の面積を定量化し、その経時変化とクリープ損傷の対応についての検討を行った。溶接金属のクリープ強度は高応力短時間側で16Cr-8Ni-2Mo系が共金系よりも小さいが、低応力長時間側では16Cr-8Ni-2Mo系と共金系のクリープ強度が同等になる傾向がみられた。また、クリープ破断延性は16Cr-8Ni-2Moの方が共金系よりも優れていることがわかった。さらに、溶接金属の823Kでの低応力長時間および873Kではフェライト中に析出した相界面に発生する割れがクリープ破壊の起点となることを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量はいずれの温度時間においても共金系溶接金属よりも少ない。析出物の変化はマグネゲージで測定した残留フェライト量の変化と良く対応しており、フェライト量が時間の経過と共に減少するのに伴い、析出量は増加することを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属のクリープ破断材平行部の析出量とクリープ破断時間(対数)との関係をLarson-Millerパラメータ(LMP)で整理すると、1次式で表すことができ、この式から16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量の予測が可能になった。