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関 正之; 木原 義之; 皆藤 威二; 塚田 竜也*; 本木 和彦*; 平子 一仁*
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 5 Pages, 2011/12
原子力機構では、高速炉における集合体平均150GWd/tの燃焼度を達成するために、耐スエリング性と高温強度に優れた酸化物分散強化型被覆材(ODS鋼)の開発を進めている。ODS鋼の端栓溶接に際しては、従来のTIG溶接のような融接法では溶融部にポロシティーが生じて必要な溶接強度が得られないことから、固相溶接法の一つである加圧抵抗溶接法の開発を行っている。また、溶接部における残留応力の緩和のために溶接部熱処理装置及び溶接部の健全性確認のために超音波探傷装置の開発も合わせて実施している。本報告は、これら装置の特徴と溶接強度及び原子炉を用いた照射試験結果についてまとめて報告するものである。
小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 佐藤 文明; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103037_1 - 103037_10, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:62.41(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)において、運転開始直後の短時間(100ミリ秒程度)にアノード電圧を制御することにより電子のピッチファクターを最適化することで効率を向上させる新手法を開発した。これにより高出力化の課題であったコレクタ熱負荷を低減することが可能となり、世界で初めて1.5MW, 4秒間のジャイロトロン出力を達成した。このときのコレクタ熱負荷は従来より約20%低いことが確認され、今後さらに長パルス化が可能と考えられる。長パルス運転を制限したジャイロトロン内の不要高周波による熱負荷を低減するため、モード変換器を改良したジャイロトロンを製作して、既に調整運転を開始し1MW出力で31秒までパルス幅が伸張した。また、課題であった不要高周波は約1/3に低減できたことが実験的に確認され、近い将来の定常運転に見通しが得られた。これらの成果はJT-60SAに向けたECRF装置の高出力・長パルス化に大きく貢献するものである。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Nuclear Fusion, 49(8), p.085001_1 - 085001_7, 2009/07
被引用回数:21 パーセンタイル:61.72(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)装置のジャイロトロンにおいて、1.5MW, 1秒間(110GHz)の出力が得られた。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電流の実時間制御によって0.4MW, 30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW, 5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置のジャイロトロン開発において、1.5MW,1秒間(110GHz)の出力を得ることに成功した。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電圧の実時間制御によって0.4MW,30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW,5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
小林 貴之; 森山 伸一; 関 正美; 澤畠 正之; 寺門 正之; 藤井 常幸
Plasma and Fusion Research (Internet), 3, p.014_1 - 014_3, 2008/03
高性能プラズマ閉じ込め実験において、電子サイクロトロン加熱電流駆動のため高出力ジャイロトロンが用いられる。現在のトカマク実験においては、0.1秒から数秒の高出力発振が必要とされるが、これまで1.5MWレベルでは0.1秒以下の発振しか達成されていなかった。日本原子力研究開発機構では、最新のJT-60Uジャイロトロンを用いて、1.5MWレベルの出力で1秒以上の発振を目指した発振実験を行った。その結果、1.5MW/1秒の発振が、パラメータの精細な調整により得られた。本論文では、1.5MW/1秒発振実験の初期的な実験データと今後のジャイロトロン改造の計画について記述する。
寺門 正之; 下野 貢; 澤畠 正之; 篠崎 信一; 五十嵐 浩一; 佐藤 文明; 和田 健次; 関 正美; 森山 伸一
JAEA-Technology 2007-053, 28 Pages, 2007/09
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)では、プラズマの熱伝導率を測定し閉じ込め性能を調べるため、電子サイクロトロン加熱(ECH)装置の高周波出力を数十Hzから数百Hz程度に変調し、プラズマ中へパルス的に入射している。JT-60UのECH装置の高周波出力変調は、高周波源であるジャイロトロンのアノード電圧を制御することによりジャイロトロンの主電源である特高電力を遮断することなく出力を変調させるもので、変調周波数が12.2Hz500Hzにおいて変調度が約80%の出力変調運転を行っている。しかし、今後予定されているJT-60 Super Advanced (JT-60SA)計画において、電磁流体力学(MHD)的不安定性である新古典的テアリングモード(NTM)を抑制するための手法として、その周波数に合わせて変調入射する必要性が生ずる。そこで、ジャイロトロンの高周波出力を数kHz程度に変調する技術の検証を行った結果、周波数3.5kHzで変調度が84%の発振変調に成功した。実用レベルのパルス幅としては、3.0kHzまでの発振変調が可能である。次のステップとして、アノード分圧器基板の素子をより高速なものと交換して、さらに変調周波数を上げる試験を計画している。
関 正美; 森山 伸一; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 横倉 賢治; 下野 貢; 寺門 正之; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.273 - 277, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.22(Nuclear Science & Technology)LHアンテナはJT-60Uでの電流駆動実験等に対して貢献してきたが、LHアンテナ開口部は熱負荷でダメージを受け、入射パワーは年々低下してきた。入射パワーを回復するために、世界的にも初めての試みとなるLHアンテナ開口部に炭素製グリルを取付ける改造をした。炭素材は高耐熱性を持ち、かつプラズマの閉じ込め性能劣化させない低Z材である。炭素製グリルは、ベースフレームと高周波接触子それに炭素製先端部から成る。ベースフレームは既設のLHアンテナ開口部へ溶接され、高周波接触子はベースフレームと炭素製先端部の間の電気接触を改善する。先端部はグラファイトあるいは炭素繊維材から作られ、交換可能とするためボルトでベースフレームに取付けられるように工夫した。また実験実施後にグラファイトと炭素繊維材からできた先端部の性能を比較することができる。取付け工事の後、コンディショニングが順調に進捗し、プラズマの位置を制御することで良好な結合特性を実現し、高周波エネルギー最大約5MJのプラズマへの入射を達成した。さらに予想通りプラズマ電流を駆動していることを観測し、炭素製グリル付きLHアンテナの基本性能を確認した。
森山 伸一; 関 正美; 寺門 正之; 下野 貢; 井手 俊介; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 藤井 常幸; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.343 - 349, 2005/11
被引用回数:7 パーセンタイル:44.9(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおいて、高プラズマの長時間維持等を目指した最大65秒間放電を継続する実験を行っている。電子サイクロトロン(EC)装置は、加熱だけでなくリアルタイムで入射角度を制御できるアンテナを開発し、電流分布制御や新古典テアリングモードの抑制による閉じ込め性能改善に貢献している。これまでに2.8MW, 3.6秒(10MJ)の入射を達成しているが、プラズマの長パルス化にあわせて0.6MW, 30秒の入射を目指している。伝送系冷却と真空排気の増強,耐ノイズ性能を高める改造とともに導波管型の1MW定常模擬負荷を用いたジャイロトロン動作の調整を行い、8.7秒間のプラズマへの入射と16秒間(400kW/ユニット)のジャイロトロン出力に成功している。ジャイロトロンのパルス幅延伸には、長時間の電子放出でカソード温度が下がりビーム電流が減少して発振条件がずれる問題への対処が重要であり、パルス中にヒータ電力,アノード電圧を上げる制御を行うことで良好な発振条件を持続させることに成功した。一方、低域混成波(LH)電流駆動装置では長年の実験で変形したステンレス製アンテナ先端を炭素化する改造を行い、入射パワーと耐熱負荷性能の向上が期待される。これまでに5.1MJまでの入射を達成しておりエージングを継続中である。
木原 義之; 関 正之; 石橋 藤雄; 平子 一仁*; 塚田 竜也*
JNC TN8430 2005-002, 27 Pages, 2005/07
平成16年度に酸化物分散強化型(Oxide Dispersion Strengthened;以下、「ODS」と言う。)鋼被覆管により製造したMARICO-2試験片の、炉内クリープ破断データの採取を目的とした照射試験が計画されている。これに伴い、ODS鋼被覆管の強度評価の信頼性を向上させるため、これまでに得られている炉外のクリープ破断データを補完することが計画され、大洗工学センター システム部 核燃料工学グループの依頼により、この試験に供する炉外強度評価試験片の製造を行った。炉外強度評価試験片は、MARICO-2と同様の、マルテンサイト系ODS鋼(以下、「M-ODS鋼」と言う。)とフェライト系ODS鋼(以下、「F-ODS鋼」と言う。)の2鋼種の被覆管を用いて製造した。製作本数はM-ODS鋼試験片20本、F-ODS鋼試験片12本として、平成17年4月5日から平成17年5月13日にかけて試験片の製造を無事終了し、平成17年5月中旬に、大洗工学センターシステム部核燃料工学グループへ支給した。
関 正之; 石橋 藤雄; 木原 義之; 平子 一仁*; 塚田 竜也*
JNC TN8410 2005-009, 131 Pages, 2005/04
ODS鋼の接合技術開発は、昭和62年頃から融接法であるタングステンイナートガス(TIG)溶接法及びYAGパルスレーザ溶接法を用いて開始した。しかし融接法では、溶接金属部に多数の気泡を形成するとともに、母材中に均一分散させた酸化物が凝集粗大化し、接合強度を著しく低下させるため、加圧抵抗接合法(PRW法)などの固相接合法の開発に着手した。 PRW接合部の接合強度を確認するために、接合条件の最適化の後に引張試験、内圧バースト試験及び内圧クリープ試験を行った。その結果、接合部の強度は、被覆管母材と同等の強度であることを確認した。また、接合技術の開発と平行して接合部の健全性を検査するために超音波探傷検査法の非破壊検査法の開発も行った。
関 正之; 石橋 藤雄; 木原 義之; 平子 一仁*; 塚田 竜也*
JNC TN8430 2004-003, 78 Pages, 2005/03
ODS鋼被覆管の実用化見通しを早期に判断するため、日露共同研究としてロシア原子炉科学研究所(RIAR)の高速炉実験炉BOR-60を用いて照射試験を実施している。照射試験は、2003年6月から燃焼度15 at%を最終目標に約5年間にかけて行うもので、第1期照射試験は、2004年5月に目標燃焼度である5at%を達成し、現在も照射試験を継続している。第2期照射試験は、2005年5月から開始する計画となっており、この照射試験のために前回同様、マルテンサイト系ODS鋼被覆管に上部端栓を抵抗溶接法により接合し、製品検査を経て、RIARまで輸送した。今回も長尺被覆管の溶接において、接合時の加圧により被覆管にたわみ変形が発生したため、可変加重方式を採用することにし、接合開始時の初期の軸加重を低く設定することで、被覆管の挙動を抑え、製品製作を可能とした。今回、この可変加圧方式を採用したことで接合条件の許容値を広げられたことは、HOT装置の設計に関して大きな意味を持つと思われる。なお、上部端栓付被覆管は、2004年12月15日に製造を終了し、2005年1月13日にRIARに向け、出荷している。
関 正之; 石橋 藤雄; 木原 義之; 塚田 竜也*; 平子 一仁*
JNC TN8430 2004-002, 49 Pages, 2005/03
ODS鋼被覆管の照射特性を把握することを目的として、MARICO-2およびCMIR-6照射試験片の製作を行った。MARICO-2試験片およびCMIR-6試験片は、マルテンサイト系ODS鋼とフェライト系ODS鋼の2鋼種の被覆管を用いて製作した。試験片形状は、2鋼種共通仕様である。マルテンサイト系ODS鋼の製作は、平成16年2月19日から平成16年3月11日にかけ行い、その製作本数は、MARICO-2:38本(予備+QA用試験片11本を含む。)、CMIR-6:6本である。フェライト系ODS鋼の製作は、平成16年8月17日から平成16年9月22日にかけ行い、その製作本数は、MARICO-2:32本(予備+QA用11本を含む。)、CMIR-6:6本である。試験片の製作は無事終了し、マルテンサイト系ODS鋼製試験片は、平成16年5月上旬に、フェライト系ODS鋼製試験片は、10月上旬にそれぞれ大洗工学センターシステム部核燃料グループへ支給した。
藤井 常幸; 関 正美; 森山 伸一; 寺門 正之; 篠崎 信一; 平内 慎一; 下野 貢; 長谷川 浩一; 横倉 賢治; JT-60チーム
Journal of Physics; Conference Series, 25, p.45 - 50, 2005/00
JT-60U電子サイクロトロン波帯(ECRF)加熱装置は高性能プラズマの実現のために活用されている。その出力は周波数110GHzで4MWである。JT-60U ECRF加熱装置で使用するジャイロトロンの出力は、そのアノード電圧を制御することで、制御できる。これを利用して、プラズマへの入射パワーを変調するために、アノード電圧制御器を開発し、出力0.7MWで、変調周波数10500Hzを達成した。また、このアノード電圧制御器を使用して、入射パルス幅を5秒から16秒まで伸長することに成功した。このような長パルスにおいて、アルミナ製のDCブレークの最大温度は約140度に達した。これを解析した結果、目標とするパルス幅30秒を実現するには、DCブレークの材料を低損失の材料に変更する必要があることが判明した。実時間制御でのECRF加熱による新古典テアリングモードの安定化を実証した。この実時間制御系では、ECE計測より10msごとに予測されるNTM発生領域を狙って、ECRFビームが入射される。
皆藤 威二; 鵜飼 重治; 関 正之; Mayorshin, A. A.*; O.V.SHISHALOV*
JNC TY9400 2003-032, 243 Pages, 2004/03
JNCで開発したODSフェライト鋼被覆管の実用化見通しを早期に判断するため、日露FBRサイクル協力の下で、RIARの高速実験炉BOR-60を用いて先行的に限界照射試験を実施することとした。本報告書は契約締結から照射試験開始までに実施してきたJNCでの被覆管製造および上部端栓溶接、RIARで実施した先行溶接試験、燃料ピン設計、燃料ピンおよび燃料集合体の製造・検査についてまとめたものである。
関 正之; 河野 秀作
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.95 - 105, 2004/03
本論文は、種々の条件で高速炉ODSフェライト鋼被覆管の加圧抵抗加熱接合を実施した後、接合強度、金相組織等の評価からその最適条件を見いだした結果を報告する。
関 正之; 河野 秀作; 木原 義之; 皆藤 威二; 鵜飼 重治; 平子 一仁*
Journal of Nuclear Materials, 329-333, p.1534 - 1538, 2004/00
被引用回数:33 パーセンタイル:87.58(Materials Science, Multidisciplinary)JNCにおいては、高速炉燃料ピン製作のためのODS被覆材料と端栓の接合技術開発を実施している。この接合方法である抵抗溶接(PRW)法は、材料の電気抵抗加熱により、材料を溶融させないで行う固相接合であり,一連の溶接工程は、その条件(電流、電圧、および加圧力)をプログラマブル・システムによって制御し、実行される。さらに製品の溶接時の残留応力を軽減するために溶接部の熱処理を実施している。PRW法による溶接は、本来の被覆管マルテンサイト組織に影響なく溶接されており、引張試験、内圧クリープ試験において溶接部の健全性も実証された。さらに、接合部の非破壊検査法として超音波探傷検査方法を開発した。この抵抗溶接法で製作したODS燃料ピンは、JNC-ロシア共同研究においてロシアの高速炉BOR-60で2003年6月から照射試験を実施している。
高橋 正己*; 関 正美; 下野 貢; 寺門 正之; 五十嵐 浩一*; 石井 和宏*; 春日井 敦
JAERI-Tech 2003-080, 27 Pages, 2003/11
JT-60Uでは、局所的な加熱・電流駆動によるプラズマの安定性改善や予備電離の実験を行うことを目的として、電子サイクロトロン加熱(ECH)装置を導入してきた。JT-60UのECH装置は、動作周波数110GHz・高周波出力約1MWの発振管(ジャイロトロン)4基を持ち、2基の可動ミラー型アンテナを使用してJT-60Uプラズマへ入射するシステムである。110GHzを含む極めて高い周波数のミリ波帯での高出力発振は10年前まではなく、近年ITER用に開発されてきたジャイロトロンで初めて実現された。そのため、ジャイロトロンの運転にはさまざまな調整が必要である。ヒーターエージング後に、磁場調整,アノード電圧調整により1MWの発振条件を見つけ、その後、パルス幅を伸ばすエージングを行い、秒オーダーの運転を実現した。さらに、高出力,長パルスで安定な運転を行うため、ジャイロトロン管内で発生する不要高周波を吸収するRF吸収体を内蔵する改良を行った。その結果、1MW-5秒の設計目標を達成するとともに、4基のジャイロトロンでプラズマに約10MJの世界最高のミリ波エネルギーを入射できた。
石井 和宏*; 関 正美; 下野 貢; 寺門 正之; 五十嵐 浩一*; 高橋 正己*
JAERI-Tech 2003-079, 22 Pages, 2003/10
JT-60Uでは、定常化運転を目指した開発研究の一つとして、低域混成波帯(LHRF)の高周波を用いた電流駆動の研究を行っている。その研究において、装置技術的課題は、LHRF加熱装置の重要な機器である大電力LHRFアンテナの開発である。LHRFアンテナは、効率的に高周波をプラズマに入射するために、プラズマから近い位置に置かれている。そのためLHRFアンテナは常にプラズマからの熱にさらされ、また大電力高周波の入射が要請されるため、先端部におけるプラズマからの熱負荷による溶融や高周波放電による溶融・変形が問題となっていた。その結果、プラズマへの入射パワーは徐々に減少してきた。この対策として、LHRFアンテナのエージングを行って、耐高周波電界性能の向上を図った。また、赤外線カメラによるLHRFアンテナの温度監視,LHRFアンテナ位置の調整,入射パワーを断続的に変調する電流駆動法の開発、そしてアークセンサによる高周波放電を検知して、LHRFアンテナ先端部の損傷を防止する保護対策を実施してきた。
下野 貢; 関 正美; 寺門 正之; 五十嵐 浩一*; 石井 和宏*; 高橋 正己*; 篠崎 信一; 平内 慎一; 佐藤 文明*; 安納 勝人
JAERI-Tech 2003-075, 29 Pages, 2003/09
第一壁洗浄に有効な電子サイクロトロン共鳴(ECR)放電洗浄(DC)をJT-60Uで実証するために、高周波源としてJT-60U低域混成波(LHRF)加熱装置用クライストロンの低出力・長パルス試験を行った。LHRF加熱装置用クライストロンは、2GHz帯で単管当たり1MW-10秒出力性能を持つが、長パルス運転のために動作条件を変更しなければならない。そのために、まず電源性能から長パルス運転が可能となるビーム電流を評価した。この結果、ビーム電圧72kV,ビーム電流4.4Aにおいて電源は定常運転が可能であることが判明した。このビーム電圧及び電流において空洞共振器を調整した結果、クライストロン出力40kWを得た。さらに、出力40kWレベルで模擬負荷を用いて60秒の長パルス試験を行い、クライストロンのコレクター温度が約20秒で120Cの飽和温度になり、コレクター冷却性能から定常運転が可能と判断した。JT-60UでのECR-DC実験では、約30kW-45分の運転に成功した。
河野 秀作; 関 正之; 石橋 藤雄; 平子 一仁*; 塚田 竜也*
JNC TN8430 2003-010, 28 Pages, 2003/07
抵抗溶接部に発生する欠陥は、微細であるため、従来からのX線による検査では、その欠陥を識別できないため、X線検査法に変わる手法としてより欠陥の分解能が高い、超音波法の適用について開発を行ってきた。超音波は、X線よりも物質内部へ伝わり易く、直進性も良いため、欠陥の検出能力に優れているが、超音波で得られる欠陥信号の強度と欠陥の大きさは必ずしも相対しない。これは、超音波の欠陥からの反射エコーの大きさが、反射源である欠陥の形状、向きに大きく影響されるためである。そこで、パルスモーターで探触子と試料回転軸を駆動制御させ、欠陥位置データと超音波エコーを組み合わせて画像処理を行い、欠陥の寸法及び位置を正確に把握できる溶接部超音波検査装置を開発した。しかし、超音波検査法は、あくまで比較検査法であるため、検査装置の持つ欠陥検出能や探傷感度の保証には、既知の欠陥を持つ、標準試験片や対比試験片が必要となる。標準試験片は、JIS等でも規定されているが、抵抗溶接部のような特殊な部位に発生する特異な欠陥に対しては、その形状に特化した標準試験片が必要となる。そこで、標準試験片加工方法の検討を行い、放電加工と拡散接合により標準試験片を試作した。この試作標準試験片の人工欠陥を用いて探傷感度、データ画像処理用しきい値の校正を行い、超音波による探傷結果とその部位の金相試験による実測と比較した結果、欠陥深さ方向分解能が3m、欠陥寸法、接合長さ測定において誤差が10m以内の探傷性能を持つことが判明し、標準試験片による探傷条件校正の有効性が確認された。また、溶接部欠陥の出来方と探傷画像に特異なパターンが存在することも探傷結果と金相試験の対比により確認された。