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鈴木 正昭*; 関口 秀俊*; 赤塚 洋*; 後藤 孝宣*; 大杉 武史*; 小林 洋昭; 中澤 修
JNC TY8400 2002-016, 158 Pages, 2002/03
酸素プラズマによる塩廃棄物を直接ガラス固化するプロセスを提案し、その可能性を調べることを目的に実験を行った。新しく作成した実験装置は電気炉部分とプラズマ生成部分からなる。ルツボ中で塩化物とガラスの混合物を電気炉で溶融後、そのまま酸素プラズマが照射される。光学的測定では、我々の開発したマイクロ波放電装置による大気圧酸素プラズマの特性が測定され、電子密度は10/-3程度と極めて低いが、酸素原子密度は10/18cm/-3と極めて高く、酸素原子ラジカル源として優れていることがわかった。固化体製造・評価実験においては、金属元素がガラス内に固化できることを確認し、酸素プラズマの照射による影響、すなわち多量の酸素溶解が何らかの作用で塩素の減少、ガラス中の金属元素の閉じこめに影響をもたらすことがわかった。また、酸素分子が物理的に溶解・拡散するモデルにより溶解量を推算し、溶融ガラスへの多量な酸素の溶解は酸素分子の物理的な溶解および拡散のモデルでは説明できず、プラズマ中の酸素が酸素ラジカルの形態で溶融ガラスへ溶解したためであると結論した。本研究により、塩廃棄物の直接ガラス固化プロセスについての基礎データが得られ、工学規模での実証に対する課題が抽出されるなど、プロセス評価上重要な知見が得られた。