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大島 武; 上殿 明良*; 阿部 浩之; Chen, Z. Q.*; 伊藤 久義; 吉川 正人; 安部 功二*; 江龍 修*; 中嶋 賢志郎*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.652 - 655, 2001/12
被引用回数:6 パーセンタイル:37.52(Physics, Condensed Matter)六方晶シリコンカーバイド(6H-SiC)へアルミニウム(Al)及び炭素(C)の共注入を行い、注入後及び熱処理後に残留する空孔型欠陥を陽電子消滅法により調べた。Al注入(濃度:2E18/cm3)は室温で、炭素注入(濃度:1E18/cm3)は室温または800で行った。その結果、両試料ともに注入後に残留する空孔型欠陥は主に複空孔(VsiVc)であること,1000での熱処理により表面層の空孔欠陥はクラスター化するが、深部の欠陥はクラスター化が抑制されること,さらに1000以上の熱処理では空孔欠陥サイズは減少し、1400熱処理により結晶性が回復することがわかった。また、Al単独注入試料中の空孔欠陥においても同様な振る舞いが観測され、共注入による欠陥の特異な振る舞いは見出されなかった。一方、電気特性の結果、共注入試料の電子濃度の方がAl単独注入より高く、共注入の効果が見られた。上記より、共注入ではサイトコンペティション効果によりAlの活性化率が向上するというわれわれのモデルの妥当性が裏づけられた。
大島 武; 上殿 明良*; 伊藤 久義; 吉川 正人; 児島 一聡; 岡田 漱平; 梨山 勇; 阿部 功二*; 谷川 庄一郎*; Frank, T.*; et al.
Materials Science Forum, 338-342, p.857 - 860, 2000/00
シリコンカーバイドSiC中のイオン注入不純物の電気的活性化と結晶性の回復の関係を調べた。不純物としてはリンを用いて、高温イオン注入により6H-SiCへ導入した。注入温度は室温から1200Cの範囲として、リン濃度は510/cmとした。注入温度と電子濃度の関係を調べたところ800Cで注入した試料が最も電子濃度が高いことがわかった。陽電子消滅法により注入層の欠陥の注入後熱処理による回復を調べたところ、800C注入した試料の空孔型欠陥のサイズがほかのものに比べ小さく結晶性が良いことがわかった。したがって高濃度のイオン注入の場合は、800C程度の高温注入を行うことで、不純物の活性化率を向上させられると判断できる。
大島 武; 上殿 明良*; 伊藤 久義; 阿部 功二*; 鈴木 良一*; 大平 俊平*; 青木 康; 谷川 庄一郎*; 吉川 正人; 三角 智久*; et al.
Mater. Sci. Forum, 264-268, p.745 - 748, 1998/00
イオン注入により発生する照射欠陥とその熱アニールによる回復についての情報を得るために、陽電子消滅測定を行った。試料はCVC法により作成した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)を用い、イオン注入は室温で、200keV-Nを110/cm行った。注入後の熱アニール処理は~1400Cまで行い、それぞれの温度でアルゴン中で20分間行った。陽電子消滅測定の結果、室温~1000Cまでは空孔型欠陥のサイズが増加し、空孔クラスターを形成するが、1000C以上では空孔型欠陥のサイズは減少し、1200C以上では消滅していくことが分かった。また、照射によりダメージを受けた領域の回復は結晶の奥の方から始まり、アニール温度の上昇に従って表面へ移動してくることも明らかになった。