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小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08
被引用回数:5 パーセンタイル:55.72(Chemistry, Analytical)ウシの硬組織用のSr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。
松枝 誠; 柳澤 華代*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信; 北村 哲浩; 高貝 慶隆*
ACS Omega (Internet), 6(29), p.19281 - 19290, 2021/07
被引用回数:2 パーセンタイル:14.88(Chemistry, Multidisciplinary)多段階分離を用いた干渉物質(Ru及びMo)の除去を利用した完全自動のオンライン固相抽出ICP-MS分析法を開発した。TcのICP-MS分析では試料中に大過剰に含まれるMo由来の同重体(MoH)が定量を阻害するが、本法はTc/Mo = 1.510のアバンダンス比を得ており、ICP-MSの適用範囲を拡張した。検出下限値は50 mL導入で9.3pg/L、測定時間は24分であった。
青木 譲; 松枝 誠; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信
JAEA-Research 2021-002, 20 Pages, 2021/05
環境試料中に極低濃度で存在するIをICP-MS法で高感度かつ迅速に分析するために、共存する干渉元素(Na, Mg, K, Ca, Mo, Cd, In)からIを分離する前処理として固相抽出法が広く利用されている。固相抽出樹脂として、既存のアミノ基を導入した陰イオン交換樹脂とともに、近年ではAg担持樹脂の利用が進められており、それぞれの樹脂の特性を踏まえて前処理法の最適化が必要となっている。本研究では、陰イオン交換樹脂であるDOWEX1-X8およびAG1-X8, Ag担持樹脂であるCLResinについて、干渉元素からのIの分離特性を比較し、環境試料中のIのICP-MS分析への適用性を調査した。吸着・溶出試験の結果、全ての固相抽出樹脂はIを定量的に吸着回収した。また、CLResinは干渉元素の除去性能が最も高く、Moを3.1%残存するものの、その他の干渉元素をICP-MSの検出下限値以下にまで除去した。しかし、Iと干渉元素との濃度比の考察から、CLResin処理後に残存するMo濃度はIのICP-MS測定になお干渉するレベルであったことから、CLResinからの溶出液を陽イオン交換樹脂(DOWEX50WX8)で処理したところ、溶出液中Moの98%以上が除去され、Moによる測定干渉を除去することができた。したがって、本研究の結果、干渉元素の除去にはCLResinが最適であり、また、CLResinとDOWEX50WX8を組み合わせた前処理法は、極低濃度(バックグラウンドレベル)のIのICP-MS分析を可能とする有力な手法となる可能性があることを提示している。
小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 北村 哲浩; 阿部 寛信
KEK Proceedings 2020-4, p.180 - 185, 2020/11
従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点がSr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによるSrの定量が試みられている。土壌や水以外のSrの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織のSr分析への適用性を検討した。魚の骨試料を対象にカラムを用いて化学分離を行ったところ、カラムへの試料導入と2.6M硝酸での洗浄の段階で、安定Srは効率よく回収し、Ca, Feはほぼ全て除去できた。Mg, Baは完全に除去できなかったが、安定Srの濃度に比べ2桁以上低濃度であり、マトリックス効果は確認されなかった。もともと低濃度のZr, Ge, Seの除去の程度の見積もりが困難であったが、質量数90でのアバンダンス感度は確認されず、ICP-MSでのSr測定時の干渉がないことがわかった。本手法は安定Srを効率よく回収しながらICP-MS測定の干渉元素を除去できるため、今後、硬組織中のSrをICP-MSで分析する際の化学分離法への適用が期待される。
阿部 寛信; 畠山 信也; 山崎 雅直; 奥園 昭彦*; 坂井 哲郎*; 井上 雅弘*
JAEA-Research 2009-019, 192 Pages, 2020/02
日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町において、立坑を主体とした地下研究施設を建設中である。建設地点の地質は、新第三紀の堆積岩でメタンを主成分とした可燃性ガスを賦存するため、地下施設内で火災等が発生した場合を想定し、入坑者を安全に地上まで避難可能な坑内構造および防災システムを構築することが重要な課題である。立坑主体の地下施設内において、火災発生時は、火災ガスが浮力効果等により複雑な挙動をしめし、強制換気の下でも予期しない箇所まで影響を及ぼす可能性がある。しかし、このような火災ガスの挙動に関する研究はこれまでほとんど実施されていなかった。このため、地下施設建設時及び運用時の火災時防災システムの構築に資する観点から、地下研究施設の通気挙動を実験的に明らかにし、また、通気解析手法の妥当性の検証を目的として、地下坑道を模擬した室内立坑火災実験を実施し、火災で発生する浮力による火災ガスの逆流現象、通気主流の逆転現象、水平坑道の風門を開閉した場合の通気挙動を把握した。また、把握した諸現象をある程度再現可能で計算時間が現実的な解析手法に基づき、プロトタイプの解析システムを構築し、火災実験と同様の条件でシミュレーションを実施した。その結果、構築した解析手法は、火災実験で把握した諸現象を概ね再現できることを確認した。本成果を地層処分施設の建設を念頭においた地下施設における火災時の通気挙動予測ツールとして適用するため、今後は、(1)通気挙動予測ツールとして定量的な解析精度を得るために必要な機能の開発、(2)火災ガス濃度等の表示機能やメンテナンス環境機能の整備、(3)ユーザーフレンドリーでメンテナンスが容易なソフトにするための設計と開発を行い、実用的で一般性の高いプログラムを開発していく予定である。
渡辺 貴善; 大山 卓也; 石井 康雄; 新里 忠史; 阿部 寛信; 三田地 勝昭; 佐々木 祥人
KEK Proceedings 2017-6, p.122 - 126, 2017/11
土砂移動に伴う放射性セシウム流出量が最も高いと見込まれる地形の急峻な山地森林を対象として、治山ダムの土砂堆積量と土砂の放射性セシウム濃度を測定し放射性セシウムの森林からの流出量を算出した。治山ダムの堆積量の計測には3Dレーザースキャナーを用いることで、詳細な堆積物の変化を求めた。
佐々木 祥人; 石井 康雄; 阿部 寛信; 三田地 勝昭; 渡辺 貴善; 新里 忠史
The Horticulture Journal, 86(2), p.139 - 144, 2017/04
2011年3月に発生した福島第一原子力発電事故により飛散した放射性セシウムの栗に対する移行を明らかにするために、果実の各部位と葉のオートラジオグラフィと放射性セシウム濃度を調べた。栗の果実は、可食部である子葉と鬼皮の間に薄皮をもつ。果実における放射性セシウム濃度は、鬼皮、薄皮、子葉ともに約1.010Bq・kgで各部位においてほぼ同濃度であり、また葉もほぼ同濃度であった。さらに果実に寄生するクリシギゾウムシの幼虫の放射性セシウム濃度は、果実の可食部である子葉の約7分の一であることが示された。
佐々木 祥人; 阿部 寛信; 三田地 勝昭; 渡辺 貴善; 石井 康雄; 新里 忠史
Journal of Environmental Radioactivity, 161, p.58 - 65, 2016/09
被引用回数:16 パーセンタイル:43.99(Environmental Sciences)福島の森林に生育する栗の木から樹幹流中への放射性セシウムの移行について報告する。事故当時に存在していた木の樹皮表面には、放射性セシウムは不均一かつスポット状に分布していた。事故後に生じた新枝にはほぼ均一に存在していた。放射性セシウム濃度は、幹(直径2cm)、枝(直径5mm以下)、葉の順に低くなった。また、幹(直径2cm)においては、樹皮は、木部の約10倍の放射性セシウム濃度であった。樹幹流の溶存画分(0.45m以下)試験期間中のCs-137濃度は平均約10Bq/Lであり、pHは5.8でほぼ一定であった。樹幹流の溶存画分の電気伝導率は放射性セシウム濃度と強い正の相関がみられたことから、樹幹流中の電解質と放射性セシウムは同じ溶出機構であることが示唆された。樹幹流中の粒子画分(0.45m以上)の一部に放射性セシウムが強く付着している粒子が存在することが示された。
新里 忠史; 阿部 寛信; 三田地 勝昭; 佐々木 祥人; 石井 康雄; 渡辺 貴善
Journal of Environmental Radioactivity, 161, p.11 - 21, 2016/09
被引用回数:29 パーセンタイル:67.86(Environmental Sciences)東電福島第一原子力発電所の事故から2-3年経過後の福島県阿武隈山地の森林において、事故により放出された放射性セシウムの林床を基準とした流出及び入力量を推定した。放射性セシウムの流出入の観測は、落葉樹のコナラ林と常緑樹のスギ林に設置した観測区画において、表面洗食、林内雨、樹幹流、リターフォールを対象に実施した。その結果、福島県の降雨時期において、林床を基準とした放射性セシウムの入力量は、流出量と比較して4-50倍高い結果が得られた。これらの結果は、放射性セシウムはその著しく低い流出量のために森林内に留まる傾向にあることを示す。このため、森林における放射性セシウムの循環プロセスの理解が、放射性セシウムの濃度レベルの将来予測と森林に係る生活の再生における重要なであることを示す。
石井 康雄; 阿部 寛信; 新里 忠史
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 3 Pages, 2015/05
本研究では福島県内の川内村荻地区, 川俣町山木屋地区に設置した森林観測プロットおよび浪江町大柿地区の砂防ダムにおいて、表面流出物質の特性および放射能分析について報告する。
岩月 輝希; 佐藤 治夫; 野原 壯; 棚井 憲治; 杉田 裕; 天野 健治; 藪内 聡; 大山 卓也; 天野 由記; 横田 秀晴; et al.
JAEA-Research 2011-009, 73 Pages, 2011/06
本計画書は、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)において、幌延深地層研究センターの地下研究施設を利用して行う調査研究開発の計画を整理したものである。当該期間においては、民間活力により深度350mまでの地下施設の整備,維持管理及び研究支援に関する業務のほかさまざまな受託事業,共同研究が行われる予定であり、第2段階(坑道掘削[地下施設建設]時の調査研究段階)に加えて、第3段階(地下施設での調査研究段階)の調査研究開発が開始される。これらの調査研究開発を通して、地質環境調査技術や深地層における工学的技術,処分技術,安全評価手法を向上させるとともに、その成果を広く社会に公開することで、地層処分にかかわる諸技術の実現性を示し、信頼感を醸成していく。
太田 久仁雄; 阿部 寛信; 國丸 貴紀
JAEA-Research 2010-068, 370 Pages, 2011/03
幌延深地層研究計画は、北海道幌延町で進めている堆積岩を対象とした総合的な研究開発計画であり、第1段階「地上からの調査研究段階」における調査研究を2001年3月から2006年3月までの約5年間に渡って実施した。深地層の科学的研究では、幌延町内に主たる調査研究の実施領域である研究所設置地区を選定し、空中及び地表からのさまざまな調査研究の展開を通じて、地区・用地の選定における要件や条件にかかわる技術的知見を取得するとともに、堆積岩を対象とした地上からの調査・評価技術の整備を図った。また、坑道掘削前の深部地質環境を把握し、地下施設を安全に建設・維持するための設計・施工計画を策定するとともに、第2段階以降における調査研究の課題や方向性を具体化した。本報告書は、第1段階における調査研究によって得られた成果を網羅的に取りまとめたものである。ここで取りまとめた成果は、処分事業と安全規制の両面を支える地層処分技術の知識基盤として有効に活用されるものである。
阿部 寛信; 高橋 一晴*; 藤島 敦
JAEA-Data/Code 2009-007, 35 Pages, 2009/07
幌延深地層研究計画においては、地質・地質構造に関する調査の一環として、研究所設置区域及びその周辺地域における岩盤の地質学的不均質性及び物質の移動経路として重要な構造(断層など)を把握するための調査を実施している。本研究ではその研究の一環として、構造を推定するための手法の一つとしてのガス測定が有効であるかを検討するため、研究所設置地区である幌延町北進地区を中心にメタンガス・二酸化炭素ガス量の測定を行い、ガス量の分布と大曲断層の分布との関係について検討した。その結果、大曲断層の推定位置周辺で二酸化炭素ガス量が多い傾向が認められた。
角 美香; 阿部 勝男; 影山 十三男; 中沢 博明; 甲地 友和*; 村上 貴樹*; 菱 朋行*; 藍 寛信*
Proceedings of INMM 50th Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2009/07
近年、同位体希釈質量分析法(IDMS)によってPu及びUの濃度を測定する多くの分析所において、個々のバイアル中にPu, U両方を含む、LSDスパイクが標準試料として用いられている。査察分析所で調製されているもの及び市販されているLSDスパイクの多くは、再処理施設におけるインプット溶液を測定することを目的としており、個々のバイアル中に数mgのPuと数十mgのUを含んでいる。一方で、PFDCにおける主な試料であるMOXは、インプット溶液に比べるとわずかなUしか含んでおらず、インプット用のLSDスパイクを用いて、精度よく測定することは難しい。そのため、PFDCではMOX試料測定に適したPu/Uの異なる数種類のLSDスパイクを調製し、使用してきた。また、近年Pu-CRMの入手は困難さが増しており、自国でPuスタンダードを調製する技術を持つ必要が出てきている。PFDCで保管しているMOX粉末からPuを回収し、LSDスパイクを調製するとともに、JNFLとの共同研究に基づき、実用試験を行った。本論文では、PFDCにおけるMOX試料測定のためのLSDスパイクの調製と使用経験,MOX-Puの値付け分析方法の検討等について報告する。
大澤 英昭; 太田 久仁雄; 濱 克宏; 澤田 淳; 竹内 真司; 天野 健治; 三枝 博光; 松岡 稔幸; 宮本 哲雄; 豊田 岳司; et al.
JAEA-Research 2008-085, 742 Pages, 2008/11
本報告書は、経済産業省資源エネルギー庁から受託した平成19年度地層処分技術調査等委託費(地層処分共通技術調査:地質環境総合評価技術高度化開発)の平成19年度の成果を示すものである。
熊谷 恭人; 舟木 泰智; 山崎 雅直; 山口 雄大; 尾留川 剛*; 真田 祐幸; 阿部 寛信
JAEA-Data/Code 2007-025, 106 Pages, 2008/07
幌延深地層研究計画は、原子力政策大綱に示された深地層の研究施設計画の一つであり、堆積岩を対象として、日本原子力研究開発機構が北海道幌延町で進めているプロジェクトである。この計画では、「深地層の科学的研究」と「地層処分研究開発」を、第1段階「地上からの調査研究段階」,第2段階「坑道掘削時の調査研究段階」,第3段階「地下施設での調査研究段階」の3段階で20年程度をかけて進める。第2段階調査が始まるにあたり、第1段階の調査結果に基づき、(1)安全かつ合理的な坑道建設のための計測,(2)坑道の設計・施工技術の高度化に向けた研究開発のための計測、及び(3)掘削前に予測した深部地質環境を検証するための計測を取りまとめ、「幌延深地層研究計画における立坑掘削時の計測計画及び情報化施工プログラム」を策定した。本データ集は、この計測計画に基づき平成18年度に実施した換気立坑深度約50m,東立坑深度約40mまでの調査結果を取りまとめたものである。
太田 久仁雄; 阿部 寛信; 山口 雄大; 國丸 貴紀; 石井 英一; 操上 広志; 戸村 豪治; 柴野 一則; 濱 克宏; 松井 裕哉; et al.
JAEA-Research 2007-044, 434 Pages, 2007/03
幌延深地層研究計画は、北海道幌延町で進めている堆積岩を対象とした深地層の研究施設であり、第1段階「地上からの調査研究段階」,第2段階「坑道掘削時の調査研究段階」,第3段階「地下施設での調査研究段階」の3段階で20年程度かけて進めているプロジェクトである。本計画では、「深地層の科学的研究」と「地層処分研究開発」の二つの分野の研究開発を進めている。本報告書は、深地層の科学的研究について、第1段階における調査研究の成果を取りまとめたものである。本報告書では、「研究所設置場所の選定プロセス」,「研究所設置地区及びその周辺における調査研究」,「深地層における工学技術の基礎の開発」、及び「地下施設建設に伴う周辺環境への影響調査」に関する具体的な調査内容と結果を示し、第1段階における調査研究の目標に対する達成度を評価するとともに、今後の課題を明らかにした。また、本報告書でまとめた成果は、地層処分技術の知識基盤として整備されるばかりでなく、処分事業と安全規制の両面を支える技術基盤の強化を図っていくうえで、有効に活用されるものである。
阿部 寛信; 野原 壯; 向山 健二郎*; 木村 政昭*; 倉本 真一*; 芦 寿一郎*
海洋調査技術, 13(1), p.27 - 53, 2000/00
音響地殻断面記録をコアデータとし、海底地形図及びその他のデータセットを統合した断層判定の基準を作成し、その規準を基づき、日本周辺海域中新世最末期以降の断層を総計766個認定した。そのうち、第四紀以降において活動的な断層は753個であった。認定された日本周辺海域中新世最末期以降の断層はその属性(断面及び平面での特徴、変位規準、活動時期、変位している地層、認定度等)から43の断層系にグルーピングした。今回の解析結果により、日本周辺海域で現在進行中のテクトニクス、つまり、南海トラフでの斜め沈み込み、沖縄トラフでのリフティング、日本海東縁から山陰沖における東西圧縮、オホーツク海-千島弧西端-日本海溝での東西圧縮、伊豆・小笠原弧のリフティングの大枠は3Ma、古くとも6Ma前には確立した事が明確となった。
阿部 寛信
サイクル機構技報, (5), p.77 - 83, 1999/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに影響をおよぼすと考えられる天然現象のひとつに地震・断層がある。1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(M7.2)発生の際、淡路島において、地震発生後、新たな湧水や湧水量の増加や地下水位の低下等の地下水理の変化が観察された。本報告では、兵庫県南部地震の震源断層とされている野島断層周辺の湧水及び地下水の変化について、数値解析手法を用いた地震前後の水理環境の検討を行い、地震・断層活動が地下水に与える影響について考察した。解析の結果、地震の際の地下水変化は、主に地表部と断層近傍で起こり、地下深部の地下水はほとんど変化しないという結果を得た。
國丸 貴紀; 太田 久仁雄; 阿部 寛信; 山口 雄大; 石井 英一; 操上 広志; 戸村 豪治; 柴野 一則; 濱 克宏; 松井 裕哉; et al.
no journal, ,
幌延深地層研究計画は、原子力政策大綱に示された深地層の研究施設計画の一つであり、堆積岩を対象として、独立行政法人日本原子力研究開発機構が北海道幌延町で進めているプロジェクトである。この計画では、「深地層の科学的研究」と「地層処分研究開発」を、第1段階「地上からの調査研究段階」,第2段階「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階」,第3段階「地下施設での調査研究段階」の3段階で20年程度をかけて進める。第1段階における調査研究は、2001年3月に開始し、2006年3月までの約5年間に渡って実施してきた。本報告書は、第1段階における調査研究によって得られた成果を網羅的に取りまとめたものである。この取りまとめは、第1段階目標に対して、その達成度を評価するとともに、今後の課題を明らかにし、第2段階以降における調査研究の方向性を具体化するうえで重要な意味を持っている。