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富田 純平; 阿部 琢也
JAEA-Research 2016-026, 12 Pages, 2017/03
本研究では、現地において大容量の淡水試料( 170L)からRa同位体を回収する前処理法と実験室における単純な共沈法を組み合わせた線スペクトロメトリーによる淡水試料中の低濃度Ra同位体分析法を開発した。運搬する試料量を減容するための現地における前処理法として、Powdex樹脂によるバッチ法を検討し、Ra同位体の回収に必要な樹脂量は、水試料の電気伝導度から評価可能であることを明らかにした。また、Ra同位体を硫酸バリウム共沈法により回収することで、バックグラウンドを上昇させるKを96%以上除去できた。既知量のRa同位体を含む電気伝導度が異なる170Lの淡水模擬試料を本手法により分析し、分析法の妥当性を確認した。この時のRaの回収率は、平均98%、Ra及びRaの検出限界値は、それぞれ約0.3及び0.5mBq Lであった。
富田 純平; 阿部 琢也; 坂口 綾*; 宮田 佳樹*; 長尾 誠也*; 山本 政儀*
no journal, ,
南相馬市内から採取した水試料(井戸水・湧水・水道水)中の人工放射性核種(Cs・Cs・Sr)及び天然放射性核種(U・Ra同位体、K)濃度を測定した。水試料中のSr及びCs濃度は、それぞれ検出限界(約0.08)以下3.4及び検出限界(約0.5)以下4.2 mBq Lであった。水試料中のSr濃度は、概ねグローバルフォールアウト由来のものと同程度である一方、放射性Csについては、低濃度であるが、2011年3月に補正したCs/Cs放射能比から、福島第一原子力発電所事故の影響が示唆された。水中のU、濃度は、0.692455 ng Lであった。検出されたRa及びRa濃度は、それぞれ0.142.7及び0.189.2 mBq Lと低濃度であった。検出された核種濃度を用いて、1年間1日2Lずつ飲料し続けた場合の成人の預託実効線量を計算したところ、最大で8.0Sv yであった。検出された核種濃度から求めた核種毎の平均値を用いて見積もった平均線量は、0.7Sv yであり、この場合の人工放射性核種の寄与は、全体の4%程度であった。
佐藤 玖莉; 阿部 琢也
no journal, ,
測定における不確かさの表現のガイド(GUM)に示されている不確かさ評価の方法を、放射線管理等で広く用いられている放射能の算出モデルに対して、共分散を考慮したうえで適用し、ISO 11929-1に示されている方法により、決定しきい値及び検出下限値を評価した。ゲルマニウム半導体検出器を用いた線スペクトル分析結果に対し、この方法による検出下限値と従来から用いられているCooper法による検出下限値との比較結果について報告する。