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阿部 真知子*; 射場 英紀*; 鈴木 耕太*; 南嶋 宏映*; 平山 雅章*; 田村 和久; 水木 純一郎*; 齋藤 智浩*; 幾原 雄一*; 菅野 了次*
Journal of Power Sources, 345, p.108 - 119, 2017/03
被引用回数:11 パーセンタイル:38.74(Chemistry, Physical)Ni, Co, Mn三元系リチウムイオン電池正極材料について、その劣化機構について、電気化学測定、X線・中性子線測定により調べた。実験の結果、Ni, Co, Mn三元系正極は、層状岩塩型構造とスピネル構造で構成されており、充放電を繰り返すと、充放電に関与しないスピネル構造が表面を覆っていくことが分かった。一方で、Zr-Oで表面をコートした材料は劣化しないことが知られており、その原因を調べた結果、層状岩塩型構造が安定に存在し続けていることが分かった。さらに、電極/溶液界面のLi濃度を上昇していることも分かった。
阿部 康弘*; 瀧上 眞知子; 杉野 公二*; 田口 光正; 小嶋 拓治; 梅村 智也*; 角田 欣一*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 76(8), p.1681 - 1685, 2003/08
被引用回数:5 パーセンタイル:26.49(Chemistry, Multidisciplinary)フェノール,ブチルフェノール(BuP),ビスフェノールA(BPA)等のフェノール系内分泌攪乱物質(P-EDCs)50M水溶液の分解を過マンガン酸カリウム(KMnO)を用いて行い、Co線照射により生成したOHラジカルによるP-EDCsの分解と比較した。種々の有機酸及び無機炭素が、KMnO及びOHラジカルによるP-EDCsの分解で生成した。KMnO処理では、有機酸及び無機炭素は芳香族環の直接開裂で形成され、OHラジカル処理の場合にはOHラジカルの芳香族環への付加・置換反応に続く芳香族環の開裂により形成される。一方、BuP及びBPAを完全に取り除くために必要とされる電子数で分解効率の比較を行うと、KMnOはOHラジカルとほぼ同等であったが、フェノールの100%分解では、KMnOはOHラジカルの3倍量必要であった。しかし、フェノールを完全に有機酸及び無機炭素に変化させるために必要な電子数は720Mであり、両処理で同等であった。
尾崎 卓郎; 安部 静子*; 阿部 知子*; Francis, A. J.
Analytical and Bioanalytical Chemistry, 375(4), p.505 - 510, 2003/02
被引用回数:7 パーセンタイル:23.17(Biochemical Research Methods)イネによるRb(ルビジウム),Cs(セシウム),Mn(マンガン),Zn(亜鉛),Y(イットリウム),Rh(ロジウム)及びSe(セレン)の取込みに水耕溶液中に存在するフミン酸と溶液のpHが与える影響をマルチトレーサー法により調べた。シリカを含む水耕溶液中にフミン酸を添加したところ、マンガン及び亜鉛のイネへの取込みはpH4.3では増加したがpH5.3では減少した。フミン酸の添加はいずれのpHにおいてもイットリウムの取込みを低下させた。ルビジウム,セシウム及びセレンはフミン酸と相互作用を示さず、フミン酸の添加によりイネへの取込みに変化は現れなかった。また、ロジウムの取込みは見いだされなかった。これらの結果から、元素のイネへの取込みは水耕溶液のpH及び各元素とフミン酸との相互作用の度合いだけでなく、フミン酸の根及びシリカへの吸着の度合いにも強く支配されることがわかった。
尾崎 卓郎; 安部 静子*; 阿部 知子*; Francis, A. J.
Biological Trace Element Research, 90(1-3), p.273 - 281, 2002/12
被引用回数:4 パーセンタイル:6.56(Biochemistry & Molecular Biology)シリカを含む弱酸性溶液からの種々の放射性元素のイネ(Oryza sativa L. cv. Koshihikari)への取込みを調べた。シリカへの吸着やイネへの取込みの元素間挙動の違いを正確に見積もるために、ルビジウム,セシウム,ストロンチウム,マンガン,亜鉛,イットリウム及びセレンの放射性元素を同時に溶液内に添加し、完全同一実験条件下で各元素の挙動を追跡した。その結果、ルビジウム,セシウム,ストロンチウム,マンガン,亜鉛及びイットリウムのシリカへの吸着量はpHが4.3から5.3に上昇するとともに増加し、セレンの吸着量はpH5前後で変化しないことがわかった。また、ルビジウム,セシウム,ストロンチウム,マンガン及び亜鉛のイネへの取込みは、pHの4.3から5.3への上昇にともない増加したが、イットリウム及びセレンのイネへの取込みはpHとともに減少した。以上から、上記の元素のイネへの取込みは、根細胞上イオン輸送系の吸着サイトを競合する水素イオンの濃度だけでなく、各元素のシリカへの吸着量にも大きく支配されることがわかった。
森下 敏和*; 清水 明美*; 山口 博康*; 出花 幸之介*; 六笠 裕治*; 相井 城太郎*; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 田中 淳; 宮沢 豊*; et al.
no journal, ,
ダッタンソバはルチン含量が高く機能性食品素材として注目されているが、育成品種は少なく、放射線育種による新品種の育成が期待される。本発表では、線やイオンビーム照射により得た耐倒伏性を有する半矮性変異体の育成経過と特性について報告する。1999年から2004年にかけてダッタンソバ品種「Rotundatum」,「Pontivy」及び「北系1号」の乾燥種子に放射線育種場の線、原子力機構のAVFサイクロトロン及び理化学研究所のリングサイクロトロンで各種イオンビームを照射し、M2世代で変異体を選抜した。その後世代を重ねて変異を固定し、7系統の耐倒伏性の半矮性変異体を得た。これらの半矮性系統の草丈と主茎長は原品種の1/3から2/3であった。一般的に草丈と収量との間には正の相関が存在するが、これらの系統は草丈の低下に伴う収量減は少なく、着粒が密であった。これらの半矮性系統の主茎は原品種より節間が短いことが主茎の強度を高め耐倒伏性をもたらしていると推測された。現在これらの栽培特性を明らかにするための栽培試験、及び半矮性遺伝子を明らかにするための交配試験や遺伝子解析を進めている。