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論文

A Three-dimensional neutronics-thermohydraulics simulation of core disruptive accident in sodium-cooled fast reactor

山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史

Nuclear Engineering and Design, 239(9), p.1673 - 1681, 2009/09

 被引用回数:14 パーセンタイル:69.01(Nuclear Science & Technology)

SIMMER-IIIは二次元多速度場多相多成分オイラー型流体力学コードに燃料ピン及び空間・エネルギー依存核計算モデルを結合した解析コードである。SIMMER-IIIは許認可のための高速炉安全解析の標準解析ツールとなると期待されていることから、同コードは十分ロバストで信頼できることを実証されねばならない。そのため、同コードの体系的検証計画が欧州研究機関と協力して実施されてきた。SIMMER-IIIをそのまま三次元に拡張したSIMMER-IVが開発された。最近では、SIMMER-IVの並列化を進め、利用可能な計算機資源でSIMMER-IVを実機解析に適用することが可能となった。より現実的な事故シナリオを明らかにするため、SIMMER-IVを用いた三次元解析結果を示す。

論文

First 3-D calculation of core disruptive accident in a large-scale sodium-cooled fast reactor

山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; Maschek, W.*

Annals of Nuclear Energy, 36(3), p.337 - 343, 2009/04

 被引用回数:16 パーセンタイル:71.14(Nuclear Science & Technology)

SIMMER-IVコンピューターコードは燃料ピンモデルと空間・エネルギー依存中性子輸送動特性モデルを結合した3次元流体力学コードである。本研究では、SIMMER-IVコードを大型ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故に初めて適用することを試みた。この研究では、制御棒を含む3次元的な炉心配位条件で燃料再配置を伴う反応度効果を調べることが主要な点である。その計算により、現設計ではエントランスノズルにおける有意な流動抵抗によって炉心からの燃料流出が阻害されることが示された。また、静的核計算を実施し、異なるスケールの炉心間で基礎的な核特性を比較した。その結果、小型炉心と異なり、大型炉心では内側炉心内で外側で燃料集中が生じると反応度が上昇することが明らかとなった。

論文

First 3-D calculation of core disruptive accident in a large scale sodium-cooled fast reactor

山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; Maschek, W.*

Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors, Nuclear Power; A Sustainable Resource (PHYSOR 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/09

本研究では、SIMMER-IVコードを大型ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故に初めて適用して、事象推移を描くとともに重要な特徴を把握することを試みた。3次元計算は多くの計算時間を要するため、本研究では遷移過程の初期過程に注目してSIMMER-IVによる解析を行った。計算結果は再臨界もなくマイルドな事象推移を示した。小型ナトリウム冷却高速炉と比べると、大型ナトリウム冷却高速炉では径方向スロッシングがさほど有意でないことがわかった。

論文

Development of a three-dimensional CDA analysis code; SIMMER-IV and its first application to reactor case

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 佐藤 一憲; 丹羽 元

Nuclear Engineering and Design, 238(1), p.66 - 73, 2008/01

 被引用回数:31 パーセンタイル:87.02(Nuclear Science & Technology)

炉心崩壊事故の遷移過程解析のため、2次元SIMMER-IIIコードをもとに3次元炉心安全解析コードSIMMER-IVの開発が行われた。また、世界で初めてSIMMER-IVを小型ナトリウム冷却高速炉に適用し、遷移過程の初期段階における事象推移を明らかにすることを試みた。このSIMMER-IVによる解析は、制御棒案内管の存在を無視したSIMMER-IIIによる2次元解析の場合と比較された。従来シナリオは比較的早期に高い流動性を持つ燃料プールが形成されていたが、3次元的な物質配位を考慮した本解析により、それは非現実的であり、遷移過程の初期段階では崩壊炉心は低流動性を保つ傾向があることが示された。

報告書

CABRI炉内試験等の知見を反映した「もんじゅ」ULOF事象解析

佐藤 一憲; 飛田 吉春; 鈴木 徹; 川田 賢一; 深野 義隆; 藤田 哲史; 神山 健司; 野中 信之; 石川 眞; 宇佐美 晋

JAEA-Research 2007-055, 84 Pages, 2007/05

JAEA-Research-2007-055.pdf:16.66MB

高速原型炉「もんじゅ」の当初安全審査では、「技術的には起こるとは考えられない事象」の一つである「1次冷却材流量減少時反応度抑制機能喪失事象(ULOF: Unprotected Loss of Flow)」の評価を行い、発生する機械的エネルギーが大気圧までの等エントロピー膨張ポテンシャルで約380MJになるとの結論を得ていた。一方、「もんじゅ」は平成7年の2次系ナトリウム漏洩事故以来、10年以上の間プラント停止状態が続いており、この停止期間の間に核分裂性プルトニウムの一部が壊変によりアメリシウムに変わることによって、炉心の反応度特性が変化している。本研究はプルトニウム組成の変化による反応度特性の変化が発生エネルギーに与える影響を評価する目的で、ULOF事象の事象推移解析を行ったものである。ULOF事象推移解析においては、原安全審査以後に行われた安全研究によって得られた新たな知見を反映した解析を行った結果、反応度特性の変化を考慮しても、原申請における解析から得られた機械的エネルギー放出値を超えることはないとの結論を得た。

論文

SIMMER-III; A Coupled neutronics-thermohydraulics computer code for safety analysis

山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 鈴木 徹; 神山 健司; 守田 幸路*; Maschek, W.*; Pigny, S.*

Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/04

ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故における複合現象を模擬するため、JAEAでは二次元多速度場多相多成分オイラー型流体力学コードに燃料ピン及び空間・エネルギー依存核計算モデルを結合したSIMMER-IIIコードを開発してきている。最近では、SIMMER-IIIと同等の物理モデルを有しつつ三次元化されたSIMMER-IVも開発された。本論文では、SIMMER-III/IVのモデル及び手法について、最近のモデル改良を強調して簡単にレビューする。また、コード検証計画の主要な成果を述べた後、コード適用計算例について記述する。SIMMER-IVを用いた三次元計算によって、より現実的な事故シナリオを描くとともに、この計算結果はまた事故後物質移動・再配置過程を研究するための崩壊炉心状態に供される。

論文

Development of a three-dimensional CDA analysis code; SIMMER-IV, and its first application to reactor case

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 佐藤 一憲; 丹羽 元

Proceedings of Technical Meeting on Severe Accident and Accident Management (CD-ROM), 12 Pages, 2006/03

炉心崩壊事故の遷移過程解析のため、2次元SIMMER-IIIコードをもとに3次元炉心安全解析コードSIMMER-IVの開発が行われた。また、世界で初めてSIMMER-IVを小型ナトリウム冷却高速炉に適用し、遷移過程の初期段階における事象推移を明らかにすることを試みた。このSIMMER-IVによる解析は、制御棒案内管の存在を無視したSIMMER-IIIによる2次元解析の場合と比較された。従来シナリオは比較的早期に高い流動性を持つ燃料プールが形成されていたが、3次元的な物質配位を考慮した本解析により、それは非現実的であり、遷移過程の初期段階では崩壊炉心は低流動性を保つ傾向があることが示された。

論文

低速度重イオン加速用超伝導2芯1/4波長型空洞共振器の開発

株本 裕史; 竹内 末広; 松田 誠; 飯島 明彦*; 吉田 崇宏*; 宇佐見 孝弘*; 飛田 哲史*

Proceedings of 3rd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 31st Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.819 - 821, 2006/00

原子力機構東海タンデム加速器では安定核・短寿命核ビームを発生するJAEA$$cdot$$KEK共同研究施設の建設を進めており、昨年度より運転を開始した。当初はエネルギー1.1MeV/核子で運転を行うが、将来的にはイオンを超伝導ブースターで再加速し約5$$sim$$8MeV/核子のビームを得る計画を進めている。イオンを超伝導ブースターで効率よく再加速するためには1.1MeV/核子のビームを2.0MeV/核子まで加速する前段加速器が必要であり、低速度重イオン加速用超伝導空洞共振器の開発を進めている。

報告書

ナトリウム冷却炉の再臨界回避方策に関する検討; 平成15年度報告

久保 重信; 飛田 吉春; 川田 賢一; 小野田 雄一; 佐藤 一憲; 神山 健司; 植田 伸幸*; 藤田 哲史; 丹羽 元

JNC TN9400 2004-041, 135 Pages, 2004/07

JNC-TN9400-2004-041.pdf:17.3MB

実用化戦略調査研究フェーズ2において、平成15年度に実施したナトリウム冷却炉の再臨界回避方策に関する検討結果を示す。ナトリウム冷却大型炉及び中型炉について、炉心燃料設計及びプラント設計との整合性に配慮しつつ、再臨界回避方策として有望な概念を構築することを目的とし、これらの炉心を対象とした炉心流量減少時炉停止失敗事象の炉内終息性に関する諸検討を実施して以下の結果を得た。遷移過程での燃料流出促進策として提案されているABLE概念の有効性について解析評価を実施した結果、ラッパ管溶融に先行した燃料流出が実現できない見通しであることが分かった。一方、FAIDUS概念については、燃料流出見通しはあるものの、炉心性能等への影響が大きいことから、改良概念を提示し予備的な評価によりその性能見通しを示した。原子炉容器底部で多量の燃料の保持冷却を確保するための課題を軽減する観点から、炉心部での事故後の損傷炉心物質の保持・冷却が重要であり、ナトリウムのもつ高い冷却能力を考慮した評価を今後定量化していくことによって炉内終息が達成できる可能性があることを示した。 FAIDUS及びABLEを対象とした現時点までの解析評価による情報等に基づいて、今後検討が必要となる可能性のある試験課題とその実施方法を例示した。金属燃料炉心については、出口温度を550$$^{circ}C$$、ボイド反応度を8ドル以下とした中型炉を対象とした起因過程解析を実施し、即発臨界には至らずマイルドに推移する結果を得た。起因過程末期から遷移過程にかけての挙動については不確かさが大きいが再臨界が回避される可能性が示されると共に、仮に遷移過程で燃料プールが形成される状況を想定しても、MOX燃料と比較して緩慢な推移を示すことが示された。

報告書

SIMMER-III: A Computer Program for LMFR Core Disruptive Accident Analysis; Version 3.A Model Summary and Program Description

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 神山 健司; 近藤 悟; 守田 幸路*; Fischer, E. A.; Brear, D. J.; 白川 典幸*; 曹 学武; et al.

JNC TN9400 2003-071, 340 Pages, 2003/08

JNC-TN9400-2003-071.pdf:1.54MB

核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉の仮想的な炉心損傷事故を評価するために新たな安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めてきた。SIMMER-IIIは、2次元,3速度場,多相多成分,オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配位及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルを有機的に結合したコードである。現在までに、本コード開発プロジェクトの当初に計画していた全てのモデル開発を終了したことになり、いよいよ実機の安全解析や複雑な多相流解析に本格的に適用できる段階に達した。また、コード開発と併行して、体系的なモデル検証研究を欧州研究機関と共同で進めており、その結果、モデルの高度化により従来のSIMMER-IIコードで問題とされた適用限界の多くが解消できるとの見通しを得つつある。本報告書では、SIMMER-III Version 3.Aの詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル,数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。新たに完成したSIMMER-III Version 3.Aにより、高速炉の安全解析における信頼性と適用範囲が飛躍的に向上できるものと期待されている。

報告書

SIMMER-IV: A Three-Dimensional Computer Program for LMFR Core Disruptive Accident Analysis; Version 2.A Model Summary and Program Description

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 近藤 悟; 守田 幸路*; 菅谷 正昭*; 水野 正弘*; 細野 正剛*; 近藤 哲平*

JNC TN9400 2003-070, 333 Pages, 2003/08

JNC-TN9400-2003-070.pdf:1.35MB

核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉における仮想的な炉心損傷事故をより合理的に評価するために、新たな安全解析コードSIMMER-III開発・検証を進めてきた。この開発成果に基づき、SIMMER-IIIの2次元流体力学モデルを3次元に拡張したSIMMER-IVコードの開発を行った。本報告書に述べる第2版(Version 2)では、核計算部は3次元中性子輸送モデルを採用している。SIMMER-IVの完成により、SIMMERコードの適用範囲はさらに拡大し、これまでのSIMMER-IIIの2次元コードであるが故の限界が解消される。本報告書にも記載したサンプル計算を通じて、SIMMER-IVの基本的性能と妥当性が確認されている。本報告書は、SIMMER-IV Version 2.Aの利用者のために必要な情報を記載している。詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。

報告書

鉛冷却高速炉の炉心損傷事故事象解析-12年度成果-

飛田 吉春; 藤田 朋子; 藤田 哲史

JNC TN9400 2001-050, 4 Pages, 2001/03

JNC-TN9400-2001-050.pdf:1.68MB

核燃料サイクル開発機構では、安全確保を前提に「経済性向上、資源の有効活用、環境負荷低減、核不拡散性の確保」を目標として、実用化に向けて競争力のある高速炉プラントを創出する実用化戦略調査研究を進めている。本報告書では、この調査研究において実用化炉の候補概念の一つとして検討されている重金属冷却高速炉の炉心安全性の特徴を明らかにすることを目的として実施した炉心損傷事故解析における事象進展について報告する。解析の結果、被覆管の溶融移動とプレナムガス放出によるボイド反応度挿入は緩慢であるため、再臨界を駆動することはないことが示された。一方、炉心損傷が進展して崩壊した燃料粒子の単相の鉛冷却材に分散した状態では、名乗り冷却材の流れによる燃料集中で再臨界が駆動される可能性のあることが明らかとなった。また、事故影響の炉容器内格納性の観点からは、高温化した鉛に対する一時系バウンダリ、炉容器内構造物及び崩壊熱除去機能の健全性維持が重要となることが指摘された。

論文

Mechanistic SIMMER-3 Analyses of Severe(ADS)Transients in Accelerator Driven Systems

山野 秀将; 近藤 悟; 飛田 吉春; 藤田 哲史

Proceedings of 9th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-9) (CD-ROM), 0 Pages, 2001/00

従来の高速炉用に開発された安全解析コ-ドSIMMER-3を、欧州で研究開発が進められている未臨界の加速器駆動システム(ADS)へ適用し、安全特性の評価を行った。本研究では、炉心崩壊事故の起因事象としてULOFを想定し、事象推移に応じた炉心物質の熱流力挙動、特にガスプレナムからのガス放出挙動に着目した。本論文では、新物質を含まないPuやMAの燃焼専用のADSは、トリウムなどの新物質を含むエネルギ-増幅タイプのADSと比較した結果、本解析結果から安全上の問題が存在することが示唆された。ADSは現在の機構の研究業務に含まれないが、本論文は機構のコ-ドの適用研究であり、JNC-FZK/CEA協力の成果が従来の高速炉以外の分野にも広く応用されていることをアピ-ルする上で有益である。

報告書

SIMMER-IV: A Three-Dimensional Computer Program for LMFR Core Disruptive Accident Analysis - Version 1.B Model Summary and Program Description -

近藤 悟; 山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 守田 幸路*; 水野 正弘*; 細野 正剛*

JNC TN9400 2001-003, 307 Pages, 2000/11

JNC-TN9400-2001-003.pdf:8.33MB

核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉における仮想的な炉心損傷事故をより合理的に評価するために、新たな安全解析コードSIMMER-III開発・検証を進めてきた。この開発成果に基づき、SIMMER-IIIの2次元流体力学モデルを3次元に拡張したSIMMER-4コードの開発を行った。本報告書に述べる第1版(Version 1)では、核計算部(中性子輸送モデル)は2次元モデルを採用しており、流体力学との結合のためのインターフェイスを用意した。SIMMER-4の完成により、SIMMERコードの適用範囲はさらに拡大し、これまでのSIMMER-IIIの2次元コードであるが故の限界が解消される。本報告書にも記載したサンプル計算を通じて、SIMMER-IVの基本的性能と妥当性が確認されている。本報告書は、SIMMER-4 Version 1.Bの利用者のために必要な情報を記載している。詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。

報告書

SIMMER-III: A Computer Program for LMFR Core Disruptive Accident Analysis - Version 2. H Model Summary and Program Description -

近藤 悟; 山野 秀将; 鈴木 徹; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 栗原 国寿; 神山 健司

JNC TN9400 2001-002, 318 Pages, 2000/11

JNC-TN9400-2001-002.pdf:8.66MB

核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉の仮想的な炉心損傷事故を評価するために新たな安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めてきた。SIMMER-IIIは、2次元、3速度場、多相多成分、オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配位及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルを有機的に結合したコードである。現在までに、本コード開発プロジェクトの当初に計画していた全てのモデル開発を終了したことになり、いよいよ実機の安全解析や複雑な多相流解析に本格的に適用できる段階に達した。また、コード開発と併行して、体系的なモデル検証研究を欧州研究機関と共同で進めており、その結果、モデルの高度化により従来のSIMMER-IIコードで問題とされた適用限界の多くが解消できるとの見通しを得つつある。本報告書では、SIMMER-III Version 2.Hの詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。新たに完成したSIMMER-III Version 2.Hにより、高速炉の安全解析における信頼性と適用範囲が飛躍的に向上できるものと期待されている。

報告書

Phase 2 code assessment of SIMMER-III; A computer program for LMFR core disruptive accident analysis

近藤 悟; 山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 神山 健司; W.Maschek*; P.Coste*

JNC TN9400 2000-105, 777 Pages, 2000/09

JNC-TN9400-2000-105.pdf:33.07MB

液体金属冷却高速炉の安全解析コードSIMMER-IIIの開発は、2次元、3速度場の多相・多成分流体力学モデルを空間依存動特性モデルと統合したシステムコードであるVersion2を計画通り完成した。現在このプロジェクトにはドイツのFZKおよびフランスのCEAが参加しており、将来このコードを標準的な安全評価手法として確立していくために、同コードの包括的・体系的な検証計画を共同で実施することを合意している。検証計画は個別の基本要素モデルを検証する第1期検証および安全評価上の主要現象に係わる総合的な検証を目的とした第2期検証に分けて段階的に進めることとしており、現在までに第2期検証計画が終了した。本報告書は、全体的な検証計画、第2期検証計画として実施した、高速炉の安全上の主要現象5分野についての34種のテスト問題についての解析結果、及びこれを基にした総合評価の成果について記載する。国際協力及び世界中の実験データベースを活用した本研究を通じて、SIMMER-IIIが数値的および物理的に基本的に妥当であること、ならびに適用範囲および柔軟性に関して先行コードと比べて格段に高度化されていることが確認された。したがって、本コードは複合現象を取り扱う実機の安全解析に適用可能であると判断される。また、検証解析を通じて同コードの適用限界や今後の開発課題についても明らかになってきた。

報告書

鉛冷却高速炉の炉心損傷事故事象解析; 平成11年度成果

飛田 吉春; 藤田 朋子; 藤田 哲史

JNC TN9400 2000-082, 24 Pages, 2000/07

JNC-TN9400-2000-082.pdf:0.92MB

核燃料サイクル開発機構では安全確保を前提に「経済性向上、資源の有効利用、環境負荷低減、核不拡散性の確保」を目標として、実用化に向けて競争力のある高速炉プラントを創出する実用化戦略調査研究を進めている。本報告書ではこの調査研究において実用化炉の候補概念の一つとして検討されている重金属冷却高速炉の炉心安全性の特徴を明らかにすることを目的として実施した炉心損傷事故解析における事象進展について報告する。解析の結果、鉛冷却炉においては、鉛の有する高い沸点と密度のために炉心崩壊事故の事象進展は緩慢かつマイルドとなり、厳しい再臨界が発生することはないとの結果を得た。このため、鉛冷却炉では内部ダクト型集合体もしくは軸ブランケット一部削除型集合体のような再臨界回避を目的とした設計方策を採る必要はないと考えられ。一方、事故影響の炉容器内格納性の観点からは、高温化した鉛に対する一次系バウンダリ、炉容器内構造物及び崩壊熱除去機能の健全性維持が重要となることが指摘された。

論文

SPACE-TIME KINETICS SIMULATION OF AN EARLY BURST PHASE OF THE CRITICALITY ACCIDENT

飛田 吉春; 藤田 哲史; 近藤 悟; 山野 秀将

International Workshop on the Safety of the Nuclear Fuel Cycle, 0 Pages, 2000/00

本研究では、従来評価できなかった溶液プールの多次元的な二相流動や溶液の分布が大きく変化したときの空間依存の効果をより詳細に評価するため、高速炉安全解析コードとしてサイクル機構が開発してきた多相多成分の流動解析アルゴリズムと空間依存動特性モデルを結合したSIMMER-IIIコードに放射線分解ガスモデルを組み込み、溶液系の臨界事象における多次元的挙動を解析する手法を開発した。この手法をウラン加工工事における臨界事故の解析に適用し、一点近似動特性におる従来の専用コードによる解析と整合した結果を得た。溶液の多次元的な流動や空間依存性により出力バーストが増幅されることはないとの見通しを得た。

論文

CURRENT STATUS AND APPLICATION OF SIMMER-3,AN ADVANCED COMPUTER PROGRAM FOR LMFR SAFETY ANALYSIS

飛田 吉春; 藤田 哲史; 近藤 悟; 山野 秀将

Second Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hy, p.65 - 72, 2000/00

本発表では、欧州機関との協力を活用して実施した高速炉安全解析コ-ドSIMMER-3開発の現在までの主要成果を報告する。第1期検証計画では、流体力学対流アルゴリズム、流動様式、運動量交換、熱伝達、物質相変化などの基礎的な現象に対する系統的なモデル検証を研究した。第2期検証計画では、実機解析で重要な現象であるプ-ル沸騰、FCI、融体の固化閉塞形成などの複合現象に関する実験デ-タを用いたコ-ド検証を行った。報告ではSIMMER-3コ-ドの流体力学モデルを概括した後、各分野・モデルの検証研究の成果を述べる。全体成果として、SIMMER-3コ-ドは従来の手法に比べて高度化されたものであることが確認されたこと、本検証計画を通じて個別モデルの検証が進むとともに今後のモデル改良を含む研究についての有益な知見が得られたこと、高速炉原型炉の解析、JCO臨界事故解析への適用を通じて総合的な多相流解析や実機安全評価に適用で

論文

CURRENT STATUS AND VALIDATION OF THE SIMMER-III LMFR SAFETY ANALYSIS CODE

近藤 悟; 飛田 吉春; 神山 健司; 山野 秀将; 藤田 哲史

第7回原子力工学国際会議(ICONE-7), 0 Pages, 1999/00

本論文では,高速炉安全解析コードSIMMER-IIIの多相流多成分流体力学モデルおよび空間依存の核的動特性モデルについて概説し国際協力を活用しつつ行われた本コードの開発が当初予定の仕様で完成したこと,コード開発と並行して進めてきた検証研究が総合検証の段階に至り実機における主要現象に係わる物理モデルの妥当性評価が進展したことを述べる。また,実機炉心損傷事故解析への総合的適用解析により,従来の評価では考慮できなかった緩和機構等のモデル化により安全評価の高度化・合理化に貢献できたことをアピールする。

口頭

崩壊炉心の核的挙動に関する研究; 最新の手法を用いたFCA VIII-2燃料スランピング実験解析

藤田 哲史; 福島 昌宏; 久語 輝彦; 石川 眞; 飛田 吉春; 水野 正弘*

no journal, , 

日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速炉臨界実験装置(FCA)で高速炉の1次元的炉心崩壊を模擬して実施されたFCA VIII-2燃料スランピング実験について、JAEAが整備した最新の核特性解析手法を用いて解析を実施した。実効断面積は、JENDL-3.3から、板状燃料の非均質配置を考慮して作成した。等方拡散係数・約2.5cmメッシュによる70群拡散厳密摂動で反応度を求め(基準計算)、S$$_{8}$$輸送計算(輸送補正),超微細群計算(詳細群補正),Benoistの非等方拡散係数による拡散計算(非等方補正)により補正し、最終的な反応度を計算した。反応度計算結果は実験結果から20%以内であり、反応度変化が大きく測定精度の高い体系では約10%で一致した。また、反応度の予測誤差を断面積の感度係数とJENDL-3.3の共分散から評価した結果、合計値は約20%となった。このように、解析の結果、実験予測誤差範囲内で燃料移動による反応度を再現した。また、上下非対称体系では輸送補正により漏洩項が約半分になること等、大規模な燃料移動に対しては輸送効果を考慮することが必須であることが確認された。

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