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飯田 将雄
Nuclear Engineering and Design, 200, 127 Pages, 2001/00
被引用回数:5 パーセンタイル:37.76(Nuclear Science & Technology)SPLASH-ALEは,計算格子を任意の速度で移動可能とするALE法を採用した、3次元有限要素法流動解析コードである。ALE法によってこのコードは自由液面のような移動境界を扱うことができる。本研究では、SPLASH-ALEを用いて、液面に衝突する上向きの平面噴流の自励振動現象を解析した。解析から、振動噴流の流跡線や噴流両側の圧力変動など、実験結果と良く一致する結果が得られた。これにより、SPLASH-ALEに液面と流れの相互作用による不安定現象を解析する能力があること、および解析結果が現象の発生機構仮説の成立性確認に利用できることが示された。
越塚 誠一*; 向原 民*; 岡野 靖; 飯田 将雄*; 山口 彰
JNC TY9400 2000-012, 91 Pages, 2000/03
液体ナトリウムの漏洩燃焼挙動の解析には、ナトリウム液滴やナトリウムプールの燃焼、床に落下したナトリウムの広がり、燃焼生成物の堆積など、様々な現象を複合して解析する必要がある。特に、床ライナーの温度分布の評価には、落下したナトリウムがどのように広がるかが重要である。核燃料サイクル開発機構では、こうした複雑な液体ナトリウム漏洩燃焼挙動解析のため、粒子法による計算コードを開発している。粒子による熱流動解析手法は東京大学において本研究者らによって開発されたもので、従来の差分法などと比較して、流体の分裂・合体や堆積・凝固を容易に扱うことが可能である。本研究では、ナトリウムの凝固や燃焼生成物の堆積挙動を解析するため、固相の粒子計算モデルの開発、これを利用した凝固・堆積の粒子計算モデルの開発、表面張力の粒子計算モデルの開発をおこなった。固相の解析のため、ヤング率とポアッソン比で記述される弾性体の運動を、粒子間相互作用で計算するモデルを新たに開発した。この方法では、従来の有限要素法での要素分割の必要がないので、弾性体の大変形のみならず、破壊なども容易に解析できる。特に粒子に回転の自由度を持たせたことで、角運動量の保存性が得られた。弾性体に正弦波状の変位を与え本計算モデルを適用したところ、応力分布や圧力分布は解析解と良く一致した。凝固を伴う熱流動解析法として、熱流動をこれまでの粒子法(MPS法)で、凝固した後の固相を弾性体として解析するモデルを開発した。初期に幅10cm高さ20cmの2次元矩形状液体ナトリウムの、厚さ1cm長さ1mのステンレス板上での広がり挙動を、本手法を用いて計算した。仮にナトリウムおよびステンレスの熱伝導率や粘性を実際よりも大きな値を用いると、先端が凝固することにより、ナトリウムの広がりが抑制されるという結果が得られた。なお、本計算モデルは燃焼生成物の堆積挙動にも適用できる。表面張力の効果を取り入れるため、その粒子計算モデルを開発した。液面形状を描かずに粒子数密度から曲率など必要な微分幾何の諸量を計算するアルゴリズムとし、流体が分裂や合体をする場合にも適用できるようにした。エタノール液滴の振動の計算をおこない、従来のVOF法による結果と良い一致を得、モデルが妥当であることを示した。さらに、表面張力が卓越する場合の流体の広がり挙動を解析し、広がった流体が複数の液滴
飯田 将雄
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7), 402 Pages, 1999/00
粒子法を用いた3次元ナトリウム漏洩燃焼挙動解析コードを用いて、水平ライナ上へのナトリウム微小漏洩を解析した。漏洩率(10kg/hと50kg/h)と漏洩形態(コラム状流下とスプレイ状流下)、ライナ内の熱伝導の考慮・非考慮をパラメータとして解析を行い、それぞれのケースでこれらパラメータがライナ最高温度に与える影響を検討した。解析結果から、一点近似的な従来手法では考慮されていない、漏洩形態やライナ内熱伝導といった3次元的過程が、低漏洩率の場合に最高温度の低下に寄与することが解析的に示された。
飯田 将雄
動燃技報, (107), p.95 - 100, 1998/09
もんじゅ事故のようなナトリウムの小規模漏洩事故では、漏洩ナトリウムは落下位置付近に留まって燃焼するため、床ライナー等の構造物への影響は漏洩ナトリウムの飛散挙動に大きく左右される。本研究では、ナトリウム漏洩事故における構造物の健全性評価に資するため、複雑境界の扱いが容易な粒子法を採用した3次元熱流動解析コードを開発した。コードには、ナトリウムの燃焼や凝固を機構論的に模擬するためのモデルを組み込んだ。次いで、水平ライナー上にナトリウムがスプレイ流下する体系の解析を行い、本コードによって漏洩ナトリウムの分布やライナーの温度分布が得られることを確認した。
山口 彰; 村松 壽晴; 大平 博昭; 飯田 将雄
PNC TN9410 97-040, 141 Pages, 1997/04
もんじゅのナトリウム漏洩事故では、温度計のニップル部よりナトリウムが漏えい・落下し、ダクトやグレーチングに衝突・飛散しながら床ライナ上に堆積した。その現象を解析するとともに、実炉の安全評価に利用できるコード体系を整備することを目的として、以下項目に係わるの解析手法の整備及び解析を実施した。(1)分子軌道法によるナトリウム燃焼素反応(2)漏えい燃焼実験IIの室内の気流(3)もんじゅA-446室内の気流(4)直接シミュレーションによる対流場とナトリウム液滴の燃焼(5)粒子法によるナトリウムの漏えい飛散挙動(6)多セル及び多次元のナトリウム燃焼これらのコードの開発により、ナトリウム燃焼を機構論的に解析する手法が整備されたので、今後は検証解析並びに実炉への適用を実施する予定である。
班目 春樹*; 岡本 孝司*; 飯田 将雄
PNC TY9602 97-004, 53 Pages, 1997/03
自由液面や温度成層界面などの界面は変形を伴うことから、流体に対して非線型な境界となっている。この非線型境界条件に起因する、さまざまな非線型挙動が観測されている。高速増殖炉などの大型容器内においては、冷却材自由液面において、自励スロッシングなどの不安定現象が発生することが懸念されている。本研究においては、自由液面における非線型不安定現象を、基礎実験および解析の両面から検討した。液面に衝突する上向き平面噴流の自励振動「ジェットフラッタ」について、その振動数決定機構やエネルギー供給機構を知るため、諸変動量の振幅、位相関係を調べた。液面の振動に対し噴流の横変移は下流ほど位相が遅れていること、隆起位置の振動はその直下の噴流位置に対応していることが確認された。噴流の変移について計算する簡易モデルを作り実験と比較した結果、定性的にはよく記述できることが確認できた。液面隆起は噴流衝突点の移動に直ちには追従できないため、移動前面には低圧、背面には高圧の不釣合が発生する。不釣合は波として伝播していくが、衝突点が振動するときそこに液位の段差が現れ、これは水平方向に伝わる波で緩和されることはない。このため上下方向の液柱振動が励起される。これがジェットフラッタである。液柱振動と噴流衝突点振動の位相差と、衝突点振動から不釣合発生までの位相遅れの和がある条件を満たすとき、振動への供給エネルギーが正となる。さらに、自由液面における非線型性を考慮する上で重要となる自由液面と乱流との相互作用を、LDVや可視化によって計測し、自由液面における乱流現象について検討を実施した。実験では、水と高分子溶液の各自由液面に噴流を用いて乱流エネルギーを与え、界面乱流に対するToms効果の影響を観測し、窒素ガス噴流、溶液噴流により自由液面に発生した界面乱流は、Toms効果によって抑制されることがわかった。
飯田 将雄
Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 0 Pages, 1997/00
SPLASH-ALEは、計算格子を任意の速度で移動可能とするALE法を採用した、3次元有限要素法流動解析コードである。ALE法によってこのコードは自由液面のような移動境界を扱うことができる。本験究では、SPLASH-ALEを用いて、液面に衝突する上向き平面噴流の自励振動現象を解析した。解析から、振動噴流の流跡線や噴流両側の圧力変動など、実験結果[1]と良く一致する結果が得られた。これにより、SPRASH-ALEに液面と流れの相互作用による不安定現象を解析する能力があること、および解析結果が現象の発生機構仮説の成立性確認に利用できることが示された。 ([1]飯田ら、日本原子力学会1996春の年会、C52)
飯田 将雄
Proceedings of International Conference on Fluid Engineering; Toward 21st Century, 0 Pages, 1997/00
矩型容器の底面から流入して液面に衝突する上向き平面噴流は、振動的外力無しに噴流の厚さ方向に自励振動する。[1]この上向き平面噴流を、噴流厚さと代表流速を容器底面からの距離の関数としてモデル化し、様々な容器内水深や流入流速について、噴流中の流体粒子の挙動を計算した。その結果、モデル計算による流跡線(振動噴流の、容器底面からの距離に対する振幅および位相の変化)が、実験による可視化噴流の画像解析とよく一致することが確認でき、自励振動機構の解明においてこの噴流モデルが有効であることがわかった。([1]飯田ら、日本原子力学会1993秋の大会、A44)
飯田 将雄
PNC TN9410 96-110, 30 Pages, 1996/04
SPLASH-ALEは,計算格子を任意の速度で移動可能とするALE(任意ラグランジアン・オイラリアン)法を用いた,有限要素法による3次元流動解析コードである。FBR炉容器のように流入・流出口と自由液面を持つ容器内流れの解析をSPLASH-ALEで行う場合には,水平方向Eulerian・垂直方向均等分割という格子点移動法の使用が,格子変形の増大による計算の破綻を回避する上で有効である。この格子点移動法において,格子点座標で固定される水平方向についてもLagrangian的に液面移動を考慮し,その液面移動に基づいて液面上の格子点位置を再設定して,液面移動を追跡するように改良を行った。改良の効果を評価するため,FBR炉容器内の液面付近の流れを単純化した体系について解析を行った。それにより,水平方向の流れに伴って液面変形が進行する状況について液面形状の模擬性が向上したこと,および多価液面が生じないという限りにおいて液面での流量誤差の発生が防止できるようになったことを確認した。