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中田 隼矢; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*; 谷川 博康
Metallurgical Journal, LXIII(Sp.), p.146 - 150, 2010/08
スモールパンチ試験は微小試験片試験技術の一つであるスモールパンチ(SP)試験について、Ramberg-Osgood則を用いて有限要素解析(FEA)モデルを構築し、SP試験から引張特性を推定することを試みた。その結果、試験片のネッキングが顕著化する領域までではあるが、FEAによって実験にて得られたSP曲線を再現できた。SP試験片で相当塑性ひずみが最も大きくなる箇所のMises相当応力とRamberg-Osgood則による全ひずみの関係が、引張試験によって計測された真応力-真ひずみ線図とよく一致することを見いだし、0.2%耐力,引張強度,均一伸びを評価することが可能となった。
中田 隼矢; 谷川 博康; 芝 清之; 駒崎 慎一*; 藤原 幹夫*; 幸野 豊*; 香山 晃*
日本金属学会誌, 71(2), p.239 - 243, 2007/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.32(Metallurgy & Metallurgical Engineering)本研究では、靱性の改善などを目的に製作されたF82H mod3について、靱性改善などの処理がクリープ強度へ及ぼす影響について検討を行った。F82H mod3のクリープ試験を行った結果、F82H IEA-heatと比べ、高応力短時間側の試験結果では著しい強度低下が認められた。これは、低放射化と高純度化の観点から窒素量を減じた(mod3:0.0014%, IEA-heat:0.0060%)ことが要因として考えられる。一方で、負荷応力を下げると破断時間が大幅に長時間側にシフトする傾向が確認された。この結果より、長時間側では両鋼の強度差はほとんどなくなるものと考えられる。両鋼の析出物を抽出残差法によって解析した結果、IEA-heatでは高温域の試験後に析出物が減少しているものの、mod3では析出物の量はほとんど変わらなかったことが確認された。これら、析出物とクリープ特性の関係について検討を行った。
中田 隼矢; 駒崎 慎一*; 中島 基樹*; 幸野 豊*; 谷川 博康; 芝 清之; 香山 晃*
日本金属学会誌, 70(8), p.642 - 645, 2006/08
被引用回数:4 パーセンタイル:34.22(Metallurgy & Metallurgical Engineering)スモールパンチ(SP)試験では、これまで原子力材料の分野で延性脆性遷移温度(DBTT)や靱性の評価などが行われてきた。われわれの研究で、SP試験を改良したSPクリープ試験によって、核融合炉構造材料である低放射化フェライト鋼F82H及びJLF-1の非照射環境でのクリープ特性を評価できることを報告している。今回、SPクリープ試験と同様にF82H及びJLF-1について、非照射環境にて室温と高温域(823923K)でSP試験を行った結果、標準の高温引張試験結果と良好な相関関係が成立っていることを新たに明らかにした。両試験結果の間には、次のような関係式、=1.5+96, =0.37+85が成立つことがわかった。ここで、とはそれぞれSP試験にて局部変形が開始する荷重とその最大荷重である。またとは引張試験により得られた降伏強度と引張強度である。これらの関係には、鋼種及び温度の明瞭な依存性は認められなかった。以上の結果より、SP試験法によってこれまで報告されてきた靱性やクリープ特性だけではなく、高温引張強度も評価できることがわかった。
庄子 哲雄*; 渡辺 豊*; 駒崎 慎一*; 川原 鉄士*
PNC TJ9601 96-003, 38 Pages, 1996/03
本研究では,高速炉構造用316FR鋼についてクリープ疲労損傷の非破壊検出法の開発を目的として,電気化学的手法,集中誘導型交流電位差法(ICFPD)による検討を行った。キャビティの優先的形成箇所となる粒界析出物の定量的検出を目的とし,電気化学的手法の適用性を検討した。1N KOHおよび1N H2SO4+KSCN溶液の2種類の検出電解液を用いたアノード分極曲線の計測を行った。1N KOHにおいて,粒界析出物の選択的溶解に対応するピーク電流が観察され,粒界析出物の析出量という側面からクリープ疲労損傷を検出できる見通しが得られた。また,粒界析出に伴うCr欠乏層の形成に着目した1N H2SO4+KSCN溶液を用いたアノード分極の結果から,損傷度と再活性化率とを対応づけられることが示された。集中誘導型交流電位差法(ICFPD)を用いたクリープ疲労損傷材の計測では,新材と損傷材の間に明確な差が認められた。詳細な検討は今後の課題であるが,電位差信号は,キャビティ,析出物,表面き裂等のクリープ疲労における微視的損傷因子を反映しているものと期待され,電位差の連続モニタリングによるクリープ疲労損傷検出の見通しが得られた。
中田 隼矢; 谷川 博康; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*
no journal, ,
低放射化フェライト鋼では、低誘導放射化の観点から窒素の減量が計られているが、製鋼性の向上や高温強度向上の観点からは、ある程度の窒素添加が望ましい。Fe-8.5Cr-2W-0.2V-0.08TaをベースにN量を調整した鋼、N1(N:100ppm), N2(N:250ppm), N3(N:500ppm)を作成し、クリープ特性に及ぼす窒素量依存性の検討を行った。その結果、高応力域では窒素添加量の増加に伴ってクリープ強度が明らかに増加したが、低応力域では鋼種間の明瞭な強度差は確認できなかった。破断後の試験片を分析した結果、低温・高応力域の試験では、窒素添加量が多い方が、破断後の試験片の硬さや鋼中の微細な析出物が維持されていることを確認した。よって、応力負荷下の析出物の安定性の違いが軟化傾向に差をもたらし、結果的にクリープ特性に差が生じたと考えられる。
中田 隼矢; 谷川 博康; 安堂 正己; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*
no journal, ,
F82HはITERTBMの構造材料であるが、TBMの製造にあたっては、部材同士が溶接によって接合されるため、溶接接合部の強度特性を把握することが重要である。本研究では、これまで未評価であったTIG溶接、及び電子ビーム溶接によって接合された、溶接継手材のクリープ特性について評価を行った。その結果、高応力域では母材と比べて溶接継手材の破断時間は4割強まで低下したが、低応力域では67割程度の低下に留まっていた。また、TIG及び電子ビーム溶接継手材の明瞭な強度差は確認されなかった。本試験条件下では、溶接の際の熱影響部における脆性的な破壊は観察されなかった。
中田 隼矢; 谷川 博康; 芝 清之; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*; 香山 晃*
no journal, ,
低放射化フェライト鋼は、クリープ特性に優れるボイラー用9Cr鋼をベースに設計がされているが、低誘導放射化の観点からクリープ特性向上に寄与するMoやNbを添加することができない。そのため、代替えとしてWとTaを添加することによって、一般の9Cr系耐熱鋼と同等のクリープ特性を実現している。ラウンドロビン試験に供されたF82H IEAヒートでは、TaX(X:C or N)が鋼中に析出していないにもかかわらず、低放射化フェライト鋼のなかでも高いクリープ特性を有している。一方で、靱性向上と誘導放射能の低減を目的に作成されたF82H mod3では、鋼中にTaC析出物の存在が確認されており、高応力・短時間のクリープ特性はF82H IEAヒートらと比べて大きく劣るものの、低応力・長時間のクリープ特性は他鋼に迫るクリープ特性を示すことがわかっている。本研究では、低放射化フェライト鋼のクリープ特性と微細組織の関係について、特に析出物挙動に注目をして検討を行った。
中田 隼矢; 谷川 博康; 安堂 正己; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*
no journal, ,
国際熱核融合実験炉(ITER)のテストブランケットモジュール(TBM)の製作では、構造材料である低放射化フェライト鋼F82Hを溶接によって接合することから、接合部の強度特性を把握することが重要となる。しかし、接合部のクリープ特性については、これまでほとんど評価がされておらず、早急な評価が求められている。そこで本研究では、溶接接合部の強度特性の評価を目的として、非照射下環境における溶接接合部のクリープ特性評価を行った。溶接法はTIG溶接と電子ビーム溶接を用い、試験片平行部に溶接金属,熱影響部及び母材を含むような溶接継手材と母材部から試験片を採取し、773873K, 150260MPaにて試験を実施した。その結果、破断時間が約1001000時間の範囲においては、高応力域での溶接継手の破断時間は母材と比べて40%程度まで減少したが、低応力域では6070%程度の寿命低下に留まる結果となった。HAZの細粒域にて脆性的な破壊が生じるType IV破壊は本実験の範囲では生じないことを確認した。
谷川 博康; 中田 隼矢*; Kim, D.-H.*; 安堂 正己; 芝 清之; 廣瀬 貴規; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*; 香山 晃*
no journal, ,
放射化フェライト鋼は25年近く欧州,米国、及び日本で開発が進められてきた材料であり、フェライト/マルテンサイト系耐熱鋼(例えばMod 9Cr-1Mo鋼:T91)の組成を元に、添加元素のMoやNbをW, Ta等で置き換えることで誘導放射能の低減を狙い、さらなる特性の改善が行われてきた材料である。日本において開発された低放射化フェライト鋼としては、F82H鋼(Fe-8Cr-2W-V,Ta)が代表的なものであり、世界をリードする立場にある。特にF82Hは、非照射環境下における総合的性能(基本強度特性,部材製作性,溶接性)についての基礎的開発がほぼ完了しており、これまで5トンレベルの大型溶解材が4度溶製され、その溶接材とともに、IEAラウンドロビン試験に供され、現段階において世界で最もデータベースが充実した低放射化フェライト鋼となっている。本報告では、F82Hの母材及び溶接部のクリープ及び疲労特性をまとめ、かつブラケット設計課題について示す。
中田 隼矢; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*; 谷川 博康
no journal, ,
スモールパンチ(SP)試験は代表的な微小試験片試験技術の一つであり、試験片サイズが小さく、試験法が簡便であるなどの利点を有している。しかし、試験片の変形が不均一であるため、応力やひずみを算出することは難しい。従来、SP試験と引張試験結果の経験的な相関関係から、SP試験結果より引張特性を推定することが試みられてきた。しかし、その評価精度は決して高くなく、評価材料ごとに両試験結果を対応づける手法は実用的ではなかった。本研究では、有限要素解析(FEA)によってSP試験の応力・ひずみ解析を実施し、SP試験とFEAを併用した引張特性評価を試みた。その結果、FEAにおいて、SP試験片の最も相当塑性ひずみが高い箇所のMisesの相当応力とRamberg-Osgood則によって定義される全ひずみが、引張試験によって得られる真応力-真ひずみ線図をひずみ0.15程度までよく再現できることを明らかにした。また、本手法を低放射化フェライト鋼F82Hの電子ビーム溶接材に適用することによって、従来評価することが困難だった母材,溶融部,熱影響細粒域,熱影響粗粒域,焼戻し熱影響部の引張特性を推定することが可能になった。
駒崎 慎一*; 千田 真司*; 中田 隼矢; 幸野 豊*; 谷川 博康
no journal, ,
核融合原型炉では、構造材料に対するクリープ損傷がブランケットの主損傷の一つになると想定される。したがって、ブランケットの長期運用のためには、構造材料のクリープ損傷を評価し、その余寿命を推定することが重要となる。そこで本研究では、微小試験片試験技術の一つであるスモールパンチ(SP)クリープ試験を用いて、低放射化フェライト鋼のクリープ損傷を評価し、そのクリープ余寿命の推定に資することを目的とした。その結果、クリープ損傷材をSPクリープ試験に供したところ、損傷量にしたがって、クリープ強度が低下していることを確認した。この結果をもとに、線形損傷則によって、クリープ余寿命の評価を行った。試験数が十分でないためか、クリープ寿命を過大に評価する結果も見受けられたが、多くの結果はクリープ余寿命を精度よく評価することができていた。これは、SPクリープ試験結果を利用した線形損傷則による損傷評価によって、低放射化フェライト鋼のクリープ余寿命を推定できる可能性があることを示唆するものである。