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論文

Crystal morphology-dependent graft polymerization in poly(ether ether ketone) films

長谷川 伸; 高橋 周一*; 岩瀬 裕希*; 小泉 智; 大沼 正人*; 前川 康成

Polymer, 54(12), p.2895 - 2900, 2013/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:29.18(Polymer Science)

耐熱性及び機械特性に優れた芳香族炭化水素であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材の放射線グラフト重合性を支配する要因について検討した。PEEK膜へのスルホン酸含有スチレン誘導体であるスチレンスルホン酸エチルエステルへのグラフト重合は、PEEKの結晶化度が11$$sim$$26%で進行(72時間でグラフト率50%以上)するのに対し、結晶化度26%以上ではほとんど進行しない。そこで、X線小角散乱を用いて結晶化度の異なるPEEK膜の結晶モルフォロジー変化を調べたところ、結晶化度26%以上で、PEEK膜内に相関長(d)が14nmのラメラ構造が形成されていることを見いだした。グラフト重合性とラメラ構造形成の有無の関係から、結晶化度26%以上でPEEK膜へのグラフト重合性が消失する理由として、ラメラ構造の形成によるモノマー拡散の阻害によることが明らかとなった。

論文

Synthesis of copolymer grafts containing sulfoalkyl and hydrophilic groups in polymer electrolyte membranes

榎本 一之; 高橋 周一; Rohani, R.; 前川 康成

Journal of Membrane Science, 415-416, p.36 - 41, 2012/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:46.12(Engineering, Chemical)

次世代燃料電池に不可欠な高温低加湿下でも高イオン伝導性と機械強度を併せ持つグラフト型電解質膜の合成を目的に、イオン伝導を担うスルホン酸と低加湿下での保水性が期待できる親水性水酸基を有するアルキルグラフト鎖を導入した電解質膜を作製し、その導電率の相対湿度依存性を評価した。VAcモノマーのETFE基材への放射線グラフト重合とその鹸化反応により得られたグラフト鎖の水酸基の1,3-プロパンスルトンへの求核開環付加反応で、スルホン化率が39%で目的のグラフト型電解質膜が得られた。同じイオン交換容量(IEC)のグラフト型電解質膜について、低加湿下(30%RH, 80$$^{circ}$$C)での導電率を比較したところ、これまで報告してきた従来型のポリスチレンスルホン酸電解質膜を凌ぐ1.2$$times$$10$$^{3}$$ S/cmを示した。さらに、ナフィオンや芳香族炭化水素電解質膜の機械強度を凌ぐことから、水酸基を有するグラフト型電解質膜は、低膨潤(機械強度)を維持したまま、低加湿下での高導電性を実現することを明らかにした。

論文

A Novel characterization method for graft-polymer structures chemically attached on thermally stable polymer films

榎本 一之; 高橋 周一; 前川 康成

Macromolecular Chemistry and Physics, 213(1), p.72 - 78, 2012/01

 被引用回数:10 パーセンタイル:33.08(Polymer Science)

燃料電池開発において、その心臓部分である電解質膜の高温耐久性が自動車用電源の実現に必要不可欠である。グラフト型電解質膜は、熱的,化学的に安定なフッ素系基材膜にスチレンスルホン酸やアルキルスルホン酸を導入することで作製するため、そのグラフト鎖の構造,分子量等を詳細に調べることが困難であった。最近、グラフト鎖が高分子鎖切断など分解することなく基材膜界面から直接脱離することを見いだした。そこで、今回、フッ素系基材膜へのアクリル酸メチルのグラフト重合とグラフト鎖のスルホン化により得られる新規アルキルスルホン酸グラフト鎖を上記脱離法により単離し、その化学構造と分子量を解析した。その結果、スルホン化過程で、脱カルボニルが起こる場合と起こらない場合があり、結果として3つの異なるモノマーユニットからなる3元系グラフト鎖であることがわかった。さらに、分子量測定より、アルキルスルホン酸グラフト鎖の分子量は約7万と、これまでの報告にあるグラフト鎖同等であることが解析できた。今後、このようなグラフト鎖の構造の燃料電池特性に及ぼす効果を詳細に検討する。

論文

Degradation manner of polymer grafts chemically attached on thermally stable polymer films; Swelling-induced detachment of hydrophilic grafts from hydrophobic polymer substrates in aqueous media

榎本 一之*; 高橋 周一*; 岩瀬 崇典*; 山下 俊*; 前川 康成

Journal of Materials Chemistry, 21(25), p.9343 - 9349, 2011/07

 被引用回数:38 パーセンタイル:72.35(Chemistry, Physical)

燃料電池開発において、その心臓部分である電解質膜の高温耐久性が自動車用電源の実現に必要不可欠である。本研究では、炭化水素及びフッ素系基材膜にスチレンスルホン酸を導入したグラフト型電解質膜を作製し、燃料電池作動環境に近い高温水中での基材膜とグラフト鎖の化学構造及び高次構造を解析することで劣化機構を検討した。グラフト型電解質膜の耐久性は、グラフト鎖構造に依存するというこれまでの知見を覆し、グラフト鎖は高分子鎖切断など分解することなく、グラフト重合の開始点である基材膜界面から直接脱離すること、及び、この脱離は、疎水性基材膜と相分離した親水性グラフト鎖の含水膨張に起因することを見いだした。上記グラフト鎖の膨潤による界面脱離を利用することで、これまで基材膜からの単離が困難とされてきたグラフト鎖の構造や分子量が解析できる。

論文

Radiation-induced graft polymerization of functional monomer into poly(ether ether ketone) film and structure-property analysis of the grafted membrane

長谷川 伸; 高橋 周一*; 岩瀬 裕希*; 小泉 智; 森下 憲雄; 佐藤 賢*; 成田 正*; 大沼 正人*; 前川 康成

Polymer, 52(1), p.98 - 106, 2011/01

 被引用回数:47 パーセンタイル:80.93(Polymer Science)

高温耐久性,機械的強度に優れた芳香族炭化水素系高分子膜であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜を用いた燃料電池用電解質膜の調製と、調製された電解質膜の構造解析の検討を行った。市販されている結晶化度11%及び32%のPEEK膜へスチレンスルホン酸誘導体であるスチレンスルホン酸エチルエステル(ETSS)のグラフト重合は、結晶化度に依存し、32%ではほとんど進行しなかったのに対し、結晶化度11%においてグラフト重合は徐々に進行しグラフト率50%以上に達した。合成した電解質膜の機械強度は、100MPaであり、基材膜の強度の88%を維持した。また、グラフト重合反応機構について、電子スピン共鳴スペクトルの解析により、照射によって生じるラジカルはフェノキシラジカルであり、このラジカルを起点にグラフト重合が進行していることを見いだした。小角中性子散乱(SANS),小角X線散乱測定(SAXS)解析により、グラフト型電解質膜は、イオンチャンネル間距離13nmと、1.8nmのイオンチャンネルのミクロ構造を持つものであり、ナフィオンのイオンチャンネル(5nm)とは異なることが明らかとなった。

論文

Radiation-induced graft polymerization of styrene into a poly(ether ether ketone) film for preparation of polymer electrolyte membranes

長谷川 伸; 佐藤 賢*; 成田 正*; 鈴木 康之; 高橋 周一; 森下 憲雄; 前川 康成

Journal of Membrane Science, 345(1-2), p.74 - 80, 2009/12

 被引用回数:33 パーセンタイル:70.33(Engineering, Chemical)

高温での機械特性に優れた芳香族炭化水素高分子である結晶性ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜へのスチレンの放射線グラフト重合において、示差走査熱量測定法(DSC),熱重量分析(TGA),X-線回折(XRD),電子スピン共鳴(ESR)を用いてその固相反応機構と膜構造を詳細に調べた。熱分析によりスチレンのグラフト重合が、PEEKの非晶質領域で進行していることがわかった。このことは、ポリスチレングラフト鎖が、基材であるPEEK膜と類似の炭化水素構造を持つため、PEEK膜の非晶相と相容性を有しているためであると考えられる。グラフトPEEK膜は、後スルホン化することで0.01S/cmの電気伝導度と、100%以上の高い含水率を示し、PEEK基材電解質膜に転換可能であることがわかった。

論文

Enhancement of etch rate for preparation of nano-sized ion-track membranes of poly(vinylidene fluoride); Effect of pretreatment and high-LET beam irradiation

Rohani, R.*; 八巻 徹也; 越川 博; 高橋 周一*; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(3), p.554 - 559, 2009/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:66.94(Instruments & Instrumentation)

9M KOH水溶液を用いたポリフッ化ビニリデンイオン穿孔のナノサイズ形成において、大気中加熱という前処理と照射イオンの変化が及ぼす影響をコンダクトメトリーで検討した。照射後の120$$^{circ}$$C加熱は、バルクエッチング速度を変化させずにトラックエッチング速度のみ増加させるため、結果として極めて高感度のエッチングを可能にした。主な原因として、潜在飛跡内におけるヒドロペルオキシドの密度が酸化により高くなり、エッチング溶液の導入が容易になったことが考えられる。また、照射イオンのLETも高感度化,孔径制御に不可欠なパラメータであることがわかった。

論文

Polymer electrolyte membranes having sulfoalkyl grafts into ETFE film prepared by radiation-induced copolymerization of methyl acrylate and methyl methacrylate

Hanh, T. T.*; 高橋 周一; Chen, J.; 澤田 真一; 前川 康成

Journal of Applied Polymer Science, 114(1), p.231 - 237, 2009/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:21.63(Polymer Science)

燃料電池用電解質膜の高温作動時の耐久性向上を目的に、アクリル酸メチルとメタクリル酸メチルの放射線共重合によるアルキルスルホン酸グラフト鎖からなる電解質膜の合成を試みた。アクリル酸メチルを33-79%含むグラフト膜をクロロスルホン酸とジオキサンの当量錯体で処理することでイオン交換容量が0.36-0.81mmol/gで導電率が0.04-0.065S/cmを示す電解質膜が合成できた。これらの値はアクリル酸メチルの含量により制御できた。得られた電解質膜は、分解の引き金となるカルボニルの$$alpha$$水素を含まないメタクリル酸メチルの効果により、高い熱水耐性と耐酸化性を示すことが確認できた。

論文

Preparation of polymer electrolyte membranes consisting of alkyl sulfonic acid for a fuel cell using radiation grafting and subsequent substitution/elimination reactions

高橋 周一*; 小此木 裕行*; 萩原 時男*; 前川 康成

Journal of Membrane Science, 324(1-2), p.173 - 180, 2008/10

 被引用回数:37 パーセンタイル:72.79(Engineering, Chemical)

燃料電池用電解質膜の高温作動時の耐久性向上を目的に、アルキルスルホン酸をグラフト鎖に有する電解質膜の合成を試みた。ETFEにアクリル酸メチル(MA)をグラフト重合後、クロロスルホン酸とジオキサンの当量錯体で処理することで、副反応なしにスルホン化が進行し、低含水率で高いイオン伝導性を示す電解質膜が合成できた。得られた電解質膜の重量及び滴定法による定量分析より、スルホン化と同時に脱カルボン酸も起こる置換/脱離反応が進行し、アルキルスルホン酸30%とアルキルカルボン酸70%の共重合グラフト鎖を有するグラフト型電解質膜であることが確認できた。

論文

イオンビーム照射ポリフッ化ビニリデン薄膜のエッチング挙動; エッチング前処理・照射イオン効果の検討

八巻 徹也; Rohani, R.*; 越川 博; 高橋 周一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; Voss, K.-O.*; Neumann, R.*; 前川 康成

高分子論文集, 65(3), p.273 - 276, 2008/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:10.77(Polymer Science)

ナノ構造制御電解質膜に関する研究の一環として、ポリフッ化ビニリデンのイオン穿孔形成に対し、照射イオン種とエッチング前処理の効果を調べた。イオン照射PVDF膜を-84, 25, 120$$^{circ}$$Cの異なる温度で空気中に保持した後、80$$^{circ}$$C, 9MのKOH水溶液で化学エッチングした。コンダクトメトリー法を用いた検討の結果、高温で30日,90日間加熱することにより、未照射部(バルク)のエッチングに影響を与えずにトラックエッチング速度を高められることが示された。同様の効果は高LETのGeV級イオンビームを照射したときにも確認され、両手法によりエッチング感度の向上が可能であった。

論文

Characterizations of heavy ion irradiated PET membranes

高橋 周一*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 埜富 光男*; 仲川 勤*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 217(3), p.435 - 441, 2004/05

 被引用回数:15 パーセンタイル:68.2(Instruments & Instrumentation)

重イオン照射したフィルムの物性変化を動的粘弾性測定(DMA),DSC,FT-IR,AFM,接触角測定,引っ張り試験などを用いて検討した。サンプルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。イオン照射はXeイオン(450MeV)を3$$times$$10$$^{3}$$から3$$times$$10$$^{9}$$ions/cm$$^{2}$$のフルエンスの条件で行った。引っ張り試験とDMAの結果から、イオン照射によりPETフィルムは架橋することがわかった。しかし、3$$times$$10$$^{9}$$ions/cm$$^{2}$$のフルエンスで照射したPETフィルムは引っ張り強度は増大したが、破断強度は低下した。このことから、高いフルエンスで照射することにより、ポリマーの主鎖切断が起こり、分解構造が形成されると結論した。また、DSCとFT-IRの結果は、イオン照射によってフィルムが非晶化することを示した。

論文

Gas-permeation control by PET membranes with nanosized pores

高橋 周一*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 仲川 勤*

Polymer Journal, 36(1), p.50 - 53, 2004/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:12.7(Polymer Science)

ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは気体透過に対して、高いバリアー性を有している。そこで、高い透過性と選択性をPETフィルムに付与する目的で、イオン照射・エッチング処理技術を用いてナノサイズの孔径を持つイオン穿孔膜を作製した。PETフィルムは12$$mu$$m厚さを用いた。イオン照射はXeイオン(450MeV)を3$$times$$10$$^{9}$$ions/cm$$^{2}$$のフルエンスの条件で行った。エッチング処理は、6Nあるいは1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、60$$^{circ}$$Cで行った。6Nで120秒以上エッチング処理したイオン照射PETフィルムは、気体透過係数と気体の分子量の平方根の関係から、クヌーセン流れの膜であることがわかった。このことから、これらのフィルムの孔径は1$$sim$$5nm程度と推察した。ちなみに、ナノ孔径測定機器(乾燥したヘリウムガスを用いた透過から測定)を用いて測定したフィルム孔径は、1.5$$sim$$3.8(エッチング処理時間:120秒), 3.8$$sim$$5.0(同:135秒)であった。

論文

Present status of industrial X ray(bremsstrahlung) technology and advantages of X rays as a food irradiation source

武久 正昭*; 斉藤 敏夫*; 高橋 徹*; 佐藤 利男*; 田中 進; 上松 敬; 谷口 周一*; 坂本 勇*

Cost-benefit Aspects of Food Irradiation Processing; IAEA-SM-328/22, p.243 - 257, 1993/00

工業利用、照射サービス、デモンストレーション用として世界で数ヶ所のX線照射施設が嫁働している。この報告では、1991年から照射サービス用として稼働しているRIC施設の概要、その施設で食品を照射した場合の性能をDEXコードにより計算した結果を述べる。計算結果から、X線の透過能力は、高密度の食品を大きいコンテナーに入れた場合の照射に有効であることが明らかとなった。また、食品照射用のコンベアシステムを開発すれば、X線は工業的な食品照射用線源として充分な性能を持つことが分かった。

口頭

放射線グラフト重合と高分子変換反応による新規電解質膜の合成

高橋 周一; 前川 康成; 萩原 時男*; 小此木 裕行*

no journal, , 

エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に、アクリル酸メチルやビニルケトンなどの脂肪族ビニルモノマーを放射線グラフト重合し、次いでグラフト鎖を高分子変換反応することで、アルキルスルホン酸グラフト鎖を有する新規電解質膜を合成した。アクリル酸メチルをグラフト化したETFE膜のスルホン化処理等により得られた電解質膜は、含水状態で、従来フスチレン誘導体をグラフト鎖とする電解質膜よりも高い熱安定性を示した。

口頭

放射線グラフト重合法による耐熱性芳香族高分子からなる電解質膜の合成とその高次構造

佐藤 賢; 高橋 周一; 長谷川 伸; 前川 康成; 成田 正*

no journal, , 

耐熱性や機械的特性に優れたスーパーエンジニアプラスチックの中で、特に燃料電池作動下で存在する熱水への耐性が見込めるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜に着目し、放射線によるグラフト重合とスルホン化による電解質膜を作製した。その結果、ポリスチレンをグラフトしたPEEK(PEEK-g-Sty)膜はスルホン化によって高いイオン交換容量とプロトン伝導度を示すものの、同時に寸法収縮と過剰な吸水性を示すことがわかった。本研究では燃料電池用電解質膜へのPEEKの応用を目的として、グラフト重合及びスルホン化過程におけるPEEKのモルフォロジー変化を熱量測定やX線測定により詳細に検討した。

口頭

イオンビーム照射PVDF膜のエッチング挙動

越川 博; 八巻 徹也; 高橋 周一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成

no journal, , 

燃料電池用高分子電解質膜への応用を目的として、フッ素系高分子のポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にイオン穿孔を形成させ、その穿孔内にスルホン酸基を有するグラフトの導入を検討している。今回はイオン種及びエッチング前の熱処理によるエッチング速度への効果を検討した。高崎量子応用研究所のAVFサイクロトロンによりPVDF膜(25$$mu$$m)に450MeVのXeイオンを照射し、その後大気中、30日間120$$^{circ}$$Cで加熱した。25$$^{circ}$$Cでも同様に保管した。膜をセルで挟み、80$$^{circ}$$C,9M KOH水溶液をエッチング液として24時間電気伝導率を測定しながらエッチングした。貫通時間から算出した潜在飛跡エッチング速度Vtは、120$$^{circ}$$Cで6.6$$mu$$m/hで25$$^{circ}$$Cの4倍高い値となり、大気中加熱による前処理で潜在飛跡のエッチングを大きく促進させることがわかった。また、KrやNi等のイオン種を変えて同様に比較した場合、イオン種のLETが高いものほどVtが高くなる傾向が明らかになった。

口頭

耐熱性芳香族高分子膜への放射線グラフト重合による燃料電池用電解質膜の作製

佐藤 賢; 高橋 周一; 長谷川 伸; 成田 正*; 前川 康成

no journal, , 

耐熱性や機械的特性に優れたスーパーエンジニアプラスチックの中で、特に燃料電池作動下で存在する熱水への耐性が見込めるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜に着目し、放射線によるグラフト重合とスルホン化による電解質膜を作製した。その結果、ポリスチレンをグラフトしたPEEK(PEEK-g-Sty)膜はスルホン化によって高いイオン交換容量とプロトン伝導度を示すものの、同時に寸法収縮と過剰な吸水性を示すことがわかった。本研究では燃料電池用電解質膜へのPEEKの応用を目的として、グラフト重合及びスルホン化過程におけるPEEKのモルフォロジー変化を熱量測定やX線測定により詳細に検討した。

口頭

高分子変換反応によるグラフト型電解質膜の合成と特性評価

高橋 周一; 前川 康成; 萩原 時男*; 小此木 裕行*

no journal, , 

エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に、アクリル酸メチルを放射線グラフト重合し、次いでグラフト鎖をクロロスルホン酸錯体により高分子変換反応することで、アルキルスルホン酸グラフト鎖を有する新規電解質膜を合成した。アクリル酸メチルグラフト膜のスルホン化に伴う構造変化を詳細に検討し、その電解質特性と熱安定性を評価した。

口頭

耐熱性芳香族高分子膜への放射線グラフト重合による燃料電池用電解質膜の作製

佐藤 賢; 成田 正*; 高橋 周一; 長谷川 伸; 前川 康成

no journal, , 

耐熱性や機械的特性に優れたスーパーエンジニアプラスチックの中で、特に燃料電池作動下で存在する熱水への耐性が特に見込めるポリスルホン(PSU),ポリエーテルスルホン(PES)、及び、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜に着目し、放射線によるグラフト重合とスルホン化による電解質膜の作製を試みた。PSU膜とPES膜の場合、グラフト重合、及び、スルホン化による膜の溶解や変形のため、電解質膜が得られなかった。一方、PEEK膜の場合、スチレン(St)のグラフト重合とStグラフト鎖のスルホン化によって、高いイオン伝導度を示す電解質膜が得られた。特にグラフト率とスルホン化率を制御することで、膜変形なしに導電率0.001$$sim$$0.01S/cmの電解質膜が作製可能となった。

口頭

Preparation technique of fuel cell membranes having sulfoalkyl ethers by radiation grafting and nucleophilic addition

榎本 一之; 高橋 周一; 前川 康成

no journal, , 

量子ビーム及び有機合成技術を利用したグラフト鎖高分子変換反応により、新規スルホン酸構造を有するグラフト型電解質膜の合成法について検討した。具体的には、ポリ酢酸ビニルグラフト鎖をけん化することで得られるポリビニルアルコール(PVA)の求核付加反応に着目し、1,3-propanesultoneを作用することで、アルキルエーテルスルホン酸の合成を行った。機械特性や耐熱性に優れたETFE膜に対して酢酸ビニルをグラフト後、アセトキシル基を塩基条件下でけん化することで定量的にPVAグラフト鎖を得た。次いで、PVAと1,3-propanesultoneの求核付加反応は、トルエン溶媒中、塩基試薬にトリエチルアミンを用いて行った。PVAの求核付加に伴う1,3-propanesultoneの開環反応が進行し、70%の反応率でアルキルエーテルスルホン酸を与えた。赤外分光法を用いた構造解析により、アルキルエーテルスルホン酸由来のピークを確認した。SEM-EDS分析により、アルキルエーテルスルホン酸は膜中において均一に分布していることがわかった。上記反応で得られた電解質膜のイオン交換容量及びイオン導電性は、それぞれ、1.6mequiv g$$^{-1}$$, 0.12S cm$$^{-1}$$と、ナフィオンに匹敵する値を示した。

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