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山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(2), p.147 - 151, 1996/02
被引用回数:1 パーセンタイル:14.44(Nuclear Science & Technology)燃料微小球調製法の一つである内部ゲル化法では、一般に燃料金属の酸不足型硝酸塩溶液を出発液とする。この出発液を酸過剰型硝酸塩溶液の水蒸気脱硝により調製する方法を開発した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 217, p.127 - 137, 1994/00
被引用回数:14 パーセンタイル:75.32(Materials Science, Multidisciplinary)ゾルゲル粒子加圧成型法による高密度(Th,U)Oペレットの調製について研究した。原料のThO-UO粒子はゲル粒子中の水をイソプロピルアルコールで置換した後、そのアルコールを真空排気と200C空気中加熱により除去して調製した。その粒子を水分10~21%のまで再加湿した後150~500MPaの圧力でペレットに成型し、1300C空気中焼結した。1300Cという低温でも、U/(Th+U)=5~20mol%の範囲においては、最高98%TD以上の密度になった。その焼結体を1300CAr-4%H中で(Th,U)Oにまで還元しても、ペレットは同様に高い密度(99%TD)を持つ健全なものであった。
山岸 滋; 高橋 良寿
JAERI-M 93-122, 18 Pages, 1993/06
ペレット製造のためのゾルゲル粒子加圧成形法に用いる原料粒子のサイズ制御条件と柔らかい原料粒子を得るための乾燥条件を検討した。ゾルを水平方向に吹き出す振動ノズルを基にしたゲル化装置を用いて、170~700mのゾル滴(50~200mの焼結粒子に相当)の分割に適したノズル径、ゾル供給速度、振動周波数の条件を調べた。乾燥条件については、このような極微小ゲル粒子中の水分をアルコールで置換した後、粒子が固着することなくアルコール除去できる条件を検討した。確立した条件を適用して調製したU含有率[U/(Th+U)モル比]0~30%の粒子の例を示した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 207, p.255 - 265, 1993/00
被引用回数:6 パーセンタイル:55.97(Materials Science, Multidisciplinary)ゾルゲル(Th,U)O微小球の稠密化挙動をAr-4%H,空気、水蒸気中で研究・比較した。いずれの雰囲気でも1300Cでは99%TD以上に焼結できるが、1300C以下では、雰囲気とU含有率の両方に稠密化は影響される。三つの中でAr-4%H中では、最も均質な微細組織を保ちながら最も低い温度で稠密化する。稠密化過程における焼結性と微細組織均質度とも[Ar-4%H空気水蒸気]の順である。しかし、一旦微細組織が不均質に劣化したものについては、他の二つよりAr-4%H中での稠密化が困難となる。この場合の焼結性の順は[水蒸気空気Ar-4%H]である。焼結性がAr-4%H中で最も高いというこのまれなケースはゾルゲル粒子が非常に細いnmオーダーの粒子で構成されるためであることを示した。また従来の諸報告にみられる酸化物燃料の焼結が水蒸気で促進される現象は、酸素ポテンシャルのみならず水蒸気特有の効果によってもたらされていることを示した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 189, p.134 - 140, 1992/00
被引用回数:3 パーセンタイル:35.32(Materials Science, Multidisciplinary)ゾルゲル(Th,U)O微小球の焼結挙動を、不純物硫酸塩および加熱雰囲気の影響に重点を置いて研究した。Ar-4%H中での(Th,U)O焼結では、硫酸塩の影響はほとんどなく、1300Cで99%TD以上の密度となった。硫酸塩のない場合、このような高密度製品は、空気中1300C焼結でも得られた。しかし、この稠密化の過程は、空気中とAr-4%H中とでは異なること、また、中間のある温度で一度空気中加熱した中間体は1300CAr-4%H中加熱しても、もはや99%TDにはならないことが分った。このことから、大バッチ量の焼結時に時々低密度になった理由を考察した。また、U含有率にかかわらず、高密度で外観も均一の製品を確実に得られる共通の条件を提案した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 189, p.72 - 78, 1992/00
被引用回数:5 パーセンタイル:48.18(Materials Science, Multidisciplinary)ゾルゲル粒子に添加物を加えることなく加圧成形することにより高密度ThOペレットを調製することを研究した。プレス原料粒子は、ThOゲル粒子中の水分をイソプロパノールで充分置換したのち、そのアルコールを減圧加熱除去して得た。この粒子を450C熱処理後、10~15%再加湿したものをプレスし、1300Cの低温焼結により、85~98%TDの良質のペレットを得た。熱処理及び加湿水分の成形および焼結に及ぼす効果についても考察している。
山岸 滋; 高橋 良寿
Meas. Sci. Technol., 3, p.270 - 274, 1992/00
被引用回数:7 パーセンタイル:68.47(Engineering, Multidisciplinary)固体試料の水銀置換体積を正確に測定するための特殊なピクノメータを考案した。これは通常の分離型のものであるが、組み立て時に内容積を常に一定にする方法と、入口における水銀の自由表面位置の変動を補正する方法とを組み合せることにより0.1mlの体積でも0.1%以内の誤差で測定できることを実証した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 182, p.195 - 202, 1991/00
被引用回数:5 パーセンタイル:53.89(Materials Science, Multidisciplinary)不純物硫酸塩含有と非含有の2種の硝酸トリチウム原料を用いて、ゾルゲルThO微小球の焼結挙動を更に研究した。それは前報の研究で用いた原料が相当量の不純物硫酸塩を含んでいたからである。焼結挙動に及ぼす硫酸塩の影響の他、ゾル中Th濃度、ゲル球洗浄温度、焼結雰囲気の影響をも調べた。その結果、前報で報告した、焼結密度の焼結雰囲気である空気-水蒸気混合ガス中の水蒸気濃度に対する依存性は、硫酸塩が共存し、ゾル中Th濃度が低く、ゲル球洗浄温度が高い限られた場合においてのみ当てはまることが分かった。また、硫酸塩の共存しない場合には、99%TDの高密度のものが水蒸気濃度にかかわらず容易に得られることが分かった。硫酸塩共存の場合、ゾル中Th濃度が高いほど、あるいは洗浄温度が低いほど焼結密度が高くなることが分かった。このような硫酸塩の密度に及ぼす効果の差は、昇温中の微細組織の雰囲気による差で説明された。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(10), p.939 - 947, 1989/10
(Th,U)O微小球製造のためのゾルゲル法において、原料のTh(NO)から持込まれる不純物硫酸塩の挙動を研究している。ゾル中では、U含有率U/M(M:Th+U)のいかんにかかわらず、ほとんどすべての硫酸イオンがコロイド粒子に吸着している。しかし、ゲル球中の硫酸イオンは、U/Mが10mol%以上の場合容易に洗い出されるが、より低いU/Mではそうではない。特にThOゲル球中の硫酸イオンは長時間洗浄でも除くのが困難である。ゲル球中に残る硫黄は空気または水蒸気中1000C 3hの加熱で除去できる。ThOの場合は1300C加熱で除かれる。一方、Ar-4%H中加熱では、1500Cでもほとんどの硫黄が同定できていないM-O-S化合物として残る。加熱中に硫黄は水素と反応してHSとなり徐々に放出される。研究の結果、ゾルゲル工程中に不純物硫酸塩を除去する適当な条件を見出している。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 25(11), p.848 - 856, 1988/11
(Th,U)O粒子製造のゾルゲル法に用いるThO-UO原料ゾルの調整条件を、硝酸塩出発溶液をpH制御下で中和するアンモニアガス添加法により研究した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(9), p.748 - 758, 1987/09
被引用回数:8 パーセンタイル:63.47(Nuclear Science & Technology)アンモニア水添加法によるpH制御下でのゾル調製に用いた装置を改良し、アンモニア水に代えてアンモニアガスを使用できるようにした。この装置を用いて、初期Th濃度が1~2.34mol/lのTh(NO)出発溶液を中和して、最終温度0.94~2.0mol/lのThOゾルを調製した。コロイド率が高くかつコロイド粒子の大きい良質ThOゾルを得る条件を明らかにした。そのためには、中和様式を濃度に応じて変える必要があることを見出した。得られたゾルの粘度は1.5~2.5mPa・Sで、同様の方法でKFAの研究者が作ったゾルの値よりはるかに低かった。その差異は、中和様式の異なるためであると推定される。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 144(3), p.244 - 251, 1987/03
被引用回数:8 パーセンタイル:63.47(Materials Science, Multidisciplinary)ThOゲル球の稠密化に及ぼす乾燥・焼結条件の影響について研究した。焼結は水蒸気濃度0.4~99.7%の空気-水蒸気中あるいは低酸素分圧雰囲気中で行った。水蒸気濃度を制御した空気-水蒸気中で焼結すると、直径500mの焼結球の密度を91~99%TDに制御できることが分った。また、還元雰囲気中での焼結によっても高密度(99%TD)の焼結球が直径0.3-1.1mmの範囲で得られた。空気-水蒸気中で焼結した球の結晶粒径は、水蒸気濃度が高いほど大きい。また、球内部より表面のほうが大きかった。それに対し、Ar-4%H中焼結したものでは、球内部より表面のほうが小さかった。水蒸気中および還元雰囲気中における99%TDまでの稠密化の進行過程は異なり、後者は亜化学量論組成によって促進されると推論した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(9), p.794 - 801, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:70(Nuclear Science & Technology)U含有率040%,直径0.31.3mmの(Th,U)O微小球を四塩化炭素-アンモニア系で原料ゾルをゲル化する方法で製造し、その特性を測定している。その真球度は、U含有率が高いほど、換言すれば、原料ゾルのコロイド率が低いほど悪くなる。これは、ゲル化時の非等方的収縮がより大きいことによる。このため、U35%までは、満足すべき微小球が得られるが、U40%で得られない。また、この収縮は、U含有率が高いほど微小球表面を荒くする。これは、BET表面積と幾何学的表面積の比、および、顕微鏡観察から明らかである。みかけ密度とかさ密度も測定し、比較している。混合酸化物の場合、微小球は容易に98%T.D.以上に焼結されるが、ThOではそうでなく87~99%T.D.の範囲にバラつく。そのような低密度のThOも含めた全試料において、開気孔率は1%以下である。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(8), p.711 - 721, 1986/00
被引用回数:8 パーセンタイル:66.77(Nuclear Science & Technology)pH制御下で硝酸塩溶液をアンモニア水で中和する方法でU含有率040%のThO-UO混合ゾルを製造する条件を検討している。U035%では、四塩化炭素-アンモニア系ゲル化用の良質原料ゾルを得ている。製造可能の安定なゾル中のUのコロイド率は、Thのそれに比べて低い。その上、U含有率が高くなるにつれて後者は少し低くなるだけであるが前者はかなり低くなる。その結果、(Th+U)のコロイド率も急激に低くなる。ゾルのゲル化挙動の良否は、ゾル中の4.1nm以上のコロイド率とU含有率とに依存する。ゲル球破損を起さないための上記のコロイド率の下限値は、U含有率が高くなるにつれて低くなる。ゲル球破損は、低U含有率ではクラックであるが、高U含有率では「えくぼ」あるいは「へそ」のような穴である。この差異についても考察している。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(12), p.995 - 1000, 1985/12
被引用回数:16 パーセンタイル:85.3(Nuclear Science & Technology)ThOあるいは(Th,U)Oの大きな球状粒子をゾルゲル法でつくる方法について述べている。そこでは、ゾル滴形成媒質として四塩化炭素を、ゲル化剤としてアンモニアを使用する。用いる原料ゾルは四塩化炭素より軽い。そのため、ゾル滴はゲル化カラムの底部において純四塩化炭素の中で形成される。その後、ゾル滴はアンモニア性四塩化炭素の中を上昇しながら表面を固化し、四塩化炭素の上に配置された濃アンモニア水との界面に到達してゲル化を完結する。界面ゲル球を連結的に回収するために特殊な工夫がなされている。この装置を用いて、ThO,(Th,U)Oの大きな粒子をひびなしに得られる。最大達成直径は、それぞれ1000m,1300mである。これらの粒子の真球度は、直径1000mの場合でも1.1より小さい。
山岸 滋; 高橋 良寿
JAERI-M 85-127, 36 Pages, 1985/09
被覆粒子燃料用(Th,U)O核の製造条件を検討した。原料ゾルは、硝酸塩溶液をアンモニアで中和して製造した。前中和を加味したPh制御方式での中和により、ゲル化に適したゾルが得られた。分離することなくThとUを分析するためのEDTA滴定法を検討した。これにより、ゾル中のThとUの挙動が異なることが明らかとなった。すなわち、Uは選択的に大粒子沈殿に濃縮する傾向がある一方、Uのコロイド率はThより低かった。ゾル滴は、へキソン-アンモニア系でゲル化した。真球度を改良する目的で三流体ノズルを用いたが効果はわずかであった。約300gのThUO核を被覆粒子燃料の照射実験のために試作した。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(11), p.915 - 921, 1985/00
被引用回数:9 パーセンタイル:74.17(Nuclear Science & Technology)四塩化炭素-アンモニア系で首尾よくゲル化できるThOゾルの製造条件を検討した。その系は、真球度の秀れたゲル球を与えるが、高品質の原料ゾルを必要とするものである。ヘキソン-アンモニア系でのゲル化に適したThOゾル製造のために以前開発した前中和後pH制御下で中和を進める方法に、PH設定を2段階に行う方式を取入れた。その結果、コロイド粒子径を低下させることなく、ゾル中のThのコロイド等を高めることができた。これにより、ひびがなく大きな真球性ThO粒子を得ることができた。
山岸 滋; 高橋 良寿; 柴 是行
J.Phys.,E, 17, p.339 - 341, 1984/00
水銀ピクノメトリーにより粒状試料の微小体積を精度よく測定するために、特殊比重びんを考案し、ガラスで製作した。その比重びんは、細い入口が唯一つあるだけで、通常の比重びんを用いた測定における主要な原因であるテーパージョイント部を持っていない。加えて、その細い入口における水銀面の位置を正確に測定し、基準位置からのずれに対する水銀量の補正を行った。この二つの改良により、体積測定誤差は、0.0001cmとなった。
山岸 滋; 高橋 良寿; 柴 是行
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(7), p.528 - 537, 1984/00
被引用回数:12 パーセンタイル:75.16(Nuclear Science & Technology)外部ゲル化法でひびのないゲル微小球を得るのに適したThOゾルの製造条件を研究した。ゾルはpH制御下で製造し、得られたゾルのコロイド粒子径分布を測定した。ゲル化は、ドロップ形式媒質としてヘキソンを、ゲル化剤としてアンモニアを用いて行った。適当なpH条件で調製したコロイド粒子径が大きく、コロイド率の高いThOゾルを用いることにより、ひびなくゲル化することができた。pH制御に先立つ「前中和」も良質ゾルを得るのに重要である。ゾルのコロイド率、コロイド粒子径、結晶子径の解析により、適当pH下では、初期に生成したコロイド核が、その数を変化させるここなく、単結晶の状態で成長すること、また、それを冷却すると、凝集して大きな多結晶コロイドになることがわかった。ひび入り機構についても考察している。
山岸 滋; 高橋 良寿; 柴 是行
JAERI-M 83-168, 20 Pages, 1983/11
水銀ピクノメトリーにより粒状試料体積を高精度で測定するために開発した特殊比重びんおよび水銀量補正方法を用いてのThO、(Th、U)O燃料核のかさ密度測定について述べている。また、密度の算出に用いる個々の測定値の誤差を評価し、それらの伝播について計算値と実験値との対応についてもふれている。本法による体積測定精度は0.0001cmであり、密度約10g/cmのThO、(Th,U)O燃料核の場合、1.5gの試料でも0.01g/cm以内の精度で密度測定が可能であった。この高精度測定の結果、製造バッチでの密度変動が測定でき、相対密度の低い試料ほど変動が大きいことがわかった。