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天谷 政樹; 中村 仁一; 更田 豊志; 高阪 裕二*
Journal of Nuclear Materials, 396(1), p.32 - 42, 2010/01
被引用回数:4 パーセンタイル:30.63(Materials Science, Multidisciplinary)2種類のディスク状UO試料を試験炉にてそれぞれ60及び130GWd/tまで照射した。試料の微細組織を光学顕微鏡観察,SEM/EPMA及び微小X線回折法により調べた。試料の熱拡散率を測定し、熱伝導率を評価した。熱伝導率測定結果から、試料に蓄積された照射欠陥の量が各試料の照射条件に依存することが示唆される。熱拡散率測定前後での格子定数,歪みエネルギー密度の比較から、1200から1500Kの温度領域で見られる熱伝導率の回復は転位の移動に関係していると考えられる。
水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*
JNC TJ8430 2005-002, 136 Pages, 2005/02
粒子焼結による振動充填燃料の熱伝導度向上効果を調べるため、粒子焼結体の熱伝導度測定方法の検討を進めている。平成1315年度の試験では、粒子間の焼結状態を制御できる試験試料の作製方法を把握し、平板比較法による熱伝導度測定装置により粒子焼結体の実効熱伝導度を測定できる見通しを得た。本年度は熱伝導度測定装置の改良により、高温領域での熱伝導度測定における試料径方向の熱損失の低減をはかった。また今後に計画されている真球度の高いUO粒子を使用した粒子焼結体の実効熱伝導度測定の見通しを得ることを目的して、同装置により真球度の高いZrO粒子焼結体における粒子間ネッキングと熱伝導度の相関関係を調べた。その結果、真球度の高い粒子を使用することでネック比の制御がより容易になるとともに、粒子ネック比と焼きしまり歪量の関係が低ネック比領域にも適用できることが判った。標準試料として石英ガラスを用いた装置特性試験における熱伝導度測定値の95%信頼幅は600900deg. C で3%と、平成14年度試験における8%に比較して向上した。ZrO粒子焼結体の熱伝導度にはネック比依存性が認められた。これは真球度の高い粒子の使用により粒子焼結体内のネッキングが一様化したこと及び装置改良による熱伝導度測定精度向上の効果と考えられる。 粒子焼結体の熱伝導度測定における今後の課題として下記が挙げられる。 1. 熱伝導度測定温度範囲の拡大/2.高温領域での測定精度向上/3.粒子ネック比測定精度の評価
水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 森 行秀*; 島田 隆*
JNC TJ8410 2004-006, 85 Pages, 2004/03
硝酸を抽出した網オ系抽出剤を用いて、酸化物燃料からウラン及びプルトニウムを選択的に溶解・抽出する方法(UPRISE法)を検討している。本試験では、アミド系抽出剤へのウランの溶解傾向を調査するとともに、NdN等の代表的な核分裂生成物との分離性能を模擬酸化物を用いて調べた。
水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*
JNC TJ8430 2004-001, 93 Pages, 2004/02
粒子焼結による振動充填燃料の熱伝導度の向上効果を調べるため、クリープ試験装置を用いて異なる粒子ネック比のUO2粒子焼結体を製作し、平板比較法熱伝導度測定装置を使用して熱伝導度測定を行った。本試験では、ネック比0%と37%の試料について、600800の範囲で測定を実施した。
水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*
JNC TJ8430 2003-001, 73 Pages, 2003/02
粒子焼結による振動充填燃料の熱伝導度向上効果を調べるため、粒子焼結体の熱伝導度測定方法の検討を進めている。平成13年度は、粒子焼結体の製作条件を把握するための粒子焼結試験を実施した。本年度は平成13年度実施の試験で得られた粒子焼結条件と粒子ネック比の関係を用いて粒子焼結体を製作し、熱伝導度測定試験後の検査により、ほぼ目標どおりの粒子ネック比の焼結体が得られる事を確認した。平板比較法熱伝導度測定装置を製作し、ヘリウム雰囲気下において、測定試料平均温度を800以上に昇温し、試料肉厚温度差を50250の範囲で任意に設定できる事を確認した。標準試料による較正試験により、平板比較法熱伝導度測定装置による熱伝導度測定値の95%信頼幅(2)は8%と評価された。焼結体密度63%TDの粒子焼結体の温度範囲8001100Kにおける熱伝導度として、1.561.85W/(m・K)の測定結果を得た。粒子焼結体の熱伝導度測定結果については、今後、粒子焼結体の厚さ、充填密度、ネック比等をパラメータとした熱伝導度測定試験により、検証を進めて行くべきものと考えられる。(今後の課題)粒子焼結体熱伝導度に及ぼす下記影響因子の把握 1.粒子ネック比 2.粒子充填状態(粒子サイズ、サイズ数、充填密度) 3.粒子焼結体厚さ 4.雰囲気(ガス種、圧力)
森 行秀*; 島田 隆*; 高阪 裕二*; 水野 峰雄*
JNC TJ8400 2003-013, 69 Pages, 2002/12
使用済燃料粉化のための前処理として、機械式粉化法(シュレッダー法)と酸化熱処理法が検討されており、それぞれの処理後の粉末のU主成分はUO$2とU$Oである。 また粉化処理条件によっては異なる粒径の粉体が得られる。 これらの試料形態および温度の違いにより溶解速度に差違があると考えられたことにより、本試験では粉体粒径の異なるウラン酸化物および試験温度条件を変えた溶解試験を実施し、下記の結果を得た。1.比較的粒径が類似する UO$8粉体(平均粒径3.7$mu$m)と$UO$2粉体(平均粒径2.4$mu$m)で溶解性に関して顕著な差違は認められなかった。2.UO$粉体の粒径を変えた試験(平均粒径2.4m1mm)により、粉体粒径が大きくなるほど溶解速度が小さくなる傾向が確認された。 粒径1mmでは試験時間5時間においてもなお未溶解粉体が観察される等、溶解速度に対する粉体粒径の影響が大きい事が判った。3.中間粒径が1mmのUO$2粉体を使用し、温度をパラメータとした試験により、温度が高くなる程、溶解速度が大きくなる溶解速度の温度依存性が確認され、活性化エネルギーとして11$kcal/mol が得られた。4.硝酸濃度が変化を開始する時間については小粒径のUO$2粉体の方が同程度粒径のU$O粉体に比べて早く、また濃度変化幅もUO$2粉体の方が大きくなった。これは溶解反応に消費されるウランと硝酸のモル比の差違(UO$$2:3:8に対し、U$O$8:3:7$sim$3:8)に起因すると考えられる。5.燃料を微小な粒径にすることができれば、溶解速度の観点からは40deg.$Cにおいて機械式粉砕法および酸化熱処理法の両者に差異はなく、共に適用可能と考えられる。
中村 雅弘; 水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*
JNC TJ8440 2002-003, 55 Pages, 2002/02
本試験では熱伝導度測定用の振動充填燃料焼結体を製作する条件を把握するため、転動造粒法で作製したUO粒子の円板状充填層をクリープ試験機を使用して高温に保持して定常荷重負荷をかけた粒子焼結試験を実施し、以下の結果を得た。(1)1700、7MPaの温度/圧縮荷重条件下で約2時間30分保持することにより、充填粒子層に4.54.7%の焼きしまり歪量が生じ、粒子ネック比:約40%まで粒子間焼結を進行させられることがわかった。(2)焼きしまり歪量が大きくなると粒子ネック比が大きくなる関係が確認されたことより、基本的に焼きしまり歪量の調整により目的とする粒子ネック比の焼結体を製作できる見通しを得た。(3)粒子充填層の焼きしまり歪量は充填粒子粒径に依存し、粒径が大きい程、焼きしまり歪量は大きくなった。これは粒径増大による接触点数減少に伴う局所応力の増大によるものと考えられた。(4)充填粒子の粒径が小さくなると、粒子充填層肉厚(荷重負荷)方向に比して半径方向の粒子ネック比が小さくなり、粒子が分離しやすくなる傾向が認められた。(5)焼結試験前後の結晶粒径測定結果より、粒子焼結による結晶粒径の有意な変化は認められなかった。
大久保 忠恒*; 佃由 晃*; 上村 勝一郎*; 村井 健志*; 後藤 健*; 土井 荘一*; 千田 康英*; 高阪 裕二*; 木戸 俊哉*; 村田 保*; et al.
日本原子力学会誌, 43(9), p.906 - 915, 2001/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)我が国の原子力発電では、ウラン資源の有効活用及び稼働率向上を目的として、高燃焼度化が進められており、その一環として通商産業省の支援のもと高燃焼度燃料等確証試験が実施されている。PWRにおいては、高燃焼変化が2段階のステップを踏んで進められており、ステップI燃料(~48GWd/t)は平成元年から使用が開始されている。本報告では、関電(株)高浜3号機で照射されたステップI燃料について照射後試験を行い、その照射挙動について解析・評価を行った。その結果、ペレット,燃料要素,被覆管及び燃料集合体の照射挙動は従来燃料の挙動データから予測される範囲であり、特異な挙動は見られないことが確認され、ステップI燃料の健全性・信頼性を確証することができた。
中村 雅弘; 加瀬 健; 小泉 務; 水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*; 関根 伸行*
no journal, ,
スフェアパック燃料は燃焼中の高温・高圧により粒子間が焼結し、燃料の実効熱伝導度が改善されると考えられている。設計コードでは、粒子間焼結の進展をネック比をパラメータとして取り込んでいる。断面金相観察と破面観察によるネック比測定結果を比較することにより、照射後試験における金相観察によるネック比測定精度を評価した。
野瀧 友博*; 高阪 裕二*; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫
no journal, ,
マイナーアクチノイド(MA)含有酸化物燃料の熱機械特性評価のために、MAの模擬としてNdを8mol%添加したUOペレットを作製し、マイクロインデンテーション法による熱クリープ測定を行い、Nd添加による影響を検討した。1350から1450Cにおける試験結果から、Ndを添加したUOでは無添加のUOに比べて、圧子押込み変位量が小さくなる傾向が確認され、クリープ速度は減少することが明らかになった。クリープ速度と応力の関係から評価した応力指数は、Nd添加UOでは約7、無添加UOでは約9であり、いずれもクリープ変形機構としては転位クリープが支配的であると推定される。
荒井 康夫; 赤堀 光雄; 芹澤 弘幸; 高阪 裕二*; 宇埜 正美*
no journal, ,
文部科学省の原子力システム研究開発事業として「MAリサイクルのための燃料挙動評価に関する共通基盤技術開発」を平成19年度から3年計画で開始した。本事業では、燃料健全性評価上重要でありながらこれまで検討が不十分であった、MA含有燃料中で大量に生成するHeの挙動、及びMAとして重要でありながら特性の理解が進んでいないAm, Cmを含有した酸化物の熱物性を解明し、計算科学的手法も応用しながら、MA含有燃料の挙動評価を合理的に支える基盤技術を開発することを目的とした。事業の全体概要について紹介する。
荒井 康夫; 赤堀 光雄; 芹澤 弘幸; 高阪 裕二*; 宇埜 正美*; 牟田 浩明*
no journal, ,
マイナーアクチノイド(MA)のリサイクルを実現するためには、現在の軽水炉燃料サイクル技術からは外挿できない燃料技術が必要であり、MA含有燃料に特有な燃料挙動を理解し、制御することが不可欠である。特にMA含有燃料の照射中及び保管中に生成量が増加するHeの挙動、並びにAm及びCmの含有が酸化物燃料の特性に与える影響についてはこれまで十分に把握されていない。これらの観点から平成19年度から3年計画で開始した、文部科学省の原子力システム研究開発事業「MAリサイクルのための燃料挙動評価に関する共通基盤技術開発」における平成20年度の進捗概要について紹介する。
野瀧 友博*; 高阪 裕二*; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫
no journal, ,
MA模擬元素としてNdを10mol%及び25mol%添加したUO試料の熱クリープ測定をマイクロインデンテーション法により行い、Nd添加による熱クリープ特性への影響について検討した。測定条件は、サファイヤ製円錐型圧子を用い、温度範囲1350から1450C,荷重2.45N,測定時間300秒とした。いずれの試料も温度上昇に伴い押込み変位量が増大し、Nd添加量が多い方が押込み変位量が小さくなる傾向を示した。押込み変位データから押込みクリープ速度と圧子下相当応力を解析した結果、Nd添加量の増大に伴い押込みクリープ速度は低下する傾向にあることを確認するとともに、応力指数の値からクリープ変形機構として転位クリープが支配的であると推定した。
荒井 康夫; 赤堀 光雄; 芹澤 弘幸; 高阪 裕二*; 牟田 浩明*
no journal, ,
文部科学省の原子力システム研究開発事業「MAリサイクルのための燃料挙動評価に関する共通基盤技術開発」の平成21年度(3年計画の最終年度)の進捗概要と3年間に得られた成果のまとめを紹介する。本研究では、MA含有燃料に特有な燃料挙動を理解し制御するために不可欠な、照射中及び保管中に生成するHeの挙動、並びにAm及びCmの含有が酸化物燃料の特性に与える影響について、実験及び計算科学的手法を用いて調べた。
野滝 友博*; 高阪 裕二*; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫
no journal, ,
マイクロインデンテーション法により、MA模擬酸化物としてNdを添加したUOペレットを対象に熱クリープ測定を行い、Nd添加率(0-25mol%)及び密度(93-97%TD)による熱クリープ特性への影響について検討した。1350から1450Cの温度範囲でインデンテーションにより得られた押し込みクリープ速度から、FEM解析を介してクリープ速度式を導出し、クリープ速度を評価した結果、Nd添加率の増大に伴いクリープ速度は低下し、応力指数は減少することを明らかにした。Nd添加率増大に伴いU又はNdの拡散系数が低下し、転位の上昇運動が抑制されるためにクリープ速度が低下し、支配的なクリープメカニズムが転位すべりと転位クリープの境界域から転位クリープとなるために応力指数が低下すると推測される。一方、密度上昇に対してもクリープ速度は低下する傾向を示した。気孔率が減るとクリープに抵抗する有効断面積が増加し、クリープ速度が低下したと考えられる。
荒井 康夫; 高阪 裕二*; 牟田 浩明*
no journal, ,
MA含有燃料中のHe挙動評価とCm, Am含有酸化物の燃料物性評価を目的として平成19年度から21年度まで実施した原子力システム研究開発事業「MAリサイクルのための燃料挙動評価に関する共通基盤技術開発」の成果である。MA含有燃料中のHe挙動評価では、UO中He挙動基礎試験, Pu/Cm含有酸化物試料によるHe挙動試験,照射済みMOX燃料の照射後試験,He挙動評価モデルの構築を実施した。Cm, Am含有酸化物の燃料物性評価では、MA酸化物の特性データの取得,MA模擬酸化物の熱クリープデータの取得,MA含有燃料の特性評価を実施した。いずれの研究開発項目とも、所期に定めた研究開発目標を達成するとともに、取得したデータの多くは革新性を含むものであった。