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山下 清信; 原田 裕夫; 村田 勲; 新藤 隆一; 鶴岡 卓也*
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(3), p.249 - 260, 1993/03
被引用回数:1 パーセンタイル:18.76(Nuclear Science & Technology)本報は、大型黒鉛減速炉のキセノン振動を2次元或いは3次元の炉心モデルで多群拡散理論を用いて解析し、炉心モデル及びエネルギー群構造の違いがキセノン振動挙動の評価に与える効果を検討した結果を報告するものである。精度の高いキセノン振動挙動の評価には、キセノンの中性子吸収断面積の変化が大きい0.1eVと0.65eVの間の熱中性子領域の群構造が出力分布の振動幅及び周期に有意な影響を与えるのでこの領域を詳細に扱ったエネルギー群構造の群定数を用いた多群計算が重要であることが明らかとなった。また、3次元R-O-Zモデルより得られたしきい値は、2次元R-Zモデルのしきい値と一致し、2次元R-Oモデルのしきい値と一致しなかった。このため、キセノン振動が発生し始める炉心出力のしきい値の評価には、3次元R-O-Zのモデルの代わりに2次元R-Zモデルを使用することができるが、2次元R-Oモデルは使用できないことが明らかとなった。これは、軸方向の出力分布の影響が評価できないからである。
椎名 卓也; 菅谷 雄基; 白石 伊世; 渡辺 立子; 横谷 明徳; 鶴岡 千鶴*; 鈴木 雅雄*
no journal, ,
APサイトが他の損傷とクラスターを構成することでその後の修復過程に大きく影響することが多くの合成クラスター損傷を含むオリゴヌクレオチドを用いた実験により明らかにされつつある。われわれは、スキャベンジャー濃度をさまざまに変えたプラスミドDNAを試料として用い、これに異なる線質及び異なるLETの放射線を照射した際に生じるAPサイトとこれを含むクラスターDNA損傷の収率の違いを調べている。APサイトは、AP lyaseの一つである大腸菌由来のEndoculeaseIV (Nfo)で処理することで、鎖切断として検出した。試料中のスキャベンジャー濃度を変えることで、APサイト生成に果たす直接効果と間接効果の違いについても調べた。その結果、線質及びLETの違いによってNfo認識サイトの収率に差が見られた。本研究では、X線及びHIMACから得られる炭素イオンビーム(290MeV/nucleon, LET 13, 60keV/m)の照射により生じるAPサイト及びこれを含むクラスターDNA損傷の収率を定量し、鎖切断や塩基損傷の収率に関する従来のデータと比較することで、APサイトの生成プロセスが他の損傷、特に塩基損傷の場合と異なる可能性を見いだした。