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岡本 崇*; 鶴見 誠二*; 柴崎 杏平*; 尾花 佳美*; 高地 博寛*; 大野 豊; Rahman, A.*
Plant Physiology, 146(4), p.1651 - 1662, 2008/04
被引用回数:43 パーセンタイル:75.71(Plant Sciences)機械的な刺激を与えるために透析膜でカバーした培地上で育成したシロイヌナズナの根は、エチレン反応に特徴的な形態を示した。この形態について詳しく調べたところ、エチレンの生産性ではなくエチレンの情報伝達がエチレン応答の増強に重要な役割を担っていることがわかった。さらに、エチレン反応の増加は、根におけるオーキシン応答にも影響を与えていることを明らかにした。以上の結果は、機械的刺激による根の生長変化におけるエチレンの役割について新たな知見を与えるものである。
Rahman, A.*; 中曽根 光*; Chhun, T.*; 大浦 千春*; Biswas, K. K.*; 内宮 博文*; 鶴見 誠二*; Baskin, T. I.*; 田中 淳; 大野 豊
Plant Journal, 47(5), p.788 - 801, 2006/09
被引用回数:33 パーセンタイル:60.05(Plant Sciences)2,4-Dは、IAAの化学的アナログで、オーキシンとして投与し植物の生長を制御する際に広く使用されており、IAAと共通した応答経路で作用すると考えられている。本論文では、2,4-Dに対して感受性が低下しているがIAAに対しては野生型と同様の感受性を示す変異体であるアンチオーキシン耐性変異体()について報告する。の2,4-D応答変化の特異性は、, などのマーカー遺伝子の発現や遺伝子のリアルタイムPCR法などにより確認された。2系統の変異遺伝子座を調べたところ、両者とも複数の遺伝子にまたがるゲノムDNAの欠失が起こっていた。そこで、相補試験、及びRNAi形質転換体の解析を行い、欠失領域に存在する単一の遺伝子が2,4-D応答変化に関与していることを証明した。この遺伝子は、機能未知のタンパク質をコードする遺伝子(:)で動植物には存在するが、菌類や原核生物には報告がないものであった。本研究により、SMAP1は2,4-D応答の調節因子であること、2,4-DとIAAに対する応答反応は部分的に異なる経路で引き起こされることが示唆された。
大野 豊; Rahman, A.*; 中曽根 光; Chhun, T.*; 内宮 博文*; 鶴見 誠二*; 田中 淳
no journal, ,
アンチオーキシン耐性変異体()は、PCIB(-chlorophenoxyisobutyric acid)を用い、根の生長を指標としたスクリーニングにより取得された2,4-Dに対して感受性が低下しているが、IAAに対しては野生型と同様の感受性を示す変異体である。分子遺伝学的な解析からゲノムでは、第4染色体の約45kbのゲノムDNA領域が消失し、約9個の遺伝子が欠失していることが明らかにされた。この変異体における2,4-Dの取り込みや代謝については、野生型と違いは認めらず、2,4-Dの情報伝達過程が異常になっていることが示唆された。で欠失した領域に挿入がおきたT-DNA変異体やエンハンサートラップ系統を入手し、PCIB耐性を調べたところ、1系統においてPCIB耐性が認められたが、この系統()も約27KbのゲノムDNAが破壊されていた。そこで、相補試験、及びRNAi形質転換体の解析を行い機能未知の62アミノ酸からなるタンパク質をコードする遺伝子(:)が変異体の形質に重要であることを突き止めた。本研究により、シロイヌナズナ根における2,4-Dの作用の一部は、IAA反応とは独立したSMAP1を介した経路で引き起こされることが示唆された。
大野 豊; Rahman, A.*; Biswas, K. K.*; Chhun, T.*; 鶴見 誠二*; 鳴海 一成
no journal, ,
植物ホルモンオーキシンの作用メカニズムは幾つかのオーキシン変異体の同定によって明らかになりつつあるが、情報伝達系の詳細な制御機構や既知のオーキシン受容体であるTIR1/AFBsですべてのオーキシン反応が説明できるかどうかは不明である。オーキシン情報伝達にかかわる未知因子を明らかにするため、われわれはアンチオーキシンPCIBの存在下でも根が長く伸びる変異体のスクリーニングを行った。変異体は既知の遺伝子座であるやを含め五つのグループに分類された。さらにその中の新規変異体である()の生理学的/分子生物学的解析を行い、small acidic protein 1が2,4-Dで誘導されるオーキシン反応を仲介する制御因子であること、また2,4-Dの作用機構が同じオーキシンであるIAAとは部分的に異なることを明らかにした。
岡本 崇*; Rahman, A.*; 高地 博寛*; 大野 豊; 鶴見 誠二*
no journal, ,
植物が重力方向に沿って育っている状態(縦)と、常に障害物に遮られて重力刺激・物理的刺激を受けている状態(横)とでは植物の成長にどのような違いがあるか調べるために、3日間透析膜を敷いた寒天培地上で育てたArabidopsis thalianaの根の伸長を縦と横の間で比較したところ、横方向の場合に根の成長が縦に比べ約半分(0.57倍)となった。エチレン関連ミュータントを使用した実験の結果、エチレンシグナル系がかかわっていることが明らかとなった。これは、横方向の環境では、根の先端が常に重力と物理的刺激の影響を受けているためと考えられる。エチレン産生量を比較したところ縦と横の間で有意な差は見られなかったが、エチレン応答遺伝子ERF(Ethylene Responsive Factor)とBACH(Basic chitinase)のmRNAの発現量は、横方向で育成した場合、縦の状態に比べてそれぞれ5.2倍,2.7倍と上昇していることがリアルタイムPCRを用いて明らかとなった。植物生理学者は、植物の成長への化学物質の影響を見るためにしばしば濾紙上において根の伸長を観察するが、少なくともエチレン応答遺伝子が常に加算されていることに注意を払うべきかもしれない。
岡本 崇*; Rahman, A.*; 大野 豊; 鶴見 誠二*
no journal, ,
モデル植物であるシロイヌナズナを用い、機械的抵抗刺激をかけられた根の形態及び生長制御における植物ホルモンの役割について研究した。機械的抵抗刺激を与えるために、透析膜を敷いた寒天培地を横置きにしてシロイヌナズナ幼苗を育成したところ、シロイヌナズナ幼苗の根は、エチレンを与えたときのような特徴を示した。すなわち、根の生長や根の細胞の長さは半分に減少し、直径は1.2倍に肥大し、異所的な根毛の発生が見られた。エチレン合成,情報伝達,阻害剤に対する反応,遺伝子発現,変異体の反応を調べてみたところ、機械的抵抗刺激により誘導される根の形態や発生の変化は、エチレンに対する応答が増強されていることが原因であることがわかった。さらにこのエチレン応答の増強は、エチレンの合成量が上昇するためではなく、エチレンの情報伝達系の変化が要因であることがわかった。以上の結果より、機械的抵抗負荷による根の形態変化にエチレンが重要な役割を果たしていることが明らかになった。
岡本 崇*; Rahman, A.*; 大野 豊; 鶴見 誠二*
no journal, ,
植物の根の先端に物理的刺激が恒常的に与えられるシンプルな実験系-透析膜でカバーした寒天培地上に播種し、水平に置いて生育する-を開発し、根が寒天に潜り損なう過程で得られる恒常的な物理的刺激が、の根の形態形成にどのような影響を与えているかを研究している。これまでに(1)の根の伸長は、恒常的な物理的刺激を受けている場合に根の成長はコントロールに比べおよそ半分となっていることと、(2)恒常的な物理的刺激の下ではエチレン産生向上を伴うことなくエチレン応答が増幅していることを明らかにした。さらに、恒常的な物理的刺激が根の伸長阻害にどのように影響しているのかを調べる目的で、オーキシン応答とのクロストークに注目し、, 染色及びオーキシン関連遺伝子のリアルタイムPCRによって解析したので報告する。
岡本 崇*; 鶴見 誠二*; 柴崎 杏平*; 大野 豊; Rahman, A.*
no journal, ,
機械的な刺激を与えるために透析膜でカバーした培地上で育成したシロイヌナズナの根は、エチレン反応に特徴的な形態を示した。この形態について詳しく調べたところ、エチレンの産生ではなくエチレンの情報伝達が、このエチレン応答の増強に重要な役割を果たしていることがわかった。さらに、エチレン反応の増強は、根におけるオーキシン応答にも影響を与えていることを明らかにした。以上の結果は、機械的刺激による根の生長変化におけるエチレンの役割について新たな知見を与えるものである。