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島田 耕史; 田中 秀実*; 齊藤 友比古*
Resource Geology, 58(2), p.196 - 202, 2008/06
被引用回数:2 パーセンタイル:15.95(Geology)断層活動による岩盤の破壊によって生じる水素ガスは、断層の活動性を評価する際の重要な指標となる。しかし、活断層沿いの水素ガス濃度は空間的に不均質で、高濃度から検出限界以下までの値を示す。この空間的不均質性の把握は、活動的な場やガス通路の特定による重点観測地点の選定に有意義である。しかし、従来の野外測定技術は、高価かつ大型のため、多点測定が困難であるとともに、設置時の擾乱が数日から最高2週間継続する問題があった。これらの問題を解決するために、安価かつ小型化した装置を組み立て、擾乱を小さくする設置方法を提案する。跡津川断層で試験した結果、設置時の擾乱は穿孔後35分以内に終了した。この手法を用いることにより、活断層沿いの水素ガス濃度の時空間的不均質性を、短時間で検討できると考えられる。
島田 耕史; 田中 秀実*; 廣川 智隆*; 齊藤 友比古*; 角森 史昭*
no journal, ,
断層は、地下からの物質移行経路であり、地震・断層活動に伴う断層帯の化学環境変化やその影響範囲を検討するうえで重要である。地下水に溶けて、断層を通過して地表に運ばれた地下深部起源ガスを連続観測するための高汎用性装置開発として、飛騨市宮川町の跡津川断層破砕帯中の地下水溶存ガスの連続観測を、市販の四重極型質量分析計を用い、試料採取・水蒸気除去・導入・測定までの装置の自動化を進めてきた。その結果、約100km離れた大地震(2007年能登半島地震)に同期する希ガス濃度比変動が捉えられるなどの、物質移行経路としての役割が検討可能になってきた。平成19年度のコールドトラップの改造により、地下水起源の水蒸気の影響を大気導入時の影響以下に抑えることに成功した。本装置は、揚水量やガス導入圧を自由に調節できるので、断層帯通過流体研究をさまざまな地域で進めるうえで有効と考えられる。発表では、装置の概要を、得られたデータとともに紹介する。