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今泉 充*; 齊藤 政志*; 佐藤 真一郎; 安田 啓介*
no journal, ,
現在、宇宙用太陽電池(セル,パネル)関連の試験・評価関連技術の国際標準規格(ISO)化作業が進められており、その一つとして、放射線照射試験法に関する規格(ISO23038)が国際規格として制定された。ところがこのISO規格では、劣化量のフルエンスレート依存性や大面積照射のときの電流分布の均一性など、放射線照射試験における数値に関してはあまり検討されていない。そこで、将来のISO規格見直しを視野に入れ、太陽電池の放射線照射試験における試験条件の差による劣化量への影響の検討を行った。その結果、3接合太陽電池ではフルエンスレートに対する劣化量の依存性は見られなかったが、高効率Si太陽電池においてはフルエンスレートの増大に応じて劣化量が大きくなった。また、ビーム走査(スキャン)又はビーム拡散(デフォーカス)によって照射領域を拡大した50keV, 100keV陽子線による照射試験を行ったが、両照射方法の間に有意な差異は見られなかった。
齊藤 政志*; 今泉 充*; 百合 庸介; 大島 武
no journal, ,
宇宙用太陽電池の放射線照射試験及び評価法の国際標準化のための基礎データ取得の一環として、太陽電池へ陽子線をスキャンによる拡大とデフォーカスによる拡大ビームを用いて照射した時の劣化度合いの差異を調べた。試料は宇宙用のシリコン(Si)太陽電池を用い、10MeV陽子線を線量率5.510110/cm/sで最大710/cmの線量照射した。線量率に関しては、過去の研究から用いた線量率の範囲では劣化の度合いに線量率依存性はないことを確認している。実験の結果、スキャンビームとデフォーカスビームを用いた評価試験で、短絡電流,開放電圧,最大電力といった発電特性の劣化に差異はないことが判明した。このことより、局所的に高濃度の陽子線を照射することになるスキャンビームも、ビーム全体を均一に引き延ばすデフォーカスビームも太陽電池の照射試験という観点からは同等であり、両者ともに評価試験に使用しても構わないと言う結論を得た。
今泉 充*; 齊藤 政志*; 百合 庸介; 佐藤 真一郎; 大島 武
no journal, ,
宇宙用太陽電池の放射線照射試験は、現在各国、各施設によってまちまちの試験条件のもとで実施されており、その国際標準化が求められている。しかし、この標準化にあたって必要となる照射条件が太陽電池の劣化に及ぼす影響はまだほとんど調べられていない。本研究では、小さく焦点化した陽子線を走査する方法と、陽子線を拡散,拡大させる方法の2通りで太陽電池の放射線劣化試験を実施し、発電特性の劣化を比較した。その結果、今回の試験条件下においては、走査ビームと拡散ビームで劣化に有意な差はないことがわかった。したがって、太陽電池の陽子線照射試験においてはどちらの照射領域拡大法を用いても良いと結論された。