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玉田 太郎; 安達 基泰; 栗原 和男; 黒木 良太
日本結晶学会誌, 55(1), p.47 - 51, 2013/02
生体内化学反応の原子レベルでの理解において、化学反応の直接の担い手である水素原子や水分子の挙動を知る場合には、中性子をプローブとする立体構造解析は大きな力を発揮する。本稿では、中性子を用いたタンパク質の結晶構造解析の手順と酵素反応機構の解明を目指した中性子結晶構造解析例を示すとともに、著者らがJ-PARC/MLFに建設提案を行った新しい中性子回折装置(生体高分子専用高分解能中性子回折計)についても紹介する。
岡崎 伸生; 安達 基泰; 玉田 太郎; 栗原 和男; 大賀 拓史*; 神谷 信夫*; 倉光 成紀*; 黒木 良太
Acta Crystallographica Section F, 68(1), p.49 - 52, 2012/01
被引用回数:2 パーセンタイル:32.79(Biochemical Research Methods)ADP-ribose pyrophosphatase-I from HB8 (ADPRase-I) prevents the intracellular accumulation of ADP-ribose by hydrolyzing it to AMP and ribose 5'-phosphate. To understand the catalytic mechanism of ADPRase-I, it is necessary to investigate the role of glutamates and metal ions as well as the coordination of water molecules located at the active site. A macroseeding method was developed in order to obtain a large ADPRase-I crystal which was suitable for a neutron diffraction study to provide structural information. Neutron and X-ray diffraction experiments were performed at room temperature using the same crystal. The crystal diffracted to 2.1 and 1.5 resolution in the neutron and X-ray diffraction experiments, respectively. The crystal belonged to the primitive space group 321, with unit-cell parameters = = 50.7, = 119 .
黒木 良太; 岡崎 伸生; 安達 基泰; 大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎
Acta Crystallographica Section D, 66(11), p.1126 - 1130, 2010/11
被引用回数:2 パーセンタイル:30.11(Biochemical Research Methods)酵素は重要な創薬標的蛋白質の一つである。酵素の反応メカニズムや基質・阻害剤との相互作用様式についての知見は、医薬品候補分子の設計において有用な情報を与える。中性子を用いる蛋白質の立体構造解析は、酵素の機能や分子認識において重要な役割を有する水素原子に関して、重要な情報を提供することができる。原子力機構の研究炉(JRR3)に設置された生体高分子用中性子回折計(BIX-3/4)を用いて実施した、2つの創薬標的蛋白質(ヒト免疫不全ウイルス及び膵臓エラスターゼと遷移状態アナログとの複合体)の中性子立体構造解析の結果について紹介する。
黒木 良太; 玉田 太郎; 栗原 和男; 大原 高志; 安達 基泰
薬学雑誌, 130(5), p.657 - 664, 2010/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Pharmacology & Pharmacy)タンパク質分子中の正確な原子位置は、結晶構造解析によって得ることができる。高分解能X線構造解析は、タンパク質分子を構成する原子の大部分の原子位置情報を与えるが、水素の情報を得ることは難しい。中性子回折は、この水素原子の位置情報をX線回折より決定された構造情報に加えることが可能である。ここでは、X線と中性子回折の両方を用いた結晶構造解析から最近得られた、創薬標的タンパク質であるブタ膵臓エラスターゼとヒト免疫不全ウイルス(HIV)1型プロテアーゼに関する研究成果を示す。膵臓エラスターゼでは、その阻害剤との複合体による同一結晶から、X線回折データ(1.2分解能)と中性子回折データ(1.65)の両データを取得し全原子構造を決定した。HIVプロテアーゼにおいても、その阻害剤との複合体結晶から得たX線回折データ(1.4)と中性子回折データ(1.9)を用いて構造解析を行った。両試料に対しては、さらに別途、超高分解能X線回折データ(それぞれ0.94, 0.93)も取得し上述の構造と比較した。以上の構造解析結果から、両酵素の触媒メカニズムの解明において議論となっている活性残基における水素原子位置及び解離状態を明らかにした。
玉田 太郎; 木下 誉富*; 栗原 和男; 安達 基泰; 大原 高志; 今井 啓祐*; 黒木 良太; 多田 俊治*
Journal of the American Chemical Society, 131(31), p.11033 - 11040, 2009/07
被引用回数:58 パーセンタイル:79.01(Chemistry, Multidisciplinary)セリンプロテアーゼの触媒機構を理解することを目的として、ブタ膵臓エラスターゼの高分解能中性子及びX線構造解析を正四面体型中間体を模倣する阻害剤と複合体の状態で実施した。同一の大型単結晶を用いた室温における測定の結果、1.65分解能の中性子回折データ及び1.2分解能のX線回折データを取得した。また、別の結晶を用いて100K下で0.94分解能のX線回折データも併せて取得した。今回の解析は、セリンプロテアーゼとしてはこれまでで最も高分解能で実施された中性子構造解析例である。中性子とX線の両解析結果から、His57とAsp102の間に形成された水素結合は結合距離が2.60と短く、強い水素結合であると判明したものの、水素原子はHis57に結合していた。この結果は、一説として唱えられている低障壁水素結合の特徴(水素原子がドナーとアクセプターの中間付近に存在する)は満たすものではなく、低障壁水素結合仮説を否定するものであった。また、中性子解析結果から、いわゆるオキシアニオンホールの形成とオキシアニオンホール中に阻害剤由来の酸素原子が酸素陰イオンの状態で存在していることが明瞭に示された。これより、セリンプロテアーゼの触媒機構において正四面体型中間体構造の安定化に対するオキシアニオンホールの役割が明らかになった。
安達 基泰; 大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 岡崎 伸生; 新井 栄揮; 正山 祥生; 木村 要*; 松村 浩由*; et al.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 106(12), p.4641 - 4646, 2009/03
被引用回数:111 パーセンタイル:90.72(Multidisciplinary Sciences)本研究では、プロテアーゼとその医薬品候補分子との分子間相互作用を原子レベルで解明することを目的として、阻害剤との複合体の中性子結晶構造解析を実施した。タンパク質の中性子結晶構造解析を行うには、高品質な大型結晶作成のために大量のタンパク質試料が必要となる。本研究では、コドン配列を最適化した人工遺伝子を合成することで効率的な大腸菌発現系を構築し、プロテアーゼの大量調製系を確立した。そして逆相クロマトグラフィーを用いることで自己分解物を完全に除去した純度の高い試料を調製して結晶化を行った。得られた結晶を用いてJRR-3に設置しているBIX-4にて中性子回折データを収集した結果、1.9の回折データを得ることができた。プログラムPHENIXにより中性子とX線の同時精密化を実施し、世界で初めてHIV-1プロテアーゼの中性子結晶構造解析に成功した。重水素原子の存在と位置を確認するためにオミットマップを作成したところ、顕著な2つのピークを得た。プロトン化された触媒残基及び阻害剤のヒドロキシル基の構造を水素原子を含めて実験で初めて明らかにすることができた。
安達 淳*; 黒崎 健*; 宇埜 正美*; 山中 伸介*; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 384(1), p.6 - 11, 2009/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.3(Materials Science, Multidisciplinary)サブマイクロ及びマクロスケールにおける多結晶体ウラン窒化物(UN)のインデンテーション硬度,ビッカース硬度,破壊靭性、及びヤング率をインデンテーション試験,ビッカース硬度試験、及び超音波パルスエコー法により測定した。ヤング率及びビッカース硬度は文献値と良い一致を示した。UNの破壊靭性はUOの約3倍となることがわかった。さらに、UNのインデンテーション硬度に及ぼすインデンテーションサイズの影響を明らかにした。
高村 秀一*; 門 信一郎*; 藤井 隆*; 藤山 寛*; 高部 英明*; 足立 和郎*; 森宮 脩*; 藤森 直治*; 渡辺 隆行*; 林 泰明*; et al.
カラー図解,プラズマエネルギーのすべて, P. 164, 2007/03
核融合並びにプラズマに興味を持ってもらい、またその有用性,将来性を広く理解してもらうための一般向け解説書として、プラズマ・核融合学会の企画(日本実業出版社から出版予定)に共同執筆で出版するものである。読者の対象範囲は、理科に興味を持つ高校生,大学生・一般社会人,ある種のプラズマに仕事で関連している人で、他分野からのヒントを求める人など、広い層に読んでもらえることを想定している。(目次:はじめに/プラズマってなんだ?/プラズマ技術のひろがり/実験室の超先端プラズマ/核融合プラズマエネルギーとは?/プラズマエネルギーへの道/核融合プラズマエネルギー発電所を目指して/プラズマエネルギーと未来社会)
半澤 有希子; 間柄 正明; 渡部 和男; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 郡司 勝文*; 山本 洋一; 高橋 司; 桜井 聡; et al.
JAERI-Tech 2002-103, 141 Pages, 2003/02
原研で整備した、クリーンルームを有する実験施設である高度環境分析研究棟(CLEAR)について、設計,施工及び2001年6月の運用開始段階における性能評価までを概観する。本施設は、保障措置環境試料分析,包括的核実験禁止条約(CTBT)遵守検証及び環境科学にかかわる研究を目的として、環境試料中の極微量核物質等の分析を行うための施設である。本施設では、クリーンルームの要件と核燃料物質使用施設の要件とを両立した点及び、多量の腐食性の酸を使用した金属元素の微量分析に対応してクリーンルームの使用材料に多大な注意を払った点に大きな特徴がある。そのほか、空調及び空気清浄化の設備,クリーンフード等の実験用設備,分析施設としての利便性及び安全設備についてもその独自性を紹介し、さらに完成したクリーンルームについて、分析操作に対するバックグラウンド評価の結果を示した。本施設の整備により、環境試料中の極微量核物質等の信頼性のある分析を行うための条件が整った。
井戸村 泰宏; 足立 将晶*; 五來 一夫; 鈴木 喜雄; Wang, X.*
プラズマ・核融合学会誌, 79(2), p.172 - 187, 2003/02
これまで数値トカマク実験(NEXT)研究計画の下でさまざまな流体コード,粒子コード、あるいは、ハイブリッドコードが開発されてきた。これらのコードには高性能プロセッサー,高速ストレージシステム、及び、高速並列可視化システムから構成されるシミュレーション環境が必要とされる。本論文では、こういった観点から原研Origin3800システムの性能を検証した。性能評価においては、代表的な粒子コードと流体コードは512プロセッサーを用いた並列計算で%という実効性能が示された。I/OについてはStorage Area Network (SAN)による高速並列データ転送が実現している。並列可視化処理システムに関しては、以前のワークステーションに比べて飛躍的に高速な大規模データの可視化処理が可能になっている。このように原研Origin3800システムでは非常に先進的なシミュレーション環境が実現している。また、最近では遠隔ユーザの利便性を向上するためにストレージグリッドの開発を進めている。ストレージグリッドはSANと波長分割多重伝送装置(WDM)の組み合わせにより構成される。初期テストにより、ストレージグリッドでは従来のデータ転送手法と比較して飛躍的に高速なデータ転送(Gbps)が広域ネットワークを経由して可能であることが示された。
半澤 有希子; 間柄 正明; 渡部 和男; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 郡司 勝文*; 桜井 聡; 高野 清之丞*; 臼田 重和; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(1), p.49 - 56, 2003/01
被引用回数:4 パーセンタイル:31.64(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所は、ISOクラス5の清浄度を持つクリーンルーム施設として、高度環境分析研究棟(CLEAR)を整備した。本施設は保障措置,包括的核実験禁止条約遵守検証及び環境科学にかかわる研究を目的として、環境試料中の核物質の分析を行うための施設である。本施設は、外部からの汚染を避けるというクリーンルームの要件と、日本の法規に従って核物質を使用するため、放射性物質を施設内に閉じこめるという、相反する要件を両立するように設計した。本施設は湿式化学処理、機器分析及び粒子試料の処理を行えるものとした。核物質を取り扱うための清浄な作業面を確保するため、クリーンフードを特別に設計した。腐食性の酸の使用のため、建設資材の選択に多大な注意を払った。クリーンルームの性能及び実験室における分析上のバックグラウンドについて議論した。本施設はIAEAネットワーク分析所に参加するのに申し分ない仕様を持っており、環境試料中のサブピコグラムレベルの極微量核物質分析が可能になった。
桜井 聡; 半澤 有希子; 間柄 正明; 臼田 重和; 渡部 和男; 安達 武雄
空気清浄, 39(6), p.404 - 410, 2002/03
IAEAが導入を決定した新たな保障措置手法である環境試料分析に対応するため、原研ではクリーンルーム施設「高度環境分析研究棟」(CLEAR: Clean Laboratory for Environmental Analysis and Research)を整備し、保障措置を主な目的とした環境試料中の極微量核物質の分析技術を開発する計画を進めている。本報告は空気清浄度協会からの要請により、CLEARの概要を紹介するとともに、そこで行われている極微量核物質の分析技術開発(スクリーニング,バルク及びパーティクル分析)の現状と極微量分析の将来計画についても述べる。
江坂 文孝; 間柄 正明; 半澤 有希子; 桜井 聡; 田口 拓志; 高井 木の実; 榊原 孝明; 黒沢 節身; 高橋 正人; 安田 健一郎; et al.
第22回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, 8 Pages, 2001/11
IAEAの保障措置の強化・効率化策の一つとして導入された保障措置環境試料分析法-原子力関連施設の内外で採取した試料(現状では、主としてスワイプ試料)の分析により未申告施設や未申告活動を探知する-に対応するため、バルク及びパーティクル分析技術の開発を行っている。バルク分析では、試料を化学処理し、各試料の核物質の量及び平均値としての同位体比を求める。一方、パーティクル分析は、試料中に含まれる核物質の同位体比を微粒子一個一個について測定するため、重要な検証手段となりうる。パーティクル分析法の開発ではこれまでに、二次イオン質量分析法(SIMS)により粒径が数mの粒子中に含まれるウランの同位体比を測定することを可能とした。また、これらの極微量核物質の分析操作では、測定対象元素の自然界からの混入を防止することが必要であるため、クリーンルームを備えた化学実験施設(高度環境分析研究棟)を整備した。
臼田 重和; 渡部 和男; 桜井 聡; 間柄 正明; 半澤 有希子; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 齋藤 陽子; 郡司 勝文*; et al.
KEK Proceedings 2001-14, p.88 - 92, 2001/06
原研では、IAEA新保障措置制度に対応するため、クリーンルーム施設「高度環境分析研究棟」を整備し、保障措置を目的とした環境試料中の極微量核物質の分析技術を開発する計画を進めている。現在は、既存の実験施設で予備的な実験を行っているが、完成(5月末完成)後は、当面おもに極微量のウランやプルトニウムの同位体組成比を分析する技術を開発する。発表では、高度環境分析研究棟、開発中のスクリーニング,バルク及びパーティクル分析技術の概要、さらに極微量分析の将来計画について紹介する。
江坂 文孝; Zheng, W.*; 渡部 和男; 間柄 正明; 半澤 有希子; 臼田 重和; 安達 武雄
Advances in Mass Spectrometry, 15, p.973 - 974, 2001/00
環境試料中の鉛含有粒子の鉛同位体比分析は、一般に誘導結合プラズマ質量分析法で行われている。しかしこの方法では試料を分解する必要があるため個々の粒子の分析は不可能である。本研究では、二次イオン質量分析法により個々の粒子の鉛同位体比を測定する方法について検討し、実際のエアーサンプリングにより採取した試料の分析に適用を試みた。屋内で採取した試料中の鉛同位体比は、Pb/Pb=0.859,Pb/Pb=2.087であり、自動車排出標準粒子のそれとほぼ同様の値であった。このように二次イオン質量分析法を用いることにより、試料の前処理なしに個々の粒子の同位体比を測定できることが示された。
安達 武雄; 臼田 重和; 渡部 和男; 桜井 聡; 間柄 正明; 半澤 有希子; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 齋藤 陽子; 高橋 正人; et al.
IAEA-SM-367/10/02 (CD-ROM), 8 Pages, 2001/00
IAEA保障措置制度の強化に寄与するため、原研では環境試料に含まれている極微量核物質の分析技術開発をスクリーニング,バルク分析及びパーティクル分析について進めている。スクリーニングでは、低エネルギー線及びX線測定へのアンチコンプトン法の適用及びイメージングプレート法をとりあげた。バルク分析では、拭取り試料の前処理条件の最適化を検討し、拭取り試料に含まれるウラン不純物の影響の低減化を図った。同位体比測定手法としては、試料調整が容易なICP-MSに注目した。パーティクル分析では、TXRF,EPMA及びSIMSで共通に使用できる試料保持体の作成により、粒子ごとの測定に要する時間の短縮を目指している。TXRFによるウランの感度は0.4ngを達成した。これらの研究は、今後クリーンルームを有するCLEAR施設で実施される。2003年3月までに極微量分析技術を確立し、ネットワーク分析所としてIAEAに貢献するとともに、国内保障措置制度にも寄与する。
間柄 正明; 半澤 有希子; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 渡部 和男; 臼田 重和; 西村 秀夫; 安達 武雄
Applied Radiation and Isotopes, 53(1-2), p.87 - 90, 2000/07
被引用回数:28 パーセンタイル:84.32(Chemistry, Inorganic & Nuclear)保障措置環境試料分析法は、IAEAの「93+2」計画に基づく保障措置の強化・効率化策の有効な手法の一つである。保障措置環境試料分析法の目的は、施設の内外で採取した試料中の極微量の核物質を分析することにより未申告施設や未申告活動を探知しようとするものである。この方法は、大きくバルク分析とパーティクル分析に分けられ、前者は誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)、表面電離型質量分析装置(TIMS)を用いて、ウランやプルトニウムの定量及び同位体比測定をする。後者は、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いパーティクル一つ一つについて同様にウランやプルトニウムの定量及び同位体比測定をする。今回は、ICP-MSを用いたバルク分析技術の開発状況を紹介する予定である。
西村 秀夫; 間柄 正明; 半澤 有希子; 江坂 文孝; 高橋 司; 郡司 勝文; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 鶴田 保博; 津田 申士; et al.
平成11年度保障措置セミナーテキスト, p.95 - 107, 2000/01
IAEAの「93+2計画」に基づく重要な施策の一つとして保障措置環境試料分析法が導入された。これに対応するためには、クリーンルームを備えたクリーン化学分析所を整備するとともに、環境試料分析技術を開発することが必要である。このため、原研では、1996年から、極微量核物質分析技術の開発のための調査を開始し、1998年からは、高度環境分析研究棟(クリーン化学分析所)の設計,建設,分析機器等の整備に着手するとともに、極微量核物質分析技術の予備試験を開始した。また、本施設は、IAEAネットワークラボとしてIAEA保障措置に貢献するとともに、CTBT公認実験施設として、また、環境科学研究等のための基礎研究施設としても利用する計画である。本講演では、保障措置環境試料分析法確立計画について、その現状と課題について述べる。
江坂 文孝; 渡部 和男; 間柄 正明; 半澤 有希子; 臼田 重和; 郡司 勝文; 西村 秀夫; 安達 武雄
Proceedings of 12th International Conference on Secondary Ion Mass Spectrometry (SIMS 12), p.977 - 980, 2000/00
環境試料中に含まれる鉛含有粒子の特性化を二次イオン質量分析法(SIMS)及び電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)により行った。その結果、多くの粒子の中から鉛含有粒子を見つけ出し、形態観察、元素分析、同位体比測定を行うことができた。粒子の元素組成や含有元素の同位体組成は粒子の起源を知るうえで極めて重要であり、本法が環境科学の分野において幅広く利用できるものと考えられる。
臼田 重和; 安達 武雄; 渡部 和男; 間柄 正明; 半澤 有希子; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 軍司 秀穂; 鶴田 保博; et al.
Proceedings of Seminar on Strengthening of Safeguards: Integrating the New and the Old, p.477 - 481, 2000/00
IAEAは、新保障措置制度における重要施策の一つとして、環境試料分析法の導入を決定した。これは、原子力関連施設の内部及び周辺の環境試料を採取し、その中に含まれる極微量のウランやプルトニウムの同位体比を求めることにより、未申告原子力活動を検知しようという新たな保障措置手法である。これに対応するため、原研ではクリーン化学実験施設「高度環境分析研究棟」を整備し、おもに保障措置環境試料中の極微量核物質の分析技術を開発する計画を進めている。本発表では、計画の概要と高度環境分析研究棟の整備及び分析技術の開発の現状、さらに他分野への利用方法について報告する。