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匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; Ma, J.*; 桐山 博光; 金沢 修平; et al.
NIFS-PROC-85, p.30 - 33, 2011/02
レーザー駆動イオン源の開発を目的とし、陽子発生実験を行った。薄膜ターゲットを用いて、レーザーとプラズマとの相互作用により発生した陽子を計測した。高エネルギー陽子を得るため、レーザーのコントラストレベルを下げて、プリプラズマの大きさを減少させた。高コントラストのレーザーパルスを用いた結果、ターゲット裏面方向に発生する陽子の最大エネルギーは増加した。
匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; Ma, J.*; 桐山 博光; 金沢 修平; et al.
レーザー研究, 38(9), p.702 - 705, 2010/09
高強度レーザーと薄膜との相互作用により、高エネルギーの粒子,硬X線,高次高調波,テラヘルツ(THz)波などが発生する。特に高エネルギー陽子については、医療用としての小型加速器への利用が期待されている。本研究では、薄膜ターゲット照射による陽子ビームとTHz波の同時発生について調べた。原子力機構設置のチタンサファイアレーザー(J-KAREN)を用いて、薄膜ターゲットへの照射実験を行った。その結果、ターゲット裏面方向の陽子とレーザー反射方向のTHz波の同時発生を測定した。また、プリプラズマを抑制することで陽子の高エネルギー化を確認した。
余語 覚文; 桐山 博光; 森 道昭; Esirkepov, T. Z.; 小倉 浩一; 匂坂 明人; 織茂 聡; 西内 満美子; Pirozhkov, A. S.; 長友 英夫*; et al.
European Physical Journal D, 55(2), p.421 - 425, 2009/11
被引用回数:3 パーセンタイル:20.31(Optics)高強度レーザー光に先んじてターゲットに入射する自然増幅光(amplified spontaneous emission: ASE)を利用して、固体ターゲットを近臨界密度プラズマに変換し、そこからのレーザーイオン加速を実証した。本発表では、ASE強度を3桁変化させることで、ターゲットの密度がレーザーイオン加速に与える効果を直接的に比較した。その結果、ターゲット密度を変化させることで、レーザー加速された陽子線のビーム方向を制御できることが明らかになった。
匂坂 明人; 大道 博行; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; Ma, J.-L.; 桐山 博光; et al.
Frontiers of Optoelectronics in China, 2(3), p.299 - 303, 2009/09
高強度レーザーと薄膜との相互作用により、高エネルギーのイオンや電子,硬X線,高次高調波,テラヘルツ(THz)波などが発生する。高強度チタンサファイアレーザーを用いて、薄膜ターゲットへの照射実験を行った。薄膜ターゲットから発生する陽子線とテラヘルツ波の同時発生を計測した。また、陽子線と紫外高調波についても同時発生を計測した。
匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; Ma, J.-L.; 森 道昭; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; 桐山 博光; 金沢 修平; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.8, p.464 - 467, 2009/09
高エネルギー陽子発生における薄膜ターゲットからの紫外高調波を、レーザーのパルス幅を変えて計測した。陽子の最大エネルギーは、およそ1MeVであった。パルス幅500fsのとき、4次までの紫外高調波が測定された。パルス幅を100fsや30fsに変えた場合、紫外高調波においてスペクトルの広がりやシフトが測定された。
余語 覚文; 大道 博行; 森 道昭; 桐山 博光; Bulanov, S. V.; Bolton, P. R.; Esirkepov, T. Z.; 小倉 浩一; 匂坂 明人; 織茂 聡; et al.
レーザー研究, 37(6), p.449 - 454, 2009/06
パルス時間波形の高度に制御された1Hz繰返し運転可能なレーザーを用いて、密度の制御されたターゲットからの陽子線加速機構を検証した。実験の結果、高コントラストのレーザーを用いた、固体密度ターゲットを用いた陽子線加速では、エネルギーの安定した陽子線を再現性よく発生させることが可能となった。一方、臨界密度近傍に制御されたターゲットでは、ビームの高エネルギー成分が低エネルギー成分とは異なる方向に加速される結果を得た。計算機シミュレーションの結果、ターゲット裏面の磁場が陽子線加速電場を傾かせる効果をもつことが明らかになった。これをさらに発展させて、ターゲットの密度分布を高度に制御すれば、ビーム方向をエネルギーに応じてコントロールすることが可能になると考えられる。高強度レーザーの時間・空間制御技術の発展は、レーザー駆動粒子線の利用研究において、今後さらに重要な役割を担うことになるものと結論する。
小倉 浩一; 静間 俊行; 早川 岳人; 余語 覚文; 西内 満美子; 織茂 聡; 匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 桐山 博光; et al.
Applied Physics Express, 2(6), p.066001_1 - 066001_3, 2009/05
被引用回数:14 パーセンタイル:49.78(Physics, Applied)強度10W/cmのレーザー光(10Hz,小型高コントラスト高強度レーザー)をポリイミドテープ(7.5m)に集光することによって最大3.5MeVのプロトンを生成した。このプロトンでB(p,n)C反応を起こした。その結果、60ショットで11.1Bqの放射能を得た。薄層放射化への応用の可能性について議論した。
森 道昭; 余語 覚文; 桐山 博光; 西内 満美子; 小倉 浩一; 織茂 聡; Ma, J.*; 匂坂 明人; 金沢 修平; 近藤 修司; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1872 - 1877, 2008/08
被引用回数:7 パーセンタイル:28.47(Physics, Fluids & Plasmas)本グループでは、京都大学・電力中央研究所・GIST等と共同でレーザー駆動プロトンビームの利用に向け、レーザー・ターゲット双方からエネルギー/変換効率/Emittanceの最適化に関する研究を進めている。本論文はその研究の過程において開発したレーザー駆動高エネルギープロトンビーム発生におけるチャープパルスを用いた高速パルススライサー装置の新たな性能評価法と、その後に行ったイオン加速実験に関する結果をまとめたものである。この研究開発によって、新手法の有意性を明らかにするとともに、プレパルスの抑制により最大2.3MeVのプロトンビームの発生を実証しプレパルスがプロトンビームの高エネルギー化に重要な役割を果たすことを明らかにした。
桐山 博光; 森 道昭; 中井 善基; 下村 拓也*; 田上 学*; 圷 敦; 岡田 大; 本村 朋洋*; 近藤 修司; 金沢 修平; et al.
JAEA-Conf 2008-007, p.13 - 16, 2008/08
高強度場科学研究において、メインパルスと背景光(ASE光)との強度比であるコントラストが、高強度レーザーを利用するうえでボトルネックになっている。高強度レーザーシステムより出力されるレーザーパルスの時間構造において、メインパルスに先立って数桁強度の低い背景光(ASE)が存在する。一般的な高強度レーザーシステムにおいて、メインパルスとASEの強度比(コントラスト)は1010桁程度であり、この場合ASEの光強度は1010W/cmとなり、高強度を有するメインパルスが固体物質と相互作用する前にターゲット上にプリプラズマが形成され、メインパルスは膨張しつつある低い密度のプラズマと主として相互作用し、メインパルスと物質との相互作用に影響を及ぼす。このため多くの実験において、プリパルスによりプリプラズマが形成されないようなレーザーの時間制御技術開発が必要である。われわれは背景光が発生しにくい光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)を前置増幅器として用いた高強度レーザーシステムの開発を行った。OPCPAを用いることにより、メインパルスの数ps前において従来よりも1,00010,000倍改善された710の高いコントラストを実現した。
織茂 聡; 西内 満美子; 大道 博行; 余語 覚文; 小倉 浩一; 匂坂 明人; Li, Z.*; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 桐山 博光; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(9A), p.5853 - 5858, 2007/09
被引用回数:17 パーセンタイル:54.99(Physics, Applied)高強度短パルスチタンサファイヤレーザーを使って、数MeVのプロトンとkeVのX線と同時に同じ場所から発生させることが可能である。今回、X線とプロトンのソースから10mm離れたサンプルの同時投影像を測定することに成功した。この実験はとてもシンプルな実験であるが、数100fsからpsの分解能を持っている。ディテクターとして、CR39とイメージングプレートを使用した。この方法によってミクロン構造の正確な観測に応用可能である。
大道 博行; 匂坂 明人; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; 森 道昭; Ma, J.-L.; Pirozhkov, A. S.; 桐山 博光; 金沢 修平; et al.
Proceedings of 7th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO-PR 2007) (CD-ROM), p.77 - 79, 2007/00
10のW/cm以上に集中させた高強度レーザーを用いて、陽子加速器を開発している。プラズマパラメータと陽子エネルギー範囲を、レーザー照射ごとにリアルタイム検出器を用いてモニターした。実用可能なMeV級の陽子エネルギーを安定して得ることに成功した。
大道 博行; 匂坂 明人; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; 余語 覚文; 森 道昭; Li, Z.*; 桐山 博光; 金沢 修平; et al.
X-Ray Lasers 2006; Springer Proceedings in Physics, Vol.115, p.595 - 605, 2007/00
現在、関西光科学研究所に設置されている超短パルス高強度レーザーを用いた量子ビーム発生実験を行っている。すなわちレーザーを厚さ数ミクロンの薄膜に照射することにより、プロトン,X線,テラヘルツ波,電子線が発生する。これらは時間同期がきちんととれており、時間幅も1ピコ秒以下であり、するどい指向性を有し輝度も高い。これらを組合せることにより、極めて新しいポンプ-プローブ計測等が可能になると考えられる。これら研究の現状と今後の方向について報告する。
西沢 英俊; 深谷 洋行; 薗田 暁; 坂爪 克則; 清水 香織; 芳賀 孝久; 境 裕*; 圷 英之*; 新妻 泰; 井上 猛; et al.
JAEA-Technology 2006-007, 24 Pages, 2006/03
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)の分析設備では、定常臨界実験装置(STACY),過渡臨界実験装置(TRACY)及び燃料調製設備の運転にあたって、STACY及びTRACYの溶液燃料である硝酸ウラニル溶液に関する分析を実施している。平成16年度は、STACY及びTRACYにおける臨界実験前後の硝酸ウラニル溶液の性状分析,硝酸ウラニル溶液調整のための分析を行うとともに、核燃料物質の計量管理のための硝酸ウラニル溶液の分析も行った。また、MOX燃料溶解液からのウラン(U)/プルトニウム(Pu)の抽出分離試験で発生した抽出廃液の処理にかかわる分析を行った。平成16年度における総分析試料数は、160試料であった。本報告書は、平成16年度に実施した分析等の業務についてまとめたものである。
清水 香織; 軍司 一彦*; 芳賀 孝久*; 深谷 洋行; 薗田 暁; 坂爪 克則; 境 裕*; 圷 英之; 新妻 泰*; 井上 猛; et al.
JAERI-Tech 2004-078, 27 Pages, 2005/02
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)の分析設備では、定常臨界実験装置(STACY),過渡臨界実験装置(TRACY)及び燃料調製設備の運転にあたって、STACY及びTRACYの溶液燃料である硝酸ウラニル溶液に関する分析を実施している。平成15年度は、STACY及びTRACYにおける臨界実験前後の硝酸ウラニル溶液の性状分析,硝酸ウラニル溶液調製のための分析を行うとともに、核燃料物質の計量管理のための硝酸ウラニル溶液の分析も行った。また、STACYを用いたプルトニウム臨界実験に備えて、平成12年度より実施している硝酸プルトニウム溶液燃料の調製条件を確認するための予備試験のうち、第3回のウラン(U)/プルトニウム(Pu)抽出分離試験が実施されたほか、U/Pu抽出分離試験で発生した抽出廃液を処理するための予備実験も行われ、当該試験にかかわる分析を合わせて行った。平成15年度における総分析試料数は、156試料であった。本報告書は、平成15年度に実施した分析等の業務についてまとめたものである。
境 裕; 軍司 一彦; 芳賀 孝久*; 深谷 洋行; 薗田 暁; 坂爪 克則; 圷 英之; 新妻 泰; 白橋 浩一; 佐藤 猛
JAERI-Tech 2004-006, 25 Pages, 2004/02
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)の分析設備では、定常臨界実験装置(STACY),過渡臨界実験装置(TRACY)及び燃料調製設備の運転にあたって、溶液燃料(硝酸ウラニル溶液)に関する分析を実施している。平成14年度は、STACY及びTRACYにおける臨界実験前後の硝酸ウラニル溶液の性状分析,硝酸ウラニル溶液燃料調整のための分析を行うとともに、核燃料物質の計量管理のため計量槽に集めた硝酸ウラニル溶液の分析を行った。また、STACY用いたプルトニウム臨界実験に備えて、硝酸プルトニウム溶液燃料の調製条件を確認するための予備試験及びAm抽出分離試験が行われ、当該試験にかかわる分析を行った。平成14年度における総分析試料数は、275試料であった。本報告書は、平成14年度に実施した分析等の業務についてまとめたものである。
加納 茂機; 中山 紘一; 小圷 亨; 森 寿夫*; 吉利 醇*; 高荷 智*
PNC TN941 81-183, 115 Pages, 1981/09
「常陽」MK―1炉心で照射された燃料集合体の燃料被履管と隣接するワイヤ間にウェアマークが観察され,この生成メカニズムの解明,生成条件の推定,ウェアマークの燃料被履管健全性に対する影響,ウェアマークの原因の解明とその対策に関する検討の必要性が生じた。このうち,ナトリウム技術開発室では「常陽」ウェアマークの再現をはかり,これによりウェアマークに特に影響を与えると予測される荷重条件の推定を行なうとともにウェアマークの進行性を把握するための炉外ナトリウム中モデル試験を実施した。コールドトラップ温度120および150で純度管理した550のナトリウム中で接触荷重を59885gと変えて,1Hzの摺動周波数で104,105,106摺動サイクルにて,燃料被夜管とワイヤを反復摺動した結果次の事がわかった。摩耗深さW/Dは荷重依存性を示し,高荷重ほど大きくなる。またW/Dは摺動サイクルの対数に依存する。摩耗の進行性(摩耗速度)は,摺動サイクルの増加とともに小さくなり,初期摩耗から定常摩耗に変遷する。定常摩耗における摩耗の進行は著しく小さい。得られたW/D値から。「常陽」炉内における荷重は250g以下と推定される。摺動表面の形態は高荷重ほどなめらかであった。また,摺動表面ではかたさの増加が観察されたが。元素変化,結晶形態の変化および疲労クラックは観察されなかった。燃料被夜管とワイヤ間の摺動抵抗は摺動とともに漸増し,5105摺動サイクルあたりから一定する傾向を示す。この傾向はW/Dの摺動サイクルに対する関係とほぼ対応している。コールドトラップ温度120および150におけるW/Dおよび燃料被覆管とワイヤ間の摺動抵抗には著しい差はみられなく,コールドトラップ温度の影響は明白にはみられない。本試験結果をもちいて,「常陽」MK-1第6サイクルまでの摩耗の進行状況を推定したところ,第6サイクル後においても摩耗深さの進行は軽微であることがわかった。
長谷川 成生; 柚原 俊一*; 加納 茂機; 中山 紘一; 中筋 孝; 小圷 亨
PNC TN941 80-127, 124 Pages, 1980/08
「もんじゅ」ナトリウム機器の接触・摺動部に使用される構成材料のナトリウム中トライボロジー挙動を解明し,対策をたてることは重要課題の一つである。この観点から,スクリーニング試験により選定したステライトN-6,コルモノイN-5,インコネル718,LC―1Cおよび主要炉構成材のSuS316,SuS304,21/4cr―1Moについてトライポロジー挙動解明のための一連のパラメータ試験を行っている。試験パラメータのうち,ナトリウム中の酸素濃度とトライポロジー挙動との関係も究明されるべき問題点の一つとなっている。そこで「もんじゅ」設計において一次系コールドトラップ温度を140(または145)から120に下げるように指向されたのを機に,コールドトラップ温度(以下C/T)をパラメータとした以下の試験を開始した。今回,その一部の結果が得られたので中間報告する。試験項目,試験条件は下記の通りである。1.腐食試験ナトリウム温度‥600,浸漬時間‥2,000時間,C/T温度‥120,ナトリウム流速‥0m/sec 2.摩擦試験ナトリウム温度‥600,浸漬時間‥Max.2,000時間,C/T温度‥120,負荷応力‥0.3kg/mm2,ナトリウム流速‥0.7m/s 3.自己融着試験ナトリウム温度‥450700,負荷保持時間‥200時間,負荷応力‥4kg/mm2,C/T温度‥120,ナトリウム流速‥0m/sec,受入材と予浸漬材の比較,引張破断法により詳価得られた主な結果は次の通りである。1.腐食試験 1)C/T120と140における腐食の様相には,明らかな違いはみとめられない。2)ステライトN-6は試験後重量が増加し,その他の材料は減少傾向を示した。2.摩擦試験 1)ステライトN-6同志およびLC―IC同志の動摩擦係数はC/T120と140の結果で顕著な差がみられない。2)ナトリウム浸漬時間による動摩擦係数の変化は少なく,ナトリウム腐食による材料表面変質の動摩擦係数に対する影響はみとめられない。3.自己融着試験1)ステライトN-6同志は受入材および予浸漬材とも破断応力にC/T温度の影響はみられない。コルモノイN-5同志の受入材は,高温側でC/T145よりC/T120の破断応力が若干高い。予浸漬材は受入材に比べ,破断力が低下する
加納 茂機; 長谷川 成生; 中山 紘一; 小圷 亨; 柚原 俊一*; 中筋 孝
PNC TN941 79-144, 47 Pages, 1979/08
「もんじゅ」機器接触部材についてナトリウム中自己融着特性を求めることが要請されている。自己融着部の引張破断応力により自己融着特性を求める方法では,いままでに純度管理されていないトリウム中およびコールドトラップを190または145で純度管理したナトリウム中で各種材料組合せを試験した結果を報告している。これらのデータは材料の選定のため使用された。今回は選定された表面硬化材および「もんじゅ」主要構造材について,コールドトラップを140または145で純度管理した450700ナトリウム中における200時間自己融着特性の浸漬温度依存性について報告する。得られた主な結果は次のとおりである。▲1)自己融着にもとづく引張破断応力の増加は明白な浸漬温度依存性を示す。▲2)SUS304同士およびSUS316同士の組合せは500以上で自己融着し,引張破断応力は浸漬温度の上昇とともに直線的に増加する。▲3)フェライト鋼はオーステナイトステンレス鋼より自己融着による引張破断応力が高い。▲4)LC―1C同士の組合せは700でも自己融着しにくい。ステライトN-6同士,コルモノイN-5同士,インコネル718同士の組合せは700で自己融着し,600で自已融着しない。コルモノイN-5のみは引張破断が自己融着部ばかりでなく肉盛層内でも生ずる。▲5)700ナトリウム中200時間浸漬によりコルモノイN-5のみが明白なナトリウム腐食をうける。LC―1Cは部分的に台金よりはく離した。これは溶射層(0.2mm厚)が厚すぎたためおよびグリッドブラスト法,溶射端面の処理法に問題があったためであり,現在この点に留意し試験片の製作を行なっている。▲
小圷 亨; 加納 茂機; 長谷川 成生; 柚原 俊一*; 中山 紘一; 中筋 孝
PNC TN941 79-105, 39 Pages, 1979/07
「もんじゅ」のナトリウム機器摺動部には耐自己融着,低摩擦の観点より表面硬化材の使用が考えられているが,これら材料の自己融着・摩擦現象は,高温ナトリウム中での長時間の使用により腐食の影響をうけると考えられる。本報では流動ナトリウム中浸漬時間が摩擦係数に及ぼす影響をしらべるため,試験温度600,コールドトラップ温度140,浸漬時間2000時間,ナトリウム流速0.7m/sec,負荷応力0.3kg/mm2,摺動ストローク+-5mm,摺動速度00.63mm/secの条件においてステライトN-6,コルモノイN-5,インコネル718,LC-1CおよびSUS316の動摩擦係数(K)を求めた。得られた結果は次のとおりである。▲本試験時間ではコルモノイN-5を除き/Kのナトリウム浸漬時間依存性はなく,ナトリウム腐食による材料表面変質の影響はみとめられなかった。▲コルモノイN-5は表面に明白な腐食変質層を生成する。▲LC-1C(コーティング厚‥0.2mm)はコーティング端部で剥離を生じたのでコーティング法の改善が必要である。▲/Kは次のとおりであった。▲ステライトN-6/self0.150.35▲コルモノイN-5/self0.151.5▲インコネル718/self0.651.15▲LC-1C/self0.350.55▲SUS316/self1.01.2▲
長谷川 成生; 加納 茂機; 中山 紘一; 小圷 亨; 柚原 俊一*; 中筋 孝
PNC TN941 79-26, 44 Pages, 1979/04
高速増殖炉の機器にはナトリウム中で接触,摺動する多くの部分があり,それら部分には耐摩擦,耐摩耗,耐自巳融着材の適用が図られている。これは燃料集合体ラッパ管パッド部にも適用される。▲今回,4種類の材料(ステライトN-6,コルモノイN-6,LC―1C各コーティング材およびインコネル718母材)をそれぞれ使用したパッド材を取付けたもんじゅサイズラッパ管部分供試品が試作された。この4種類の材料は,過去の試験によって選択されたものである。▲このラッパ管部分供試品から切出したパッド部試験片を,600のナトリウム中で2,000時間浸漬試験を行ない,次の結果が得られた。▲いずれの材料を使用したパッド材もパッド部表面とラッパ管内面間の寸法は,浸漬時の加熱のため局部的増減を示し,最大200mにおよんだ。▲ステライトN-6‥表面は全面腐食および粒界の選択腐食が認められた。かたさは若干低下したが,なおHv600を保った。表面粗さも若干粗くなった。▲コルモノイN-6‥表面は全面腐食が比較的激しく,B,Si等の元素の減少および表面変質層の生成か認められた。又かたさの減少が顕著でHv300に低下し,表面粗さも若干粗くなった。▲LC―1C‥表面の全面腐食は認められたが,断面組織は変化なく安定であった。かたさは若干増加してHvl,100に達し,また表面粗さも若干粗くなった。▲インコネル718‥表面の全面腐食は軽微であったか,Ti,Nb,Mo等の元素の減少が認められた。かたさの増減はなくHv500を保ち,表面粗さも変化はなかった。▲