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報告書

軟X線領域のXAFS測定によるホウケイ酸ガラスの構造評価,5(共同研究)

永井 崇之; 青山 雄亮; 岡本 芳浩; 柴田 大輔*; 朝倉 清高*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 菊池 哲也*; 畠山 清司*

JAEA-Research 2025-009, 122 Pages, 2025/11

JAEA-Research-2025-009.pdf:20.77MB

軟X線領域におけるXAFS測定はX線の透過率が低いため、試料表層の化学状態を評価することに適している。本研究は、アルミナ濃度を高めた原料ガラス組成から作製した模擬廃棄物ガラスの凝固した表層とガラス内部の差異を確認するため、ガラス構成元素であるホウ素(B)、酸素(O)、ナトリウム(Na)及びケイ素(Si)のK吸収端と、廃棄物成分のセリウム(Ce)のL$$_{3}$$吸収端のXANESスペクトルを測定した。その結果、BのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層でのB-Oの4配位sp$$^{3}$$構造(BO$$_{4}$$)の割合がガラス内部と比べて高くなる傾向を確認した。一方、OのK吸収端XANESスペクトルは、各ガラス試料とも測定部位によって差が認められたが、ガラス試料毎にその差の傾向が異なった。この理由として、アルミナ濃度を高めた原料ガラスは溶融状態の粘度が高いため、均一な組成の模擬廃棄物ガラスを作製できないと考えられる。また、Na及びSiのK吸収端スペクトルは、各ガラス試料とも凝固表層とガラス内部で違いはなかった。また、CeのL$$_{3}$$吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のCe原子価がガラス内部と比較して酸化していることを確認した。

報告書

TVF3号溶融炉運転条件確認試験

朝日 良光; 福田 茂樹; 白水 大貴; 宮田 晃志; 刀根 雅也; 勝岡 菜々子; 前田 裕太; 青山 雄亮; 新妻 孝一; 小林 秀和; et al.

JAEA-Technology 2024-024, 271 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-024.pdf:33.98MB
JAEA-Technology-2024-024-hyperlink.zip:31.96MB

東海再処理施設で発生した高レベル放射性廃液のガラス固化に用いるTVF3号溶融炉(以下、3号炉)を製作し、この溶融炉でガラス固化体18本分のガラスを溶融・流下するコールド運転を行った。ガラス原料には、ホット運転で処理するものと同等の廃液成分を非放射性元素で置き換えた模擬廃液とガラスファイバーカートリッジを使うことで、溶融ガラス液面に仮焼層を形成させた。TVF2号溶融炉(以下、2号炉)と3号炉の構造の違いに起因する溶融炉固有の温度特性を考慮し、運転操作に用いるパラメータには、2号炉で使ってきたものを修正して適用した。本試験の結果、溶融炉各部の温度推移を確認しながら適切に運転できるパラメータ値を見出すことができ、2号炉のコールド運転に比べ、溶融ガラス温度は高く、二つある主電極の冷却は片側あたり約1kW小さいとき、安定的に運転できることが分かった。主電極間のジュール加熱電力を39kW、主電極冷却空気流量を26Nm$$^3$$/hで運転し炉底加熱方法を改良することで、流下前の炉底加熱時間をこれまでより2時間短い約5時間で完了できる見通しを得た。運転期間中は、炉内のガラス温度分布やケーシング表面の温度推移を計測し、今後のシミュレーションモデル開発に有効なデータが得られた。炉内の溶融ガラスの白金族元素濃度が飽和した後に、原料供給と流下を2日間停止する保持運転を行い、炉底部への白金族元素の沈降を遅らせる一定の効果があることを確認した。保持運転中に仮焼層の溶融過程を観察し、薄膜状の流動しない層が確認されたことから、流動計算で液面にNo-slip境界条件を設定する根拠を得た。流下ガラスの成分を分析して白金族元素の流下特性を調査した結果、運転中に溶融炉に蓄積する白金族元素の量は2号炉と比較して少なかった。溶融ガラスを全量流下した後の炉内には、残留ガラスやレンガ片などの異物は確認されなかった。白金族元素の蓄積による運転停止を判断する基準は、流下終了から炉底ガラス温度850$$^{circ}$$Cへ低下するまでの時間を10.3h以上、主電極間補正抵抗値を0.12$$Omega$$以下と試算したが、今後のホット運転の結果に応じ再検討が必要である。

論文

Nonferroelectric phase with loss of cycloidal magnetic structure in Tb$$_{0.515}$$Gd$$_{0.485}$$Mn$$_{2}$$O$$_{5}$$

石井 裕太*; 坂倉 輝俊*; 石川 喜久*; 鬼柳 亮嗣; Lustikova, J.*; 青山 拓也*; 大串 研也*; 若林 裕助*; 木村 宏之*; 野田 幸男*

Physical Review B, 110(18), p.184404_1 - 184404_7, 2024/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:4.66(Materials Science, Multidisciplinary)

Neutron-scattering measurements were employed to investigate the magnetic ordering in Tb$$_{1-x}$$Gd$$_{x}$$Mn$$_{2}$$O$$_{5}$$ (x = 0.485) enriched with the $$^{160}$$Gd isotope, a member of multiferroic RMn$$_{2}$$O$$_{5}$$ (R = rare-earth element) compounds. This material, at low temperatures, exhibits commensurate magnetic (CM) ordering, which drives electric polarization. Notably, electric polarization diminishes as the temperature decreases further, while the CM ordering persists. Magnetic structure analyses revealed that a cycloidal magnetic structure along the c axis transforms into a sinusoidal-like structure, resulting in the nonferroelectric phase, whereas a collinear magnetic structure in the ab plane exhibits no significant change. The findings suggest that the cycloidal magnetic structure plays a key role in inducing electric polarization in the CM ordering of the present material.

口頭

ガラス固化技術開発施設(TVF)における高放射性廃液の固化安定化に向けた取り組み,9; 新型溶融炉の運転パラメータの検討

刀根 雅也; 白水 大貴; 勝岡 菜々子; 青山 雄亮; 宮田 晃志; 福田 茂樹; 大高 光; 小林 秀和; 小高 亮

no journal, , 

ガラス固化技術開発施設(TVF)では、ガラス溶融炉の更新に向けた取り組みを進めている。新型溶融炉(3号溶融炉)は、白金族元素の抜出性向上を図るため、炉底形状を既設溶融炉(2号溶融炉)の四角錐から円錐に変更する等の設計変更を行っており、3号溶融炉に適した運転パラメータの調整が必要となる。そこで、実機により近い条件で最適な運転パラメータを設定するために、非放射性の模擬廃液を用いたコールド試験(運転条件確認試験)を実施し、ガラス温度等の主な管理値を成立させるための運転パラメータの検討を行った。

口頭

ガラス固化技術開発施設(TVF)における高放射性廃液の固化安定化に向けた取り組み,10; 新型溶融炉の白金族元素抜出性能評価

青山 雄亮; 刀根 雅也; 白水 大貴; 勝岡 菜々子; 宮田 晃志; 福田 茂樹; 大高 光; 小林 秀和; 小高 亮

no journal, , 

ガラス固化技術開発施設(TVF)の新型溶融炉(3号溶融炉)では、白金族元素の抜き出し性の向上を図るため、炉底形状を既設溶融炉(2号溶融炉)の四角錐型から円錐へ変更した。炉底形状変更による効果を確認するため、非放射性の白金族元素を含む模擬廃液を使用したコールド試験(運転条件確認試験)において、炉内から抜き出される流下ガラス中の白金族元素濃度の定量分析を行い、白金族元素の抜き出し性について2号溶融炉との比較評価を行った。

口頭

溶融ホウケイ酸ガラス中におけるFe(III)/Fe(II)対の酸化還元挙動

永井 崇之; 青山 雄亮; 岡本 芳浩

no journal, , 

ガラス中のFeをFe(II)状態又はFe(III)状態に調製した溶融ガラスのFe(III)/Fe(II)対の酸化還元挙動をサイクリックボルタンメトリー(CV測定)により評価した。CV測定結果からFeイオンの拡散係数を算出すると、Fe(II)イオンの拡散係数はFe(III)イオンより低いことを確認した。また、凝固状態のガラス試料をラマン分光測定やXAFS測定し、Fe(II)状態又はFe(III)状態でガラス構造に相違を確認した。

口頭

除染廃液成分を含むガラスの化学状態評価

青山 雄亮; 勝岡 菜々子; 永井 崇之; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 桐島 陽*

no journal, , 

東海再処理施設の廃止措置における除染廃液処理技術として有力な候補となるガラス固化技術に対し、除染廃液成分がガラス固化体に与える影響を評価するため、酸化剤として用いられる過マンガン酸カリウム(KMnO$$_{4}$$)に着目し、XAFS測定を用いて化学形態を評価した。XAFS測定結果からMnの価数を算出すると、2$$sim$$3価の状態でガラス相内に存在することを確認した。また、Uは6価で安定していることが確認され、除染廃液成分がUの原子価に与える影響は小さいと考えられた。

口頭

アルカリ酸化物組成によるホウケイ酸ガラス中のSi K及びCe L$$_{3}$$吸収端XANESスペクトルの変化

永井 崇之; 青山 雄亮; 岡本 芳浩

no journal, , 

現行ガラス原料の組成を単純化した[AM]$$_{2}$$O-B$$_{2}$$O$$_{3}$$-SiO$$_{2}$$ガラス(AM:アルカリ金属元素)へCeO$$_{2}$$を添加して溶製したガラス試料のSiのK吸収端及びCeのL$$_{3}$$吸収端のXANES測定及びラマン分光測定を行い、アルカリ酸化物[AM]$$_{2}$$O種によるXANESスペクトル等の変化を観察した。測定結果から、ホウケイ酸ガラスに含まれるアルカリ酸化物の中で、Li$$_{2}$$Oがガラス構造へ与える影響が大きく、ガラス中に内包される溶存種の酸化還元特性にも影響を与えると推察される。

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