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内田 俊介; 知見 康弘; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 岡田 英俊*; 内藤 正則*; 小嶋 正義*; 木倉 宏成*; Lister, D. H.*
Nuclear Engineering and Design, 341, p.112 - 123, 2019/01
被引用回数:5 パーセンタイル:48.99(Nuclear Science & Technology)原子力プラントでは、リスク基準保全(RBM)にサポートされた信頼性基準保全(RCM)に基づくプラント信頼性向上策が採用されつつある。RBMは主要な材料に生じつつある欠陥をその進展過程で予測し、検査、保全を最適に組合せて実施されるものである。プラント全体にわたり、IGSCCを早期検出することにより、水化学制御などの適切な対応策の適用が可能となる。腐食環境とき裂進展の予測を組合せ、IGSCC決定因子である腐食電位、材料のSCC感受性、残留応力の不確実さが余寿命予測に及ぼす影響を定量的に評価した。結論として、(1)予測による重点検査箇所の効率的な選定、(2)検査による予測精度の向上、を結合させることによりプラントの信頼性向上に貢献できることを示した。
本田 明; 三原 守弘; 加藤 大生*
JNC TN8400 2004-020, 69 Pages, 2004/11
TRU廃棄物の処分施設においては,多量のセメント系材料を使用することが考えられている。このため,処分施設及びその周辺の地球化学的条件は,セメント系材料の溶解によって,長期に渡りpH12以上の高アルカリ性に維持される可能性がある。したがって,TRU廃棄物処分の性能評価においては,セメント系材料の影響を考慮した放射性核種の移行パラメータ(実効拡散係数及び分配係数)を設定する必要がある。しかし,既往の研究において,セメント系材料を起源とした高アルカリ条件における岩石中の放射性核種の分配係数や拡散係数等について十分な評価がされているとは言いがたい。一方,TRU廃棄物には,高レベル放射性廃棄物にほとんど含まれないヨウ素-129を多く含む廃棄体グループがある。このヨウ素-129は半減期が10年と非常に長く,かつ人工バリアや天然バリアへの収着がほとんど見込まれないことから,TRU廃棄物処分システムの性能評価において,最も重要な核種の一つである。本研究では,結晶質岩の一例として花崗閃緑岩,堆積岩の一例として砂岩を選定し,模擬セメント浸出液(CW)及び模擬地下水(GW)を使用したヨウ素の透過拡散(Through-diffusion)実験をAr雰囲気において実施し,以下の知見が得られた。CW条件におけるヨウ素の実効拡散係数は,実験結果の解析によって花崗閃緑岩,砂岩ともに時間の経過にともない低下していることが示唆された。本実験で得られたヨウ素のDeを中性条件における既往の報告値と比較すると,CW条件における花崗閃緑岩中のヨウ素のDeは2桁以上低いものであった。また,砂岩の場合には,既往の報告値と比較してGW条件のDeは同程度であったのに対し,CW条件のDeは12桁低いものであった。実験後の砂岩の試料をSEMで観察した結果,CW条件の実験に供した試料では,表面全体が繊維状の二次鉱物によって覆われていた。このことから,CW条件におけるヨウ素のDeの低下は,二次鉱物の沈殿が大きく影響していることが推測された。一方,分配係数についはGW条件における砂岩の実験で1.7x103.0x10m/kgが得られた。しかし,それ以外の実験ケースでは分配係数を得ることができなかった。
加藤 大生*; 嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 本田 明
JNC TN8400 2001-029, 63 Pages, 2002/01
TRU廃棄物の処分システムにはセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料には収着により核種の移行を遅延させる機能が期待されている。このため、TRU廃棄物の処分システムの評価においては、セメント系材料に対する核種の分配係数Kd が重要なパラメータとなる。セメント系材料に対する核種の収着に関する研究は、国内外で数多く報告されている。したがって、既存の知見を整理し、核種の分配係数を把握しておく必要がある。本報告では、性能評価上重要となるC, Cl, Ni, Se, Sr, Zr, Nb, Mo, Tc, Sn, I, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U,Np, Pu, Am, Cm 等の元素を対象として、セメント系材料に対する分配係数を文献及び内部実験結果から抽出・整理し、収着データベース(SDB)としてまとめた。SDB 整備の過程で、Se, Tc, Pa, U, Pu, Np 等といった実験雰囲気や酸化還元電位により化学形態が変化すると考えられる元素について、実験雰囲気が制御された条件で得られた分配係数はいくらかあるももの、酸化還元電位が制御された条件で得られた分配係数はほとんどないことを把握した。また、Se, Mo, Sm, Cm, Ac の分配係数がこれまで測定されていないことが分かった。これらの元素のうち、Se及びMo について、OPC(普通ポルトランドセメント)に対する分配係数をバッチ収着実験により取得し、SDB に反映した。
加藤 大生*; 佐藤 光吉*; 大和田 仁*; 三原 守弘; 大井 貴夫
JNC TN8430 2000-008, 53 Pages, 2000/05
TRU廃棄物の処分システムには多量のセメント系材料の使用が検討されており、セメント系材料からの高アルカリ性の浸出液の拡がりによって処分場周辺岩盤が溶出し、二次鉱物が析出すると考えられている。この浸出液の拡がりは高pHプルームと呼ばれている。高pHプルームは地下水の流れに沿って徐々に拡がることから、二次鉱物を含む岩石の性状や地下水の成分は時間的あるいは空間的に変遷することが予想される。しかし、これまで二次鉱物及び地下水成分の時間的、空間的変遷についての知見は得られていない。このため、本研究では二次鉱物及び地下水成分の変遷に関する知見を得ることを目的としたカラム試験を実施した。総延長4m、内径3.7cmの大型カラムに粉砕した花崗閃緑岩を充填し、80の恒温槽中においてpH13.3の模擬セメント浸出液(Na:0.1mol/l、K:0.1mol/l、Ca:0.002mol/l)を流量0.1ml/minで7ヶ月間通水した結果、カラムの上流においてカルサイト及びC-S-H系化合物、中流から下流にかけてはC-S-H系化合物が岩石の表面に二次鉱物として析出し、4m先まで高pHプルームの影響が及んでいることを確認した。また、Na、Kが支配的な模擬セメント浸出液では、岩石との反応によるpHの低下がみられなかった。本研究により、高pHプルームの流れに沿った二次鉱物及び地下水成分の変遷に関する基礎的な知見が得られた。
嶺 達也*; 三原 守弘; 加藤 大生*
JNC TN8430 99-012, 166 Pages, 1999/11
TRU廃棄物の地層処分システムにおいて、セメント系材料の影響を受けた環境条件を考慮したときの人工バリアの候補材料であるベントナイトに対する放射性核種(以下、核種と記す。)の分配係数を取得することは重要な課題である。本試験では、Na型ベントナイト、Na型ベントナイトを人工的にカルシウム型化させたベントナイト(Ca型化ベントナイト)、Na型ベントナイトが変質したときに観察される鉱物の一つであるアナルサイムを混合したベントナイトを使用したCs、Sr、Zr、Nb、Ni、Sn、Am、U、Npの非定常拡散実験を実施し、分配係数を算出した。また、乾燥密度、試験溶液といった試験条件による分配係数の変動幅を把握した。その結果、大半の元素について、本試験で設定した試験条件の範囲内では分配係数の変動は1オーダー程度であることが示された。
嶺 達也*; 三原 守弘; 伊藤 勝; 加藤 大生*
PNC TN8410 97-258, 57 Pages, 1997/06
放射性廃棄物を地層処分する場合、処分場の構造材や廃棄体間の充填材としての使用が考えられているセメント系材料には処分環境の化学的雰囲気をアルカリ性に保ち、TRU核種の溶解度を下げるという機能のほかに、セメント系材料自体に核種を吸着させて、その移行を遅延させる機能も期待できると考えられる。本報告書は、種々のセメントペーストについての核種の吸着能を調べるため、処分環境において可溶性の一価の陰イオンとしてヨウ素を、陽イオンとしてセシウムを対象として分配係数を取得した結果をまとめたものである。対象としたセメントペーストは普通ポルトランドセメントペースト(OPCペースト)、中庸熱ポルトランドセメントペースト(MHPペースト)、高炉スラグ90%混合普通ポルトランドセメントペースト(BFSペースト)及びフライアッシュ90%混合普通ポルトランドセメントペースト(PFAペースト)の4種類である。結果は以下のとおりである。(1)ヨウ素の吸着能が高かったセメント系材料はOPCペースト及びMHPペーストであった。ヨウ素はCaO/SiOモル比が高いC-S-Hゲル(ケイ酸カルシウム水和物)、AFt(エトリンガイト)及びAFm(モノサルフェート水和物)に吸着されるとの報告があり、これらのセメント系材料は他の2つよりもC-S-Hゲル中のCaO/SiOモル比が高く、AFt及びAFmの含有量が高かった。また、浸漬期間に依らずヨウ素の吸着が期待できるセメント系材料はMHPペーストであった。そして、トレーサ溶液初期濃度が110mol/lであれば、MHPペーストに対するヨウ素の分配係数は約100ml/gであった。(2)一般的に陽イオン交換性を持つと言われるシリカゲルの含有量が比較的多いPFAペーストに対するセシウムの分配係数は浸漬期間に依存せず、平均5ml/gであり、他のセメント系材料と比較すると安定していることが分かった。
荒 弘重*; 篠田 雅夫*; 飯塚 友之助*
PNC TJ5060 86-002VOL3, 40 Pages, 1986/06
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荒 弘重*; 福光 健二*; 飯塚 友之助*; 石井 卓*; 泉谷 泰志*; 今津 雅紀*; 櫨田 吉造*; 長谷川 誠*; 前田 政也*; 矢部 幸男*; et al.
PNC TJ199 84-04VOL1, 20 Pages, 1984/03
地層処分場の処分ピットの間隔は小さいことが経済性や施設規模の面から望ましいが,固化体は発熱体なので許容上限岩盤温度に見合う間隔を設けなければならない。冷却貯蔵期間・埋設密度・岩盤熱物性が異なる場合について軸対象熱伝導解析と3次元熱伝導解析を行なって,許容上限岩盤温度を100とした場合の処分ピット間隔を次のように得た。・固化後30年貯蔵した後に埋設する場合:ピット間隔84m・固化後100年以上貯蔵した後に埋設する場合:ピット間隔2mさらに,施設のスケールファクター(1万本,2万本,4万本),岩盤の種類(硬岩,軟岩),冷却貯蔵期間(30年,100年,500年)を変えた中から6案の処分しせつ設計し,コストを概算した結果,固体化1本当りの処分コストは3600万本/本(貯蔵期間100年以上,硬岩の場合)から8000万円/本(貯蔵期間30年以上,軟岩の場合)と推定された。また,岩盤内空洞の地震時の被災例,観測例および安定性に対する解析的研究例について文献調査した結果,良好な岩盤に堀削した空洞の耐震性の高さが明らかとなった。なお,昭和55年58年度の研究開発成果について総括し,報告書は2分冊に分けて作成した。
小野田 浩成*; 花島 隆泰*; 武田 全康; 柳原 英人*
no journal, ,
低消費電力デバイスの開発に向け、電圧磁化反転方式の研究が盛んに行われている。電圧磁化反転方式を実現し得る候補の1つとして、電気磁気(ME)効果が挙げられる。我々は非線形ME効果が発現する新たな系として、磁気異方性主軸の異なる絶縁性強磁体2層膜におけるME効果について検討してきた。この構造では、一方の膜は垂直磁化膜で、もう一方の膜は形状磁気異方性が強く面内磁化膜となっている必要がある。そこで強磁性絶縁体の候補として、キュリー温度が室温より高く、多様な特性を示すスピネルフェライトから選択し、MgO基板上に垂直磁化膜として(Co,Fe)O(CFO)を20nm、その上に面内磁化膜として-FeO(GFO)を30nm成膜し、磁気特性をVSM, 磁気トルク測定により評価した。本発表では、それらに加え電圧印加下におけるVSM測定と偏極中性子反射率測定を行った結果について報告する。