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早川 岳人; 静間 俊行; 梶野 敏貴*; 千葉 敏; 篠原 伸夫; 中川 庸雄; 有馬 大公*
Astrophysical Journal, 628(1, Part1), p.533 - 540, 2005/07
被引用回数:22 パーセンタイル:51.52(Astronomy & Astrophysics)Re-Os系は、超新星爆発の急速な中性子捕獲反応過程(r過程)の発生年代を評価する原子核宇宙時計として重要である。近年、急速に発達してきた金属欠乏星と呼ばれる銀河系初期に誕生した恒星の同位体分離による天体観測や、原始隕石の同位体分析に応用可能である。その一方で、中規模の質量を持つAGB星の遅い中性子捕獲反応(s過程)による元素合成でも、Reが相対的に少量生成される。その影響を理論的に評価して差し引かないと、r過程の年代を正確に評価することができない。われわれは、これまで全く考慮されていなかったRe核異性体を経由してReがs過程で生成される可能性を発見した。これまで、考慮されていなかったのは、Re核異性体への中性子捕獲反応断面積が計測されていなかったためと推測される。そこで、原研の研究用原子炉を用いて中性子捕獲反応断面積の核異性体生成比を初めて誤差の評価とともに計測した。このデータをもとに、s過程の寄与,原子核宇宙時計に対する影響を理論的に評価した。