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Autsavapromporn, N.*; Plante, I.*; Liu, C.*; 小西 輝昭*; 宇佐美 徳子*; 舟山 知夫; Azzam, E.*; 村上 健*; 鈴木 雅雄*
International Journal of Radiation Biology, 91(1), p.62 - 70, 2015/01
被引用回数:31 パーセンタイル:93.49(Biology)放射線がん治療の実施にあたり、放射線誘発バイスタンダー効果が治療域周辺の正常細胞に健康影響リスクを及ぼすかどうかは重要な問題である。そこで、本研究では、バイスタンダー効果が誘導された細胞の子孫細胞における有害影響の伝播に、照射した放射線の線質と、ギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構が果たす役割について解析を行った。実験では、コンフルエントに培養したヒト正常線維芽細胞試料に対し、LETの異なるマイクロビームで、その全体の0.0360.4%の細胞のみに照射を行い、バイスタンダー効果を誘導した。この細胞を照射後20世代にわたって培養し回収した後に、微小核形成、遺伝子への変異誘発、及びタンパク質酸化を指標に解析を行った。その結果、バイスタンダー細胞の子孫細胞における有害影響の伝播は、照射した放射線のLETによって違いがあることが明らかになった。
Autsavapromporn, N.*; 鈴木 雅雄*; 舟山 知夫; 宇佐美 徳子*; Plante, I.*; 横田 裕一郎; 武藤 泰子*; 池田 裕子; 小林 克己*; 小林 泰彦; et al.
Radiation Research, 180(4), p.367 - 375, 2013/10
被引用回数:58 パーセンタイル:89.88(Biology)ヒト正常培養細胞集団のごく一部に照射を行い、照射シグナルの伝達に細胞間ギャップ結合が果たす役割を解析した。コンフルエント培養した細胞に、X線および重イオンビーム(炭素、ネオン、アルゴン)のマイクロビームを用いて照射を行い、培地へのギャップ結合阻害剤添加の有無によるバイスタンダー効果誘導の違いを比較した。X線と重イオンの双方のマイクロビーム照射によって、線量に応じた微小核形成のバイスタンダー効果誘導が認められた。ギャップ結合阻害剤の添加によって、重イオンマイクロビームによって誘導されたバイスタンダー効果は抑制されたが、X線マイクロビームによるバイスタンダー効果は抑制されなかった。この結果は、バイスタンダー効果の誘導には線質が重要であることを示す。
Autsavapromporn, N.*; Plante, I.*; Liu, C.*; 小西 輝明*; 宇佐美 徳子*; 舟山 知夫; Azzam, E.*; 村上 健*; 鈴木 雅雄*
no journal, ,
ヒト皮膚由来正常線維芽細胞NG1RGB株へLETの異なるマイクロビームを照射し、その子孫細胞における影響を解析した。コンフルエントに培養したNG1RGB細胞集団の0.036-0.4%にマイクロビームで1箇所あたり0.4Gy相当の照射を行い、その後、20世代継代した後に微小核形成、突然変異誘発、およびタンパク質の酸化を指標とした解析を実施した。X線とプロトンビームで照射した細胞の子孫細胞では、酸化ストレスの昂進と微小核形成および突然変異頻度の上昇が認められた。その一方、炭素イオンビームで照射した細胞の子孫細胞では、同様な影響は認められなかった。また、細胞間ギャップ結合の阻害を行うことで、プロトンでは、子孫細胞における照射効果が緩和された。