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前田 敏克; 大森 弘幸*; 三ツ井 誠一郎; 馬場 恒孝
International Journal of Corrosion, 2011(1), p.796457_1 - 796457_6, 2011/09
沿岸域に地層処分場を立地した場合における高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の溶解メカニズムを調べるために、模擬ガラス固化体を用いた静的浸出試験をMgCl溶液中で実施した。マグネシウムイオンが共存する条件では、ガラス固化体の溶解速度は時間とともに減少せず速い速度のままで溶解するが、液中マグネシウムイオンの濃度が低くなるとガラス固化体の溶解速度は低下した。また、浸出したガラス表面にマグネシウムケイ酸塩が析出していることがわかった。これらの結果から、マグネシウムイオン共存下では、マグネシウムケイ酸塩が形成されることによってガラスの主構成元素であるケイ素が消費されるため、ガラス固化体の溶解が速い速度で進行するものと考えられる。
前田 敏克; 山口 徹治; 馬場 恒孝; 臼井 秀雄
日本原子力学会和文論文誌, 9(3), p.233 - 242, 2010/09
ガラス固化体に接触している溶液中のSi濃度が高く、ガラス固化体と溶液との間の化学親和力の小さい条件、すなわち飽和に近い条件での、ガラス固化体の非常にゆっくりとした溶解に着目し、固化体性能評価の妥当性を判断する際に必要となる溶解メカニズムの解明と溶解モデルの確立に向けた今後の検討アプローチを示した。まず、既往の研究から、もっとも可能性の高い溶解メカニズムを推定し、その溶解の律速過程として、ガラス固化体表面に形成される変質領域中でのオキソニウムイオンの拡散を想定するという仮説を導き出した。次に、このメカニズムの妥当性確認のために必要なデータとそれを取得する実験手法を提案した。さらに、性能評価に適用可能な溶解モデルを整備するにあたって、ガラス固化体の表面積と変質領域の安定性の評価が必要となることを示した。
牧垣 光*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 有馬 立身*; 三ツ井 誠一郎; 馬場 恒孝; 野下 健司*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1193, p.307 - 314, 2009/05
新たに考案したマイクロリアクタ流水溶解試験により、模擬ガラス固化体(P0798ガラス)について任意の一定溶液,温度条件での溶解試験を行い、ガラスの初期溶解速度を測定した。試験温度を25C、溶液のpHを5.6から12の範囲としたpH依存性試験で得られたケイ素の溶解速度から求めた初期溶解速度は、フランス原子力庁(CEA)が報告しているR7T7ガラスと同様に、V字型のpH依存性を示した。また、pHを5.6、試験温度を25から90
Cの範囲とした温度依存性試験による初期溶解速度からは、活性化エネルギーとして51kJ/molを得た。これはCEAが報告しているR7T7ガラスの値に比べてわずかに小さい値である。これらの結果に基づき、P0798ガラスの溶解機構を議論する。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎; 牧垣 光*; 出光 一哉*; 有馬 立身*; 馬場 恒孝; 野下 健司*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1193, p.219 - 228, 2009/05
ガラス溶解/変質挙動の速度論的評価を行うため、マイクロリアクタを用いた新しい流水溶解試験法を開発した。この方法では、マイクロ流路(202
16mm)を有するテフロン台に板状のガラス試料を設置し、シリンジポンプにより一定の流速でマイクロ流路に溶液を注入させることでガラス試料と反応させる。反応後の溶液を一定の間隔で採取、分析することで溶解/変質速度を得ることが可能となる。この方法は、装置がコンパクトで単純である、反応面積に対して反応溶液量が少ない、高感度で溶解/変質速度が測定できる、試験後試料の表面分析が容易であるなどの特徴を有する。この方法により、P0798ガラスのpH,温度,流速,時間を関数とした試験を行い、ガラス溶解/変質挙動の速度論的評価に必要なデータを取得した。
大塚 剛樹*; 馬場 恒孝
JAEA-Research 2007-059, 18 Pages, 2007/09
これまでアルカリ加水分解挙動についてほとんど検討されていない9種類のTRU廃棄物含有有機物を対象として、その処分環境条件、つまり低酸素雰囲気かつセメント系材料起源のアルカリ性溶液環境の下、90C,91日間で加水分解試験を実施した。セルロース及びプラスチック固化体は比較的分解しやすく、ゴム類は分解しにくいことがわかった。また、有機物のアルカリ加水分解は有機物の有する官能基が起点となって生じ、官能基の種類によって分解の難易が異なるものと推察できた。
馬場 恒孝
JAEA-Review 2007-003, 46 Pages, 2007/03
使用済核燃料を直接地層処分するケースにおいて、使用済核燃料マトリックスからの放射性核種の漏出はウランが環境へ溶け出る速度(核燃料マトリックスの溶解速度)によって支配される。本報では、処分条件下における核燃料腐食メカニズムと腐食速度にかかわる検討結果をレビューするとともに、核燃料腐食についてこれまでに発表された多くの観察結果を紹介し、議論した。核燃料腐食に対して影響する広範囲なパラメータについても議論した。それらには核燃料の事前酸化,接する溶液のpH,酸素濃度,炭酸塩濃度,温度,地下水含有の化学種,水の放射線分解,腐食生成物の形成などが含まれる。さらに、使用済核燃料の挙動の解釈において、未照射UOで取得されたデータとの関連も議論した。
田中 忠夫; 向井 雅之; 馬場 恒孝
Proceedings of International Symposium on Environmental Modeling and Radioecology, p.275 - 278, 2007/03
酸化還元に鋭敏なCeの環境中での移行挙動を調べるための野外試験を中国黄土高原の帯水層中で実施した。また、移行評価に必要な分配係数等のパラメータを得るため、実験室にてカラム移行実験及びバッチ収着実験を実施した。バッチ収着実験から、Ceは黄土表面で3価から4価へ酸化され、また非可逆的に収着することがわかった。野外でのCeの移行は、この非可逆的な収着を反映して遅く、その移行挙動は分配係数を用いる従来の移行評価式で保守的に評価できることを確認した。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*; 寺門 正吾; 喜多川 勇; 沼田 正美
廃棄物学会論文誌, 17(4), p.271 - 281, 2006/07
シリコン,カルシウム及びアルミニウムを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント平衡水中における静的浸出試験を90Cで行い、スラグの溶解挙動を調べた。セメント平衡水中では溶液のアルカリ性のため、脱イオン水中に比べてスラグの溶解量が増大することがわかった。また、スラグ表面には溶解に伴いケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)を成分とする二次相の生成が認められ、C-S-Hが生成する期間中は同じpHのアルカリ溶液中に比べてスラグの溶解が抑制される効果がみられた。
小澤 達也; 前田 敏克; 水野 大; 馬場 恒孝; 中山 真一; 堀田 克敏*
JAEA-Technology 2006-001, 11 Pages, 2006/02
TRU廃棄物のうち、金属や非金属といった不燃性の雑固体廃棄物を対象とした処理方法の一つとして、溶融固化処理法が有望視されている。TRU廃棄物のうち、フィルタや金属類については、その仕様から概略の組成を把握することが比較的容易であり、溶融時における組成調整が可能である。しかし、焼却灰の組成は焼却対象物や焼却条件などに依存するため、組成調整が困難である。そこで、TRU廃棄物に区分される焼却灰を単独で溶融固化処理する可能性について検討するため、原子力施設から発生した焼却灰組成を参考として模擬焼却灰を調合し、溶融固化試験を実施した。その結果、いずれの試料についても、大きな気泡や分相が存在せず、割れのない固化体が得られること、並びに焼却灰の組成によっては難溶性の析出物が生成するものの、その分布は一様で均質な固化体となることを確認した。これらの結果から、焼却灰を単独で溶融固化することにより、核種閉じ込め性能の評価が可能な均質な固化体とすることが可能であり、その固化体には耐浸出性についても優れた性能を期待できるとの見通しを得た。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 堀田 克敏*; 水野 大*; 小澤 達也
日本原子力学会和文論文誌, 4(4), p.242 - 247, 2005/12
SiO, CaO及びAl
O
を主成分とするスラグ試料を用いて、セメント共存下における静的浸出試験を90
Cで行い、処分環境として想定されるセメント環境でのスラグの溶解挙動を調べた。その結果、スラグは試験期間をとおして一定の速度で溶解することがわかった。これは、スラグとともに放出された主成分Siがカルシウムシリケート水和物に取り込まれることによって液中Si濃度の低い状態が保たれ、初期における溶解反応速度が継続したためと推察された。
水野 大*; 前田 敏克; 馬場 恒孝*
JAERI-Conf 2005-007, p.225 - 229, 2005/08
スラグのバリア性能を定量的に評価するため、スラグの処分で考えられえる影響因子によってスラグの溶解特性がどのように影響するかを研究している。それらの因子は、スラグ組成の多様性に起因するもの(CaO/AlO
/SiO
の割合など)と処分環境の不確定性に起因するもの(セメント材の共存など)に分けて考えられる。本報では、今までに行った溶解特性試験のうち、スラグ中のCaO/Al
O
/SiO
の割合,スラグ中の析出相及びセメント共存に着目した結果についてまとめる。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎*; 牧野 仁史*; 石黒 勝彦*; 亀井 玄人*; 河村 和廣*; 前田 敏克; 上野 健一*; 馬場 恒孝*; 油井 三和*
原子力バックエンド研究, 10(1-2), p.69 - 84, 2004/03
地層処分における高レベルガラス固化体の性能評価の現状について総説した。ガラス固化体の水への溶解及び核種浸出に関する現象理解は過去20-30年で大きく進展し、現時点で保守的な性能評価は可能であると考えられる。しかしながら、評価の信頼性向上の観点からは、長期の処分期間におけるガラス溶解反応メカニズムや各国で異なる実際の処分環境の影響についての基礎科学的理解をさらに深めるとともに、それらの成果を十分に反映した性能評価モデルの構築が望まれる。これら基礎研究の進展は処分システム全体の性能評価の信頼性向上、さらには処分システムの合理性や経済性の向上にも寄与できるものと期待される。我が国におけるガラス固化体の性能評価研究は、米国,フランス等における多角的な研究と比較して十分なものとは言えず、さらなる拡充が望まれる。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*
廃棄物学会論文誌, 15(1), p.45 - 51, 2004/01
SiO,CaO及びAl
O
を成分とする塩基度の異なるスラグ試料について、酸性からアルカリ性の水溶液中における静的浸出試験を行った。アルカリ溶液中(pH12.4)及び酸性溶液中(pH1.6,4.0)におけるスラグの初期溶解速度は、中性から弱アルカリ性域(pH6.8,9.0)に比べて10倍以上に増大することがわかった。また、pH9.0以上の溶液中においてスラグの塩基度は初期溶解速度に影響を及ぼさないが、酸性から中性溶液中では塩基度の高いスラグほど初期溶解速度が大きくなった。この傾向は、スラグを構成するネットワークの溶解特性によって決まると推察された。
前田 敏克; 田中 忠夫; 向井 雅之; 小川 弘道; 山口 徹治; 宗像 雅広; 松本 潤子; 香西 直文; 馬場 恒孝; Fan, Z.*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.336 - 341, 2003/09
野外の通気層土壌中に埋設したベントナイト材及びセメント材中における90Sr,237Np及び238Puの移行試験を人工降雨による湿潤条件下及び自然降雨による乾燥条件下でおこなった。いずれの試験結果も、予測される水理条件やこれまでに明らかにされている現象と定性的に一致した。さらに、ベントナイト材については室内試験結果やこれまでに提案されている核種移行メカニズム等から分布を定量的に計算した。野外試験結果と計算結果とを比較することにより、野外における核種移行挙動は室内試験を始めとする既往の知見等からほぼ評価可能であることが分かった。
小川 弘道; 田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 宗像 雅広; 松本 潤子; 馬場 恒孝; Li, S.*; Wang, Z.*; Li, Z.*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.332 - 335, 2003/09
原研と中国輻射防護研究院(CIRP;China Institute for Radiation Protection)との共同研究として実施したTRU核種に関する野外核種移行試験の概要とともに、本特集「TRU核種に関する野外核種移行試験」の構成と主要な成果を記述した。
田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 松本 潤子; 小川 弘道; 宗像 雅広; 木村 英雄; 馬場 恒孝; 藤根 幸雄
原子力eye, 49(2), p.76 - 79, 2003/02
原研が中国輻射防護研究院との共同研究プロジェクトとして実施した、アルファ核種を用いた野外核種移行試験の概要を紹介した。中国で実施した3年間にわたる野外核種移行試験からアルファ核種などの放射性核種に対して実地下環境での移行データを取得した。その結果、天然の地層の持つ大きな移行抑止効果を世界で初めて定量的に示すことができた。また、計算結果と野外試験結果の比較によって、原研で開発した浅地中処分安全評価コードGSA-GCLの天然バリアモデルの妥当性を検証できた。
田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 宗像 雅広; 松本 潤子; 小川 弘道; 馬場 恒孝*; Wang, Z.*; Yang, Y.*; Zhao, Y.*
Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.179 - 184, 2003/00
実際の帯水層における安定同位体Sr及び放射性同位体Srの移行挙動を比較し、安定同位体を利用した野外核種移行試験の成立性について検討した。同位体移行試験は中国輻射防護研究院の野外試験場の地下30mに位置する帯水層中において実施した。安定同位体を用いる試験では検出感度の問題から高濃度領域で試験を行う必要があるが、そのような場合は放射性同位体を用いるトレーサ量領域とは生起する反応が必ずしも同一ではない可能性がある。実際に、環境中Srより高い濃度条件で実施する安定同位体Srの移行は
Srの移行より大きかった。この違いは、元素濃度や共存イオン濃度等に起因し、それらを考慮した分配係数を用いることにより吸着現象を定量的に解釈できることを明らかにした。我が国では、安定同位体元素を用いた野外試験や大型カラム試験によって環境中における放射性核種の移行挙動を立証している場合があるが、これらの試験結果は核種移行の予測の信頼性を検証する手法として有効であることを支持するものである。
馬場 恒孝
原子力バックエンド研究, 8(2), p.205 - 206, 2002/03
3rd NUCEF International Symposium,“NUCEF 2001"が平成13年10月31日(水)~11月2日(金)の3日間、原研東海研究所において開催された。本シンポジウムは臨界安全性,核種分離,放射性廃棄物処分,TRU化学などの分野において、活発な研究活動を行っている国内外の研究者が情報交換を行って、一層の研究の活性化を図る目的で、原研主催,日本原子力学会及び同学会・バックエンド部会共催の会議である。参加者総数は283人(含国外; 38人)で発表件数は94件であった。シンポジウムは(1)オープニングセッション,(2)プレナリーセッション,(3)3会場に分かれた口頭発表セッション及び(4)ポスターセッションから構成されて、それぞれ活発な討論が行われた。会議参加記として、シンポジウムの概要を紹介する。
三田村 久吉; 馬場 恒孝; 前田 敏克
日本セラミックス協会学術論文誌, 110(1277), p.55 - 59, 2002/01
被引用回数:1 パーセンタイル:19.08(Materials Science, Ceramics)都市ゴミ焼却飛灰の無害化・安定化のために開発された人工岩石に及ぼす添加剤とホットプレス温度の影響を調べた。1200C,16時間の常圧焼結試験により、緻密な固化体作製には20wt%のTiO
と1.5wt%のNa
Oの添加が必要不可欠であることがわかった。X線回折測定より、これらの添加剤が、Perovskite(CaTiO
)とGehlenite(Ca
Al
SiO
)の生成を促進することがわかった。一方、ホットプレスによる人工岩石のかさ密度は、1000~1100
Cの間で急激に増加し、開気孔率は1050~1150
Cの間で急激に減少していた。これより、実用的なホットプレス温度として1100~1150
Cが妥当であると考えられる。
香西 直文; 安達 美総*; 川村 幸*; 稲田 貢一*; 小崎 完*; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*; 大貫 敏彦; 馬場 恒孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1141 - 1143, 2001/12
本論文ではFe型モンモリロナイトの特性評価について述べる。Fe型モンモリロナイトは、炭素鋼オーバーパック腐食生成物が緩衝材中を拡散した状態を模擬している。Na型やCa型の天然のモンモリロナイトは陰イオンであるSe(VI)を吸着しない。著者らは、Fe型モンモリロナイトがSe(VI)を吸着することを見いだした。