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小泉 徳潔; 松井 邦浩; 辺見 努; 中嶋 秀夫; 竹内 孝夫*; 伴野 信哉*; 菊池 章弘*
低温工学, 46(8), p.495 - 499, 2011/08
原子力機構と物質・材料研究機構は協力して、先進NbAl線の実証炉への応用を目指して、16T, 80kA級NbAl導体の開発を進めている。先進NbAl線は、一次熱処理で約1900Cまで加熱されるため、伸線時に安定化銅を素線へ複合することができない。そこで、一次熱処理後に銅をメッキする方法を開発した。本手法が安定性の観点から有効であることを確認するために、縮小ケーブル・イン・コンジット(CIC)導体を試作し、その安定性を評価した。その結果、従来の手法で安定化された素線を用いたCIC導体と同程度の安定性を達成できることが確認され、本手法を用いた先進NbAl線の安定化が有効であることがわかった。これにより、先進NbAl導体の実証炉への適用性に目途を立てた。
伴野 信哉*; 竹内 孝夫*; 小泉 徳潔; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 20(3), p.1455 - 1458, 2010/06
被引用回数:8 パーセンタイル:45.71(Engineering, Electrical & Electronic)原子力機構がITER用に開発したNbSn線に曲げ歪みを印加して、NbSnフィラメントの断線発生状況を電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、曲げ歪み0.3%程度でフィランメントの断線が発生し始めて、約1%で多数のフィラメントが断線することがわかった。この結果から、NbSn線が約1%の曲げ歪みを受けると臨界電流性能が大幅に劣化する実験結果を定性的に説明できる。また、サブ・セグメント内のフィラメントは、隣接するフィラメントと接触している部分が観測された。そこで、NbSn線のヒステリシス損失を測定して、有効フィラメント径を求め、前記の観測結果の妥当性を検討した。その結果、サブ・セグメント構造を採用したNbSn線では、有効フィラメント径が、サブ・セグメントの直径とほぼ同等となり、前記の観測結果の妥当性が確認できた。
辺見 努; 小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 奥井 良夫*; 松井 邦浩; 名原 啓博; 礒野 高明; 高橋 良和; 奥野 清; 伴野 信哉*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 19(3), p.1540 - 1543, 2009/06
被引用回数:16 パーセンタイル:62.11(Engineering, Electrical & Electronic)NbAlケーブル・イン・コンジット(CIC)型導体は原型炉用超伝導マグネットの主要な候補材料として開発を行っている。CIC型導体を構成する超伝導素線の性能は電磁力及び熱処理時の熱歪によって影響される。原型炉を設計するために、急熱急冷変態法により製作されたNbAl素線の性能評価を温度,磁場及び軸方向歪をパラメータとして実施した。本論文では、NbAl素線の性能試験結果及び評価したスケーリング則を報告する。
竹内 孝夫*; 菊池 章弘*; 伴野 信哉*; 北口 仁*; 飯嶋 安男*; 田川 浩平*; 中川 和彦*; 土屋 清澄*; 満田 史織*; 小泉 徳潔; et al.
Cryogenics, 48(7-8), p.371 - 380, 2008/07
被引用回数:62 パーセンタイル:87.99(Thermodynamics)急熱急冷法NbAlは、NbSnに比べて耐歪特性に優れている、臨界磁場が26T以上と高いなど、より高磁場が必要となる次世代の核融合炉や加速器への応用に適している。急熱急冷法NbAl線は、過飽和固容体を生成するために約2000Cで一時熱処理を行う。このため、銅などの安定化材をあらかじめ線材に付加しておくことができないなどの技術的課題があった。これに対して、一時熱処理後に銅をメッキする、あるいはクラッド加工で銅を付加する技術を開発し、急熱急冷法NbAl線材を用いた20T級小型コイルの開発に成功した。さらに、50kgビレットを用いて、長さ2600mの長尺線材の製作にも成功し、大量生産技術の確立に目途も立てた。
竹内 孝夫*; 田川 浩平*; 野田 哲司*; 伴野 信哉*; 飯嶋 安男*; 菊池 章弘*; 北口 仁*; 小菅 通雄*; 土屋 清澄*; 小泉 徳潔; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1257 - 1260, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:37.33(Engineering, Electrical & Electronic)次期核融合炉では、16T以上の高磁場で大電流を流す導体が必要となる。急熱急冷変態法(RHQT)NbAl線は、2次熱処理前に撚線加工が行えるので、RHQT-NbAl CIC導体は、その有力な候補導体として考えられている。CIC導体で使用する丸線には、従来は、1900C程度の1次熱処理でNb母材と反応しない銀を安定化材として使用していた。しかし、銀,Nbには放射化の問題があるため、タンタルを母材とし、安定化材として銅を使用する製造方法の開発を試みた。
名原 啓博; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 辺見 努; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 宇野 康弘*; 奥井 良夫*; 押切 雅幸; 妹尾 和威; et al.
no journal, ,
急熱急冷・変態法により製作されたNbAl超伝導素線のI(B,T,)特性及び波状変形特性を計測した。その結果、NbSn素線と比較して、軸方向歪に対するIの低下は小さいことがわかった。一方、波状変形に関しては、低い荷重ではNbSn素線と比較してIの低下が非常に小さいが、ある荷重を超えると急激にIの劣化が生じることがわかった。
伴野 信哉*; 竹内 孝夫*; 小泉 徳潔; 奥野 清
no journal, ,
ITERモデル・コイルの試験の結果から、電磁力によって導体の臨界連流性能が劣化することが観測されており、その原因として、素線の局所的な曲げが考えられている。そこで、実験的に、NbSn素線の臨界電流値の曲げによる劣化特性が測定された。これに対して、古典的な解析モデルの適用及び有限要素法を用いた数値解析等が実施され、試験結果を説明することが試みられたが、これまでに十分に説明することができていない。そこで、ITER用に開発された種々のNbSn素線の断面のSEM観察を行い、断面構成やフィラメントの結合状況,クラック発生が臨界電流値の曲げ歪み依存性に与える影響を検討した。その結果、フィラメントにクラックの発生が観測され、また、クラックが多い素線ほど曲げによる臨界電流値の低下が大きくなる傾向が観測された。
竹内 孝夫*; 伴野 信哉*; 飯嶋 安男*; 土屋 清澄*; 小泉 徳潔
no journal, ,
NbAlの結晶粒径を測定するために電子後方散乱回折(EBSD)法が使用されるが、その妥当性が検証されていない。そこで、結晶粒径を引張破断面から容易に評価できるNbSnに対して、EBSD法を適用し、その妥当性を検討した。試験の結果、EBSD法と引張破断面から評価した結晶粒径は、比較的よく一致し、EBSD法の妥当性を検証できた。
小泉 徳潔; 松井 邦浩; 中嶋 秀夫; 竹内 孝夫*; 伴野 信哉*
no journal, ,
実証炉では、16T以上の高磁場を発生できる急熱急冷法NbAl線を使用したケーブル・イン・コンジット(CIC)導体の採用が期待されている。一方、急熱急冷法NbAl線では、一次熱処理温度が銅の融点よりも高く、銅を用いた安定化ができないという課題があった。そこで、著者らは、一次熱処理後の急熱急冷法NbAl線の表面に銅をメッキする外部安定化法を開発し、その安定性を縮小導体を用いて測定した。実験の結果、外部安定化銅によって高い安定性が確保され、安定性の観点からは、外部安定化急熱急冷法NbAl導体の実証炉への適用性に目途を立てることができた。