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奥村 雅彦; Kerisit, S.*; Bourg, I. C.*; Lammers, L. N.*; 池田 隆司*; Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦
Journal of Environmental Radioactivity, 189, p.135 - 145, 2018/09
被引用回数:52 パーセンタイル:87.35(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中に放出された放射性セシウムは土壌中の粘土鉱物に強く吸着されていることがわかっているが、その吸着メカニズムは今も解明されていない。本論文は、これまで蓄積された粘土鉱物による放射性セシウム吸着現象に関する実験結果と、最新のシミュレーション研究の進展をまとめたものである。論文では、実験結果についてまとめられ、それらの結果を基にした最新のシミュレーション研究によって明らかにされた、次のような研究結果について説明されている:(1)粘土鉱物表面におけるセシウム吸着のエネルギースケール、(2)実験では観測が難しい粘土鉱物エッジの原子レベル構造についての理解の進展、(3)粘土鉱物の水和した層間におけるセシウム吸着現象の詳細、(4)ほつれたエッジにおけるイオン半径と層間距離の関係と吸着の選択性、(5)層間におけるセシウムの深部への移動、(6)放射性セシウムの核崩壊の影響。さらに、これらの知見に基づいた除染による廃棄土壌の減容技術開発の可能性についても述べられている。
Lammers, L.*; Bourg, I. C.*; 奥村 雅彦; Kolluri, K.*; Sposito, G.*; 町田 昌彦
Journal of Colloid and Interface Science, 490, p.608 - 620, 2017/03
被引用回数:110 パーセンタイル:93.49(Chemistry, Physical)分子動力学法を用いる粘土鉱物シミュレーションは、これまで、無限系がほとんどであったが、本研究では、初めて粘土鉱物の微粒子の模型を作成し、セシウム吸着のシミュレーションを行った。その結果、微粒子のエッジ表面において、基盤表面では見られない強い吸着が起こることがわかった。特に、セシウムイオンとナトリウムイオンの強豪吸着では、エッジサイトはセシウムを選択的に吸着することがわかった。また、本研究で開発したエッジサイトの力場の構成法についても解説した。
奥村 雅彦; Kerisit, S.*; Bourg, I.*; Lammers, L.*; 池田 隆司*; Sassi, M.*; Rosso, K.*; 町田 昌彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故によって多量の放射性セシウムが環境中に放出され、多くが土壌に吸着されたために、多くの住民が避難を余儀なくされた。大規模な除染が行われたことで、一部の住民の帰還が実現するに至ったが、大量の除染除去土壌の処理が問題として残されている。本発表では、原子力機構が米国Pacific Northwest National Laboratory、University of California, Berkeley、Princeton University、量子科学技術研究開発機構と行なった系統的なシミュレーション結果について報告する。具体的には、古典分子動力学法と密度汎関数法によって得られた、粘土鉱物の各種吸着サイトにおけるセシウム吸着強度などを紹介し、それらの科学的知見に基づく除染除去土壌の減容法や長期管理の方法について述べる。
平口 敦基; Zheng, X.*; Underwood, T. R.*; 小林 恵太; 山口 瑛子; 板倉 充洋; 町田 昌彦; Rosso, K. M.*; Bourg, I. C.*; 奥村 雅彦
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物を安全に地層処分するためには、放射性核種の拡散現象を理解することが重要である。特に、粘土鉱物-水系における拡散現象は、ベントナイトからなる人工バリアの性能にとって重要である。数値シミュレーションは、この現象をミクロなレベルで理解するための最も重要な研究手法の一つである。近年、粘土鉱物粒子と水分子を含む系の大規模分子動力学(MD)シミュレーションが可能となっている。本発表では、MDを用いた大規模な系におけるセシウムの拡散の数値シミュレーション結果を示す。計算の結果から、セシウムはナトリウムよりも拡散性が低いことが示唆された。