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口頭

単分子磁石挙動を示す無機物質Li$$_{2}$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_{x}$$)Nの中性子散乱研究

古府 麻衣子; Jesche, A.*; Breitner, F.*; H$"o$hn, P.*; 河村 聖子; 中島 健次; 廣井 孝介; 大石 一城*; 河村 幸彦*

no journal, , 

単分子磁石とはナノスケールの単一分子が大きな磁気モーメント・磁気異方性を有し、磁化反転過程が非常に遅くなる物質群のことである。一般的な単分子磁石は錯体であり、磁性イオンに有機分子が配位する。低対称性であることが多く、スピン副準位の決定は容易ではない。本研究では、対称性の高い無機物質Li$$_{2}$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_{x}$$)Nに着目した。Li$$_{2}$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_{x}$$)Nは六方晶であり、Li$$_{2}$$N層に隔てられたLi三角格子にFeがドープされる。広い濃度領域($$x < 0.3$$)において単分子磁石挙動が観測されており、トンネルを介した磁化反転が顕著に現れる。単分子磁石挙動を示す無機物質はわずか数例のみであり、その詳細はよくわかっていない。我々は、Fe$$^{+}$$の副準位を調べるため、AMATERAS分光器で非弾性散乱測定を行った。複数の励起が観測された。これは、基底状態が$$J_{z}$$ = {$$pm$$7/2,$$pm$$5/2,...}のように単純に記述されず、混成した状態になっていることを示唆する。発表では、TAIKANで観測された磁気小角散乱の結果も合わせ、本物質の磁気特性について議論したい。

口頭

単分子磁石挙動を示す無機物質Li$$_{2}$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_{x}$$)Nの中性子散乱研究

古府 麻衣子; Jesche, A.*; Breitner, F.*; H$"o$hn, P.*; 河村 聖子; 中島 健次; 廣井 孝介; 大石 一城*; 河村 幸彦*

no journal, , 

ナノスケールの単一分子が大きな磁気モーメント・磁気異方性を有し、磁化反転過程が非常に遅くなる物質群は単分子磁石と呼称される。一般に、単分子磁石は錯体で実現され、無機物質の報告はわずか数例しかない。本研究では、そのひとつである対称性の高い無機物質Li$$_2$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_x$$)Nに着目した。Li$$_2$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_x$$)Nは六方晶であり、Li$$_2$$N層に隔てられたLi三角格子にFeがドープされる。単分子磁石挙動は広い濃度領域($$x<0.3$$)で観測され、低温でトンネルを介した磁化反転が顕著に現れる。非常に強い異方性磁場($$approx 88$$T)を有し、基底状態が$$J=7/2$$ ($$S=3/2, L=2$$)であることも特徴である。我々は、Li$$_2$$(Li$$_{1-x}$$Fe$$_x$$)N ($$x=0.02, 0.2$$)の磁気特性を明らかにするため、中性子散乱測定を行なった。J-PARCのAMATERAS分光器で得られた中性子非弾性スペクトラムでは、低・高濃度ともに2, 5, 26meV付近に磁気励起が観測された。26meVの励起は$$|pm 7/2 rangle$$から$$|pm 5/2 rangle$$への遷移と考えると、ac磁化率の結果と整合する。しかしながら、低エネルギーの磁気励起は単純には説明できず、その起源について検討を進めている。一方、TAIKAN装置で測定した小角散乱では、磁気相関長は20K以下で成長しなくなることが明らかになった。本系の特徴である遅い磁気緩和が、磁気相関の発達を妨げることを示唆している。

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