Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Yan, S. Q.*; Li, X. Y.*; 西尾 勝久; Lugaro, M.*; Li, Z. H.*; 牧井 宏之; Pignatari, M.*; Wang, Y. B.*; Orlandi, R.; 廣瀬 健太郎; et al.
Astrophysical Journal, 919(2), p.84_1 - 84_7, 2021/10
被引用回数:1 パーセンタイル:16.29(Astronomy & Astrophysics)The long-lived Fe (with a half-life of 2.62 Myr) is a crucial diagnostic of active nucleosynthesis in the Milky Way galaxy and in supernovae near the solar system. The neutron-capture reaction
Fe(n,
)
Fe on
Fe (half-life=44.5 days) is the key reaction for the production of
Fe in massive stars. This reaction cross section has been previously constrained by the Coulomb dissociation experiment, which offered partial constraint on the E1
-ray strength function but a negligible constraint on the M1 and E2 components. In this work, for the first time, we use the surrogate ratio method to experimentally determine the
Fe(n,
)
Fe cross sections in which all the components are included. We derived a Maxwellian-averaged cross section of 27.5
3.5 mb at
= 30 keV and 13.4
1.7 mb at
= 90 keV, roughly 10%-20% higher than previous estimates. We analyzed the impact of our new reaction rates in nucleosynthesis models of massive stars and found that uncertainties in the production of
Fe from the
Fe(n,
)
Fe rate are at most 25
. We conclude that stellar physics uncertainties now play a major role in the accurate evaluation of the stellar production of
Fe.
小野 章*; Xu, J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Tsang, M. B.*; Wang, Y,-J.*; Wolter, H.*; Zhang, Y.-X.*; Chen, L.-W.*; et al.
Physical Review C, 100(4), p.044617_1 - 044617_35, 2019/10
被引用回数:48 パーセンタイル:98.72(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究では、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と陽子をランダム配置し、それらが70fm/cの間に起こす散乱の回数やエネルギーを計算した。ここでは、特にパイオンやその前駆体であるデルタ共鳴の生成に注目して比較を行った。参加コードは、個々の粒子の時間発展を追うQMD型コードと、粒子の位置や運動量の確率分布を決めておき、散乱や崩壊が発生したときそれらを乱数サンプリングするBUU型コードがあり、発表者が用いたJQMDは前者に属する。本研究により、計算における時間刻みが各コードによる結果の差の主な原因であることが分かった。さらに、今後のJQMDの改良方針の策定に有益な知見を得ることができた。
Chen, Z. Q.*; Li, Z. H.*; Hua, H.*; 渡邉 寛*; Yuan, C. X.*; Zhang, S. Q.*; Lorusso, G.*; Orlandi, R.; 他60名*
Physical Review Letters, 122(21), p.212502_1 - 212502_6, 2019/05
被引用回数:17 パーセンタイル:80.81(Physics, Multidisciplinary)-delayed
-ray spectroscopy of the neutron-rich isotopes
Ag was carried out at RIBF, RIKEN. The long predicted 1/2
emitting isomers were identified in both nuclei for the first time. The new experimental results extend the systematic trend of energy spacing between the lowest 9/2
and 1/2
levels in Ag isotopes up to N=78, providing a clear signal for the reduction of the Z=40 subshell gap in Ag towards N=82. The tensor force is found to play a key role in the reduction of the Z=40 sub-shell gap.
Zhang, Y.-X.*; Wang, Y,-J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; 小野 章*; Tsang, M. B.*; Wolter, H.*; Xu, J.*; Chen, L.-W.*; Cozma, D.*; et al.
Physical Review C, 97(3), p.034625_1 - 034625_20, 2018/03
被引用回数:85 パーセンタイル:99.27(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究はモデル間の共通点と差異を明らかにし、各モデルの問題点を明らかにした。比較において、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と320個の陽子をランダム配置し、それらが時間発展に伴って起こす散乱の回数や散乱時のエネルギーなどを計算する条件が設定された。また、結果以外にも、理論モデルを構成するアルゴリズムについても比較を行った。発表者は重イオン核反応モデルJQMD(JAERI Quantum Molecular Dynamics)を用いて計算を行い、世界で開発されている15の計算コードによる計算結果と比較した。コードアルゴリズムの比較では、JQMDは必ず陽子から 優先的に衝突確率を計算し、その後に中性子の衝突を計算するため、物理描像の妥当性が指摘された。一方、JQMDは他のモデルとほぼ同じ計算結果を出すことも判明した。衝突回数や運動量の計算値が平均から2倍以上乖離するモデルもある中で、JQMDは本計算条件で安定した性能を発揮することが確認された。
Yan, S. Q.*; Li, Z. H.*; Wang, Y. B.*; 西尾 勝久; Lugaro, M.*; Karakas, A. I.*; 牧井 宏之; Mohr, P.*; Su, J.*; Li, Y. J.*; et al.
Astrophysical Journal, 848(2), p.98_1 - 98_8, 2017/10
被引用回数:5 パーセンタイル:24(Astronomy & Astrophysics)The Zr(
)
Zr reaction cross section is crucial in the modelling of
-process nucleosynthesis in asymptotic giant branch stars because it controls the operation of the branching point at the unstable
Zr and the subsequent production of
Zr. We have carried out the measurement of the
Zr(
O,
O) and
Zr(
O,
O) reactions and obtained the
-decay probability ratio of
Zr
and
Zr
to determine the
Zr(
)
Zr reaction cross sections with the surrogate ratio method. We tested our deduced maxwellian-averaged cross section in stellar models with masses between 2 and 6
and metallicities 0.014 and 0.03. The largest changes - up 80 % variations in
Zr - are seen in the models of 3-4
, where the
Ne neutron source is mildly activated. The new rate can still provide a match to data from meteoritic stardust silicon carbide grains, provided the maximum mass of the parent stars is below 4
, for a metallicity of 0.03.
Yan, S. Q.*; Li, Z. H.*; Wang, Y. B.*; 西尾 勝久; 牧井 宏之; Su, J.*; Li, Y. J.*; 西中 一朗; 廣瀬 健太郎; Han, Y. L.*; et al.
Physical Review C, 94(1), p.015804_1 - 015804_5, 2016/07
被引用回数:6 パーセンタイル:47.24(Physics, Nuclear)The relative -decay probability ratios of the neutron resonance states in
Zr and
Zr populated via two neutron transfer reactions,
Zr(
O,
O)
Zr and
Zr(
O,
O)
Zr, have been measured to test the validity of the surrogate ratio method (SRM) in determining the (n,
) reaction cross section. The cross sections of the
Zr(n,
)
Zr reaction are derived from the experimentally obtained ratios and the cross sections of the
Zr(n,
)
Zr reaction in the equivalent neutron energy range of
= 0 - 8 MeV. The deduced cross sections of
Zr(n,
)
Zr reaction agree with the directly measured ones in the low-energy region, and with the evaluated ENDF/B-VII.1 data at higher energies of
3 MeV. The agreement supports the concept of the SRM method to indirectly determine the (n,
) reaction cross sections.
Li, X. F.*; Chen, Z. Q.*; Liu, C.*; Zhang, H.; 河裾 厚男
Journal of Applied Physics, 117(8), p.085706_1 - 085706_6, 2015/02
被引用回数:22 パーセンタイル:69.46(Physics, Applied)280keV炭素イオン注入によりGaN中に導入される損傷を低速陽電子ビームを用いて研究した。陽電子消滅線エネルギースペクトルのドップラー拡がりから、原子空孔クラスターが導入されていることが分かった。800
Cのアニールにより、それらはマイクロボイドに成長し、1000
Cのアニールでも残留することが明らかになった。透過電子顕微鏡観察の結果、損傷層は非晶質化していることが分かった。GaN中におけるイオン注入によるマイクロボイドの形成と非晶質化は、炭素イオンに特有の現象と考えられる。
Deng, Z.*; Jin, C. Q.*; Liu, Q. Q.*; Wang, X. C.*; Zhu, J. L.*; Feng, S. M.*; Chen, L. C.*; Yu, R. C.*; Arguello, C.*; 後神 達郎*; et al.
Nature Communications (Internet), 2, p.1425_1 - 1425_5, 2011/08
被引用回数:149 パーセンタイル:93.71(Multidisciplinary Sciences)(Ga,Mn)Asは典型的な強磁性III-V族半導体として知られている。これは3価のGa原子を2価のMnで置き換えたものであるが、化学的溶解度が限られているため準安定であり、薄膜でしか製作できないものであった。また電子ドープも行うことができなかった。この困難な条件を超えるため、Masekらは理論的にI-II-V族半導体LiZnAsを提案した。この物質では原子価が等しい(Zn,Mn)の置き換えによる磁性の発現とLi濃度を過剰あるいは不足させることによるキャリアードープを独立に制御可能である。本研究では世界で初めてバルクな状態でのLi(Zn
Mn
)Asの合成に成功した。わずかにLiを過剰にすることで、50Kまでの温度で強磁性が現れること、またp型のキャリアーを持つことが観測され、これらの結果を報告した。
Zhang, H. J.*; Chen, Z. Q.*; Wang, S. J.*; 河裾 厚男; 森下 憲雄
Physical Review B, 82(3), p.035439_1 - 035439_8, 2010/07
被引用回数:25 パーセンタイル:70.39(Materials Science, Multidisciplinary)高純度のNiO/AlO
触媒中の微細構造とポア内表面の状態を解明する目的で、陽電子消滅法を用いた研究を行った。陽電子消滅寿命スペクトル中には、オルソポジトロニウムに関係する二つの長寿命成分が観測された。これらは直径1nm程度のマイクロボイドと巨大ポアに由来するものである。NiO濃度が増加すると巨大ポアに由来する強度と陽電子寿命はともに減少した。一方で、陽電子消滅ドップラー拡がりスペクトルにおいて観測されるパラポジトロニウムの成分はNiO濃度とともに増加することがわかった。この結果は、生成されたポジトロニウムがオルソ・パラ変換を起こしていることを示している。電子スピン共鳴測定の結果は、このスピン交換反応がNiOの常磁性電子に起因することを示唆している。
Wang, D.*; Chen, Z. Q.*; Zhou, F.*; Lu, W.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男
Applied Surface Science, 255(23), p.9371 - 9375, 2009/09
被引用回数:12 パーセンタイル:48.88(Chemistry, Physical)鉄イオンを注入した酸化亜鉛についての評価研究を行った。フォトルミネッセンス測定の結果、紫外発光を阻害する非発光中心が導入されていることがわかった。さらにラマン分光測定の結果、結晶対称性を崩す損傷が導入されていることがわかった。これらの欠陥は700度の熱処理で回復することが明らかになった。一方、X線回折測定と磁化率測定から、700度の熱処理に伴い、鉄ナノ結晶が成長し、強磁性特性が発現することが明らかになった。
Chen, Z. Q.*; 別役 潔*; 河裾 厚男
Physical Review B, 77(11), p.113204_1 - 113204_4, 2008/03
被引用回数:29 パーセンタイル:73.65(Materials Science, Multidisciplinary)陽電子消滅ドップラー拡がり測定及び局所密度近似による第一原理計算を用いて、電子線照射した酸化亜鉛中の空孔欠陥を評価した。照射直後は亜鉛空孔が陽電子捕獲中心として作用することが明らかになった。亜鉛空孔は200C以下の熱処理により消失するが、400
Cの熱処理でこれとは別の二次欠陥が生成することが見いだされた。詳細な理論計算との照合の結果、これは酸素空孔が変態して生じた亜鉛空孔とアンチサイト亜鉛の複合欠陥であることが解明された。
Chen, L.-M.; 神門 正城; Xu, M. H.*; Li, Y.-T.*; Koga, J. K.; Chen, M.*; Xu, H.*; Yuan, X.-H.*; Dong, Q. L.*; Sheng, Z. M.*; et al.
Physical Review Letters, 100(4), p.045004_1 - 045004_4, 2008/02
被引用回数:87 パーセンタイル:92.43(Physics, Multidisciplinary)60fsのレーザーパルスの2倍高調波を銅薄膜に照射したときにK X線の変換効率が基本波に比べて増大することを発見した。変換効率は、レーザーパルスを非線形に歪めた形状に強く依存することがわかった。変換効率は、100fsに負のチャープを与えた場合に最大となった。電子エネルギースペクトルの構造化が変換効率の増大に寄与している。シミュレーションにより、強調されたvacuum heatingの機構により高コントラストレーザーはX線発生の効率化の有用なツールであることを示した。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:51 パーセンタイル:72.59(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
Chen, Z. Q.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 楢本 洋
Physica Status Solidi (C), 4(10), p.3646 - 3649, 2007/09
被引用回数:2 パーセンタイル:57.56酸化亜鉛に対してボロン,酸素,アルミ,リンイオンを4E+15/cm注入し、生成した格子欠陥の熱回復挙動を陽電子ビームを用いて調べた。イオン注入後、イオン種に無関係にSパラメータの増加が観測された。しかし、空孔クラスターの回復挙動はイオン種に大きく依存することが明らかになった。酸素イオン注入の場合空孔クラスターは700
Cの熱処理で完全に消失した。酸素より軽い質量のボロン注入では、空孔クラスターはマイクロボイドに成長し900
Cで消失した。アルミイオン注入の場合はさらに大きな寸法のマイクロボイドの成長が見られたが、同様に900
Cでそれらは消失した。リンイオン注入の場合は、空孔集合体化は抑制される一方で、それらは1100
Cまで安定に存在することが明らかになった。
Chen, Z. Q.*; Wang, S. J.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 楢本 洋*; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*
Physical Review B, 75(24), p.245206_1 - 24520_9, 2007/06
被引用回数:61 パーセンタイル:87.98(Materials Science, Multidisciplinary)酸化亜鉛中の育成時導入欠陥と電子線照射誘起欠陥について、陽電子消滅による研究を行った。その結果、育成時導入欠陥は亜鉛空孔に起因するものが存在することがわかった。この欠陥は600Cまでの焼鈍で消失する。電子線照射後にも、亜鉛空孔が主要な欠陥種であるが、ほとんどが200
Cの焼鈍で格子間原子との結合によって消失することがわかった。また、400
Cの焼鈍で二次欠陥が生成することがわかった。電子運動量分布の詳細な解析から、この二次欠陥は、亜鉛空孔とは異なる化学状態にあることが判明した。
Chen, L.-M.; 小瀧 秀行; 中島 一久*; Koga, J. K.; Bulanov, S. V.; 田島 俊樹; Gu, Y. Q.*; Peng, H. S.*; Wang, X. X.*; Wen, T. S.*; et al.
Physics of Plasmas, 14(4), p.040703_1 - 040703_4, 2007/04
被引用回数:36 パーセンタイル:76.75(Physics, Fluids & Plasmas)レーザーの自己導波の調査のため、長いunderdenseのプラズマと100TWレーザーパルスの相互作用実験を行い、レイリー長の約20倍の10mmという非常に長いプラズマチャネルを観測した。レーザーパルスがチャネル中で曲がること、及び電子キャビティ形成が実験的に初めて観測された。
Xu, M. H.*; Chen, L.-M.; Li, Y.-T.*; Yuan, X.-H.*; Liu, Y.-Q.*; 中島 一久; 田島 俊樹; Wang, Z.-H.*; Wei, Z.-Y.*; Zhao, W.*; et al.
Acta Physica Sinica, 56(1), p.353 - 358, 2007/01
被引用回数:5 パーセンタイル:37.85(Physics, Multidisciplinary)p分極されたフェムト秒のレーザー固体相互作用によって発生する相対論的な領域でのX線源の特徴を実験的に調べた。ナイフエッジのイメージ法を用いてCCDの単一光子カウントを行うことにより、
のX線サイズ,スペクトル及び変換効率を測定した。実験結果は
の光子の変換効率がシミュレーションの結果と異なり1.6
10
W/cm
のレーザーの強度で最適値7.08
10
/srに達すること。X線変換効率が10%であること、及びレーザー強度1.6
10
W/cm
のときに前方芳香に電子が加速されることを発見した。
Chen, Z. Q.*; 河裾 厚男
Acta Physica Sinica, 55(8), p.4535 - 4540, 2006/08
被引用回数:4 パーセンタイル:32.74(Physics, Multidisciplinary)20keVから100keVのヘリウムイオンを酸化亜鉛単結晶に全ドーズ量4E+15cmで注入した。注入時導入欠陥を研究するために、低エネルギー陽電子ビームを用いて消滅
線のドップラー拡がり測定を行った。測定結果から、注入後には複原子空孔とさらに大きな原子空孔集合体が生成していることが明らかになった。400
Cにおける熱処理により、ヘリウム原子が原子空孔集合体を占有することがわかった。さらなる熱処理で原子空孔集合体のサイズが増加することが見いだされた。800
Cにおいて、ヘリウム原子は原子空孔集合体から脱離し、原子空孔集合体も消失することが明らかになった。
Chen, Z. Q.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 境 誠司; 楢本 洋
Journal of Applied Physics, 99(9), p.093507_1 - 093507_5, 2006/05
被引用回数:62 パーセンタイル:87.54(Physics, Applied)酸素イオン注入及びボロンイオン注入した酸化亜鉛を陽電子消滅法とラマン分光によって研究した。陽電子消滅測定から、ボロンイオンを注入した酸化亜鉛を500Cで熱処理すると原子空孔クラスターが集合体化しマイクロボイドになることが明らかになった。これらのマイクロボイドを取り除くためには1000
Cの熱処理が必要である。一方、酸素イオン注入した酸化亜鉛では原子空孔の集合体化はほとんど観測されず、原子空孔は800
Cまでに回復することがわかった。ラマン分光によって検出された酸素空孔は、ボロンイオン注入の場合には700
Cまで安定に存在するが、酸素イオン注入の場合には400
Cで消失することがわかった。以上から、ボロンと格子間酸素が複合体を作ることで、酸素空孔を安定化させ、マイクロボイド形成を助長すると考えられる。
Chen, Z. Q.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 境 誠司; 楢本 洋
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.722 - 725, 2006/04
被引用回数:18 パーセンタイル:62.17(Physics, Condensed Matter)酸化亜鉛(ZnO)結晶にエネルギー3MeV,照射量5.510
cm
の電子線照射を行い、格子欠陥の発生及び熱アニールによる欠陥回復過程を陽電子消滅法を用いて評価した。照射後には陽電子寿命及びドップラー広がり幅(Sパラメータ)の増大が見られた。これはZn空孔に関連した欠陥の発生を示している。この照射欠陥のほとんどは200度までの熱アニールにより消失した。しかし、400度でのアニールを行ったところ、これとは異なった種類の欠陥が生成することがわかった。700度の熱アニールでは、すべての種類の空孔型欠陥が消失した。