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論文

Microscopic origin of the spin-reorientation transition in the kagome topological magnet TbMn$$_{6}$$Sn$$_{6}$$

Huang, Z.*; Wang, W.*; Ye, H.*; Bao, S.*; Shangguan, Y.*; Liao, J.*; Cao, S.*; 梶本 亮一; 池内 和彦*; Deng, G.*; et al.

Physical Review B, 109(1), p.014434_1 - 014434_9, 2024/01

 被引用回数:0

TbMn$$_{6}$$Sn$$_{6}$$ is a correlated topological magnet with a Mn-based kagome lattice, in which a Chern gap opens at the Dirac point at low temperatures. The magnetic moment direction of the ferrimagnetic order changes from in the kagome plane to the out-of-plane upon cooling, which is essential for generating the Chern gap, but the underlying mechanism for the spin reorientation remains elusive. Here, we investigate the spin-reorientation transition in TbMn$$_{6}$$Sn$$_{6}$$ using neutron scattering. We provide direct evidence for the spin-reorientation transition and unveil the coexistence of two Tb modes at 200 K. To account for these results, we put forward a model based on SU(N) spin-wave theory, in which there is a temperature evolution of the ground state Tb $$4f$$ orbitals, driven by the crystalline electric field, single-ion anisotropy, and exchange interactions between Tb and Mn ions. Our findings shed light on the complex magnetism of TbMn$$_{6}$$Sn$$_{6}$$, despite its relatively simple ground state magnetic structure, and provide insights into the mechanisms for tuning magnetic topological materials.

論文

Chiral Dirac fermion in a collinear antiferromagnet

Zhang, A.*; Deng, K.*; Sheng, J.*; Liu, P.*; Kumar, S.*; 島田 賢也*; Jiang, Z.*; Liu, Z.*; Shen, D.*; Li, J.*; et al.

Chinese Physics Letters, 40(12), p.126101_1 - 126101_8, 2023/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)

In a Dirac semimetal, the massless Dirac fermion has zero chirality, leading to surface states connected adiabatically to a topologically trivial surface state as well as vanishing anomalous Hall effect. Recently, itis predicted that in the nonrelativistic limit of certain collinear antiferromagnets, there exists a type of chiral "Dirac-like" fermion, whose dispersion manifests four-fold degenerate crossing points formed by spin-degenerate linear bands, with topologically protected Fermi arcs. Here, by combining with neutron diffraction and first-principles calculations, we suggest a multidomain collinear antiferromagnetic configuration, rendering the existence of the Fermi-arc surface states induced by chiral Dirac-like fermions.

論文

Pressure-modulated magnetism and negative thermal expansion in the Ho$$_2$$Fe$$_{17}$$ intermetallic compound

Cao, Y.*; Zhou, H.*; Khmelevskyi, S.*; Lin, K.*; Avdeev, M.*; Wang, C.-W.*; Wang, B.*; Hu, F.*; 加藤 健一*; 服部 高典; et al.

Chemistry of Materials, 35(8), p.3249 - 3255, 2023/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)

静水圧や化学圧力は、結晶構造を変化させる効率的な刺激であり、材料科学において電気的、磁気的特性のチューニングによく利用されている。しかし、化学圧力は定量化が困難であり、これら両者の定量的な対応関係はまだよくわかっていない。本研究では、負の熱膨張(NTE)を持つ永久磁石の候補である金属間化合物を調べた。放射光X線その場観察により、AlをドープしたHo$$_2$$Fe$$_{17}$$に負の化学圧力があることを明らかにし、単位セル体積の温度・圧力依存性を用いそれを定量的に評価した。また、磁化測定と中性子回折測定を組み合わせることで、磁気秩序に対する化学圧力と静水圧の違いを比較した。興味深いことに、圧力はNTEの抑制と増強を制御するために使用することができた。電子状態計算から、圧力がFermiレベル(EF)に対する主要バンドの上部に影響を与えたことを示しており、これは磁気安定性に影響を与え、それが磁気とNTEを調節する上で重要な役割を果たしていることがわかった。本研究は、圧力の影響を理解し、それを利用して機能性材料の特性を制御する良い例を示している。

論文

Diluted ferromagnetic semiconductor Li(Zn,Mn)P with decoupled charge and spin doping

Deng, Z.*; Zhao, K.*; Gu, B.; Han, W.*; Zhu, J. L.*; Wang, X. C.*; Li, X.*; Liu, Q. Q.*; Yu, R. C.*; 後神 達郎*; et al.

Physical Review B, 88(8), p.081203_1 - 081203_5, 2013/08

 被引用回数:73 パーセンタイル:91.83(Materials Science, Multidisciplinary)

We report the discovery of a diluted magnetic semiconductor, Li(Zn,Mn)P, in which charge and spin are introduced independently via lithium off-stoichiometry and the isovalent substitution of Mn$$^{2+}$$ for Zn$$^{2+}$$, respectively. Isostructural to (Ga,Mn)As, Li(Zn,Mn)P was found to be a ${it p}$-type ferromagnetic semiconductor with excess lithium providing charge doping. First-principles calculations indicate that excess Li is favored to partially occupy the Zn site, leading to hole doping. Ferromagnetism with Curie temperature up to 34 K is achieved while the system still shows semiconducting transport behavior.

論文

Orientation of silicon phthalocyanine thin films revealed using polarized X-ray absorption spectroscopy

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 本田 充紀; Deng, J.*

Photon Factory Activity Report 2012, Part B, P. 68, 2013/00

有機半導体の表面分子配向は電子デバイスの性能向上の上で不可欠である。スピンコート法によりシリコンフタロシアニン二塩化物(SiPcCl$$_{2}$$)薄膜をグラファイト上に作製し、大気圧下で加熱(350度)を行った。角度分解X線吸収端微細構造(NEXAFS)法とXPS法により生成物薄膜の分子配向と組成を調べた。Si 1s吸収端のNEXAFSスペクトルは角度依存を示し、表面反応生成物が分子配向していることを示した。ab initio分子軌道法計算との比較により生成物は水和重合生成物(SiPcO)nに類似した構造であると推察した。

論文

Li(Zn,Mn)As as a new generation ferromagnet based on a I-II-V semiconductor

Deng, Z.*; Jin, C. Q.*; Liu, Q. Q.*; Wang, X. C.*; Zhu, J. L.*; Feng, S. M.*; Chen, L. C.*; Yu, R. C.*; Arguello, C.*; 後神 達郎*; et al.

Nature Communications (Internet), 2, p.1425_1 - 1425_5, 2011/08

 被引用回数:158 パーセンタイル:93.74(Multidisciplinary Sciences)

(Ga,Mn)Asは典型的な強磁性III-V族半導体として知られている。これは3価のGa原子を2価のMnで置き換えたものであるが、化学的溶解度が限られているため準安定であり、薄膜でしか製作できないものであった。また電子ドープも行うことができなかった。この困難な条件を超えるため、Masekらは理論的にI-II-V族半導体LiZnAsを提案した。この物質では原子価が等しい(Zn,Mn)の置き換えによる磁性の発現とLi濃度を過剰あるいは不足させることによるキャリアードープを独立に制御可能である。本研究では世界で初めてバルクな状態でのLi$$_{1+y}$$(Zn$$_{1-x}$$Mn$$_x$$)Asの合成に成功した。わずかにLiを過剰にすることで、50Kまでの温度で強磁性が現れること、またp型のキャリアーを持つことが観測され、これらの結果を報告した。

論文

Orientation of Si phthalocyanine investigated by X-ray absorption spectroscopy and molecular orbital calculation

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; Deng, J.*

Surface and Interface Analysis, 42(6-7), p.863 - 868, 2010/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:1.76(Chemistry, Physical)

有機半導体は豊富な資源,印刷技術が使える、電子物性が多様などが期待される次世代デバイスである。良質な有機半導体はよく分子配向した「核」として薄膜上に生じ始める。発表者は直線偏光の放射光と光電子顕微鏡を組合せた新しい装置を開発中である。その方法ではX線吸収スペクトルに現れる共鳴ピークを解釈する必要がでてくる。そのため大きな有機半導体分子の内殻電子励起状態を求めるため等価内殻近似に基づいて分子軌道法による理論計算を行った。計算結果をもとにグラファイト上に吸着したSiフタロシアニン分子の配向構造を決定した。分子軌道計算により電子励起状態の対称性を帰属することが配向角度を決めるうえで重要であることを示した。

論文

Real-time observation on surface diffusion and molecular orientations for phthalocyanine thin films at nanometer spacial resolution

馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; Deng, J.

Surface Science, 603(16), p.2612 - 2618, 2009/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:29.51(Chemistry, Physical)

金表面にパターン状に蒸着したシリコンフタロシアニン2塩化物薄膜の電子構造と分子配向を、新しく開発した軟X線励起光電子顕微鏡(PEEM)によりナノメートルスケールで実時間観察した。Si K-吸収端のX線吸収スペクトルの偏光依存性から、5層蒸着したシリコンフタロシアニン2塩化物は、薄膜全体としては表面に平行であることがわかった。室温でのPEEM観察では、マイクロパターンが明瞭に認められたが、高温に加熱すると表面拡散が起こり、均一となった。このとき、清浄な金表面に拡散した分子は、逆に表面に垂直であることを示唆する結果が得られた。このようなナノメートルスケールにおける分子配向の変化は、分子-分子間相互作用と表面-分子間相互作用の大きさによって決定されることを明らかにした。

論文

Chemical-state-selective observations on Si-SiO$$_{rm x}$$ at nanometer scale by photoelectron emission microscopy combined with synchrotron radiation

馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵*; Deng, J.; 成田 あゆみ

Journal of Physics; Conference Series, 100, p.012015_1 - 012015_4, 2008/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:51.83(Nanoscience & Nanotechnology)

放射光軟X線と光電子顕微鏡を組合せることにより、ナノメートルスケールの化学結合状態分布を観察するための装置を開発し、シリコン化合物に応用した。試料には、7.5ミクロン周期のパターンを持つシリコン酸化物,シリコン窒化物,有機シリコン化合物を用いた。Si K-吸収端付近で放射光のエネルギーを掃引することにより、化学結合状態(シリコンの原子価状態)に依存した画像をナノメートルスケールで観察することに成功した。また、SiとSiO$$_{2}$$が交互に並んだマイクロパターン試料について、加熱による化学結合状態変化を観察した。その結果、700$$^{circ}$$Cから酸素原子の横方向の拡散が始まることがわかった。拡散の途中でSiとSiO$$_{2}$$界面の化学結合状態を詳細に観察したところ、界面にSiOなどの中間の原子価状態は存在せず、酸素の拡散はSi原子が一気に4個の酸素原子と配位することにより起こることがわかった。発表では固体表面上に作成した有機シリコン化合物(シリコンフタロシアニン塩化物)の化学結合状態観察と加熱による横方向の拡散についても報告する。

論文

Effect of substrates on the molecular orientation of silicon phthalocyanine dichloride thin films

Deng, J.; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 平尾 法恵*; 本田 充紀

Journal of Physics; Condensed Matter, 19(19), p.196205_1 - 196205_11, 2007/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.31(Physics, Condensed Matter)

種々の基板表面に蒸着したシリコンフタロシアニン塩化物の配向性について、直線偏光放射光を用いたX線吸収端微細構造(NEXAFS)により調べた。基板としては、化学的に不活性で、かつ表面の形状が異なる3種の基板、すなわち高配向性グラファイト(HOPG)、多結晶金、導電性透明酸化物のインジウムスズ酸化物(ITO)の3種類を用いた。Si K-吸収端のNEXAFSスペクトルの偏光依存性から、1層から5層程度の薄膜はいずれの基板表面においても、基板におおよそ平行に蒸着することがわかった。偏光依存性を定量的に解析した結果、HOPG表面における分子の傾きは2$$^{circ}$$であり、これはHOPG表面が完全に平坦であることに起因すると結論した。一方、ITO表面では分子の平均傾き角は26$$^{circ}$$であった。走査型原子間力顕微鏡(AFM)による観測の結果、表面の凹凸の水平方向の周期は数ナノメーターであり、フタロシアニン分子の大きさよりはるかに大きいことがわかった。このことから、表面の形状により決定される1層目の分子の向きが、2層目以降の蒸着層の配向性を決定することが明らかになった。

論文

Orientation of thin films synthesized from silicon phthalocyanine dichloride on a highly oriented pyrolytic graphite investigated using near edge X-ray absorption fine structure

Deng, J.; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 本田 充紀

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(2), p.770 - 773, 2007/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.42(Physics, Applied)

直線偏光放射光を用いたX線吸収端微細構造法により、有機デバイスの候補材料として期待されているシリコンフタロシアニン化合物薄膜の配向性について調べた。高配向性グラファイト表面に、スピンコート法によりシリコンフタロシアニン2塩化物の溶液を滴下した後、空気中で345$$^{circ}$$Cに加熱することにより、Si-C結合が解裂し、空気中の酸素によりSi-Oに変化することがわかった。この試料のについて、直線偏光した放射光を用いたSi $$K$$-吸収端のX線吸収端微細構造スペクトルを測定した結果、Si 1sから価電子帯の非占有軌道への共鳴吸収ピークの強度に顕著な偏光依存性が認められた。偏光解析の結果、Si-N結合軸は表面に平行に近いのに対して、Si-O軸は表面に垂直に近いことがわかった。この結果から、(1)シリコンフタロシアニン2塩化物はシリコンフタロシアニン酸化物結晶を容易に合成するためのよい前駆体であること,(2)この方法で作成したシリコンフタロシアニン酸化物薄膜は基板表面に対して配向しているため良質な電子物性を持つ有機薄膜となりうること、の2点が明らかとなった。

口頭

Synchrotron radiation studies of the orientation of thin silicon phthalocyanine dichloride film on HOPG substrate

Deng, J.; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 平尾 法恵*

no journal, , 

放射光軟X線を用いたX線吸収分光法及びX線光電子分光法により、有機ELデバイスなど有機機能性薄膜材料としての応用が期待されているシリコンフタロシアニン分子薄膜の配向性について調べた。高配向性グラファイト(HOPG)基板上に、シリコンフタロシアニン二塩化物のヘキサン溶液を滴下した後、空気中で345$$^{circ}$$Cに加熱した試料では、Si-Cl結合が解裂してSi-O結合に変化することがわかった。この試料のSi及びCl K-吸収端のX線吸収スペクトルには放射光の入射角依存性が明瞭に認められた。偏光解析の結果、Si-N結合は表面に平行であるのに対し、Si-O結合は表面に垂直であることが明らかとなった。

口頭

Chemical-state-selective mappings for silicon compounds by PEEM combined with synchrotron soft X-ray excitation at the Si K-edge

馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵*; Deng, J.

no journal, , 

放射光軟X線によるX線吸収分光法(XAFS)と光電子顕微鏡(PEEM)を組合せることにより、固体表面の原子価状態に依存した局所分析手法を開発し、同法をシリコン化合物の表面分析に応用した。紫外光源を用いた予備実験では、同手法は30ナノメートル以下の空間分解能を持つことがわかった。次にシリコン表面に7.5ミクロンの間隔を持つSiとSiO$$_{2}$$から成る平坦なマイクロパターンを作成し、Si K-吸収端領域の放射光軟X線を用いて像観察を行った。X線のエネルギーをSiのXAFSスペクトルにおけるSi 1s$$rightarrow$$sigma*共鳴吸収ピーク(1840eV)に合わせた場合と、SiO$$_{2}$$のXAFSスペクトルにおけるSi 1s$$rightarrow$$sigma*共鳴吸収ピーク(1847eV)に合わせた場合では、像の輝度が反転した。像の各ドメインにおける輝度をX線エネルギーに対してプロットした結果、全電子収量法で測定したSi及びSiO$$_{2}$$のXAFSスペクトルと同様な曲線が得られた。このことから、開発した手法は、化学結合状態のみに依存した像観察及び各ドメインにおける顕微XAFS測定に有効であることがわかった。

口頭

金表面上におけるアミノ酸単分子層の化学吸着

本田 充紀; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; Deng, J.; 関口 哲弘

no journal, , 

近年のナノテクノロジー技術の向上により、有機分子が大きな関心を集めている。有機分子は分子1個で1つの機能を担うことが可能で、将来の分子素子の実現に向けた研究が盛んに行われている。例えば金属-分子の吸着構造に関して、Au-S系の研究はベンゼンジチオールを用いた金属-分子-金属構造のドナーアクセプターを光励起などで起こす非常に興味深い系であるが、その金属-分子間の界面に関する情報については詳しくわかっていない。われわれは、金表面において、S原子を含むアミノ酸であるL-cysteine分子の吸着状態についてXPSなどの手法を用いて検討してきた。今回金表面を用いて(a)L-cysteine monolayer, (b)L-cysteine multilayerの試料を作成し、NEXAFS測定及びXPS測定を行った。多層膜において、2474eVに現れるピークは、S1s$$rightarrow$$$$sigma$$$$^{*}$$(S-C)への遷移に起因するピークである。ところが、単層膜ではこのピークは2484eVに観測され、単分子層と多層膜においてS K吸収端が大きく異なるという特徴的な結果が得られた。また、XPS測定結果においても、S1sのピークが単層膜と多層膜で、単層膜のピークが8eV高結合エネルギー側に化学シフトした位置に現れることを確認した。以上の結果から、化学結合に起因する電子がS原子から金原子側へ供与され、非常に強い結合が形成されていることがわかった。

口頭

光電子顕微鏡によるSi-SiO$$_{2}$$化学結合状態に依存したマッピング

平尾 法恵*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; Deng, J.

no journal, , 

半導体素子の微細化に伴いSi-SiO$$_{2}$$界面等、Siの原子価状態分布をナノメートルオーダーで明らかにすることが重要になっている。化合物の内殻吸収端のエネルギーは、化学結合状態によって数eVほどシフトするので、エネルギー可変の放射光軟X線と光電子顕微鏡を組合せることにより、化学結合状態に依存したマッピング測定が可能と考えられる。そこで、Si 1s軌道のケミカルシフトを利用したSi化合物の化学結合状態に依存したマッピング測定を試みた。試料はシリコン単結晶基板表面にO$$_{2}$$$$^{+}$$イオンを注入することにより作成したSi-SiO$$_{2}$$マイクロパターンを用いた。光電子顕微鏡で得られたナノメートルオーダーの画像の各点における輝度の放射光エネルギー依存性を測定したところ、それぞれの点において、SiO$$_{2}$$又はSiのXANESスペクトルと類似した曲線が得られた。以上のことから、ケミカルシフトを使ったナノメートルオーダーの化学結合状態マッピング測定が可能であることがわかった。

口頭

固体表面上におけるアミノ酸分子の吸着状態

本田 充紀; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; Deng, J.; 関口 哲弘

no journal, , 

生体分子を用いて分子センサーや分子素子を設計するには、金属-分子界面についての原子レベルでの研究が必要不可欠である。分子素子として注目をあびている金-イオウの化学吸着を利用した金属-分子界面も、その結合状態については詳しくわかっていない。そこで本研究では金表面とイオウを含むアミノ酸の結合状態について検討した。今回、金表面にイオウを含むアミノ酸であるL-システインを多分子層及び単分子層作成し、軟X線吸収分光(NEXAFS)測定及びX線光電子分光(XPS)測定を用いて詳しく調べた。その結果、多層膜において、2474eVに現れるK吸収端は、S1s$$rightarrow$$$$sigma$$$$^{*}$$(S-C)への遷移に起因するピークであるが、単層膜ではこのK吸収端は2484eVに観測され、S K吸収端が大きく異なるという特徴的な結果が得られた。XPS測定結果においても、S1sのピークが、単層膜で8eV高結合エネルギー側に化学シフトした位置に現れることを確認した。以上の結果から、化学結合に起因する電子がS原子から金原子側へ供与されることにより、S 1s軌道が深くなり、8eVもの強い結合により化学吸着が形成されていることがわかった。

口頭

イオウ-金属界面の結合状態に関するNEXAFS解析

本田 充紀; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; Deng, J.; 関口 哲弘

no journal, , 

生体を構成する物質にはタンパク質があり、その種類は10万種類とも言われている。そのタンパク質を構成しているユニットは、わずか20種類のアミノ酸であるが、アミノ酸の種々の性質でさえ、界面の結合状態により非常に大きく左右される。そのため、吸着分子の界面の結合状態を詳しく知ることは、非常に重要なことであり、今回、S原子を含むアミノ酸のL-システインと金の吸着を用いて、イオウ-金属界面の結合状態をNEXAFS解析により詳しく調べた。その結果、L-システインが金に単分子層吸着した状態では、非常に特異な結合を形成していることがわかった。それは、L-システイン中のS原子が金に電子供与することによりS 1s軌道が深く潜り込み、イオウ-金原子間の結合が強くなり、S K吸収端が大きくなるという特徴的な結果である。それにより8eVの化学シフトが起こり強固な化学吸着を形成していることが明らかになった。

口頭

軟X線領域の顕微XAFSによるSi化合物の化学結合状態マッピング

平尾 法恵*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; Deng, J.

no journal, , 

表面・薄膜機能性材料の開発において、メゾスコピック領域の形状,元素分布,磁気構造などとともに化学結合状態分布の解析が重要である。内殻軌道のエネルギーは化学結合状態によって変化するので、エネルギー可変の放射光と光電子顕微鏡を組合せることにより、化学結合状態に依存したマッピング測定が可能と考えられる。そこで、Si 1s軌道のケミカルシフトに注目し、Si化合物の化学結合状態に依存したマッピング測定を試みた。試料はシリコン単結晶基板表面にO$$^{2+}$$イオンを注入することにより作成したSi-SiO$$_{2}$$マイクロパターンを用いた。光電子顕微鏡で得られたナノメートルオーダーの画像の各点における輝度の放射光エネルギー依存性を測定したところ、それぞれの点において、SiO$$_{2}$$又はSiのXANESスペクトルと類似した曲線が得られた。以上のことから、ケミカルシフトを使ったナノメートルオーダーの化学結合状態マッピング測定が可能であることがわかった。

口頭

固体表面上におけるアミノ酸分子の金属-分子間結合状態

本田 充紀; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; Deng, J.; 関口 哲弘

no journal, , 

生体分子を構成する最小ユニットであるアミノ酸分子を、固体表面上に固定化してデバイス形成を行うには界面の結合状態の情報が必要不可欠である。本研究ではその界面の結合状態について、金表面とイオウを含むアミノ酸「L-システイン」について詳しく検討した。試料は多分子層及び単分子層を作成して、NEXAFS測定及びXPS測定を用いて詳しく調べた。その結果、多層膜において2475eVに観測されるS $textit{K}$-edgeは、単層膜では吸収エネルギーが高い2484eVに観測され、9eV大きくなった。またXPS測定結果では、S 1$textit{s}$のピークが、単分子膜で8eV高結合エネルギー側に化学シフトした。導電性基板であるITO基板上の吸着状態と比較した結果、この特徴的な化学シフトは起こらず、金-イオウによる特異な結合によるものと考えられる。以上より、L-システイン単分子層のS-Au界面において、化学結合に起因する電子は、S原子が金原子へ電子供与を行い、S 1$textit{s}$軌道が内殻深い準位に潜り込むことにより8eVもの強い結合が形成されていることがわかった。

口頭

放射光と光電子顕微鏡を組合せたナノメートルスケールの化学結合状態マッピング

平尾 法恵*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; Deng, J.

no journal, , 

表面・界面の化学結合状態をナノメートルスケールで測定することは、先端的材料の開発において重要となっている。しかし、電子線のマイクロビームを用いた局所分析法やSTM, AFMなどの手法では、化学結合状態に関する正確な情報を得ることは難しい。本研究では、Si, SiO$$_{2}$$, Si$$_{3}$$N$$_{4}$$などの内殻軌道のエネルギーが原子価状態により数eVシフトする(化学シフト)ことに着目し、エネルギー可変の放射光軟X線と光電子顕微鏡を組合せることにより、ナノメートルスケールの化学結合状態のみに依存したマッピング測定を試みた。試料はシリコン単結晶基板表面にO$$_{2}$$$$^{+}$$, N$$_{2}$$$$^{+}$$イオンを注入することにより作成したSi-Si化合物マイクロパターンを用いた。光電子顕微鏡で得られたナノメートルオーダーの画像の各点における輝度の放射光エネルギー依存性を測定したところ、それぞれの点において、Si又はSi化合物のXANESスペクトルと類似した曲線が得られた。以上のことから、ケミカルシフトを使ったナノメートルオーダーの化学結合状態マッピング測定が可能であることがわかった。

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