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島田 健司*; 上野 秀樹*; Neyens, G.*; 旭 耕一郎*; Balabanski, D. L.*; Daugas, J. M.*; Depuydt, M.*; De Rydt, M.*; Gaudefroy, L.*; Grvy, S.*; et al.
Physics Letters B, 714(2-5), p.246 - 250, 2012/08
被引用回数:7 パーセンタイル:41.35(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核における魔法数消滅の研究を目的として、フランスGANIL研究所にて、ベータNMR法を用いて中性子過剰核Alの電気的四重極モーメント(モーメント)の測定を行った。得られたモーメントの値の絶対値は、133(18)mbとなった。この実験値を殻模型及び粒子・振動結合模型の二つの理論模型の値と比較した。その結果、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れていない従来の殻模型計算では、モーメントを過小評価する一方、魔法数消滅を考慮に入れた大規模殻模型計算では実験値を正しく再現した。同様の値が、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れた粒子・振動結合模型でも得られた。その結果、中性子20の閉殻構造はAl核でも相当程度消失していることが判明した。
De Rydt, M.*; Neyens, G.*; 旭 耕一郎*; Balabanski, D. L.*; Daugas, J. M.*; Depuydt, M.*; Gaudefroy, L.*; Grvy, S.*; 挾間 優佳*; 市川 雄一*; et al.
Physics Letters B, 678(4), p.344 - 349, 2009/07
被引用回数:17 パーセンタイル:69.95(Astronomy & Astrophysics)フランスGANIL研究所にて中性子過剰核AlをSの核破砕反応により生成し、その基底状態の電気的四重極モーメントをベータNMR法にて初めて測定した。実験で得られたモーメントを機構にてなされたモンテカルロ殻模型計算で求められた値と比較した。実験値で得られた134.0(16)mbに対し、標準的な有効電荷を用いた計算値は155mbとおおむね良い値を与えているものの多少の相違があることがわかった。これまでの磁気モーメントの測定値から、この原子核では魔法数20の殻ギャップを超える励起の確率は小さく、理論計算は良い波動関数を与えていると考えられる。したがって、この相違は有効電荷に帰せられると考えられ、標準的な値よりもやや小さな有効電荷を用いることにより実験値をよく再現することがわかった。この小さな有効電荷は不安定核特有の中性子の緩い束縛と関係すると考えられる。