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橘 幸男; E.Krempl*
J. Eng. Mater. Technol., 120(3), p.193 - 196, 1998/07
被引用回数:16 パーセンタイル:62.5(Engineering, Mechanical)前々報(1995年掲載)では、過応力(overstress)に基づく粘塑性理論(VBO)を950C程度の高温下でのAlloy 800Hの変形挙動をモデル化できるように拡張した。前報(1997掲載)では、前々報で拡張したモデルを用いて、極端な条件、例えば、非常に長時間のクリープ、応力緩和挙動等の解析を行い、妥当な結果が得られることを示した。本報告では、従来、VBOの3次元モデルでは、19の材料定数を決定する必要があったのに対し、11の材料定数に簡略化したモデルを適用した場合においても、Alloy 800Hの950C程度の高温下でのさまざまな変形挙動を前々報、全報と同程度の精度で表現できることを示した。
橘 幸男; E.Krempl*
Trans. ASME, Ser. H, 117, p.456 - 461, 1995/10
超過応力に基づく粘塑性理論(VBO)は降伏曲面及び除荷、負荷の条件を必要としない内部状態変数理論であり2つのテンソル内部状態変数、すなわち、平衡応力と移動応力を持つ。本論文では、高相対温度下での材料挙動を記述できる、VBOに基づくモデルを提案している。高相対温度下の材料挙動にVBOを適用する際には、拡散の影響を考慮するために、内部状態変数の発展式に回復項を導入する必要がある。本モデルでは平衡応力の発展式に回復項を加えており、さらに等方応力と呼ばれるスカラ内部状態変数の軟化を表現することで、遷移クリープ、定常クリープのみでなく、加速クリープをも再現できるようにしている。また、アロイ800Hのクリープ試験及び引張試験データに提案したモデルを適用し、これらのデータを精度よくシミュレートできることを示している。
西口 磯春; T.L.Sham*; E.Krempl*
Advances in Plasticity,1989, p.1 - 4, 1989/00
塑性歪とクリープ歪を統一的に扱う、いわゆる統一理論に基づく有限変形理論を提案した。本理論は、従来塑性理論のように降伏曲面の概念を用いていない、等法的な材料硬化と異方的な材料硬化の両方を表現できる。実験結果に強く動機づけられており荷重履歴の違いによる材料硬化の違いを表現できる等の特長を有する。本理論では、二次非弾性変形率の概念を導入し、従来の非弾性変形率との和により全非弾性変形率を表した。この表現式は等方テンソル関数の表現定理から、数学的に自然な形で得られる。また、応力の変化率の速度として修正Jaumann応力率を提案した。この応力率により、従来の有限変形理論で問題になっていた単純せん断変形時の応力の震動現象を抑えることができた。また、円管のねじり試験等で観察されるPoynting効果を表現することができた。