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八木 大地*; 江幡 年宣*; 市毛 寿一*; 小林 陽一郎*; 石川 卓哉*; 山下 雅弘*; 大西 裕季*; 田中 伊知朗*; 栗原 和男; 新村 信雄*
no journal, ,
中性子回折法は水素原子位置を同定する有力な手段であり、中性子構造解析によってタンパク質や核酸における水素原子位置を含んだ水和構造を明らかにすることができる。既にわれわれはミオグロビンやルブレドキン, B型, Z型DNAなどの水和構造の決定に成功してきている。そこで明らかになった水和水の核密度ピークの形は4種類に分類にすることができ、われわれはこれを水和水の秩序性又は動的振る舞いから説明可能と考えている。水和水は双極子モーメントを持ちタンパク質周囲の電場に影響を与えていると考えられる。さらには、DNA周囲の水和水ネットワークはタンパク質による認識機構にかかわっていると考えられる。よって、水素を含んだ水和構造の決定はこれらのメカニズム解明に大いに貢献し得る。そこで、これまでの中性子構造解析の結果を"Hydrogen and Hydration DataBase for Bio-macromolecules"にデータベース化している。現在、さらに正方晶インスリン、リボヌクレアーゼA, ラクトグロブリン, アミラーゼ, 2Znインスリンの中性子構造解析を目指している。既にこれらの大型結晶化に成功し、試験的な中性子回折実験を行った。一部は本格的測定を完了し、構造解析が進行中である。