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松原 竜太*; 石寺 孝充; 江口 綾乃
NUMO-TR-25-03; 技術開発成果概要2024, p.83 - 88, 2025/10
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2024年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」で2024年度に実施したベントナイトコロイド影響評価に用いるデータ取得に関する成果についての概要をまとめたものである。
上田 祐生; 江口 綾乃; 徳永 紘平; 菊池 圭*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(19), p.6640 - 6649, 2022/05
被引用回数:3 パーセンタイル:9.92(Engineering, Chemical)近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流から廃電子機器などの二次資源からの白金族金属の効果的な分離・精製の向上が求められている。本研究では、Pt(IV)とPd(II)をpH変化のみで分離可能なウレア基を導入したイミダゾリウム型イオン液体(L1)を合成し、その抽出挙動を評価した。従来の有機溶媒-水抽出系におけるウレア型抽出剤では、Pt(IV)とPd(II)を同じpH領域で抽出してしまい、相互分離ができなかった。それに対し、本研究で合成したL1は、低pH領域ではPt(IV)選択性を、高pH領域ではPd(II)選択性を示した。UV-visおよびEXAFSスペクトルによる解析から、L1によるPt(IV)抽出では、外圏錯体を形成し、Pd(II)抽出では内圏錯体を形成していることが示された。さらに、従来の有機抽出系では第三相を生成するような高濃度のPt(IV)抽出後も、L1は第三相を生成することなくPt(IV)を抽出可能であった。
Atanassova, M.*; 岡村 浩之; 江口 綾乃; 上田 祐生; 杉田 剛; 下条 晃司郎
Analytical Sciences, 34(8), p.973 - 978, 2018/08
被引用回数:20 パーセンタイル:55.49(Chemistry, Analytical)疎水性イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
C
im][Tf
N])と水相間における4-ベンゾイル-3-フェニル-5-イソオキサゾロン(HPBI)および脱プロトン化体(PBI
)の分配定数とHPBIの酸解離定数を求め、硝酸水溶液から[C
C
im][Tf
N]へのHPBIによる3種類のランタノイドイオン(La
, Eu
, Lu
)の溶媒抽出を研究した。抽出相としてイオン液体を利用することにより、クロロホルム系と比較してランタノイドイオンに対するHPBIの抽出能が大幅に向上した。イオン液体系における軽,中,重ランタノイドイオンの抽出化学種の組成は、アニオン性錯体Ln(PBI)
であることが示された。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 早野 明; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 小田 治恵; 北村 暁; 大澤 英昭; et al.
JAEA-Research 2013-037, 455 Pages, 2013/12
原子力機構(JAEA)及び原子力発電環境整備機構(NUMO)は、平成24年度に引き続き、JAEAがこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に直接適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくことを目的として、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて検討した。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討については、平成24年度に引き続き、結晶質岩を対象とした地下水移行時間の評価ツリーを拡充するとともに、新たに堆積岩を対象とした評価ツリーを作成した。(2)シナリオの構築に関する検討については、平成24年度の状態設定手順を実務的な観点から見直し、緩衝材を対象として試行した。また、安全機能への不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討については、母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の条件変換手法を含む設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。さらに、溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。
蝶野 浩平*; 小林 大志*; 佐々木 隆之*; 江口 綾乃; 天野 由記
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物(HLW)から地下水中に溶出した核種と種々の有機酸との相互作用は、核種の見かけの溶解度や人工・天然バリアとの収着反応に影響を及ぼす。化学構造が不均質な高分子である天然腐植有機物(フミン酸, HA)の酸解離定数p
および核種との錯生成定数
は、その影響評価に不可欠なパラメータであるが、これらの値は溶存HAのHLWへの近接による放射線暴露により変化する可能性がある。本研究では3価4価核種の堆積岩への収着挙動に及ぼす有機酸影響について検討を進めるため、JAEA幌延深地層研究センターの地下水から抽出したフミン酸(幌延HA)に着目し、幌延HAのp
値や官能基当量などの化学的特性の吸収線量依存性を評価した。幌延HAの水溶液に最大100kGy(線量率0.1kGy/h)のガンマ線を照射したところ、照射線量の増加に伴いTOCが減少しており、分解等の反応の進行が示唆された。また、それとともに解離官能基当量は減少しており、カルボキシル基とフェノール基の官能基当量として解析すると、カルボキシル基の減少が顕著であることがわかった。
江口 綾乃; 安田 一貴*; 西川 義朗*; 根本 一昭*; 石寺 孝充
no journal, ,
The migration behavior of radionuclides in host rock needs to be investigated for the safe geological disposal of high-level radioactive waste. Because Natural organic matters (NOMs) present in the groundwater may form stable water-soluble complexes with radionuclides and these complexes may not be sorbed on host rock, NOMs will facilitate the migration of radionuclides in host rock. On the other hand, it is possible that those complexes are somewhat sorbed on host rock, and the effect of NOMs on the migration behavior of radionuclides has not been quantified. Therefore, it is necessary to quantitatively understand the sorption behavior of NOM to host rock in order to establish a nuclide-NOM-rock sorption model for safety assessment of geological disposal. In this study, the sorption behavior of NOMs on a sedimentary rock and montmorillonites was evaluated by sorption experiments. Two types of humic acid (HA) were used as representatives of NOMs. A pH dependence was observed in the distribution coefficient of HAs, indicating that difference in amount of carboxyl groups could affect the sorption of HAs onto the sedimentary rock and montmorillonite.
石寺 孝充; 小池 彩華*; 上野 吹佳*; 周藤 優子*; 江口 綾乃; 野中 麻衣; 吉田 芙美子*
no journal, ,
文献調査から精密調査においては、次の調査段階に進む判断根拠の一つとして安全評価を実施する。本検討では、安全評価に必要な収着分配係数、実効拡散係数を、取得した地質情報や調査地区の岩石試料を用いた試験に基づいて、保守性を考慮した上で段階的に設定する手順について検討した。
江口 綾乃; 岡村 浩之; 杉田 剛; 上田 祐生; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 平山 直紀*
no journal, ,
本研究では、抽出溶媒としてイオン液体(IL)アニオンのパーフルオロアルキル(Rf)基の炭素数が異なる4種類(n=0, 1, 2, 4)の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドを合成し、キレート抽出剤として2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を用いた、3価ランタノイドイオン(Ln(III) = La, Nd, Eu, Dy, Lu)の抽出に及ぼすILアニオンの疎水性および構造の効果を調べた。Ln(III)の抽出選択性は、全てのILにおいてLu
Dy
Eu
Nd
Laの順となり、ILアニオンのRf鎖長を変化させても抽出性に顕著な差は見られなかった。水相pHとLn(III)の分配比の対数のプロットの傾きからこれらILを用いたときの各Ln(III)の抽出化学種を検討したところ、ILアニオンのRf鎖長を変化させることで、抽出化学種を制御できることが示唆された。
江口 綾乃; 岡村 浩之; 杉田 剛; 上田 祐生; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 平山 直紀*
no journal, ,
本研究では、抽出溶媒としてイオン液体(IL)アニオンのパーフルオロアルキル(Rf)基の炭素数が異なる4種類(n =1-4)のILを合成し、ILキレート抽出へのILアニオンのRf鎖長の効果を検討した。キレート抽出剤、2-テノイルトリフルオロアセトンによる三価ランタノイドイオン(Ln(III)=La, Nd, Eu, Dy, Lu)の抽出を調べたところ、Rf鎖長nの偶奇によって抽出錯体が異なることが明らかとなった。
江口 綾乃; 岡村 浩之; 杉田 剛; 上田 祐生; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 平山 直紀*
no journal, ,
イオン液体(IL)はカチオンとアニオンの組合せを変えることで物性を調節できる。金属イオンの溶媒抽出においては、金属イオンがカチオンであることから、ILアニオンが金属イオンに作用し、抽出に影響を与えていると考えられるが、ILアニオンの構造効果についてはあまりよくわかっていない。そこで本研究では、抽出溶媒としてILアニオン側鎖の炭素数が異なる4種類(n=1-4)のILを合成し、2-テノイルトリフルオロアセトンによる三価ランタノイドのILキレート抽出におけるILアニオン側鎖の効果を検討した。ILアニオンの側鎖長nの偶奇によって抽出錯体の種類が異なることがわかった。ILアニオンの側鎖長によって、錯体に対するILの溶媒和の効果が異なることが原因であると考えられた。ILアニオンの側鎖は、抽出される錯体への溶媒和に影響し、抽出機構に関係していることが示唆された。
江口 綾乃; 紀室 辰伍; 天野 由記; 舘 幸男
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価するためには、放射性核種の岩盤中の移行を評価する必要がある。地下水中には、核種と安定な水溶性の錯体を形成する有機物が存在する。それらが核種と錯体を形成することで、核種が岩盤に収着しにくくなる可能性があることから、核種移行に対する有機物の影響を定量的に評価する技術の開発が必要とされている。本研究では、炭酸イオンおよびフミン酸(HA)共存下における堆積岩へのEuの収着挙動について評価を行った。岩石へのEuの分配係数の炭酸イオン濃度依存性を調べた結果、HAによるEuの収着低減効果が確認され、水相中のEuの化学種として岩石に収着しにくいHA錯体が支配的になることが原因と考えられた。また、HA共存時のEuの岩石への収着を、EuのHA錯体とそれ以外のEu化学種の形成、及びHA錯体以外のEu化学種の岩石への収着の組合せで表現するために、HA錯体(Eu-HA錯体,Eu-CO
-HA錯体)の錯生成定数を非線形最小二乗フィッティングにより算出したところ、Eu-HA錯体とEu-CO
-HA錯体の両方の形成を考慮した場合に、炭酸イオン全濃度範囲にわたって分配係数の傾向をよく説明できることが示された。
紀室 辰伍; 岩田 孟; 江口 綾乃; 西川 義朗*; 舘 幸男
no journal, ,
TRU廃棄物処分の性能評価上重要な元素の1つであるテクネチウム(
Tc)は、一般的に地下の還元的雰囲気では主に難溶性のIV価水酸化物(TcO
・xH
O)として存在すると考えられるが、有機物との錯生成によってその溶解度が増加し、移行挙動が変化する可能性がある。また、TRU廃棄物に含まれる有機物のうち、セルロースの分解生成物であるイソサッカリン酸(ISA)は、処分後の核種移行挙動評価に影響を及ぼすと考えられているものの、錯生成定数等の熱力学データが不足しており、基盤データを充実させていく必要がある。本研究では、IV価TcO
・xH
O(s)を初期固相とし、異なるpH,ISA濃度条件下におけるTc溶解度を測定し、その錯生成反応を検討した。その結果、Tc溶解度は[ISA] = 1
10
M以上の領域で顕著に上昇することが明らかとなった。また、フィルター孔径依存性があることから、Tc溶解種としてコロイド粒子の形成が示唆された。
江口 綾乃; 紀室 辰伍; 天野 由記; 舘 幸男
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価するために、放射性核種の岩盤中の移行挙動を評価する必要がある。地下水中の有機物は、核種と錯体を形成すると核種が岩盤に収着しにくくなることが指摘されており、核種の移行挙動に影響を及ぼす可能性がある。さらに、地下水中に有機物と共存する炭酸イオンは核種との錯生成において有機物と競合し得ることから、炭酸イオン共存下における核種移行に対する有機物の影響評価が必要となる。本研究では、地下水中の代表的な有機物であるフミン酸(HA)と、三価アクチノイドAm(III)のアナログ元素としてEu(III)を用いて、堆積岩へのEuの収着に対するHAの影響の炭酸イオン共存下での挙動を、収着試験とモデル評価によって調べた。Eu-HA錯体の形成とそれ以外のEu化学種の岩石への収着を考慮して、HAが共存する系の分配係数を計算したところ、幌延地下から抽出したHAでは、実験値と計算値が大きく乖離した。この原因として、Euの岩石への収着に、前述以外の反応が影響している可能性が考えられた。そこで、Eu-CO
-HA錯体の形成や、Eu-HA錯体の岩石への収着も考慮し、それらの平衡定数をパラメータとして非線形最小二乗フィッティングを行ったところ、それらの反応を考慮した場合の方が、分配係数の傾向をよく説明できることが示された。これにより、有機物錯体の形成の他に有機物錯体の岩石への収着なども考慮することが、有機物と共存する系のより正確な核種の収着モデルの構築において重要となることが示唆された。
佐藤 颯人*; 戸田 賀奈子*; 別部 光里*; 江口 綾乃; 天野 由記; 宮川 和也; 斉藤 拓巳*
no journal, ,
Geological disposal is a feasible option for the final disposal of high-level radioactive wastes. To evaluate its post-closure safety, it is necessary to know the reactions of radionuclides with geological media and their migration behaviors in deep underground environments. Among various biogeochemical reactions and processes, dissolved organic matters (DOM), which are ubiquitous in groundwater, can change the charges and sizes of radionuclides by forming complexes, adsorb on mineral surface, and catalyze redox reactions, thereby modifying the mobility of radionuclides and their interaction with rock surfaces. A main difficulty in understanding such DOM impacts on radionuclide migration is its diversity. The diversity of DOM originates from mixing of different endmembers in a given environment, being modulated by biotic or abiotic activities altering DOMs. In this research, we have tackled this by extensive sampling of groundwater from various boreholes at different depths in an underground research laboratory and extraction of DOM from them with solid-phase extraction, which were studied by fluorescence spectroscopy and high-resolution mass spectrometry. Integrated analysis of the two analytical techniques have revealed DOM components with different reactivity with Eu
and UO
together with their molecular characteristics. It was revealed that relatively strong reactivity of DOM with terrestrial origin against Eu
and UO
as well as weak one of DOM with marine origin could explain variability of DOM impact of radionuclide migration as a function of depth or the degree of mixing of between recharged meteoric water and connate seawater.
石寺 孝充; 周藤 優子*; 松原 竜太*; 上野 吹佳*; 江口 綾乃
no journal, ,
地層処分システムにおいて緩衝材に用いられる圧縮ベントナイトからのコロイド生成挙動について,流速・溶液組成をパラメータとした流水環境下でのコロイド生成試験により評価するとともに,試験後の圧縮ベントナイト中のNa・Ca濃度分布の分析と数値解析を実施し,得られた試験結果を検討した。
江口 綾乃; 松嶋 奏翔*; 大窪 貴洋*; 石寺 孝充
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けて、放射性核種と安定な錯体を形成し得る地下水中の天然有機物(Natural Organic Matter; NOM)が、放射性核種の移行挙動に及ぼす影響を検討する必要がある。NOM錯体が岩石や緩衝材に収着することで放射性核種の移行遅延が起きる可能性に着目して、本研究では、放射性核種と錯形成する代表的なNOMであるフミン酸(Humic Acid; HA)を用い、泥岩やモンモリロナイトに対するHAの収着挙動をバッチ収着試験により評価するとともに、収着挙動に及ぼす影響因子を検討した。HAの分配係数のpH依存性を調べたところ、Ca型モンモリロナイトへの収着ではpH依存性があまり見られず、Caイオンが粘土表面とHAとを架橋することによってHAの収着が起きていることが示唆された。
松嶋 奏翔*; 江口 綾乃; 深津 勇太; 舘 幸男; 石寺 孝充; 大窪 貴洋*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、人工バリアの一部として粘土材料の利用が検討されており、放射性核種の移行抑制機能が期待されている。地下水中に溶存する天然フミン酸は、放射性核種を吸着し、その移行を促進すると考えられている。このため、粘土鉱物表面でのフミン酸の移行メカニズムを理解することは、地層処分の安全性評価において重要な課題である。本研究では、粘土鉱物表面での天然フミン酸の移行挙動を解明することを目的に、分子動力学計算を用いてフミン酸の組成(カルボン酸炭素量)、カチオン種(Na(I), Ca(II))および粘土鉱物の表面電荷サイトがフミン酸の移行に及ぼす影響を体系的に評価した。フミン酸はカチオンを架橋して凝集体を形成し、Caイオンが共存イオンとして存在する場合、Naイオンの場合と比較してより大きな凝集体を形成した。また、凝集体の粘土表面への吸着・固定化は、カチオンを介した強いクーロン相互作用により起きることが確認され、移行距離は凝集体サイズが小さい場合により長距離となることが明らかとなった。
江口 綾乃; 森田 耕太郎*; 岡村 浩之; 平山 直紀*
no journal, ,
有機溶媒への金属イオンのキレート抽出では、配位子を用いて無電荷錯体を形成させる必要があり、抽出化学種として配位飽和(無水)錯体がより有利である。これに対して、イオン液体キレート抽出では、荷電化学種や配位不飽和(水和)化学種が抽出できる。本研究では、抽出剤として8-キノリノール(HQ)と2-メルカプトピリジン
-オキシド(HSPyO)を用いた1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N]、n=2, 4, 8)への3価金属イオン(Fe(III), Al(III), Ga(III), In(III))のイオン液体キレート抽出における二座配位子の効果を調べた。3価金属イオンの抽出選択性は、HQではFe
Ga
In
Al、HSPyOではFe
In
Ga
Alの順であった。すなわち、HSPyOはIn(III)の抽出に有利であることがわかった。HSPyOを用いたときのGa(III)の抽出率は、[C
mim][Tf
N]
[C
mim][Tf
N]
[C
mim][Tf
N]
クロロホルムの順であったが、HQでは逆の順番となった。これらの結果は、水相中の脱プロトン化した二座配位子濃度の差によるものと考えられる。
江口 綾乃; 岡村 浩之; 杉田 剛; 上田 祐生; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 平山 直紀*
no journal, ,
本研究では、抽出溶媒としてイオン液体(IL)アニオンのパーフルオロアルキル(Rf)基の炭素数が異なる4種類(n=1-4)の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドを合成し、キレート抽出剤として2-テノイルトリフルオロアセトンを用いた、3価ランタノイドイオン(Ln(III)=La, Nd, Eu, Dy, Lu)の抽出に及ぼすILアニオンのRf鎖長の効果を調べた。抽出挙動については、ILアニオンのRf鎖長を変化させてもIL間に顕著な差は見られなかった。水相pHとLn(III)の分配比の対数のプロットの傾きからこれらILを用いたときの各Ln(III)の抽出化学種を検討したところ、Rf鎖長nの偶奇によって抽出錯体が異なることが明らかとなった。
-オキシドによるイオン液体への3価金属イオンの抽出挙動江口 綾乃; 森田 耕太郎*; 岡村 浩之; 平山 直紀*
no journal, ,
2-メルカプトピリジン
-オキシド(HSPyO)は、ハードなOとソフトなSをドナー原子に持つ2座配位子である。HSPyOは有機溶媒だけではなくイオン液体(IL)に対しても溶解性が高いことから、ILキレート抽出における抽出剤としての利用可能性が期待される。本研究では、3価金属イオンである13族金属イオン(Al(III), Ga(III)およびIn(III))について、カチオンの疎水性が異なる1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N], n=2,4,8)を抽出溶媒として用い、HSPyOによるILへのキレート抽出挙動を調べた。金属間での抽出選択性はIn(III)
Ga(III)の順となり、Al(III)は全く抽出されず、HSPyOは比較的ソフトなIn(III)に有利に働くことがわかった。溶媒間で抽出能を比較すると、Ga(III)の抽出においてILs
クロロホルムとなり、この系ではILの方が抽出能は高いことがわかった。また、抽出化学種はどの金属も無電荷錯体M(SPyO)
であることが示唆された。