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口頭

異なるCl同位体組成のNaCl試料を用いた$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積導出

原 かおる*; 藤井 伸弥*; 加美山 隆*; 成田 祐樹*; 佐藤 博隆*; 片渕 竜也*; 岩本 信之; 中村 詔司; 藤 暢輔

no journal, , 

長寿命放射性核種$$^{36}$$Cl(半減期30万年)は、原子力や加速器分野において冷却材や遮蔽材に含まれる安定核種$$^{35}$$Clの中性子捕獲反応による放射化生成物である。$$^{36}$$Clの生成量の計算精度を高めるためには、$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積の精度を高める必要がある。本研究では、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)において、中性子核反応測定装置(ANNRI)のNaI(Tl)検出器を利用して、中性子捕獲反応の実験を行った。塩素単体では気体であり十分な密度の試料を用意することが難しいため、固体で化合物であるNaClを試料として用いた。ナトリウムの自然同位体は$$^{23}$$Naのみであるが、塩素の自然同位体は$$^{35}$$Clが76%、$$^{37}$$Clが24%である。$$^{23}$$Naと$$^{37}$$Clに起因するバックグラウンドの寄与を見積もるため、異なるCl同位体組成のNaCl試料を3種類用意し、中性子捕獲反応データを取得した。NaCl試料には特徴的な$$^{35}$$Cl, $$^{23}$$Na, $$^{37}$$Clの第一共鳴に由来するピークがそれぞれ0.4keV, 2.9keV, 8.3keVの位置にある。これらの共鳴ピークに対して解析を行うことで、$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積を0.02eVから1keVのエネルギー範囲で導出した。

口頭

PHITSを利用したANNRI-NaI検出器のスペクトル計算

原 かおる*; 藤井 伸弥*; 加美山 隆*; 成田 祐樹*; 佐藤 博隆*; 片渕 竜也*; 岩本 信之; 中村 詔司; 藤 暢輔

no journal, , 

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)におけるビームライン04では、中性子核反応測定装置(ANNRI)に設置されているNaI(Tl)シンチレーション検出器(NaI検出器)やGe半導体検出器を用いて中性子捕獲断面積測定が実施されている。本研究では、0.02eVから1keVの中性子エネルギー範囲での$$^{35}$$Clに対する中性子捕獲断面積の導出を目的として、NaI検出器を用いた実験を行った。試料には直径1cmのディスク状に成型されたNaClを使用した。実験データを解析し、$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積を導出するため、ANNRI-NaI検出器や検出器周辺の遮蔽材等を定義したPHITS入力ファイルを作成し、ANNRI-NaI検出器の$$gamma$$線波高(PH)や中性子飛行時間(TOF)スペクトルのシミュレーションを行った。本発表では、ANNRI-NaI検出器でのスペクトルの計算結果と共に、中性子捕獲断面積測定のデータ解析へのPHITSの利用について報告する。

口頭

MLF-BL04における$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積測定

原 かおる*; 藤井 伸弥*; 佐藤 博隆*; 成田 祐樹*; 加美山 隆*; 片渕 竜也*; 岩本 信之; 中村 詔司; 藤 暢輔

no journal, , 

低レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命放射性核種$$^{36}$$Clは、原子力や加速器施設の冷却材や遮蔽材に不純物として存在する安定核種$$^{35}$$Clが中性子を捕獲することによって生じる放射化生成物である。$$^{36}$$Clは水への溶解性が高いために環境への影響を考える上で、その生成量を把握する必要がある。$$^{36}$$Clの生成量見積もりの精度を高めるためには、$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積のデータが必要であるが、これまでに行われた実験ではデータが数十meVから数百eVのエネルギー領域にわたって欠如しているという問題がある。そこで、J-PARC・MLF(BL04)において、NaI(Tl)検出器を使って、3種類のNaCl試料に対する中性子捕獲断面積測定を飛行時間法により行った。3種類のNaCl試料に対する中性子捕獲反応データを利用して解析し、20meVから1keVの中性子エネルギー範囲における$$^{35}$$Clの中性子捕獲断面積を導出した。発表では、得られた断面積と評価済核データライブラリ(JENDL-4.0)の評価値とを比較し、議論する。

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