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向 高弘*; 小川 数馬*; 荒野 泰*; 小野 正博*; 藤岡 泰*; 出雲 三四六; 小西 淳二*; 佐治 英郎*
Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 44(Suppl.1), p.S617 - S618, 2001/05
腫瘍骨転移の疼痛緩和薬剤として、Re-HEDPが検討されているが、Re錯体の安定性が悪く、血液クリアランスの遅延、胃への集積が問題となっている。そこで本研究では、分子内にビスホスホネート構造と独立して安定なRe単核錯体を導入した新規薬剤の開発を計画し、MAMA-APBを設計した。合成したRe-MAMA-APBを緩衝液中でインキュベートしたところ、Re-HEDPに比べて安定であることが明らかとなった。また、Re-MAMA-APBをマウスに投与したところ、胃への放射能集積を示すことなく、骨への高い集積性と速やかな血液から消失を示し、その結果、骨と血液との放射能集積比を大きく向上した。以上の結果は、骨を標的とする放射性薬剤の開発に有用な知見を与えるものと考えられる。
小川 数馬*; 小野 正博*; 藤岡 泰*; 佐治 英郎*; 向 高弘*; 小西 淳二*; 上原 知也*; 荒野 泰*; 小野間 克行
核医学, 37(5), P. 577, 2000/09
Reとbisphosphonate(BP)のひとつであるHEDPとの多核錯体であるRe-HEDPは、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として期待されているが、生体内での安定性が乏しいことが問題である。そこで生体内で安定なRe標識骨疼痛緩和剤の開発を目的として、BPの炭素側鎖にReと安定な錯体を形成する部位を結合した化合物を設計した。目的とする化合物は総収率2.7%で合成された。Re標識は、Re標識glucoheptonateとの配位子交換反応により行い、放射化学的純度は95%以上であった。なお、本標識化合物の体内動態については、現在検討をすすめている最中である。