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塙 善雄; 出雲 寛互; 深作 秋富; 長尾 美春; 河村 弘
JAEA-Review 2008-023, 55 Pages, 2008/06
2008年度から開始されるJMTRの二次冷却系統の更新工事に先立ち、JMTR再稼動後の二次冷却系統の長期使用を確実なものにするため、二次冷却系配管の健全性調査を実施した。その結果、二次冷却系配管の配管内面のライニングには、クラック、ふくれ、剥離が確認されていたが、二次冷却配管に腐食はほとんど発生していなかったことを確認した。JMTR再稼動後の使用に関しては、JMTR改修期間中に配管内面ライニングを補修しておくことが必要であり、また、補修後もライニングの健全性を定期的に点検する必要がある。
中桐 俊男; 堀切 守人; 加藤 章一; 加瀬 健; 青砥 紀身; 高森 裕二*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-056, 98 Pages, 2004/09
高速増殖炉(FBR)の熱を利用した水素製造方法として提案されたハイブリッド熱化学法の原理実証試験を実施し、本法による水素製造を実証するとともに、さらなる長時間運転および1Nリットル/h水素製造装置開発への課題を摘出した。(1)最大5hの連続運転を行い、ハイブリッド熱化学法により、水から水素と酸素を同時に安定的に発生させることが可能であることを実証した。4回の全系統運転試験における電流値から評価された水素発生速度は 4.03 ミリリットル/h 5.04ミリリットル/h、酸素量は 2.07ミリリットル/h 2.78ミリリットル/hであり、4回の試験の水素量および酸素量の合計は、それぞれ、35.00ミリリットルおよび20.99ミリリットルであった。(2)最高約550度Cの硫酸流通部位に対し、金メッキを施したステンレス製等の機器および配管を使用した結果、硫酸が気体状であると考えられたSO3電解装置内には有意な腐食は認められず、YSZおよびPtメッキ焼成電極の酸素イオン導電性の低下も認められなかった。しかし、SO3電解器出口配管内に凝縮硫酸によると見られる金メッキステンレス配管の腐食が見られた。(3)現状装置での100時間連続運転および新たに1Nリットル/hの水素発生装置を開発するために必要な課題の摘出を行った。
長谷部 慎一; 小林 澄男; 田中 宏*; 茨城 幸一*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-034, 73 Pages, 2004/03
原子カプラントにおいて温度が異なる流体が合流する領域では、流体の混合に伴って温度変動が発生するため、繰返し熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。本研究では、温度変動の周波数効果を取り入れた高サイクル熱疲労評価法の検証データを取得することを目的として、高サイクル熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて周期20秒の正弦波温度変動試験を実施した。試験体には円筒状のSUS304鋼を使用し、管内のNa流量を30リットル/minに保持しながら、Na温度を平均425度-C、振幅200度-Cで正弦波状に制御した。得られた結果は以下の通りである。(1)SPECTRAにより周期20秒の温度変動を試験体に与えて、評価法の検証に有効な 強度データを得ることができた。き裂は約157,150サイクルで試験体を貫通した。(2)試験体上流部の内面には、軸方向に沿ったき裂が多く観察された。大気中疲労試験 により試験体の軸方向と周方向に強度差があることを確認し、高サイクル側では異方 性の影響が現れ易いために、き裂が軸方向に分布したことを明らかにした。(3)き裂発生境界は、き裂(個数、深さ)と軸方向距離の相関から求めた近似曲線により、試験体上流部テーパー端から約430mm下流の位置にあると推測した。(4)内面から発生したき裂は、12mm深さまで粒内を進展するが、その後は粒界に沿って進展する。粒内破面の一部にはストライエーションが形成されたが、粒界破面では観察されなかった。今後は、周期2秒、5秒、10秒、40秒の正弦波温度変動試験を実施し、周波数応答性が構造材のき裂発生と進展挙動に与える影響を確認する予定である。
小林 澄男; 長谷部 慎一; 田中 宏*; 茨城 幸一*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-033, 65 Pages, 2004/02
原子カプラントにおいて高温と低温の流体が合流する領域では,流体の不完全な混合に伴って温度変動が発生するため,接液する構造物の高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)による破損を防止する必要がある。そこで,サーマルストライピング現象による温度変動が構造物のき裂発生と進展挙動に及ぼす影響を解明するため,構造物熱過渡強度試験施設(TTS)を改造して,高サイクル熱疲労試験装置(SPECTRA)を開発した。 SPECTRAは,電磁ポンプにより600deg-Cと250deg-Cのナトリウムの混合割合を制御して内径66.9mm,肉厚11.1mm,全長1600mmの配管形状試験体内のナトリウム温度を正弦波状に変動することができる。この装置を用いてステンレス鋼における温度計測試験を実施し,以下の事項を確認した。(1)平均温度425deg-C,温度変動振幅200deg-Cにおいて,周期2秒40秒の範囲でナトリウム温度を正弦波状に変化させて,長期間,安定して試験を継続することができる。(2)温度変動振幅は,試験体軸方向に対して線形的に減衰する。(3)試験体板厚内の温度変動振幅の伝達特性は,既存の関係式と良く一致している。(4)短周期と長周期を重畳させた温度変動についても制御が可能である。今後は,本温度計測試験結果に基づいて,ステンレス鋼の試験体に対して正弦波温度変動試験を進める計画である。