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福谷 耕司*; 藤井 克彦*; 知見 康弘; 端 邦樹
Proceedings of 19th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), p.523 - 531, 2019/08
軽水炉の炉内構造物の構造健全性評価に資するため、中性子照射したオーステナイト系ステンレス鋼の最新の引張特性データベースを用いたデータフィッティングにより、引張特性の中性子照射量依存性を示す経験式と、応力-ひずみ関係を示す傾向曲線を提案した。データベースに収められた引張特性データは、日本の国家プロジェクトの報告書と公開文献から得られたもので、データシートの形でまとめた。引張特性の中性子照射量依存性を示す経験式は、冷間加工316と溶体化304/316ステンレス鋼に対し、照射量の増加に伴って飽和する式に基づき、温度範囲280-350C、損傷量範囲で最大80dpaを対象として検討した。また、応力-ひずみ関係を示す曲線はSwiftモデルに基づいて検討した。こうして得られた経験式と応力-ひずみ関係の計算結果は、実験値によく一致した。本論文では、組成と冷間加工等、材料の相違の影響について議論した。
笠原 茂樹; 知見 康弘; 端 邦樹; 福谷 耕司*; 藤井 克彦*
Proceedings of 19th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), p.1345 - 1355, 2019/08
本研究では、BWR炉内構造物の構造健全性評価に資することを目的として、中性子照射影響を適切に反映したオーステナイト系ステンレス鋼のIASCC亀裂進展速度に係る経験式を開発した。亀裂進展速度の経験式は、応力拡大係数Kと亀裂成長速度(da/dt)との間の関係式da/dt=MKに基づき、Mとnは中性子照射量の増加に伴って飽和する関数として扱った。経験式の開発に当たっては、照射ステンレス鋼を用いたBWR通常炉水条件(NWC)及び水素注入条件(HWC)模擬環境下での照射後試験で得られた亀裂進展速度の文献データを収集したデータセットを用いた。データセットと構築した経験式を比較したところ、NWCの計算結果はデータセットと良く一致したが、HWCは合致しなかった。この理由として、HWC条件下での試験データが広範囲にばらついていたことが考えられる。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 藤本 浩二*; 藤井 克彦*; 知見 康弘
JAEA-Review 2018-013, 171 Pages, 2019/01
軽水炉の炉内構造物については、構造材料であるオーステナイト系ステンレス鋼の中性子照射による経年劣化を評価・予測した上で、健全性評価を行う必要がある。そのためにはステンレス鋼の物性値の照射量依存性等の知見が不可欠である。照射材の物性の代表値や最確値等を議論するには既往データの整理が有効であり、その際、炉内構造物の使用条件が異なる加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉を明確に区別し取り扱うことが重要である。本調査では、照射ステンレス鋼の材料特性を評価した公開文献を網羅的に収集し、データ集を作成した。作成にあたっては、PWRに相応する温度や中性子照射等の条件をスクリーニングの基準として照射データを抽出するとともに、化学成分, 加工熱処理等の材料条件, 照射条件及び試験条件を調査した。これらのデータを物性値ごとにデータシートへ収録し、データ集として整備した。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 越石 正人*; 藤井 克彦*; 知見 康弘
JAEA-Review 2018-012, 180 Pages, 2018/11
軽水炉の炉内構造物については、構造材料であるオーステナイト系ステンレス鋼の中性子照射による経年劣化を評価・予測した上で、健全性評価を行う必要がある。そのためにはステンレス鋼の物性値の照射量依存性等の知見が不可欠である。照射材の物性の代表値や最確値等を議論するには既往データの整理が有効であり、その際、炉内構造物の使用条件が異なる沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉を明確に区別し取り扱うことが重要である。本調査では、照射ステンレス鋼の材料特性を評価した公開文献を網羅的に収集し、データ集を作成した。作成にあたっては、BWRに相応する温度や中性子照射等の条件をスクリーニングの基準として照射データを抽出するとともに、化学成分, 加工熱処理等の材料条件, 照射条件及び試験条件を調査した。これらのデータを物性値ごとにデータシートへ収録し、データ集として整備した。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 知見 康弘; 藤井 克彦*; 越石 正人*
no journal, ,
軽水炉炉内構造物用ステンレス鋼を対象に照射特性に関する国内外の文献を広範に調査して取りまとめ、BWR一次系水模擬環境下での304L及び316Lステンレス鋼の亀裂進展速度データを用いて、亀裂進展速度と応力拡大係数の関係(da/dt=A・K)に及ぼす中性子照射量の影響を検討した。その結果、応力拡大係数の指数nは照射量の増加とともに減少、飽和する傾向が認められ、照射量の増加に伴って亀裂進展速度の応力拡大係数依存性は小さくなることがわかった。また、破壊靭性データの照射量依存性を検討し、10dpa程度でほぼ飽和する傾向式を得た。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 知見 康弘; 藤井 克彦*; 越石 正人*
no journal, ,
軽水炉の炉内構造物用オーステナイト系ステンレス鋼の亀裂進展速度と応力拡大係数の相関への中性子照射の影響評価の一環として、BWR通常一次系水(NWC)及び水素注入(HWC)模擬環境下での照射ステンレス鋼の亀裂進展速度の傾向式を構築した。傾向式の検討に当たっては、試験結果の一次情報に遡って精査可能な公開文献に記載された亀裂進展速度, 応力拡大係数及び中性子照射量等のデータを用いた。NWC及びHWCそれぞれの傾向式より、NWCでの亀裂進展速度は照射量3dpaまでに大きく増加して飽和する傾向を示すこと、HWCでの亀裂進展速度の照射量依存性はNWCに比べて緩やかでかつ低い値で飽和する傾向を示すことが判った。
福谷 耕司*; 知見 康弘; 笠原 茂樹; 藤井 克彦*; 藤本 浩二*
no journal, ,
軽水炉炉内構造物用ステンレス鋼を対象に照射特性に関する国内外の文献を広範に調査して取りまとめ、PWR炉内条件における引張特性とIASCC発生の照射量依存性を検討した。290350Cにおける316ステンレス鋼冷間加工照射材の引張試験データに対し、降伏応力等が照射量の増加に伴って飽和する傾向を良く表現する傾向式を構築した。また290340Cにおける冷間加工316ステンレス鋼のIASCC発生データに基づき、IASCC発生しきい応力の照射量依存性に関する下限を包絡する傾向式を構築した。
福谷 耕司*; 藤井 克彦*; 知見 康弘
no journal, ,
軽水炉の炉内構造物用オーステナイト系ステンレス鋼の引張特性に対する中性子照射の影響を適切に評価するため、照射ステンレス鋼の引張特性に関する既存のデータベースに最新の文献データを追加して、照射量依存性を調べた。照射量の増加に伴う引張特性の飽和傾向を適切に再現できる基本式を用いて、照射条件, 鋼種, 加工熱処理条件等で分類したデータに対して最適な照射量依存性の傾向式を作成した。発表では各傾向式の比較により、引張特性の照射挙動に及ぼす各条件の影響を検討した結果について報告する。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 知見 康弘; 藤井 克彦*; 端 邦樹
no journal, ,
軽水炉の炉内構造物の構造健全性評価には、オーステナイト系ステンレス鋼への中性子照射影響を適切に反映したIASCC亀裂進展速度線図が必要である。本研究では、応力拡大係数Kと亀裂成長速度(da/dt)との間の関係式da/dt=MKに基づき、BWR一次系模擬環境下で得られたIASCC亀裂進展速度データから各係数の最適化を行い、IASCC亀裂進展速度の実験式を構築した。Mとnは中性子照射量の関数として扱い、係数最適化ではBWR一次系でのNWCおよびHWCのそれぞれを模擬した条件下で得られたデータを用いた。構築した実験式とデータを比較し、実験式の 妥当性について検討した。
知見 康弘; 福谷 耕司*; 笠原 茂樹; 藤井 克彦*; 塙 悟史
no journal, ,
軽水炉炉内構造物の経年劣化評価に資するため、ステンレス鋼の照射特性に関して国内外の文献を広範に調査してデータを取りまとめた。今回の調査では、照射ステンレス鋼の機械的特性(引張特性, 硬さ, 破壊靭性)、IASCC特性(IASCC感受性, IASCC発生, IASCC進展)、応力緩和・クリープ・スエリング、ミクロ特性(ミクロ組織, 粒界偏析)を対象として既存データを収集し、試験条件や利用対象を考慮してPWRとBWRに分けてスプレッドシートの形で整理した。また、照射特性の照射量依存性等に関する既往研究の調査により得た知見を踏まえて、機械的性質, IASCC特性等に関する傾向線を検討した。本発表では、今回の調査の全体概要について報告する。