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論文

J-PARC加速器用大電力クローバー回路用半導体スイッチ

小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 876, 2023/11

J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。また、今後実施予定である3/4スケール(90kV, 40kA)での動作性能を確認するにあたり、超高圧試験回路の検討を行った。

論文

大電力クローバー回路用半導体スイッチ

小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.395 - 399, 2023/01

J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50$$mu$$sの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、基板ごとに高圧トランスが必要となり、トランスの設置場所や部分放電(コロナ放電)を考慮する必要がある。本機器では、高圧トランスを用いず、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。

論文

J-PARCにおける加速器用パルス電源の半導体化

高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01

J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2$$mu$$sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830$$mu$$sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。

論文

Development of combined-function multipole permanent magnet for high-intensity beam transportation

不破 康裕; 高柳 智弘; 岩下 芳久*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4006705_1 - 4006705_5, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)

大強度ビームを輸送するための手法としてJ-PARCリニアックにおいて多重極磁石を用いた空間電荷補正法が提案されている。この方式を実現するための機器として永久磁石を用いた複合多重極磁石を製作している。この多重極磁石ではビームを収束する四極成分に加えて空間電荷効果を補正する八極磁場成分を発生することができる。本項では製作した磁石システムの設計製作した磁石の機能と磁気的な特性を報告する。

論文

Design of beam focusing system with permanent magnet for J-PARC LINAC MEBT1

不破 康裕; 守屋 克洋; 高柳 智弘

Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.364 - 367, 2022/09

J-PARC LINACのMEBT1 (Medium Energy Beam Transport 1)は、RFQ (Radio Frequency Quadrupole)とDTL (Drift Tube Linac)の間に位置する3MeVビームの輸送系である。この区間ではDTLへの入射ビームのマッチングや後段の3GeVシンクロトロンの加速周期に合わせたビームのチョップを行っており、MEBT1の特性はJ-PARC加速器施設におけるビームの品質を決める重要な要素である。1MWおよびそれを超えるビーム出力を目指すにあたり、MEBT1の安定性および信頼性向上は重要な開発項目となっており、ビーム集束系への永久磁石の適用を検討している。本発表では、MEBT1への導入に向けた永久磁石を用いた集束磁石の設計およびその集束磁石を用いる場合のMEBT1のラティス検討結果を報告する。

論文

Properties of praseodymium permanent magnet for cryogenic hybrid magnet

不破 康裕; 岩下 芳久*; 近藤 晃弘*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4007304_1 - 4007304_4, 2022/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)

強磁場の発生は加速器を含む先端研究を遂行するための重要な技術である。NbTIやNb$$_{3}$$Sn,高温超伝導材を用いたハイブリッド磁石は強磁場の発生に使用することができるが、Nb$$_{3}$$Snや高温超伝導材は材料コストが高い。そこで永久磁石をハイブリッド磁石に加えることで1T分の磁束密度を発生することができ、コストの高い線材の使用量が少なくすることができると期待できる。先行研究においては100Kまでの低温環境における永久磁石の磁化特性が調べられてきたおり、ネオジム磁石の磁化が100Kで減少することが知られている。一方で、ネオジムの代わりにプラセオジウムを使用した永久磁石では100Kにおいても磁化量が減ることなく保磁力も7T程度の値である。本研究では、プラセオジウム永久磁石の磁化特性を4Kの極低温において測定した。その結果、4Kにおいてプラセオジウム磁石の磁化は減少することなく10Tの保磁力を有することが明らかとなった。

論文

High density mapping systems for SRF cavities

不破 康裕; 岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*

Proceedings of 20th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2021) (Internet), p.323 - 325, 2022/05

超伝導空洞の性能評価のため、空洞温度、電解放出X線、捕獲磁束の分布を高い位置分解能で測定するマッピングシステムを開発している。高い位置分解能を有するシステムを構築するには数多くのセンサーが必要であるが、センサーの個数が増加するとそれに伴い配線の量も増加するため低温用器内の配線が複雑さが増すことや配線を通じた熱侵入も大きくなるなど効率的な実験を妨げる要因となる。そこで本研究では、空洞試験を行う低温用器内でセンサーと同一基板上に読み出し信号をスキャンするマルチプレクサーを設置した効率的なマッピングシステムを開発している。本発表では開発中のマッピングシステムの概要と試験結果を報告する。

論文

J-PARCクライストロン高圧電源における電圧ドループの影響解析

不破 康裕; 小野 礼人; 高柳 智弘; 篠崎 信一; 溝端 仁志*; Fang, Z.*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.780 - 782, 2020/09

J-PARCリニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧110kVのアノード変調型電源で、1台の直流高圧電源に対して最大で4本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを1台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数はJ-PARC建設当初に導入され、残りの半数はリニアック400MeVアップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を議論した。

論文

J-PARC用324MHzクライストロンの特性評価

不破 康裕; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平根 達也; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 溝端 仁志*; 岩間 悠平*; 佐藤 福克*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.611 - 613, 2019/10

J-PARCリニアックでは、324MHzと972MHzのクライストロン計45台を用いて加速器の運転が行われている。J-PARCの今後の安定化及び高度化に際しては、最大出力付近でのクライストロン出力特性の正確な把握が重要となる。この特性の把握には使用前のクライストロンはもちろんのこと、放電など何らかの理由で交換されたクライストロンの特性測定が不可欠である。しかしながら、放電による周辺機器を含めた損傷などのリスクや加速器の運転との時間的な干渉が理由で、このような測定はこれまで実施されてこなかった。そこで、リニアック棟内にクライストロンテストスタンドを設置し、様々な運転パラメータにおけるクライストロンの高圧特性や入出力特性を測定した。この測定結果を用いることでインストール前にクライストロンの特性が把握でき、最適な運転パラメータの決定や効果的なクライストロン交換の計画が可能となった。また、使用前と使用済みのクライストロンの特性を比較することでクライストロンの劣化傾向を定量的に把握するための基礎データを取得した。

論文

画像処理技術を応用した超伝導空洞内面検査システムの高度化

栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 広田 克也*; 早野 仁司*; 不破 康裕

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.32 - 35, 2019/10

超伝導高周波加速空胴の高加速電界化の研究開発が世界の加速器研究機関で行われているが、空洞内表面に発生する欠陥が高加速電界化を阻害する要因となることが先行研究より明らかとなっている。そのため、超伝導空胴内表面の状態を光学的に可視化する「超伝導加速空胴の内面検査システム」の開発が行われ成果を挙げている。本研究では、近年発展が著しい画像処理技術を内面検査システムに適用し、欠陥発見手法の高度化を行った。内面検査用カメラで焦点位置を変化させながら取得した複数の画像から、深さ情報の抽出と画像合成を行った。また処理後の画像にパターン認識処理を施すことで、欠陥の自動検出が可能となった。これらを空胴内面検査システムに取り入れることで、欠陥探索のスキャン時間の短縮や欠陥形状の取得が可能になる。

論文

永久磁石を用いた補正磁石の改良

阿部 賢*; 岩下 芳久*; 照沼 信浩*; 不破 康裕; 八子 丈生*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.700 - 702, 2019/10

国際リニアコライダー(ILC)のダンピングリングへの永久磁石の適用を研究している。電磁石を永久磁石に置き換えることで、コイルを励磁するための電力や電源の保守コストだけでなく、冷却水の漏洩事故も減らすことが可能となる。ダンピングリングには偏向磁石と軌道補正磁石が使用されており、本研究では3D磁場コードCST Studioを用いて永久磁石を使用した補正磁石内の磁場分布を解析している。軌道補正磁石では、ビーム軌道の誤差を修正するために、発生させる磁場の極性と強度が可変であることが要求される。本研究では、補正磁石内の磁気回路中の永久磁石に回転機構を搭載することで、発生磁場の調整を可能にした。また、不正多極磁場によるビーム品質の劣化を抑制するために磁気回路の部材形状の最適化を行い、実機へ搭載可能な磁石設計を確立した。

論文

中性子照射によるフェライト永久磁石の放射線耐性の測定

八子 丈生*; 岩下 芳久*; 阿部 賢*; 栗原 俊一*; 福田 将史*; 佐藤 将春*; 杉村 高志*; 不破 康裕; 高宮 幸一*; 飯沼 勇人*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1003 - 1005, 2019/10

永久磁石は低消費電力化や小型化を目的としてビーム光学素子の素材として用いられているが、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石では放射線減磁が起こることが知られている。しかし強度が弱いながらも安価な、フェライト磁石の放射線減磁については十分な情報が無い。フェライト磁石のビーム光学素子の素材としての適合性を検証するために、京大複合研原子炉(KUR)でフェライト磁石の中性子照射による放射線減磁実験を行った。実験では、最大$$10^{17}$$cm$$^{-2}$$に相当する中性子線量で照射を行ったが、有意な減磁は検出されなかった。この減磁特性は一般的に使用されているネオジム磁石よりフェライト磁石の放射線減磁耐性が高いことを示しており、より高い線量領域での減磁傾向の計測を計画している。

口頭

PHITSを用いた高エネルギー陽子ビームによる発熱解析

不破 康裕*; 岩元 大樹; 西原 健司

no journal, , 

本研究では3次元粒子輸送計算コードPHITSを用いて、高エネルギー陽子ビームによるターゲットの発熱実験の解析を行った。解析では、銅と鉛をターゲットとして行われた過去の実験体系を模擬し、20MeV以上の核反応計算に高エネルギー核データJENDL-HEと核反応モデル(JAM、Bertiniモデル)を用いて発熱量を計算した。実験値との比較により、JAMとBertiniの両モデルは実験結果を精度よく再現する一方で、JENDL-HEを用いた場合は発熱量を著しく過大評価することがわかった。核反応モデルとJENDL-HEを用いて放出粒子の二重微分断面積を調査した結果、JENDL-HEによる発熱量の過大評価は、JENDL-HEに含まれる光子生成断面積の評価値に起因することがわかった。

口頭

Permanent magnet multipoles for hadron beam transportation

不破 康裕; 岩下 芳久*

no journal, , 

量子ビーム応用の展開において、ビームの大強度化は効率的なビーム利用につながる重要な開発項目である。その大強度化を実現する上で最も重要な項目の一つが空間電荷効果を原因とするエミッタンス増大の抑制である。本研究では新たな空間電荷効果抑制を可能とする手段として提案された、ビーム輸送ラインへの多極磁石成分の印加を実現する磁石の基礎設計について報告する。この磁石では効率的に多極成分を発生させるために永久磁石を用いており、その永久磁石に可動機構を持たせることで多極成分強度を調整することができ多様なパラメータのビーム輸送に利用することができる。

口頭

永久磁石放射線減磁評価のための磁化測定手法

不破 康裕; 栗山 靖俊*; 岩下 芳久*

no journal, , 

加速器のビーム光学系などに使用する永久磁石材料の磁気的特性に関する放射線耐性を評価するため、京都大学研究用原子炉を用いて中性子照射による放射線減磁を測定している。減磁評価においては中性子照射前後の磁化を正確に測定することが肝要であるが、ホールプローブを用いて磁場を測定した場合にはプローブ位置による測定値の変位が大きく減磁評価の誤差の原因となっていた。そこで系統誤差を抑制した磁化測定を実現するために、コイル近傍で磁石を回転させてコイルを貫く磁束の変化による誘導起電力の大きさから磁化の大きさを測定する手法を開発した。この磁石回転式の磁化測定法を採用することで、測定値の誤差を0.1%まで低減させることが可能となり放射線減磁の測定精度が向上した。

口頭

J-PARCリニアックにおける複合多重極磁石を用いた空間電荷効果抑制についての解析

不破 康裕; 守屋 克洋; 高柳 智弘

no journal, , 

J-PARCリニアックの大強度運転において低エネルギー部における空間電荷由来のエミッタンス増大やビームハロー形成に起因するビームロスの抑制が必要とされている。空間電荷効果を抑制する手法として8極磁場など高次の多重極磁場により空間電荷効果の高次成分を打ち消す事が提案されている。本講演では空間電荷効果抑制のためにJ-PARCリニアックのMEBT1用に製作された多重極磁石の特性とその発生磁場分布を基に解析した空間電荷効果抑制に関するシミュレーション結果を報告する。

口頭

J-PARC重イオン計画におけるリニアックラティスの設計検討

守屋 克洋; 原田 寛之; 近藤 恭弘; 田村 潤; 神谷 潤一郎; 不破 康裕; 松田 誠; 株本 裕史; 金正 倫計; 小栗 英知

no journal, , 

J-PARC加速器は2018年に設計ビーム出力1MW相当の連続運転に成功した。世界に目を向けると、設計ビーム出力を実現した加速器では、その後更なる大出力ビームの実現や加速器の複合利用等、将来に向けた加速器利用を検討・実現している施設がほとんどである。J-PARC加速器でも将来計画を考えており、その一つがJ-PARC加速器の重イオン加速である。本報告では、重イオン用前段加速器(リニアック)の設計検討状況について報告する。J-PARC重イオン計画でリニアックを設計する理由は3つある。一つは現状のJ-PARCリニアックは陽子加速専用に設計されているため、重イオンを加速できない。また、世界の重イオン加速器では、後段の加速器を新たに製作するため建設費用が掛かるのに対して、J-PARCは後段の加速器を再利用することで建設費用を抑えることができる。最後に、原子力機構ではタンデム加速器を有しており、この後継機としても重イオンリニアックが活用できる。設計には世界の重イオンリニアックを参考に、既存のタンデム加速器後段の超電導加速器を再利用できるようにラティスを見直し、例として34価ウラン238を想定して8MeV/uまで加速ができるように設計を行った。これは既存ユーザーが実験可能な核種とエネルギーである。

口頭

Neutron mirror with magnetic repulsive wall

不破 康裕; 栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 広田 克也*; 山田 雅子*; 北口 雅暁*; 清水 裕彦*

no journal, , 

磁気勾配による反射を用いた中性子ミラーは開発中である。中性子は磁気双極子モーメントを持つため、磁場勾配により力を受ける。この現象を利用し、永久磁石をハルバッハアレイの平面状に配置することで、中性子に対するポテンシャルウォールを形成することができる。このポテンシャルウォールは偏極中性子ビームのミラーとして機能する。これまでに高さ20mm、幅30mmのミラーを試作し、JRR-3のMINE2ポートで予備的な中性子反射実験を行った。次のステップとしてより大きなサイズのミラーを製作し、J-PARC MLFで実験を行う予定である。本発表では、ミラーの原理、JRR-3での予備実験結果及びJ-PARCでの実験に向けたミラー製作状況について報告する。

口頭

中性子磁気能率と磁場勾配の相互作用を用いた中性子ビーム操作

不破 康裕; 岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 山田 雅子*; 広田 克也*; 北口 雅暁*; 清水 裕彦*

no journal, , 

中性子はスピンに随伴する磁気能率を有するため、磁場の勾配との相互作用により力を受ける。この力の向きは磁場勾配ベクトルの向きと一致し、スピンの向きに応じて逆方向に力が働く。この力を活用することにより中性子ビームを操作することができる。ビーム軸に対して横方向に磁場勾配を設けるとビームが偏向作用をうける。したがって、6極磁石を用いて磁場を発生させるとビーム軸中心からの距離に比例して磁場勾配が変化するため、レンズと同様の作用を生じ、中性子ビームを集束させることができる。また、永久磁石を平面上にハルバッハ配列で並べて面の法線方向に一様に磁場勾配を発生させることで、中性子ビームの反射壁が形成でき、これをダクト状に組み合わせることでガイド管とすることができる。ビーム軸に対して縦方向に磁場勾配を配置すると中性子のエネルギーを変化させることができる。このエネルギーの変化は中性子がただ通過した場合はその積分値がゼロとなるが、磁場勾配中でスピンを反転させると反転させた場所の磁束密度に対応するエネルギーで中性子ビームを加減速することができる。これを応用することで中性子ビームの空間的な集群やエネルギー変調が可能となる。本発表では、中性子ビーム操作のために開発している機器の原理と構成、および今後計画している実験を概説し、それらの応用可能性を議論する。

口頭

Magnified wavelength-dependent neutron imaging with modulating permanent magnet sextupole lens

不破 康裕; 岩下 芳久*

no journal, , 

中性子の磁気モーメントは磁場の勾配との相互作用により力を受け、磁場勾配がレンズ軸からの距離に比例する6極磁石は中性子ビームのレンズとして機能する。6極磁場の大きさが固定されている場合にはレンズの焦点距離は中性子の波長とともに変化するが、パルス中性子のTOFに同期して磁場の強さを変調することにより、中性子ビームの焦点距離を広い波長範囲で一定に制御することができる。本研究では磁場変調機能を有する中性子レンズを開発し、拡大光学系を用いたイメージングの実現を目指している。HUNS(北海道大学中性子源)で行われた予備実験では、9から13Aの波長範囲の中性子に対して4倍の拡大倍率でのイメージングが実証した。拡大倍率とカバーする波長範囲は、磁石の変調強度とレンズユニットの数を変えることで調整可能である。この光学系を拡張することで、顕微鏡として機能する波長依存イメージングが可能になる。

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