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北村 遼; 不破 康裕; 栗山 靖敏*; 宮尾 智章*
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.233 - 234, 2024/10
The source of the leakage beam from the RF chopper in the MEBT1 of the J-PARC linac should be identified to reduce the beam loss towards the upgrade of the beam power of the J-PARC accelerators. The investigation of the leakage beam was carried out using the bunch-shape monitor in the MEBT1. As for the longitudinal measurement, the sensitivity of the beam monitor is important. As for the horizontal measurement using the BSM, it is an useful method to identify the source of the leakage beam. Some findings show the complexed beam behavior in the MEBT1.
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*
Journal of Instrumentation (Internet), 19(9), p.P09037_1 - P09037_15, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)Electrons emitted via field emission during superconducting (SC) radio-frequency (RF) cavity tests at vertical test stands often collide with the iris region inside the cavity, generating X-rays at these locations. In 1.3GHz 9-cell SC RF cavities designed for the International Linear Collider (ILC), stiffener rings located outside the iris region between cells can interfere with X-ray detection, complicating the precise identification of field emission sites. Hence, we developed a high-density strip X-ray mapping systems (sX-map) that can be inserted into the iris region of ILC-type 9-cell SC RF cavities. This sX-map facilitates efficient and accurate detection of X-rays generated near the irises, unaffected by the presence of stiffener rings. The sX-map consisted of 32 sensors per strip, with sensors spaced approximately 10 mm apart. It was deployed in every iris of the 9-cell cavity, using a total of 320 sensors. A multiplexer was employed to facilitate the readout of a large number of detectors using a minimal number of signal lines, connecting the strips inside within the vertical test cryostat. In a vertical test conducted at Jefferson Lab (JLab), we demonstrated the capability of sX-map to detect X-rays despite the presence of a stiffener ring. This paper presents the detailed design of the sX-map and the results from the vertical test at JLab.
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 照沼 信浩*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.4004005_1 - 4004005_5, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)永久磁石を用いた荷電粒子ビーム用軌道補正磁石を開発している。この磁石では磁場を発生させる永久磁石のロッドを回転させることで、磁場を両極性に変化させることができる。この両極性変化の原理を検証するため、試作機を製作し、性能評価を行った。試作機の性能評価の結果、永久磁石の残留磁化の不均一性が多極成分に大きな影響を与えることがわかった。この影響を抑制するために、異方性中間磁極を追加した補償磁石が検討した。
岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 不破 康裕
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.4904504_1 - 4904504_4, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)永久磁石の使用により軸対称の一様な磁場を長い距離にわたって発生させる磁気回路を考案した。磁場の生成に関するアンペールの法則において一様な磁場を生成するような永久磁石配置を求め、それに対応する磁気回路を導出した。この構成を用いて、レーザー光用ファラデー回転装置用の磁場発生装置を作製した。この装置は、超高出力レーザーを扱うために直径30mmの大口径を持ち、ファラデー回転用の大きな結晶円板を保持することができる。中心面での磁場の一様性はボア径内で1%以下である。この構成は、長軸対称ビーム輸送電磁石にも適用でき、クライストロンの集束磁場のような磁場分布の勾配を制御するために拡張することもできる。
北村 遼; 不破 康裕; 伊藤 大登*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.280 - 281, 2023/11
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、3GeVシンクロトロンへの入射に際しRFチョッパーでビームバンチの時間構造を形成する。チョッパー立ち上がり等の過渡応答では不完全なチョップビームが発生してビームロスの原因になる。Particle-In-Cellコードを用いた軌道計算による検討とビームロス低減に向けた対策方針について紹介する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 876, 2023/11
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。また、今後実施予定である3/4スケール(90kV, 40kA)での動作性能を確認するにあたり、超高圧試験回路の検討を行った。
吉本 政弘; 高橋 博樹; 原田 寛之; 地村 幹; 不破 康裕; 林 直樹; 栗山 靖敏*; 澤邊 祐希*; 畠山 衆一郎*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.839 - 843, 2023/11
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では、加速器の安定性を監視する主要なビームモニタである、ビームロスモニタ、ビーム位置モニタ、ビーム電流モニタについて、既存システムの更新に向けた新しいビームモニタ用信号処理システムの開発を行っている。新システムは、TAGサーバーと3つの主要モニタに共通して使えるADCモジュールを組み合わせた構成になる。開発に際しての主な設計思想は、(1)J-PARCに特有の様々なビームタグ情報をTAGサーバーで集約し、タグ情報として各ADCモジュールに分配する、(2)ADCモジュールでビームモニタからの信号情報をADCでデジタル信号に変換し、FPGAにより各モニタに合わせた解析手法を切り替えながら高速解析処理を実施する、(3)ADCモジュールから約10秒程度の全ショット分の信号処理データをパッキングしてタグ情報をヘッダーに付加した解析データを定期的に出力する、また、任意の1ショット分のデータに対してタグ情報を付加したモニタデータをオンデマンドで出力する、ための2種類のフォーマットを準備する、(4)また生波形に加えて、FFT関連の解析途中のデータや、周回毎のバンチデータなどについて最新の4ショット分をADCモジュールの内部メモリに保存し、必要に応じてデータを読み出せるようにする、ことを目指した。本発表では、現在開発中の試作機によるタグ情報の読み込みとビームモニタ信号のデータ収集試験についての進捗を報告する。
不破 康裕; 北村 遼
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.531 - 534, 2023/11
J-PARCリニアックでは、次世代に向けたビーム出力の大強度化をめざしビーム電流及びビームパルス幅の増強が検討されている。MEBT1 (Medium Energy Beam Transport 1)はRFQとDTLの間に位置し、ビームの横方向と縦方向のマッチング、及び後段の高繰り返しシンクロトロンへの入射のための中間バンチ構造を形成するための区間である。この区間でのビームエネルギーは3MeVと低く、空間電荷効果の影響も大きくビームの大強度化に伴いその影響も大きくなると予測される。そこで本研究ではJ-PARCリニアックの大強度化に向けて、空間電荷効果に起因するビームロス等を抑制するための新しい磁石を設計製作している。当該磁石は集束機能と空間電荷効果補正機能を省スペースで両立のために多重極成分を重畳して発生可能な機能結合型とし、消費電力の低減及び機器の小型化のために永久磁石を用いている。本発表では、当該磁石の設計およびビーム力学的な効果を議論する。
中野 秀仁; 不破 康裕; 篠崎 信一; 溝端 仁志*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.577 - 578, 2023/11
J-PARCリニアックでは、高周波源としてクライストロンが用いられている。近年、電力効率を向上させる目的のため、クライストロンから半導体増幅器への置き換えが検討されている。半導体増幅器は出力できる電力が比較的小さいため、大電力が必要な区間はクライストロンが用いられてきた。半導体製造技術の進歩により実利用が期待できる半導体増幅器が製造可能になった。J-PARCリニアックでは出力電力の比較的小さなデバンチャー2空洞用のクライストロンを半導体増幅器に置き換えることを計画している。本格的な導入に当たって、プロトタイプの半導体増幅器の入出力特性の測定を実施した。また、現在ビームラインで稼働しているクライストロンと電力効率についての比較も行った。これらの結果について報告する。
高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01
J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830
sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.395 - 399, 2023/01
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50sの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、基板ごとに高圧トランスが必要となり、トランスの設置場所や部分放電(コロナ放電)を考慮する必要がある。本機器では、高圧トランスを用いず、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。
中沢 雄河*; Cicek, E.*; 二ツ川 健太*; 不破 康裕; 林崎 規託*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 25(11), p.110101_1 - 110101_9, 2022/11
被引用回数:3 パーセンタイル:43.00(Physics, Nuclear)J-PARCにおけるミューオン-2/EDM実験のための324MHz交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)試作機の大電力試験を行った。この試作機(short IH)は一体型ドリフトチューブ構造を持つ実機IH-DTLの製作方法を検証するために作られた。40時間のコンディショニング後、88kWの電力を安定に投入できることを確認した。これは設計加速電圧3.0MV/mの10%増しに相当する電力である。さらに、3次元シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、熱特性と周波数応答を測定した。この論文では、このIH-DTL試作機の大電力試験の詳細について述べる。
不破 康裕; 高柳 智弘; 岩下 芳久*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4006705_1 - 4006705_5, 2022/09
被引用回数:1 パーセンタイル:9.40(Engineering, Electrical & Electronic)大強度ビームを輸送するための手法としてJ-PARCリニアックにおいて多重極磁石を用いた空間電荷補正法が提案されている。この方式を実現するための機器として永久磁石を用いた複合多重極磁石を製作している。この多重極磁石ではビームを収束する四極成分に加えて空間電荷効果を補正する八極磁場成分を発生することができる。本項では製作した磁石システムの設計製作した磁石の機能と磁気的な特性を報告する。
不破 康裕; 守屋 克洋; 高柳 智弘
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.364 - 367, 2022/09
J-PARC LINACのMEBT1 (Medium Energy Beam Transport 1)は、RFQ (Radio Frequency Quadrupole)とDTL (Drift Tube Linac)の間に位置する3MeVビームの輸送系である。この区間ではDTLへの入射ビームのマッチングや後段の3GeVシンクロトロンの加速周期に合わせたビームのチョップを行っており、MEBT1の特性はJ-PARC加速器施設におけるビームの品質を決める重要な要素である。1MWおよびそれを超えるビーム出力を目指すにあたり、MEBT1の安定性および信頼性向上は重要な開発項目となっており、ビーム集束系への永久磁石の適用を検討している。本発表では、MEBT1への導入に向けた永久磁石を用いた集束磁石の設計およびその集束磁石を用いる場合のMEBT1のラティス検討結果を報告する。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
不破 康裕; 岩下 芳久*; 近藤 晃弘*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4007304_1 - 4007304_4, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)強磁場の発生は加速器を含む先端研究を遂行するための重要な技術である。NbTIやNbSn,高温超伝導材を用いたハイブリッド磁石は強磁場の発生に使用することができるが、Nb
Snや高温超伝導材は材料コストが高い。そこで永久磁石をハイブリッド磁石に加えることで1T分の磁束密度を発生することができ、コストの高い線材の使用量が少なくすることができると期待できる。先行研究においては100Kまでの低温環境における永久磁石の磁化特性が調べられてきたおり、ネオジム磁石の磁化が100Kで減少することが知られている。一方で、ネオジムの代わりにプラセオジウムを使用した永久磁石では100Kにおいても磁化量が減ることなく保磁力も7T程度の値である。本研究では、プラセオジウム永久磁石の磁化特性を4Kの極低温において測定した。その結果、4Kにおいてプラセオジウム磁石の磁化は減少することなく10Tの保磁力を有することが明らかとなった。
不破 康裕; 岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*
Proceedings of 20th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2021) (Internet), p.323 - 325, 2022/05
超伝導空洞の性能評価のため、空洞温度、電解放出X線、捕獲磁束の分布を高い位置分解能で測定するマッピングシステムを開発している。高い位置分解能を有するシステムを構築するには数多くのセンサーが必要であるが、センサーの個数が増加するとそれに伴い配線の量も増加するため低温用器内の配線が複雑さが増すことや配線を通じた熱侵入も大きくなるなど効率的な実験を妨げる要因となる。そこで本研究では、空洞試験を行う低温用器内でセンサーと同一基板上に読み出し信号をスキャンするマルチプレクサーを設置した効率的なマッピングシステムを開発している。本発表では開発中のマッピングシステムの概要と試験結果を報告する。
不破 康裕; 小野 礼人; 高柳 智弘; 篠崎 信一; 溝端 仁志*; Fang, Z.*
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.780 - 782, 2020/09
J-PARCリニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧110kVのアノード変調型電源で、1台の直流高圧電源に対して最大で4本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを1台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数はJ-PARC建設当初に導入され、残りの半数はリニアック400MeVアップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を議論した。
不破 康裕; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平根 達也; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 溝端 仁志*; 岩間 悠平*; 佐藤 福克*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.611 - 613, 2019/10
J-PARCリニアックでは、324MHzと972MHzのクライストロン計45台を用いて加速器の運転が行われている。J-PARCの今後の安定化及び高度化に際しては、最大出力付近でのクライストロン出力特性の正確な把握が重要となる。この特性の把握には使用前のクライストロンはもちろんのこと、放電など何らかの理由で交換されたクライストロンの特性測定が不可欠である。しかしながら、放電による周辺機器を含めた損傷などのリスクや加速器の運転との時間的な干渉が理由で、このような測定はこれまで実施されてこなかった。そこで、リニアック棟内にクライストロンテストスタンドを設置し、様々な運転パラメータにおけるクライストロンの高圧特性や入出力特性を測定した。この測定結果を用いることでインストール前にクライストロンの特性が把握でき、最適な運転パラメータの決定や効果的なクライストロン交換の計画が可能となった。また、使用前と使用済みのクライストロンの特性を比較することでクライストロンの劣化傾向を定量的に把握するための基礎データを取得した。
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 広田 克也*; 早野 仁司*; 不破 康裕
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.32 - 35, 2019/10
超伝導高周波加速空胴の高加速電界化の研究開発が世界の加速器研究機関で行われているが、空洞内表面に発生する欠陥が高加速電界化を阻害する要因となることが先行研究より明らかとなっている。そのため、超伝導空胴内表面の状態を光学的に可視化する「超伝導加速空胴の内面検査システム」の開発が行われ成果を挙げている。本研究では、近年発展が著しい画像処理技術を内面検査システムに適用し、欠陥発見手法の高度化を行った。内面検査用カメラで焦点位置を変化させながら取得した複数の画像から、深さ情報の抽出と画像合成を行った。また処理後の画像にパターン認識処理を施すことで、欠陥の自動検出が可能となった。これらを空胴内面検査システムに取り入れることで、欠陥探索のスキャン時間の短縮や欠陥形状の取得が可能になる。