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舘 幸男; 陶山 忠宏; Ochs, M.*; Ganter, C.*
JAEA-Data/Code 2010-031, 168 Pages, 2011/03
原子力機構では、地層処分性能評価の重要パラメータである緩衝材や岩石中の収着データを集約した収着データベース(JAEA-SDB)の開発を進めている。本報告では、性能評価におけるKd設定のための統合的手法の構築の基礎として、JAEA-SDBの開発と更新の現状について報告する。JAEA-SDBの現状として、データベースの構造,内容,今回拡充した複数のパラメータ依存性の評価手法を含む機能、さらには、操作方法並びに性能評価への適用法などをまとめる。Kdデータと信頼度情報の更新については、Kd設定や現象論モデル開発との関連性に着目して実施し、その結果、JAEA-SDBに含まれるKdデータは約28,540件となり、全体に対して約39%のデータに対して信頼度情報が付与されたこととなる。今回更新されたJAEA-SDBによって、収着データベースから利用可能な関連データ群の速やかな抽出、Kd設定の際に参照すべきデータの適切な選定が、一層の効率性,追跡性,透明性をもって可能となると考えられる。
Ochs, M.*; 舘 幸男; Ganter, C.*; 陶山 忠宏; 油井 三和
JAEA-Research 2010-052, 59 Pages, 2011/02
地層処分性能評価における信頼性の高いパラメータ設定に資するため、原子力機構では、ベントナイト系を対象として、統合された収着・拡散モデル(ISDモデル)及びデータベースの開発を進めている。この現象論的モデル/データベース開発の主要な目的は、収着・拡散パラメータの整合的な説明と予測,不確実性評価のためのツールを提供することである。本報告は、Niのモンモリロナイト/ベントナイトへの収着を例として、モデル概念や表面化学種の選定を含む熱力学的収着モデルの開発、並びに不確実性の取り扱いに焦点をあてる。熱力学的収着モデルの不確実性の定量化のため、(1)最適化手法と統計的手法から計算される熱力学収着モデルパラメータの不確実性,(2)収着分配係数のモデル化結果と実測データとの直接的な比較により評価される包括的な誤差の2つの異なった手法を検討、両者の比較を行った。ISDモデル/データベース開発におけるモデルの不確実性の定量化法としては、後者の包括的誤差評価が、現時点での最良の手法と評価された。
陶山 忠宏; Ganter, C.*; Kunze, S.*; 舘 幸男; Ochs, M.*
JAEA-Data/Code 2010-026, 72 Pages, 2011/02
放射性廃棄物の地層処分安全評価において、人工バリアであるベントナイトや天然バリアである岩石中での核種の収着現象は、核種の移行遅延を支配する重要な現象である。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、バッチ法収着試験によって得られた収着分配係数を公開文献から抽出・整理して、収着データベース(JAEA-SDB)として整備を進めてきた。将来の性能評価におけるニーズへの対応を念頭に、データベースに含まれるKdデータの信頼度評価、実際の地質環境に対するKd設定におけるデータベース適用に着目して、データベースの改良・更新を継続的に実施してきている。本報告書では、JAEA-SDBに含まれる重要核種(Th, Np, Am, Se, Cs)のKdデータのうち、地質環境に広く存在する凝灰岩系岩石を対象として、これまで報告してきた信頼度評価手法に従って評価を実施した。その結果として、560のKdデータに対して、新たな信頼度情報が付与された。この信頼度評価手法は、収着データベースから利用可能な関連データ群を速やかに抽出し、Kdデータ設定の際に参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法となると考えられる。
Ochs, M.*; 舘 幸男; Ganter, C.*; 陶山 忠宏; 油井 三和
no journal, ,
熱力学的収着モデルは、放射性廃棄物地層処分の性能評価において、与えられた地球化学条件下での放射性核種の収着を定量化する、あるいは、その条件の変動が収着に及ぼす影響を評価するための有効なツールとして評価されている。本研究では、放射性廃棄物処分への適用に関する信頼性の観点から、スメクタイトへのNiの収着を例に、熱力学収着モデル開発における論点として、(1)複数のデータセットが利用可能な場合の実験データとモデルオプションの比較評価,(2)不確実性の評価,(3)TSMの他のデータセットやより複雑な系への適用に関する評価について分析検討を行った。