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八巻 徹也*; 後藤 光暁*; 澤田 真一*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*
QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 35, 2018/03
本研究では、重イオンビームグラフト重合法によりイオン交換膜を作製する手法を開発し、海水濃縮に応用した。フッ素樹脂(ETFE)の基材に対して、560MeVのXeビームをフルエンス310 110ions/smで照射し、その後、スチレンスルホン酸エチルエステルのグラフトと加水分解及び、クロロメチルスチレンのグラフトと四級化によってイオン交換膜を得た。イオン交換容量は2.02.5mmol/gに調節した。作製した膜の吸水率及び抵抗値は、従来の線照射膜に比べて低い結果を示し、海水濃縮に適することがわかった。これは、イオンビームによってナノメートルスケールの局所的かつ高密度なエネルギー付与を制御した結果である。なお、フルエンス310ions/smの場合、イオントラック径は250nmで、全体に占める体積の割合はわずか14%であった。
藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; 後藤 淳; 海老原 充*
AIP Conference Proceedings 769, p.1666 - 1669, 2005/05
多くの原子核は、中性子捕獲反応において2つ以上の即発線を同時に放出する。文科省公募型特会事業においては、中性子捕獲反応によって発生する即発線を測定することにより中性子捕獲反応断面積測定を行うことを計画している。同時に放出される線を2つ以上の線検出器を用いて測定を行い、得られた事象ごとに2つのエネルギー軸を持つ2次元スペクトル上に加算する。2次元スペクトルを解析することによって、従来の1次元法に比べて高精度の断面積データ取得が可能になる。この解析においては、即発線のエネルギーだけでなく、励起準位構造核データも必要とする。しかし、一般的にエネルギーのデータに比べてこれらの核データは乏しいため、その整備は重要である。JRR-3Mの冷中性子ビームラインを用いた核データ実験についての報告を行う。
羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 西中 一朗; 平田 勝; 矢板 毅; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
Journal of the American Chemical Society, 126(16), p.5219 - 5224, 2004/04
被引用回数:43 パーセンタイル:72.51(Chemistry, Multidisciplinary)Cm(O,5n)Rf反応で生成する104番元素ラザホージウム(Rf)のフッ化物錯体のイオン交換挙動を単一原子レベルで明らかにした。Rfの陰イオン交換挙動は、周期表同族元素であるジルコニウム(Zr)やハフニウム(Hf)の挙動とは明らかに異なることがわかり、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘した。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
阪間 稔*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 市川 進一; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 羽場 宏光*; 後藤 真一*; 柴田 理尋*; 河出 清*; et al.
Physical Review C, 69(1), p.014308_1 - 014308_11, 2004/01
被引用回数:21 パーセンタイル:73.68(Physics, Nuclear)原研タンデム加速器から得られるLiビームを用いてウラン同位体Uを照射し、中性子欠損アメリシウム同位体Amを合成した。核反応生成生物はガスジェット結合型オンライン同位体分離器により、選択的に分離され放射線測定から同定された。Amのアルファ壊変を初めて観測するとともに、Amのアルファ壊変データを詳細に調べ、これら同位体のアルファ壊変に伴う阻害因子に関して新たな知見を得た。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.14(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
阪間 稔*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 市川 進一; 羽場 宏光; 後藤 真一*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 大浦 泰嗣*; 小島 康明*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.34 - 37, 2002/11
中性子欠損アクチノイド核Am並びにCmの壊変特性をガスジェット結合型オンライン同位体分離装置を用いて調べた。これらの核種は、タンデム加速器から得られるLiビームを用いてU,Npターゲットを照射して合成した。この中でAmとCmは新アイソトープとして同定した。また壊変エネルギーと壊変半減期の系統性に基づき、本研究で初めて観測したAm及びAmの壊変遷移に関して考察した。
羽場 宏光; 塚田 和明; 浅井 雅人; 後藤 真一*; 豊嶋 厚史; 西中 一朗; 秋山 和彦; 平田 勝; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.143 - 146, 2002/06
われわれの研究グループでは、超アクチノイド元素である104番元素ラザホージウム(Rf)の溶液化学実験を進めている。まず、Rfの同族元素Zr並びにHfに加え擬4族元素Thの放射性トレーサーを製造し、バッチ法により1.1-13.1M HNO並びに1.0-11.5M HCl系における陰イオン交換分配係数を系統的に測定した。また、Rfの単一原子の化学実験を行うために、繰り返し実験が可能な迅速イオン交換分離装置(AIDA)を開発した。原研タンデム加速器を用いて、Ge(O,xn),Gd(O,xn)並びにCm(O,5n)反応によってそれぞれ Zr,Hf並びにRfを製造し、4.0-11.5M HCl並びに8.0M HNO系における陰イオン交換実験を行った。塩酸系では、7.0-11.5Mの範囲でRfの分配係数は塩酸濃度の増加とともに急激に増加し、陰イオン塩化物錯体([Rf(OH)Cl],[RfCl])の形成を示唆した。また、樹脂への吸着性の強さは、RfZrHfの順であることがわかった。一方、8.0M HNO系では、Rfは同族元素ZrとHfと同様に陰イオン交換樹脂に対して低い吸着性を示し、ThやPuと全く異なることがわかった。
阪間 稔*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 市川 進一; 羽場 宏光; 後藤 真一*; 大浦 泰嗣*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 柴田 理尋*; et al.
European Physical Journal A, 9(3), p.303 - 306, 2000/11
被引用回数:17 パーセンタイル:66.14(Physics, Nuclear)原研タンデム加速器及びガスジェット結合型オンライン同位体分離装置を用いて、中性子欠損未知アメリシウム同位体Amを初めて同定した。Amの崩壊を観測し、半減期3.20.8分、線エネルギー678017keVと決定した。これらの値と崩壊分岐比から、観測されたAmの崩壊は主遷移であることがわかった。
JRR-2管理課; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1027, 57 Pages, 1962/09
1961年3月に行われたJRR-2の第1次出力上昇試験全般にわたって記してある。まず第1章に出力上昇の問題となった第1次燃料について、燃料要素の仕様・検査及び問題点と安全性についての検討をした結果を述べてある。この検討に従い、万一燃料被覆破損が生じた場合、でき得る限り早期に発見し、処置を容易にするために破損燃料検出装置を追加設置した。この破損燃料検出装置の検出の方法,装置の内容について第2章に記してある。最後に第3章に実施した第1次出力上昇試験の経過について述べてある。
JRR-2臨界実験グループ; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1025, 62 Pages, 1962/03
第2号研究用原子炉JRR-2は、20%濃縮ウランのMTR型燃料を用いた重水減速・冷却の熱中性子研究炉である。この炉の最大熱出力は10MW,平均熱中性子束密度は110n/cmsecである。この論文は昭和35年10月1日、臨界に到達し、翌36年1月末まで実施した各種の特性試験についての報告書である。内容はJRR-2の臨界試験,制御棒の校正,重水上部反射体効果,燃料要素の反応度効果,温度係数等の特性試験,熱中性子束分布の測定と出力の校正について述べてある。これらの実験は、JRR-2管理課並びに技術研究室より特別に編成されたJRR-2臨界実験グループによって実施されたものである。
後藤 光暁*; 大森 理之*; 八巻 徹也; 澤田 真一; 越川 博; 喜多村 茜; 比嘉 充*
no journal, ,
イオンの選択輸送が可能なモザイク荷電膜を用いたエネルギー変換デバイスの実現を目標に、高エネルギーイオンビームによりカチオン交換膜を作製し、その荷電密度を線による膜特性と比較した。実験では、25m厚のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体膜に対して、TIARAサイクロトロンの560MeV Xeビームを真空中で照射した後、-スチレンスルホン酸ナトリウムモノマーをグラフト重合した。イオンの選択透過性を示唆するは、塩化カリウム水溶液の濃度差で生じた膜電位から、固定電荷膜理論に基づき算出した。イオンビームグラフト重合法により得られたカチオン交換膜のは最大で2.40mol/dmに達し、市販膜や線による膜と比べて高い値であるとともに、イオン交換容量に大きく依存しなかった。この結果は、高エネルギーイオンビームの高密度励起効果を反映した飛跡構造に由来していると考えられる。
後藤 光暁*; 八巻 徹也; 越川 博; 澤田 真一; 喜多村 茜; 比嘉 充*
no journal, ,
複合荷電膜の一種であるモザイク荷電膜を用いた海水・かん水淡水化、脱塩のプロセスを実現するため、高エネルギーイオンビームにより作製したカチオン交換膜に対し、荷電密度などの膜特性を詳細に検討した。実験では、25m厚のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体膜に560MeV Xeビームを3.010あるいは1.010 ions/cmのフルエンスで照射した後、スチレンスルホン酸ナトリウムモノマーをグラフト重合した。塩化カリウム水溶液の濃度差で生じた膜電位から、固定電荷膜理論に基づきを算出した。イオンビームグラフト重合法により得られたカチオン交換膜のは最大で2.40mol/dmに達し、市販膜と比べて高い値であるとともに、イオン交換容量にそれほど依存しなかった。この結果は、高エネルギー重イオンビームの飛跡構造を反映していると考えられ、非常に興味深い。
澤田 真一*; 後藤 光暁*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*; 八巻 徹也*
no journal, ,
本研究では、重イオンビームグラフト法でカチオン交換膜(CEM)とアニオン交換膜(AEM)を作製し、製塩のための海水濃縮電気透析に応用した。フッ素樹脂基材膜へのXeまたはKrイオン照射後、スチレンスルホン酸エチルエステルのグラフトと加水分解によってCEM、クロロメチルスチレンのグラフトと四級化によってAEMを得た。イオン交換容量を0.50.6mmol/g程度と低く調節したCEM・AEMは、市販膜よりも低い抵抗と高いイオン輸率を示した。これらの膜を電気透析セルに装着してモデル海水(0.5mol/Lの食塩水)の濃縮試験を実施した。その結果、濃縮海水の濃度は市販膜の場合を上回り最大で4.3mol/Lに達した。重イオンビームグラフトCEM・AEMの海水濃縮への優れた適用性が明らかとなった。
澤田 真一*; 後藤 光暁*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*; 八巻 徹也*
no journal, ,
現在日本では、カチオン交換膜(CEM)とアニオン交換膜(AEM)を用いた電気透析による海水濃縮工程を経て食塩が生産される。電気透析に要する消費電力の低減と濃縮海水濃度の向上のためには、電気抵抗が低く、かつ浸透圧による水透過を抑えられる膜が必要である。そこで本研究では、重イオンビームグラフト法で海水濃縮用CEMを作製し、その膜抵抗と水透過率を調べた。CEMの作製は、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体基材膜への310MeV Krイオン照射、スチレンのグラフト重合、スチレンユニットのスルホン化、という手順で行った。得られたCEMは、市販膜よりも低い膜抵抗と水透過率を示し、海水濃縮に好適であることが明らかとなった。重イオンビーム照射で形成される特異的な一次元イオン伝導チャネルが優れた輸送特性の起源であると考えられる。
奥野 泰希; 岡本 保*; 後藤 康仁*; 秋吉 優史*; 今泉 充*; 小林 知洋*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)の炉内および建屋内は事故の影響で非常に高い放射線環境となっている。我々は、太陽電池素子をセンサとした線量測定技術を基盤とした高線量放射線計測システムを提案し、実用化に向けた開発を行っている。太陽電池型の検出器は薄膜構造や内部電界による無電源駆動といった特長を有しており、1Fの廃炉環境において有用であると考えられている。本報告では、高い放射線耐性を有する太陽電池の放射線挙動特性について述べる。
奥野 泰希; 今泉 充*; 岡本 保*; 小林 知洋*; 秋吉 優史*; 後藤 康仁*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉事業において、燃料デブリの取り出し作業計画を決定するためには、デブリから放出される線線量解析により、その分布や組成を特定することが重要である。InGaP太陽電池は、素子の厚さが約1mと予想される線の飛程に対して十分に薄いことから、線を検出できる可能性がある。本研究では、InGaP太陽電池へ5MeVヘリウムイオンの照射試験を実施し、その実験結果およびシミュレーションにより、InGaP太陽電池を応用した線線量計測法に関する検討を行った。
奥野 泰希; 今泉 充*; 岡本 保*; 小林 知洋*; 秋吉 優史*; 後藤 康仁*
no journal, ,
福島第一原子力発電所において、炉心付近の高レベル放射線環境を測定する必要があるが、既存製品である電離箱では、「寸法」,「感度」,「使用電源」の制限によって、使用できる場所が限られているため、現状、十分な線量率分布や、デブリの位置の推定が十分でない。そのため、我々は、電離箱に変わる電源レスの線量計として太陽電池型線量計の開発を進めてきた。本発表では、太陽電池を応用し太陽電池自己誘起電流型線量計に関して、これまで解明してきた電流挙動, 劣化挙動, 温度特性等を踏まえて、社会実装に向けた開発に関して報告する。