Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Zgardziska, B.*; 平出 哲也; Goworek, T.*
Chemical Physics Letters, 446(4-6), p.309 - 312, 2007/10
被引用回数:12 パーセンタイル:39.72(Chemistry, Physical)17個の炭素で形成されているアルカンの一種である-ヘプタデカンにおいては、低温域では陽電子の照射効果により捕捉電子が形成される。その捕捉電子を経由するポジトロニウム形成における、照射時間と温度の影響を調べた。その結果、200K以下の温度領域においては、温度変化に対して捕捉電子密度が急激に変化しないにもかかわらず、ポジトロニウム形成収率が変化することから、陽電子の拡散距離の変化によって、ポジトロニウム形成収率の変化が引き起こされていることも明らかとした。また、これよりも高温域においては、熱運動によって電子の捕捉部位が消滅していき、その結果、ポジトロニウム形成収率が低下していく結果も得た。
Zgardzinska, B.*; 平出 哲也; Goworek, T.*
no journal, ,
低温ヘプタデカン中では電離放射線によって捕捉電子が形成する。陽電子消滅寿命測定で用いる入射陽電子も電離放射線であり、その結果捕捉電子が形成され、捕捉電子と陽電子によるポジトロニウム形成が起こる。すでに捕捉電子の密度が、ポジトロニウム形成収率と相関があることは明らかにされている。過去にポリエチレン中とポリメチルメタクリレート中では、同様のポジトロニウム形成であっても、必要な捕捉電子密度には大きな違いがあり、これは陽電子の拡散距離の影響と考えられてきた。低温ヘプタデカン中で、捕捉電子密度が変化しない温度域で、温度を変化させ、陽電子の拡散距離のみを変化させ、その際のポジトロニウム形成の変化を実験で検出することを試みた。その結果、捕捉電子密度の変化はないにもかかわらず、ポジトロニウム形成収率に変化が見られ、捕捉電子と陽電子によるポジトロニウム形成に、陽電子の拡散距離が影響していることが明らかとなった。
Zgardzinska, B.*; 平出 哲也; Goworek, T.*
no journal, ,
n-CHで120Kと170Kの間で温度を変化させ、その際のポジトロニウム形成強度の時間変化を観測した。その結果、120Kから170Kへ移行すると陽電子の拡散距離の変化によってポジトロニウム形成強度は増大するが、その後、時間とともにポジトロニウム形成強度は少しずつ減少していくことがわかった。陽電子の拡散距離の増大と同様に、イオン化の際に放出された電子の拡散距離も増大していると考えられ、捕捉電子密度の飽和過程には電子の拡散距離の変化が影響していると考えられる。飽和炭化水素であるn-CH中では、おそらく飽和密度での捕捉電子間の平均距離は数十nm程度と考えられ、この距離が電子の平均拡散距離を表していると考えられる。
Zgardzinska, B.*; 平出 哲也; Goworek, T.*
no journal, ,
低温域で放射性同位元素であるNa-22から放出される陽電子を用いて陽電子消滅寿命測定を行うと、絶縁物中ではイオン化の際に放出された電子の一部が弱く束縛され蓄積されていく。陽電子はこれら捕捉電子を引き抜いて容易にポジトロニウムを形成できる。このポジトロニウム形成の変化から捕捉電子の蓄積の様子を知ることができる。ポジトロニウム形成の温度依存性を調べると、高温のほうが陽電子の拡散距離が長いため、ポジトロニウム形成の強度は増大するが、時間とともに、減少する。これは時間の経過とともに捕捉電子の密度が低下するためで、捕捉電子の飽和密度は電子の拡散距離と相関があることが明らかとなった。