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八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝; Gubler, L.*; Guersel, S. A.*; Scherer, G.*
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最近われわれは、高温での放射線照射で得られる架橋ポリテトラフルオロエチレン(cPTFE)を基材とし、スチレンとビス(ビニルフェニル)エタン(BVPE)をグラフト共重合することにより新規の多重架橋型電解質膜を作製した。BVPEは膜全体のグラフト側鎖を均一かつ高密度に架橋することが可能であるため、従来のDVB架橋を凌駕する耐酸化性だけでなく、優れた寸法安定性,機械的特性(強度と柔軟性)をもたらすことを明らかにしている。そこで今回は、cPTFE主鎖とBVPE架橋グラフト鎖とからなる本電解質膜のPEFC特性を放射線架橋,化学架橋による効果に着目して調べた。放射線分解型高分子のPTFEではグラフト重合のためのわずかな照射でも膜性能に大きな影響を及ぼすことが示唆され、PTFE主鎖の架橋により放射線耐性を向上させることが電解質膜としての特性維持に不可欠であると考えられた。一方、BVPEによるグラフト側鎖の架橋は、電極との間の接触性だけでなく耐久性向上にも効果的であることがわかった。多重架橋型電解質膜は、80C, 95Cの開回路電圧保持による劣化加速試験において非常に安定であり、劣化は性能に影響を与えるほど大きくないことが明らかになった。