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向井 洋一*; 西田 明美; 濱本 卓司*; 崎野 良比呂*; 井川 望*; 竹内 義高*; 千葉 文彦*; 堀 慶朗*
Proceedings of 12th International Conference on Shock and Impact Loads on Structures (SI 2017) (USB Flash Drive), p.329 - 338, 2017/06
偶発作用に対する日本建築学会(AIJ)のガイドラインは、「建築物の耐衝撃設計の考え方」として出版されている。これには、目的と範囲、設計荷重、部材設計、設計基準、非構造要素、漸進的崩壊および設計例が含まれる。AIJのガイドラインの目的は、偶発作用に対する建物の人的・物的被害を性能設計に基づいて最小限に抑えることである。設計対象の建物はオフィス、アパート、ホテル、病院、学校、公共施設である。建物の構造システムは、鉄筋コンクリート構造および鉄骨構造に限定されている。本論文では、上記AIJガイドラインの概要について紹介する。
井川 望*; 向井 洋一*; 西田 明美; 濱本 卓司*; 加納 俊哉*; 大田 敏郎*; 中村 尚弘*; 小室 雅人*; 竹内 正人*
Proceedings of 12th International Conference on Shock and Impact Loads on Structures (SI 2017) (USB Flash Drive), p.259 - 268, 2017/06
建物に対する偶発作用は、衝撃や爆発荷重を伴う。衝撃による設計荷重は、実験データ、衝撃シミュレーション、およびエネルギー解析手法によって決定される。本論文では、AIJガイドラインに示されている衝撃による設計荷重と応答の考え方について述べる。まず、設計荷重は衝突および爆発の双方について示され、いずれも荷重-時間(F-t)曲線の形で表すものとする。荷重の算定にあたっては、保守的な結果を与えるハードインパクトを仮定している。応答評価では、衝撃荷重が直接作用する個々の構造部材の応答が評価される。これらの応答は衝撃応答、動的応答、準静的応答という3つのタイプに分類される。最大応答は、基本的に一自由度(SDOF)モデルによる直接積分法によって推定される。AIJガイドラインでは、部材の種類と損傷モードの分類に基づくSDOFモデルの作成手順が提案されている。
西田 明美; 向井 洋一*; 濱本 卓司*; 櫛部 敦道*; 小室 雅人*; 大橋 泰裕*; 小尾 博俊*; 坪田 張二
Proceedings of 12th International Conference on Shock and Impact Loads on Structures (SI 2017) (USB Flash Drive), p.379 - 388, 2017/06
本論文では、AIJガイドラインの設計基準の適用性を確認するために、対象建物の耐衝撃性能を評価するためのいくつかの設計事例を示す。動的解析は、衝撃荷重が作用している個々の部材のSDOFモデルを用いて行われる。さらに有限要素モデルを使用した分析も行い、SDOFモデルの妥当性が示されている。例として、交差点近くの敷地隅角部に位置するフレーム構造の建物の検討例を示す。建物が道路車両の衝突を受けた場合について、動的応答とそれに対応する損傷状態が示されている。非構造部材の例としては、ガス爆発による窓ガラス破壊の例が示されている。
加納 俊哉*; 向井 洋一*; 西田 明美; 濱本 卓司*
no journal, ,
人工物による偶発作用を扱うための国際規格ISO10252を策定するため、2015年にTC98(構造物の設計の基本)SC3(荷重, 外力及びその他の作用)の下にWG4(偶発作用: Accidental Action)が新設された。偶発作用とは、自動車, 列車, 航空機などによる衝突や、屋内外で発生するガス爆発等により構造物に偶発的に作用する衝撃荷重のことを指す。原子力規制委員会によって原子力施設に対する外的事象として対応が求められている竜巻や火山等に起因する飛来物の衝突等も偶発作用に含まれる事象であり、近年制定されたガイド(たとえば「原子力発電所の竜巻影響評価ガイド」(2013年6月制定)等)では飛来物の衝突による原子力施設への影響評価を行うことを要求している。本国際規格は、これらの影響評価における衝撃荷重の算定のための基本的考え方を示すものである。本発表では、本規格のうち、衝突作用における設計荷重の設定例について紹介する。
向井 洋一*; 西田 明美; 濱本 卓司*; 竹内 義高*; 加納 俊哉*
no journal, ,
日本建築学会では衝撃作用をテーマとした書籍「建築物の耐衝撃設計の考え方」を2015年1月に刊行した。また、本書籍を元に、2015年3月には、「建築物荷重指針・同解説」の改定版に衝撃荷重に関する章が新たに加わった。本発表では、「建築物の耐衝撃設計の考え方」の要点を概説するとともに、同書の出版後、耐衝撃設計を具体的かつ合理的に進めていくために日本建築学会において進めてきた取組状況について紹介する。
西田 明美; 向井 洋一*; 濱本 卓司*
no journal, ,
国内で発行されている衝撃荷重指針等において、衝撃荷重およびその荷重効果に関する記述はいずれも決定論的な表現にとどまっている。しかしながら、いち早く衝撃荷重を構造設計における設計荷重として取り入れたユーロコードにおいても、現在ユーロコードの内容を発展・拡張しまもなく出版が予定されているISO規格においても,衝撃荷重と耐衝撃設計は確率論をベースとした信頼性設計を前提に議論されている。したがって、国内の荷重指針等においても将来的に確率論的な視点の導入は避けて通れない流れとなっている。本発表では、衝撃荷重の発生確率の考え方とISO規格におけるその位置づけについて紹介する。