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渡辺 賢一*; 須貝 優介*; 長谷川 創大*; 田中 清志朗*; 人見 啓太朗*; 野上 光博*; 篠原 武尚; Su, Y. H.; Parker, J. D.*; Kockelmann, W.*
Scientific Reports (Internet), 14, p.25224_1 - 25224_13, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)Thallium bromide (TlBr) semiconductor detectors are being developed as promising candidates for high-detection-efficiency, high-energy-resolution, and room-temperature gamma-ray spectrometers. This study presents methods for evaluating TlBr crystal quality and carrier transport characteristics using neutron Bragg-dip imaging and the time-of-flight method for pulsed-laser-induced carriers, respectively. In this study, two samples obtained from both the upstream and downstream region in the crystal ingot were evaluated.
石塚 悦男; 長住 達; 長谷川 俊成; 川井 大海*; 脇坂 真司*; 長瀬 颯太*; 中村 建斗*; 矢口 陽樹*; 石井 俊晃; 中野 優美*; et al.
JAEA-Technology 2024-008, 23 Pages, 2024/07
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2023年度夏期休暇実習において、3つの大学から5名が参加した。参加者は、HTTR炉心の解析、強制冷却機能喪失時の挙動解析、一次冷却系統のヨウ素沈着挙動解析、高温ガス炉用エネルギー貯蔵システムの概念検討について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
根本 隆弘; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 長山 侑矢; 長住 達; 長谷川 俊成; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; et al.
JAEA-Technology 2024-003, 17 Pages, 2024/06
RS-14サイクルに発生した1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇の原因を調査するため、フィルタ付着物を調査した。調査の結果、フィルタエレメント表面にシリコンオイルに起因する付着物を確認した。この結果から、フィルタ差圧上昇の原因は、1次ヘリウム純化設備ガス循環機のチャコールフィルタの性能劣化により、1次系内にシリコンオイルが混入したためであることが明らかとなった。また、この再発防止対策として、従来の1次ヘリウム純化設備ガス循環機の運転時間による管理に加え、チャコールフィルタの交換頻度を3年毎とする定期交換計画を新たに策定した。
西條 友章; 水田 直紀; 長谷川 俊成; 菅沼 拓朗; 島崎 洋祐; 石原 正博; 飯垣 和彦
JAEA-Technology 2024-002, 96 Pages, 2024/06
HTTR(高温工学試験研究炉)の炉心には、耐熱性に優れた原子炉級黒鉛材料が使用されている。この黒鉛材料は、温度や中性子照射により物性値が変化するとともに、照射変形やクリープ変形など複雑な挙動を示すため、黒鉛用の応力解析コードを開発してきた。これを用いて、中性子照射とともに蓄積する残留ひずみによる炉停止時応力などを評価してきたが、温度や中性子照射によるヤング率、熱膨張係数等の物性値の変化が炉停止時応力等に与える影響については、十分に把握されていない。そこで、物性値の変化や複雑な変形が及ぼす運転時及び原子炉停止時に発生する応力への影響を明らかにし、黒鉛構造物の長寿命化開発等に資することを目的として、簡易はりモデルを基にした評価モデルを開発した。本報告書では、本モデルを用いて、600Cから800
Cの温度域にある黒鉛構造物について、物性値の照射変化による運転時応力及び炉停止時応力への影響を明らかにした。
長谷川 俊成; 長住 達; 根本 隆弘; 中嶋 國弘; 横山 佳祐; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 飯垣 和彦; 猪井 宏幸; 川本 大樹
Proceedings of 2024 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/06
2021年のHTTR(高温工学試験研究炉)の運転中に発生した1次ヘリウム循環機フィルタ差圧上昇の原因を調べるために、フィルタエレメントとその付着物に対してSEM観察とEDX解析を実施した。フィルタエレメント表面に対するSEM観察の結果、ろ過孔よりも小さい塊状の付着物及び繊維状の付着物並びにろ過孔よりも大きい棒状付着物を確認した。付着物に対するEDX解析の結果、塊状の付着物及び繊維状付着物に1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルを含むことを示唆し、棒状付着物は1次冷却設備の二重管に使用される断熱材であることを示した。1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルは同機器に用いられている活性炭フィルタから漏れ出たものと考えられる。その後、気化し炉心を通過後、1次ヘリウム循環機のフィルタエレメントにトラップされたものと考えられる。シリコンオイルを含む付着物はフィルタエレメント全体に存在していたことから、ろ過孔が小さくなり流路抵抗が増加することで当該フィルタの差圧が上昇した可能性がある。断熱材は主にフィルタエレメントの下部に現れておりフィルタの目詰まりとは無関係であった。したがって、シリコンオイルが当該フィルタの差圧上昇に寄与した可能性があり、過去のフィルタ差圧上昇の原因であった黒鉛粉末は今回の事象とは無関係であった。
渡辺 賢一*; 須貝 優介*; 長谷川 創大*; 人見 啓太朗*; 野上 光博*; 篠原 武尚; Su, Y. H.; Parker, J. D.*; Kockelmann, W.*
Sensors and Materials, 36(1), p.149 - 154, 2024/01
被引用回数:2 パーセンタイル:83.81(Instruments & Instrumentation)Thallium bromide (TlBr) semiconductor detectors are promising candidates for high-detection-efficiency, high-energy-resolution, and room-temperature gamma-ray spectrometers. In this study, we conducted neutron Bragg dip and electron backscatter diffraction (EBSD) imaging of TlBr crystals to measure the crystal orientation distribution. We confirmed that crystal grains were continuous over a certain distance along the solidification direction for samples fabricated with the current growth procedure.
田村 文彦; 沖田 英史; 發知 英明*; Saha, P. K.; 明午 伸一郎; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 清矢 紀世美*; 杉山 泰之*; et al.
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.64 - 68, 2023/11
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質・生命科学実験施設(MLF)およびメインリング(MR)に大強度陽子ビーム供給を行っている。RCSのハーモニック数hは2で、通常は2つのバンチを加速している。MLFのいくつかの実験では1バンチでのビーム供給が好ましいが、この場合1つのRFバケツを空きバケツとして加速を行うため、ビーム強度は半分となってしまう。RCSのハーモニック数を1として加速できれば、1バンチあたりの強度は2倍となり、最大強度での1バンチビーム供が可能となる。一方MRは、バンチあたりの粒子数を設計より上げることができるならば、1バンチずつ8回の入射を行うことで現在の設計ビームパワー1.3MWを超える運転ができる可能性がある。本発表では、主にRCSでの縦方向シミュレーションによるh=1加速の検討について報告する。
美崎 慧*; 三輪 寛子*; 伊藤 孝; 吉田 健文*; 長谷川 慎吾*; 中村 由紀奈*; 徳竹 駿太*; 高畠 萌*; 下村 浩一郎*; Chun, W.-J.*; et al.
ACS Catalysis, 13(18), p.12281 - 12287, 2023/09
被引用回数:6 パーセンタイル:52.70(Chemistry, Physical)The direct alkylation of benzenes with simple alkanes is one of the ideal processes for the production of alkylbenzenes. We demonstrated that Pd nanoparticles on the outer surface of H-ZSM-5 are efficient catalysts for direct alkylation. The reaction proceeds through the activation of an alkane on the acid sites present inside the zeolite pores. This process is followed by the nucleophilic addition of an arene to the activated alkane. The spillover of the abstracted hydrogen atoms from the acid sites to the Pd nanoparticles on the outer surface accelerates recombination to H. A maximum toluene conversion of 58.5% and selectivity of 95.6% for the alkylated products are achieved when toluene is reacted with
-heptane.
-selective alkylation is achieved, due to the effect of the pore size of H-ZSM-5. The
SR study of muonium, a pseudo-isotope of hydrogen, in aluminosilicates suggested that the formation of atomic hydrogen is possible and its lifetime is in the sub-microsecond range or longer, which is long enough for chemical reactions.
玉造 博夢; 長谷川 巧*; 佐賀山 基*; 水牧 仁一朗*; 村上 洋一*; 梶谷 丈*; 東中 隆二*; 松田 達磨*; 青木 勇二*; 筒井 智嗣*
Physical Review B, 107(2), p.024303_1 - 024303_8, 2023/01
被引用回数:1 パーセンタイル:18.74(Materials Science, Multidisciplinary)The phonon dispersion of a BiS-based superconductor LaBiS
O
F
is investigated by first-principles calculations and inelastic X-ray scattering experiments. The origin of superlattice (SL) reflections arising from transverse-type lattice modulation, which were recently reported in [J. Kajitani
., J. Phys. Soc. Jpn.
, 103601 (2021)], is discussed in terms of lattice dynamics. Our first-principles calculations of phonon dispersion and the Fermi surfaces (FSs) demonstrate that the phonon mode corresponding to the transverse-type lattice modulation is unstable, and the propagation vector corresponding to the SL reflections is close to the FS nesting vector, which suggests that the phonon softening originates from the FS nesting. Against these calculated expectations, measured phonon dispersion in LaBiS
O
F
along the Z-A direction, where the SL point is located, shows no remarkable temperature dependence, and there are no steeply declining branches accompanied with a softening around the SL point. Based on these results, we discuss the two possibilities for the transverse lattice modulation in LaBiS
O
F
: the order-disorder type structural transition and the displacive structural transition with an overdamped mode, for both of which the local structure distortion or the short range correlation within the BiS
plane would be essential.
嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 佐藤 光*; 長谷川 和輝*; 小原 秀樹*; 駒井 史雄*; 吉野 浩教*; 青木 昌彦*; 細川 洋一郎*
Radiotherapy and Oncology, p.109444_1 - 109444_9, 2023/00
被引用回数:3 パーセンタイル:49.33(Oncology)非小細胞肺癌を治療する際、一度に大線量を照射する定位放射線療法が使用される。この治療計画と治療効果の関係は、一般的に線量と細胞死の関係を予測する数理モデルにより評価される。そのモデルパラメーターの数値は生物実験により決定できるが、臨床では治療成果の経験に基づき決定されるため、実験研究と臨床研究ではパラメータ決定の手法と数値に違いがある。以上の背景から、細胞実験で測定される細胞死と臨床の治療効果を結びつける橋渡し研究を進めた。ここでは、その相違の要因として考えられる癌幹細胞に着目し、細胞死と臨床成果を同時に予測可能な数理モデル(integrated microdosimetric-kinetic (IMK) model)を開発し、弘前大学病院における非小細胞肺癌の定位放射線療後の臨床治験に対して遡及的評価を行った。その結果、癌幹細胞を考慮したIMKモデルを用いることで、広範囲の線量域(0-15Gy)に対する細胞死と様々な治療計画(一回線量6-10Gy)に対する治療成果を同時に再現することに成功した。開発した数理モデルにより、癌幹細胞が臨床の治療効果に与える影響の正確な理解、これに基づく治療効果の予測技術の高精度化が期待できる。
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:7 パーセンタイル:79.63(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
長谷川 俊成; 深谷 裕司; 植田 祥平; 後藤 実
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 5 Pages, 2021/08
商用高温ガス炉燃料の製造工程中における臨界安全対策としてBPクレジット概念が提案されており、その実用化の為にBP(ホウ素,ガドリニウム,エルビウム,ハフニウム)混合UO燃料核の製造性を検討した。ホウ素混合燃料核はホウ酸粉末とU
O
粉末を混合して製造し、その他のBP混合燃料核についてはBPの硝酸塩粉末とU
O
粉末を混合して製造する。熱処理工程後にBPが燃料核内に存在していることを確かめるために、熱力学平衡解析により燃料核内におけるBPの状態を予測した。ホウ素を混合する場合、450
C以上で融解・気化する結果を示し、ホウ素混合燃料核の製造が困難であることが分かった。一方でガドリニウム,エルビウム,ハフニウムを混合する場合、固体酸化物に変化し2000
Cにおいても融解・気化せず、燃料製造性に問題がないことが分かった。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011050_1 - 011050_6, 2021/03
加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.43GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、アルミ及び銅を試料として用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。
田村 潤; 近藤 恭弘; Yee-Rendon, B.; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 長谷川 和男; 加古 永治*; 梅森 健成*; 阪井 寛志*; 許斐 太郎*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011049_1 - 011049_6, 2021/03
The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) is proposing an accelerator-driven subcritical system (ADS) as a future project to transmute long-lived nuclides to short-lived or stable ones. In the JAEA-ADS, a high-power proton beam of 30 MW with the beam energy of 1.5 GeV and with the beam current of 20 mA at an exit of the accelerator is required with sufficient reliability. Furthermore, the linac needs to be operated in a continuous wave (CW) mode in order to be compatible with the reactor operation. Since a normal conducting structure raises a difficulty in cavity cooling under the CW operation, a superconducting (SC) linac would be a suitable solution. As the first step toward the complete design of the JAEA-ADS linac, we are planning to demonstrate a high-field measurement by manufacturing a prototype spoke cavity. It will provide us an insight for the development of the low-beta SC cavity. It will also enable us to acquire valuable information such as the accelerating gradient under the stable operation. In this symposium, the RF design of the prototype cavity including multipacting analysis is presented.
Yee-Rendon, B.; 田村 潤; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011043_1 - 011043_5, 2021/03
原子力機構(JAEA)では、放射性廃棄物の有害度低減を目的とし加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を行っている。JAEAが提案するADSは、30MWのCW陽子リニアックと未臨界炉の結合で構成される。陽子の運動エネルギー1.5GeVの到達のため、常電導高周波キャビティ(NRFC)と超電導高周波キャビティ(SRFC)が用いられ、SRFCは2MeVから1.5GeVまでの加速の主要部分に用いられる。加速器開発の第一段階として、SRFCのモデルとビーム光学系の設計と最適化に重点が置いた。SRFCでは、半波長共振器(HWR),シングルスポーク(SS),楕円空洞(Ellip)をそれぞれ162, 324, 648MHzで動作させて加速する。ビーム光学系は、等分割条件を満たすように最適化されており、エミッタンス増長の抑制により、ビームのハローとロスを低減することができた。
Yang, Z. H.*; 久保田 悠樹*; Corsi, A.*; 吉田 数貴; Sun, X.-X.*; Li, J. G.*; 木村 真明*; Michel, N.*; 緒方 一介*; Yuan, C. X.*; et al.
Physical Review Letters, 126(8), p.082501_1 - 082501_8, 2021/02
被引用回数:55 パーセンタイル:96.38(Physics, Multidisciplinary)ボロミアン核であり中性子ハロー構造が期待されるBに対する(
,
)反応実験を行った。断面積の運動量分布を分析することで、
と
軌道の分光学的因子を決定した。驚くべきことに、
の分光学的因子は9(2)%と小さいことが明らかになった。この結果は、連続状態を含むdeformed relativistic Hartree-Bogoliubov理論によってよく説明された。本研究の結果によると、現在知られているハロー構造を持つとされる原子核の中で
Bは
および
軌道の成分が最も小さく、
または
軌道成分が支配的であることが必ずしもハロー構造の前提条件ではない可能性を示唆している。
松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(10), p.1141 - 1151, 2020/10
被引用回数:14 パーセンタイル:82.45(Nuclear Science & Technology)加速器駆動型核変換システム(ADS)等の陽子ビーム加速器施設におけるビーム窓などの構造材の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(dpa)が損傷指標として広く用いられる。dpaの評価は弾き出し断面積に基づいて行われるものの、20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対する弾き出し断面積の実験データは乏しく、計算モデルの間でも約8倍の差が存在している。このため、弾き出し断面積を実験的に取得するのは計算に用いるモデルの評価のために重要となる。弾き出し断面積の取得のため、J-PARCの加速器施設において、0.4-3GeVにわたる陽子エネルギー領域における銅と鉄の断面積を測定した。弾き出し断面積は、損傷を保持するために極低温に冷却された試料における、陽子ビームに金する抵抗率変化により得ることができる。本測定で得られた実験結果を元に、計算モデルの比較検討を行った。広く用いられているNorgertt-Robinson-Torrens (NRT)モデルは、実験値を3.5倍過大評価することが判明した。一方、近年の分子動力学に基づく非熱的再結合補正(arc)モデルは実験値をよく再現したため、銅と鉄の損傷評価にはarcモデルを使うべきであると結論づけられた。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
EPJ Web of Conferences, 239, p.06006_1 - 06006_4, 2020/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.43GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、試料には銅を用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。
糸井 弘行*; Ninomiya, Takeru*; 長谷川 英之*; Maki, Shintaro*; Sakakibara, Akihiro*; 鈴木 隆太郎*; 笠井 湧斗*; 岩田 博之*; 松村 大樹; 大和田 真生*; et al.
Journal of Physical Chemistry C, 124(28), p.15205 - 15215, 2020/07
被引用回数:9 パーセンタイル:37.04(Chemistry, Physical)We demonstrate reversible charge/discharge in ruthenocene, RuCp (Cp =
-C
H
), using activated carbon (AC) as a support. Upon subsequent electrochemical oxidation using an aqueous H
SO
electrolyte, the clusters are disassembled and the RuCp
molecules are finely dispersed in the micropores. The resulting RuCp
has a large contact area with conductive carbon surfaces, thereby realizing rapid charge transfer at the contact interface. Consequently, rapid charge storage occurs via the reversible redox reaction of the supported RuCp
in aqueous H
SO
without dimerization or disproportionation reactions, which is confirmed by X-ray absorption spectroscopy. Since hybridization can produce different properties of the host and guest materials, their infinite combinations would have the possibility to yield properties far surpassing those of existing materials.
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.061004_1 - 061004_6, 2020/02
核変換システム等の陽子加速器施設では、標的や窓等の構造材に関する損傷の評価が重要となる。構造材の損傷評価には、原子あたりの弾き出し数(DPA)が広く用いられており、カスケードモデルに基づく計算で得られた弾き出し断面積に粒子束を乗ずることで得られる。DPAによる損傷評価は広く一般的に用いられているものの、20MeV以上のエネルギー範囲における陽子に対する弾き出し断面積の実験データは十分でなく、計算モデル間で約8倍異なることが報告されており構造材の弾き出し断面積の実験データ取得が重要となる。そこで、我々はJ-PARCセンターの3GeV陽子加速器施設を用い、400MeV以上のエネルギー範囲の陽子の弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し損傷断面積は、冷凍機で極低温(4K)に冷却された試料に陽子ビームを照射し、照射に伴う抵抗率の変化により得ることができる。実験で得られた断面積とPHITSコードに一般的に用いられるNRTモデルを用いて計算した結果、計算は実験を3倍程度過大評価を示した。一方、Nordlund等による最新モデルの結果は実験をよく再現し、これまでのNRTモデルに基づく標的等の弾き出し損傷は過大評価していることが明らかになった。